ITサービスマネージャ 2018年 午後1 問01
ITサービスの継続性に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
F社は、医療品製造・販売会社である。F社の情報システム部は、製造部が利用する生産管理サービス及び財務部が利用する財務会計サービスを提供している。
〔サービスの概要〕
生産管理サービスは生産管理システムで、財務会計サービスは財務会計システムで提供されている。各システムでは、オンライン処理とバッチ処理を行う。各サービスの概要を表1に、F社のシステム構成を図1に示す。

〔システムの運用〕
情報システム部の担当者は、オンライン処理の前に、システムの立上げと動作確認を行うオンライン起動処理を実施し、オンライン処理の後に、オンライン停止処理を実施する。また、オンライン停止処理終了後は、バッチ処理を実施する。平日の運用スケジュールを表2に示す。

〔被災時の事業継続計画の検討〕
近年、大規模地震などの自然災害によってITサービスが停止するなどの被災例が報告されている。そこで、F社の経営層は、F社のITサービスのオンライン処理時間帯に、本社及び工場のある関東地区で大規模地震が発生した場合を想定して、事業継続計画(以下、BCPという)を策定するよう、経営企画部に指示した。
F社の事業継続管理を担当している経営企画部のL氏は、F社にとって特に重要な医療品を安定供給できるように、関連部門と連携して事業影響度分析を実施することにした。事業影響度分析の概要は次のとおりである。
・分析対象業務を決定し、目標復旧時間(RTO)、目標復旧時点(RPO)及び目標復旧レベル(RLO)を検討する。
また、大規模地震による被災の影響調査では、次のことが分かっている。
・工場は被災した2日後から稼働可能である。サーバ室を含む本社は約1週間使用できず、全面復旧までには数週間必要である。
全面復旧までの間は業務再開フェーズとして事業を継続する必要がある。事業影響度分析の結果(抜粋)を表3に示す。

L氏が、生産管理業務と財務会計業務について調査したところ、業務再開フェーズにおいてもF社のITサービスの利用が必須であることが判明した。そこで、サービス継続計画の検討を、情報システム部のITサービスマネージャのR氏に依頼した。
〔サービス継続計画の検討〕
R氏は、関東地区で大規模地震が発生した場合を想定して、サービス継続計画案の検討に着手した。その案とは、業務再開フェーズの限定された勤務時間に合わせてサービスの提供時間を短縮できることから、財務会計システムを関西地区の支社の生産管理サーバで運用するというものである。R氏の調査・検討の経緯は、次のとおりである。
(1) 財務部における業務再開フェーズの運用
・業務再開フェーズでの財務会計業務は、関西地区の支社の財務部員だけで行う。
・生産管理業務が実施された後で、日々必要な最低限度の業務として当日中に確認する財務会計業務があるので、生産管理業務が完了後、財務会計業務を実施する。
・勤務時間帯は、夜間を含めて柔軟に対処するが、RLOで計画した4時間は勤務する。
(2) 生産管理システム、財務会計システムの順番で運用するときの変更点の確認と運用の設計
・生産管理システムと財務会計システムを同一のサーバで運用する場合のシステムリソースは、二つのサービスに対応するデータを格納するためのストレージの容量が必要となるが、関西地区にある生産管理システムのストレージには現在余裕があり、必要な容量を確保可能である。
・生産管理システムのオンライン停止処理終了後に財務会計システムのオンライン起動処理を開始する運用にすることで、1台のサーバで生産管理システムと財務会計システムを運用することができる。
(3) 生産管理システムと財務会計システムを切り替えて運用するときの設計
・BCP発動から、業務再開フェーズとなるまでの間に、関西地区の支社サーバ室の生産管理サーバとストレージに財務会計システムの稼働環境を整える。
・本社サーバ室から財務会計システムのフルバックアップデータを取り寄せて、データの復元と復元後の確認を行う。
・業務再開フェーズでの生産管理システムと財務会計システムの運用は、生産管理システムのオンライン起動処理、オンライン処理及びオンライン停止処理を行った後に、財務会計システムのオンライン起動処理、オンライン処理及びオンライン停止処理を行う。その後、生産管理システムのバッチ処理に続いて財務会計システムのバッチ処理を行う。
〔財務会計システムの運用の検討〕
R氏は、財務部から、“生産管理業務と同じように、財務会計業務のRPOを(ア)障害発生時点としたい”という要望を受けた。そこで、R氏は、磁気テープのフルバックアップデータとDB更新ログの情報を用いて会計DBを回復させる運用を検討し、次の手順で回復させることにした。
