ITサービスマネージャ 2025年 午前2 問11
問題文
ヒューマンエラーに起因する運用作業ミスの防止対策の一つに、エラープルーフ化がある。〔磁気テープ交換作業のミス〕に対する再発防止策のうち、エラープルーフ化の五つの原理(排除、代替化、容易化、異常検出、影響緩和)の“排除”に該当するものはどれか。
〔磁気テープ交換作業のミス〕
サーバの内蔵ディスクに記録されているデータを磁気テープにバックアップする作業において、磁気テープに書ききれなくなったことを示すメッセージがコンソールに表示された。この場合、未使用の磁気テープに交換した後にバックアップ作業を継続するのが正しい作業であるが、オペレーターが誤って既にほかのデータが記録されている磁気テープに交換して作業を継続したので、取得済みのデータが失われてしまった。
選択肢
ア:磁気テープに最初のデータを書き込む前に磁気情報をチェックし、データが記録された磁気テープであった場合はエラーメッセージを表示することによって、磁気テープの交換ミスに気付かせるようにする。
イ:十分な記憶容量をもつ外部ディスク装置にバックアップ先を変更することによって、磁気テープへのバックアップ作業を不要にする。(正解)
ウ:既にデータが記録されている磁気テープに目印となるシールを貼っておくことによって、磁気テープの交換ミスを起こりにくくする。
エ:データが記録された磁気テープを書込み禁止状態にしておくことによって、磁気テープの交換ミスをしてもバックアップデータが書き込めないようにする。
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エラープルーフ化の排除原理【午前2解説】
正解の理由
エラープルーフ化の五つの原理における「排除」とは、ミスの原因となる作業そのものをなくすことです。
イは、バックアップ先を十分な容量の外部ディスク装置に変更し、磁気テープへのバックアップ作業を不要にしています。磁気テープを交換する作業がなくなれば、誤ったテープを使ってデータを失うミスも発生しません。したがって、「排除」に該当します。
解法ステップ
- 問題で起きたミスを確認します。
未使用のテープではなく、既にデータが記録されたテープに交換したため、取得済みのデータが失われました。 - 選択肢ごとの対策が、ミスの原因をなくすのか、ミスを見つけるのか、影響を抑えるのかを考えます。
- 磁気テープへのバックアップ作業自体を不要にするイが、「排除」に該当すると判断します。
選択肢別の誤答解説
-
ア:異常検出
既にデータが記録されたテープを検知し、エラーメッセージで知らせる対策です。交換ミスをなくすのではなく、ミスを検出して気付かせます。 -
イ:排除
バックアップ先を外部ディスク装置に変え、磁気テープの交換作業そのものをなくします。ミスの原因となる作業をなくす対策です。 -
ウ:容易化
シールによって使用済みのテープを見分けやすくし、誤ったテープを選びにくくします。作業を容易にする対策ですが、テープ交換作業自体は残ります。 -
エ:影響緩和
記録済みテープを書込み禁止にし、誤って交換しても既存データが上書きされないようにします。ミスの発生を防ぐというより、ミスが起きた場合の被害を抑えます。
よくある誤解
-
ミスを防ぐ対策は、すべて「排除」だと思う
ミスの検出や、ミスが起きにくくなる工夫もあります。「排除」は、原因となる作業や工程自体をなくす対策です。 -
作業方法を変更するだけで「排除」ではないと思う
バックアップの目的は維持したままでも、磁気テープへの記録と交換が不要になれば、問題となった作業は排除されています。 -
書込みを禁止すればミスも防げると思う
エはデータの上書きを防ぎますが、誤ったテープを選ぶ行為自体はなくなりません。これは被害を抑える対策です。
補足コラム
五つの原理は、対策の働きに注目すると整理しやすくなります。
- 排除:ミスの原因となる作業をなくす
- 代替化:人の作業を機械や別の方法に置き換える
- 容易化:作業を簡単にし、ミスを起こりにくくする
- 異常検出:ミスや異常を検知して知らせる
- 影響緩和:ミスが起きても被害を小さくする
選択肢を読むときは、「作業をなくす」「置き換える」「簡単にする」「検知する」「被害を抑える」のどれに当たるかを考えると判断しやすくなります。
FAQ
Q. バックアップ先を外部ディスクに変えるのは、「代替化」ではないのですか?
A. この問題では、注目する作業は磁気テープの交換です。外部ディスクへの変更によって、その交換作業自体が不要になるため、「排除」に該当します。
A. この問題では、注目する作業は磁気テープの交換です。外部ディスクへの変更によって、その交換作業自体が不要になるため、「排除」に該当します。
Q. エの対策でも、データの損失は防げるのではないですか?
A. 防げるのは、誤ってテープを選んだ後のデータ上書きです。誤交換そのものをなくす対策ではないため、「影響緩和」と考えます。
A. 防げるのは、誤ってテープを選んだ後のデータ上書きです。誤交換そのものをなくす対策ではないため、「影響緩和」と考えます。
関連キーワード: エラープルーフ化、排除原理、異常検出、影響緩和、ヒューマンエラー

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