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ネットワークスペシャリスト 2009年 午前207


問題文

TCP/IPネットワークで使用されるARPの説明として、適切なものはどれか。

選択肢

IPアドレスからMACアドレスを得るためのプロトコル(正解)
IPアドレスからホスト名(ドメイン名)を得るためのプロトコル
MACアドレスからIPアドレスを得るためのプロトコル
ホスト名(ドメイン名)からIPアドレスを得るためのプロトコル

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IPアドレスからMAC変換【午前2解説】

正解の理由

ARP(Address Resolution Protocol)は、IPv4ネットワークにおいて「IPアドレスを持つホストのMACアドレスを取得する」ためのプロトコルです。送信側が送信先のIPアドレスは分かっているが、そのホストのイーサネット(MAC)アドレスが分からない場合、ARP要求(ブロードキャスト)を送って応答を得る仕組みを用います。したがって選択肢が正解です。
ARPはリンク層(主にイーサネット)で動作し、要求→応答→ARPキャッシュ格納という流れでアドレス解決を行います。ARPはIPv4固有の仕組みで、IPv6では代わりにNeighbor Discovery Protocol(NDP)が使われます。

解法ステップ

  1. 問題のキーワードを把握:ARP → アドレス解決、IPv4の周辺で使うものと知る。
  2. 「誰から誰へ」変換かを確認:IP→MAC か MAC→IP か、または名前解決(DNS)かを区別する。
  3. OSI階層で考える:名前解決(DNS)はアプリケーション層/トランスポート層寄り、ARPはリンク層の機能である点で区別する。
  4. 選択肢を当てはめて排除:IP→ホスト名(逆引き)はDNS、ホスト名→IPはDNS(順引き)、MAC→IPは歴史的にRARPやBOOTP/DHCPの役割であるため除外し、最終的にIP→MACがARPであると判断する。
実務的には、ARP要求はブロードキャスト(例:FF:FF:FF:FF:FF:FF)で送られ、該当IPを持つホストがARP応答で自分のMACを返します。その応答は送信元のARPキャッシュに格納され、以後はキャッシュ参照で通信が行われます。

選択肢別の誤答解説

  • ア(IPアドレスからMACアドレスを得るためのプロトコル)
    正しい。ARPはIPアドレスをキーにして対応するMACアドレスを求めるプロトコルで、ローカルリンク内でブロードキャスト質問→ユニキャスト応答の流れで動作します。選択肢はARPの基本機能を正確に表しています。
  • イ(IPアドレスからホスト名(ドメイン名)を得るためのプロトコル)
    誤り。IP→ホスト名の逆引きはDNSのPTRレコードを使った「逆引きDNS」が行います。ARPとは別の仕組みです。
  • ウ(MACアドレスからIPアドレスを得るためのプロトコル)
    誤り。ただし注意点として、MAC→IPを目的としたプロトコルは歴史的に存在します。代表例はRARP(Reverse ARP)で、固定IPを元に復元する用途やディスクレス端末が自身のIPを知るために使われました。さらに実運用ではBOOTPやDHCPがクライアントのMACアドレスを手がかりにIPアドレスを割り当てます(つまりMACアドレス情報を使ってIPを決める仕組みはある)。しかしこれらはARPの役割とは別物です。
  • エ(ホスト名(ドメイン名)からIPアドレスを得るためのプロトコル)
    誤り。ホスト名→IPはDNSの順引き(A/AAAAレコード)で行います。ARPは名前解決ではなく、IPとMACの物理アドレス解決に特化しています。

よくある誤解

  • 「ARPは名前解決(DNS)と同じ」
    混同しやすいですが、ARPは「IP⇄MAC」のリンク層の解決であり、DNSは「ホスト名⇄IP」の名前解決です。目的と動作層が異なります。
  • 「MACアドレスからIPアドレスを得るプロトコルは存在しない」
    これは誤りです。歴史的にRARPが存在し、現在はBOOTP/DHCPがクライアントのMACアドレスを利用してIPを割り当てます。つまりMACを手がかりにIPを決める仕組みは実在しますが、それはARPの役割ではありません。
  • 「ARPはIPv6でも使われる」
    IPv6ではARPの代わりにNeighbor Discovery Protocol(NDP)が用いられます。機能的には類似していますがプロトコルは異なります。

補足コラム

  • ARPキャッシュとコマンド例(代表的な操作)
    • Windows: arp -a でキャッシュ表示、arp -d で削除(管理者権限)。
    • Linux: ip neigh または arp -n
      例(Linuxの出力例):
    $ ip neigh
    192.0.2.10 dev eth0 lladdr 00:11:22:33:44:55 REACHABLE
    
  • グラチュイタスARP(gratuitous ARP)
    自分のIPをブロードキャストしてネットワークに通知することで、重複IP検出やキャッシュ更新に使われます。VMや高可用性構成でよく利用されます。
  • プロキシARP
    ルータがローカルネットワーク内のホストのために代理でARP応答を返し、異なるサブネットの通信を可能にする技術です。運用上の注意(ルーティングの複雑化やセキュリティ)があります。
  • セキュリティ面
    ARPは検証機構がないため、ARPスプーフィング/中間者攻撃に使われやすいです。静的ARPや検出ツール、スイッチのポートセキュリティ等で対策します。

FAQ

Q1: ARPの問い合わせはルータを越えて届きますか?
A1: いいえ。ARPはリンクローカル(同一ブロードキャストドメイン)で動作します。ルータはARP要求を転送しません。ルータに到達する場合はルータ自身のMACアドレスで通信します。
Q2: IPv6でARPの代わりに使われるものは?
A2: Neighbor Discovery Protocol(NDP)です。ICMPv6の一部で、IPv6アドレスとリンク層アドレスの解決や近傍の検出を行います。
Q3: ARPテーブルが古くなる理由と対処法は?
A3: ARPエントリは一定時間で期限切れ(タイムアウト)になります。問題がある場合はキャッシュ削除や再起動、ネットワーク機器の設定見直しで対処します。

関連キーワード: ARP、RARP、DHCP、DNS、NDP、MACアドレス、IPアドレス、ARPキャッシュ、プロキシARP、グラチュイタスARP
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