・BCP発動から、業務再開フェーズとなるまでの間に、関西地区の支社サーバ室の生産管理サーバとストレージに財務会計システムを稼働できる環境を整え、財務会計システムを起動する。
・前日のバッチ処理のフルバックアップデータから、当日のオンライン起動処理直前の状態にデータを復元する。
・障害発生直前までのDB更新ログの情報を用いて、会計DBを回復する。
R氏が、回復手順及び財務会計システムの運用を机上で確認したところ、DB更新ログの運用上の問題点があることが分かり、対策を検討した。
〔訓練の実施〕
R氏は、サービス継続計画を社内に定着させ、対応能力の向上につなげるための訓練の実施を計画した。今回の訓練では、関東地区の本社サーバ室が被災し、サーバが稼働できない事態を想定した。
訓練には、情報システム部及びサービス利用部門の財務部と製造部が参加した。情報システム部の担当者は、財務会計システムを生産管理サーバで運用するために必要な作業を行った後、確認作業をサービス利用部門に依頼した。確認作業依頼の連絡は、各部門に配付されている緊急時連絡先リストの印刷物(以下、連絡表という)に従って行った。その際、財務部の担当者への連絡に想定以上の時間が掛かってしまった。
訓練実施後、R氏が今回の訓練について調査したところ、次の問題点が判明した。
・連絡表に記載されていたのは、担当者が複数の場合はその担当者の代表者1名であり、代表者の電話番号が最新化されていなかった。
連絡表の内容は、情報システム部が一括管理している。R氏は、(イ)連絡表の内容を見直し、定期的に連絡先が最新かどうかを確認することにした。
最新の連絡表の情報は、本社ファイルサーバに保存し、連絡表を各部門に配付することになっている。訓練では、連絡表の連絡先に連絡できなかったとき、情報システム部の担当者は本社ファイルサーバに保存されている情報を確認して適切な連絡先を検索しようとした。しかし、本社ファイルサーバを利用できないので、確認できなかった。そこで、R氏は、本社ファイルサーバを利用できないときでも最新の連絡表の情報を参照できるように(ウ)システムを使った対策を実施した。
設問1:〔サービス継続計画の検討〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る財務会計システムの運用上の問題点を、サービス継続の観点から40字以内で述べよ。
模範解答
本社サーバ室が被災するとバックアップを含むデータを喪失する。
解説
解答の導き方
-
この設問は、財務会計システムを被災後に継続するうえで、データの保管方法にどのような問題があるかを問うています。まず、復旧に必要なデータがどこに保管されているかを確認します。
-
表2には、バッチ処理の最終工程でフルバックアップを磁気テープに記録し、その磁気テープを「システムが稼働している当該サーバ室に保管している」とあります。つまり、財務会計システムのバックアップは、本社のサーバ室にあります。
-
一方、オンライン処理で取得するDB更新ログは、財務会計システムのストレージに記録されています。問題文の回復手順では、前日のフルバックアップからデータを復元した後、DB更新ログを使って会計DBを障害発生直前まで回復します。
-
ところが、想定している災害では本社が約1週間使用できず、サーバ室も被災します。フルバックアップの磁気テープとDB更新ログが本社サーバ室に集中しているため、被災によってバックアップも復旧に必要なデータも失われるおそれがあります。関西地区のサーバで財務会計システムを運用できるようにしても、復旧に使うデータを取り出せなければ、会計DBを回復できません。
-
したがって問題の核心は、バックアップや更新データを本番システムと同じ被災場所に保管していることです。サービス継続の観点では、被災時に復旧データまで同時に失う構成が問題になります。
誤りやすいポイント
- 「本社サーバ室が約1週間使用できない」というサービス停止だけに注目し、復旧に必要なデータの保管場所を見落とすことがあります。
- フルバックアップだけでなく、フルバックアップから障害発生直前までの状態に回復するためのDB更新ログも確認する必要があります。
- 支社のサーバで財務会計システムを動かせることと、会計DBを復旧できることは別です。移行先のサーバがあっても、復旧用データが被災場所にしかなければ復旧できません。
- バックアップを取得しているという事実だけでは、災害対策として十分とはいえません。本番データとバックアップの保管場所が同じ災害の影響を受けないかが重要です。
FAQ
Q: フルバックアップがあるのに、なぜデータを喪失するのですか?
