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ITサービスマネージャ 2012年 午前2 問06


問題文

次の文章は、法人顧客向けITサービス提供者のサービスデスクとサポートチームの行動である。明らかに改善が必要なマネジメントプロセスはどれか。
ある顧客から特定の処理結果に誤りがあるのではないかというクレームがあった。クレームを受けた担当者は緊急度が低いと判断し、インシデントとして記録した後、技術サポートチームに調査を依頼した。技術サポートチームが調査した結果、プログラムのバグが原因と判明し、問題レコードを記録して変更要求(RFC)を提起した。変更管理チームは変更を完了させて関係者に連絡した後、その変更をクローズした。変更のクローズを受け、サービスデスクはクレームに対して回答するために、既知のエラーデータベースを参照したが、処置内容が登録されていなかったので回答できなかった。

選択肢

ア:イベント管理
イ:インシデント管理
ウ:変更管理
エ:問題管理(正解)

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問題管理【午前2解説】

正解の理由

技術サポートチームは、処理結果の誤りの原因がプログラムのバグであると特定し、問題レコードを作成しています。その後、変更要求(RFC)に基づく修正も完了しています。
しかし、サービスデスクが顧客に回答するために既知のエラーデータベースを参照しても、処置内容が登録されていません。原因や対処方法を記録し、サービスデスクなどの関係者が利用できるようにするのは、問題の特定・管理を担う問題管理の役割です。
したがって、明らかに改善が必要なプロセスはエです。

解法ステップ

  1. 顧客のクレームをインシデントとして記録しています。これは、発生した事象を管理する対応です。
  2. 技術サポートチームがプログラムのバグを特定し、問題レコードを作成しています。ここから問題管理の活動が始まっています。
  3. 修正のためにRFCを提起し、変更を完了しています。変更管理の活動自体は行われています。
  4. サービスデスクが参照した既知のエラーデータベースに処置内容がないため、問題管理での記録・共有が不十分だったと判断します。

選択肢別の誤答解説

  • ア:イベント管理
    イベント管理は、ITサービスや構成アイテムから発生するイベントを監視・記録し、適切な対応につなげるプロセスです。この問題の中心は、監視イベントへの対応ではありません。
  • イ:インシデント管理
    インシデント管理は、サービスの中断や品質低下に対応し、できるだけ早くサービスを復旧させることが目的です。クレームをインシデントとして記録し、調査を依頼したこと自体は、問題文から明らかな不備とはいえません。
  • ウ:変更管理
    変更管理は、RFCに基づく変更を評価・承認・実施し、変更に伴うリスクを管理します。変更後にサービスデスクが回答できない直接の原因は、変更の実施ではなく、既知のエラーに関する情報が登録されていないことです。
  • エ:問題管理
    問題管理は、インシデントの根本原因を特定し、既知のエラーや回避策などを記録・共有します。今回、原因が判明して修正も完了したのに、サービスデスクが必要な処置内容を確認できないため、問題管理に改善が必要です。

よくある誤解

  • バグの修正が完了すれば、問題管理も十分だと思う
    修正の実施だけでなく、原因や対処方法を記録し、関係者が参照できる状態にすることも重要です。
  • RFCを処理した変更管理が、既知のエラー情報も管理すると考える
    変更管理は変更の計画・承認・実施を管理します。根本原因や既知のエラー情報の管理は、問題管理の役割です。
  • インシデント管理と問題管理を同じものと考える
    インシデント管理はサービスの迅速な復旧を重視し、問題管理はインシデントの原因特定や再発防止を重視します。

補足コラム

既知のエラーデータベースは、一般にKEDB(Known Error Database)と呼ばれます。既知のエラーの原因や回避策などを記録し、サービスデスクが問い合わせ対応やインシデント解決に活用できるようにします。
問題管理では、根本原因が判明した問題を既知のエラーとして扱い、回避策や恒久的な解決策を記録・共有します。変更による修正が完了しても、必要な情報がKEDBに反映されていなければ、サービスデスクは適切に顧客へ回答できません。

FAQ

Q. 問題レコードを作成しているのに、なぜ問題管理の改善が必要なのですか?
A. レコードを作成するだけでは不十分です。原因や処置内容を既知のエラー情報として記録し、サービスデスクなどが参照できるようにする必要があります。
Q. RFCを提起した時点で、問題管理の役割は終わりますか?
A. いいえ。RFCの提起は解決策の変更に進むための活動です。問題の原因や対処方法の記録・共有も必要です。
Q. 既知のエラー情報があれば、問題そのものが解決していなくても役立ちますか?
A. はい。恒久的な修正が完了する前でも、回避策を共有できれば、サービスデスクが顧客への案内やインシデント対応に活用できます。

関連キーワード: 問題管理、インシデント管理、変更管理、既知のエラー、KEDB、RFC
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