A: フルバックアップの磁気テープも本社サーバ室に保管されています。本番データと同じ場所が被災すると、バックアップも同時に失われる可能性があるためです。
A: フルバックアップの磁気テープも本社サーバ室に保管されています。本番データと同じ場所が被災すると、バックアップも同時に失われる可能性があるためです。
Q: DB更新ログは何のために使いますか?
A: フルバックアップ取得後の更新を反映し、会計DBを障害発生直前の状態まで回復するために使います。このログも同じ被災場所にある点が問題です。
A: フルバックアップ取得後の更新を反映し、会計DBを障害発生直前の状態まで回復するために使います。このログも同じ被災場所にある点が問題です。
Q: サービス継続のためには、どのような保管が望ましいですか?
A: 本番システムのある場所が被災しても復旧に使えるよう、バックアップや更新ログを別の場所にも保管する方法が考えられます。
A: 本番システムのある場所が被災しても復旧に使えるよう、バックアップや更新ログを別の場所にも保管する方法が考えられます。
関連キーワード: バックアップ、DB更新ログ、データ復旧、災害対策、オフサイト保管
設問1(2)
問題文を見る(1)の問題点の解決策を、35字以内で述べよ。
模範解答
バックアップの磁気テープのコピーを関西地区のサーバ室にも保管する。
解説
解答の導き方
この設問では、財務会計システムを関西地区で再開する際に、データを復元できるようにする対策を考えます。
まず、業務再開フェーズは大規模地震の「2日後から」とされています。一方、本社は「約1週間使用できず」、全面復旧にも数週間必要です。したがって、本社の復旧を待たずに、関西地区で財務会計システムを再開できる準備が必要です。
本文では、関西地区の生産管理サーバで財務会計システムを運用するための環境を整え、本社サーバ室から財務会計システムのフルバックアップデータを取り寄せて復元する計画です。しかし、運用スケジュールの説明によると、フルバックアップを記録した磁気テープは「システムが稼働している当該サーバ室に保管」されています。財務会計システムのサーバ室は本社にあるため、本社が使用できない間は、復元に必要な磁気テープも取り出せない可能性があります。
つまり、関西地区でシステムを動かすサーバを用意しても、復元用データが被災した本社にしかなければ、業務再開フェーズまでにデータを復元できません。バックアップデータも本社とは別の場所で利用できるようにする必要があります。そのため、バックアップの磁気テープのコピーを関西地区のサーバ室にも保管する対策につながります。
誤りやすいポイント
- 関西地区で財務会計システムを動かすサーバが使えることと、復元に必要なデータが使えることを混同しないようにします。サーバだけ用意しても、バックアップが本社にあれば復元できません。
- バックアップの磁気テープは、システムが稼働しているサーバ室に保管されています。したがって、本社が被災すると、サーバだけでなくバックアップも利用できなくなるおそれがあります。
- DB更新ログの運用上の問題と、バックアップ磁気テープの保管場所の問題は別です。この設問では、災害時にフルバックアップデータを利用できるようにする対策を考えます。
FAQ
Q: バックアップの原本を関西地区へ移せばよいのではないですか?
A: 本社側の復旧にも備えられるよう、原本を残したうえでコピーを別の場所に保管する考え方です。
A: 本社側の復旧にも備えられるよう、原本を残したうえでコピーを別の場所に保管する考え方です。
Q: 関西地区にバックアップを保管すると、どの問題を解消できますか?
A: 本社のサーバ室が使えないときでも、関西地区で財務会計システムを復元するためのデータを利用できるようになります。
A: 本社のサーバ室が使えないときでも、関西地区で財務会計システムを復元するためのデータを利用できるようになります。
関連キーワード: オフサイト保管、フルバックアップ、災害復旧、RTO、事業継続計画
設問1(3)
問題文を見る財務会計システムのオンライン処理の時間を最も長くする場合のオンライン処理の開始時刻と終了時刻を答えよ。ここで、生産管理システムのオンライン処理時間帯は、13:00~16:00とする。また、財務部及び情報システム部の勤務時間並びに各システムの予備時間帯は考慮しなくてよいものとする。
模範解答
開始時刻:17:00
終了時刻:(翌日)0:00 又は 24:00
解説
解答の導き方
-
まず、生産管理システムのオンライン処理時間帯は、問題で指定された13:00~16:00です。表2ではオンライン起動処理とオンライン停止処理がそれぞれ30分なので、生産管理システムは12:30に起動処理を開始し、16:30に停止処理を終えます。
-
財務会計システムは、生産管理システムの停止後に運用します。したがって、財務会計システムのオンライン起動処理は16:30から始まり、30分後の17:00からオンライン処理を開始できます。
-
次に、財務会計システムのオンライン処理を何時まで続けられるかを考えます。本文では「生産管理システムのバッチ処理に続いて財務会計システムのバッチ処理を行う」とあります。次の日も生産管理システムのオンライン処理を13:00に始めるには、その起動処理が始まる12:30までに、両システムのバッチ処理を終えておく必要があります。
-
表2から、生産管理システムのバッチ処理は6時間30分、財務会計システムのバッチ処理は5時間30分です。合計は12時間です。なお、表2の注記により、これらの時間にはバッチ処理の起動及び停止の時間も含まれます。
-
財務会計システムのバッチ処理より前には、財務会計システムのオンライン停止処理が必要です。これも表2から30分です。したがって、次の日の12:30から12時間分のバッチ処理と30分の停止処理を逆算すると、財務会計システムのオンライン処理は、その日の24:00までに終える必要があります。よって、17:00に開始し、翌日0:00に終了する時間帯が、オンライン処理を最も長くできる設定です。
誤りやすいポイント
- 財務会計システムを生産管理システムより先に運用すると考えないようにします。本文では、生産管理システムのオンライン停止後に財務会計システムを運用する順序です。
- 財務会計システムのオンライン処理終了後、すぐにバッチ処理を始めるわけではありません。オンライン停止処理の30分も必要です。
- バッチ処理の起動・停止時間を、表2のバッチ処理時間に加えて二重に見積もらないようにします。注記で、バッチ処理時間に含まれると示されています。
- 次の日の財務会計システムの起動時刻ではなく、生産管理システムの起動処理開始時刻である12:30を、バッチ処理の終了期限として考えます。
FAQ
Q: 財務会計システムの通常のオンライン処理時間帯である9:00~20:00は、終了時刻の制約になりませんか?
A: この設問では、業務再開フェーズの運用としてオンライン処理時間を設定します。さらに、財務部及び情報システム部の勤務時間と予備時間帯は考慮しない指定なので、運用順序と次の日の処理開始に間に合うかで判断します。
A: この設問では、業務再開フェーズの運用としてオンライン処理時間を設定します。さらに、財務部及び情報システム部の勤務時間と予備時間帯は考慮しない指定なので、運用順序と次の日の処理開始に間に合うかで判断します。
Q: なぜオンライン処理の終了時刻が翌日0:30ではないのですか?
A: オンライン処理の後に30分のオンライン停止処理があり、その後にバッチ処理を行うためです。バッチ処理の開始に間に合わせるには、オンライン処理を0:00までに終える必要があります。
A: オンライン処理の後に30分のオンライン停止処理があり、その後にバッチ処理を行うためです。バッチ処理の開始に間に合わせるには、オンライン処理を0:00までに終える必要があります。
Q: バッチ処理に必要な時間は、どのように求めますか?
A: 表2の時間帯から、生産管理システムは18:30から翌日1:00まで、財務会計システムは20:30から翌日2:00までの所要時間を求め、順番に実施するため合算します。
A: 表2の時間帯から、生産管理システムは18:30から翌日1:00まで、財務会計システムは20:30から翌日2:00までの所要時間を求め、順番に実施するため合算します。
関連キーワード: オンライン処理、バッチ処理、起動処理、停止処理、運用スケジュール
設問2:〔財務会計システムの運用の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線(ア)という要望が実現した場合の、財務部の財務会計サービス利用者にとっての利点を、40字以内で述べよ。
模範解答
オンライン処理で入力した障害発生時点までの会計伝票の再入力が不要になる。
解説
解答の導き方
-
まず、財務会計業務では「会計伝票を入力し、会計DBを更新している」とあります。したがって、オンライン処理で入力した会計伝票は、会計DBに反映されるデータです。
-
現在のRPOは「前日の終業時点」です。この時点までしかデータを戻せない場合、当日のオンライン処理で入力した会計伝票は、復旧後の会計DBに反映されません。そのため、利用者が改めて入力する必要があります。
-
要望どおりRPOを「障害発生時点」とし、障害発生直前までのDB更新ログを使って会計DBを回復できれば、当日のオンライン処理で入力した会計伝票も復旧後のデータに反映されます。よって、財務会計サービスの利用者は、障害発生時点までに入力した会計伝票を再入力せずに済みます。
誤りやすいポイント
- RPOは、復旧にどの時点のデータまで反映させるかを示す目標です。サービスを何日後に再開するかを示すRTOと混同しないようにします。
- 利点を「会計DBを復旧できる」とだけ述べると、利用者にとって何が改善するのかが不明確です。再入力が不要になる点まで結び付けます。
- 障害発生後の入力まで復旧できるわけではありません。対象となるのは、障害発生時点までに入力された会計伝票です。
FAQ
Q: RPOが「前日の終業時点」だと、なぜ会計伝票の再入力が必要になるのですか?
A: 前日の終業時点より後に入力した会計伝票は、復旧した会計DBに含まれないためです。復旧後にその内容を反映するには、改めて入力する必要があります。
A: 前日の終業時点より後に入力した会計伝票は、復旧した会計DBに含まれないためです。復旧後にその内容を反映するには、改めて入力する必要があります。
Q: DB更新ログを使うと、どの時点までの更新を反映できますか?
A: この問題の回復手順では、障害発生直前までのDB更新ログを用いて会計DBを回復するため、障害発生時点までの更新を反映できます。
A: この問題の回復手順では、障害発生直前までのDB更新ログを用いて会計DBを回復するため、障害発生時点までの更新を反映できます。
関連キーワード: RPO、DB更新ログ、フルバックアップ、データベース回復、オンライン処理**
設問2(2)
問題文を見る財務会計システムのDB更新ログの運用上の問題点への対策について、財務会計システムのオンライン処理で変更する内容を、35字以内で述べよ。
模範解答
DB更新ログを支社の生産管理サーバのストレージにも取得する。
解説
解答の導き方
-
この設問で問われているのは、財務会計システムのオンライン処理で、DB更新ログの扱いをどう変更するかです。まず、会計DBをどの時点まで回復させる必要があるのかを確認します。
-
本文では、前日のフルバックアップデータで会計DBを当日のオンライン起動処理直前まで戻し、「障害発生直前までのDB更新ログ」を使って回復するとしています。したがって、障害発生時点まで回復するには、障害直前までに記録されたログが必要です。
-
一方、通常のオンライン処理では、DB更新ログは財務会計システムのストレージに記録されています。大規模地震では本社のサーバ室を使えないため、そこにしかログがないと、回復に必要なログを利用できなくなるおそれがあります。
-
業務再開フェーズでは、財務会計システムを関西地区の支社にある生産管理サーバで運用します。そのサーバのストレージには必要な容量を確保できるとあります。そこで、障害前のログも支社側で利用できるよう、オンライン処理中からDB更新ログを支社の生産管理サーバのストレージにも取得する構成にします。元の保存先をやめるのではなく、「にも」取得する点がポイントです。
誤りやすいポイント
- 障害発生後にログを支社へ移せばよいと考えることです。障害後は本社のサーバ室を利用できないため、障害前に記録されたログを取り出せない可能性があります。
- フルバックアップデータだけで障害発生時点まで回復できると考えることです。前日のバックアップから当日分の更新を反映するには、DB更新ログが必要です。
- DB更新ログの保存先を支社側に変更し、元の保存先には取得しないと考えることです。通常運用でも必要になるため、支社側のストレージにも取得する構成にします。
FAQ
Q: なぜDB更新ログが必要なのですか?
A: 前日のフルバックアップだけでは、その後に行われた更新が反映されません。障害直前までのDB更新ログを使って、バックアップ後の更新を適用します。
A: 前日のフルバックアップだけでは、その後に行われた更新が反映されません。障害直前までのDB更新ログを使って、バックアップ後の更新を適用します。
Q: 支社のストレージにログを取得するのは、業務再開フェーズになってからでよいですか?
A: それでは障害前のログを確保できません。障害前からオンライン処理で取得しておく必要があります。
A: それでは障害前のログを確保できません。障害前からオンライン処理で取得しておく必要があります。
Q: 「にも」とするのはなぜですか?
A: 通常の保存先を残したまま、災害時にも利用できる別の保存先を確保するためです。
A: 通常の保存先を残したまま、災害時にも利用できる別の保存先を確保するためです。
関連キーワード: DB更新ログ、フルバックアップ、RPO、データベース回復、遠隔保管
設問3:〔訓練の実施〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中の下線(イ)で行う連絡表の内容の見直しについて、30字以内で述べよ。
模範解答
複数の担当者の連絡先を登録するように変更する。
解説
解答の導き方
設問は、訓練で判明した問題を踏まえ、連絡表にどのような変更を加えるかを問うています。
問題点として、連絡表には「担当者が複数の場合はその担当者の代表者1名」だけが記載されていました。そのため、代表者に連絡がつかないと、ほかの担当者へ連絡する手段がありません。代表者の電話番号が最新化されていなかったことも、連絡に時間が掛かった原因です。
ただし、電話番号が最新かどうかを定期的に確認することは、連絡先情報を正しく保つための対応です。この設問で問われている「連絡表の内容の見直し」では、代表者だけに連絡先を限定している点を改め、複数の担当者に連絡できるようにすることが重要です。そうすれば、ある担当者に連絡がつかない場合でも、別の担当者を連絡先として利用できます。
誤りやすいポイント
- 電話番号を定期的に確認することだけを答えると、連絡先が代表者1名に限られている問題への対応になりません。
- 代表者の電話番号を最新化するだけでは、その代表者に連絡がつかない場合の代替手段がありません。
- 連絡表の配付方法や保存場所ではなく、記載する連絡先の範囲を見直す設問です。
FAQ
Q: 代表者の電話番号を最新化すれば十分ですか?
A: 十分ではありません。番号が最新でも、代表者に連絡できない場合に備えて、ほかの担当者の連絡先も登録する必要があります。
A: 十分ではありません。番号が最新でも、代表者に連絡できない場合に備えて、ほかの担当者の連絡先も登録する必要があります。
Q: 定期的な連絡先の確認は、設問で問われている対応と同じですか?
A: 別の対応です。定期確認は登録済みの情報を最新に保つためのもので、この設問では複数の連絡先を登録する内容上の変更が求められています。
A: 別の対応です。定期確認は登録済みの情報を最新に保つためのもので、この設問では複数の連絡先を登録する内容上の変更が求められています。
関連キーワード: 緊急時連絡網、連絡先管理、連絡先の冗長化、事業継続計画
設問3(2)
問題文を見る本文中の下線(ウ)について、図1中の装置を活用してできる対策を、40字以内で述べよ。
模範解答
最新の連絡表の情報を支社ファイルサーバにも保存し、被災時でも参照可能にする。
解説
解答の導き方
-
訓練では、本社サーバ室が被災してサーバが稼働できない事態を想定しています。そのため、本社ファイルサーバにだけ連絡表の情報を保存していると、被災時に情報を参照できません。
-
本文では、連絡表の情報を本社ファイルサーバに保存している一方、「本社ファイルサーバを利用できないときでも最新の連絡表の情報を参照できる」ようにする対策を求めています。したがって、本社とは別の場所にある装置を使って、連絡表の情報を参照できるようにする必要があります。
-
図1には、関西地区の支社に支社ファイルサーバがあります。今回想定しているのは関東地区の大規模地震なので、本社のファイルサーバが使えない場合でも、関西地区の支社ファイルサーバを利用できるようにしておけば、連絡表の情報を参照できます。
-
そこで、最新の連絡表の情報を本社ファイルサーバだけでなく支社ファイルサーバにも保存します。情報を更新した際には支社側の保存内容も最新化しておけば、被災時に古い連絡先を参照することを避けられます。
誤りやすいポイント
- 本社ファイルサーバ内で保存場所を変えるだけでは、本社サーバ室が被災した場合の対策になりません。
- 連絡表を紙で配付するだけでは、本文で問題となった「代表者の電話番号が最新化されていなかった」という問題が残ります。
- 図1に示されている装置を使う対策なので、磁気テープへの保存ではなく、関西地区にある支社ファイルサーバを活用します。
- 支社ファイルサーバに保存するだけでなく、連絡表の情報を更新したときに、その内容も最新に保つことが重要です。
FAQ
Q: なぜ支社ファイルサーバを使うのですか?
A: 本社とは異なる関西地区にあり、関東地区の本社サーバ室が被災した場合にも連絡表の情報を参照できるようにするためです。
A: 本社とは異なる関西地区にあり、関東地区の本社サーバ室が被災した場合にも連絡表の情報を参照できるようにするためです。
Q: 本社ファイルサーバに情報が残っていれば十分ですか?
A: 本社サーバ室が使えない事態を想定しているため、本社以外の場所にも情報を保存しておく必要があります。
A: 本社サーバ室が使えない事態を想定しているため、本社以外の場所にも情報を保存しておく必要があります。
Q: 支社ファイルサーバに保存する情報は、いつ更新すればよいですか?
A: 連絡先などの情報を変更したときに、支社ファイルサーバに保存した内容も最新化します。
A: 連絡先などの情報を変更したときに、支社ファイルサーバに保存した内容も最新化します。
関連キーワード: 災害対策、データ複製、ファイルサーバ、可用性、事業継続計画




