ネットワークスペシャリスト 2014年 午前2 問04
問題文
IPv4のマルチキャストに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:全てのマルチキャストアドレスは、アドレスごとにあらかじめ用途が固定的に決められている。
イ:マルチキャストアドレスには、クラスDのアドレスが使用される。(正解)
ウ:マルチキャストパケットは、TTL値に関係なくIPマルチキャスト対応ルータによって中継される。
エ:マルチキャストパケットは、ネットワーク上の全てのホストによって受信され、IPより上位の層で、必要なデータか否かが判断される。
IPv4のマルチキャストに関する記述【午前2 解説】
正解の理由
選択肢イは正しい。IPv4におけるマルチキャストアドレス空間はクラスD(先頭ビットが1110、範囲は224.0.0.0〜239.255.255.255)として定義されており、この範囲のアドレスを使ってマルチキャスト通信が行われます。RFC 1112 などに基づき、クラスDはユニークにマルチキャスト用途に予約されています。
解法ステップ
- 各選択肢をIPv4の仕様(アドレス体系、ルータの動作、受信方法)と照らし合わせる。
- ア:アドレスごとに完全固定は誤り。予約範囲はあるが多くは動的用途もある。
- イ:クラスDがマルチキャストに使われることを確認して正解とする。
- ウ:TTLに関係なく中継される、は誤り。TTLは伝播範囲の制御に使われる。
- エ:マルチキャストは参加ホストのみが受信するため「全てのホストが受信する」は誤り。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「全てのマルチキャストアドレスは用途が固定」—部分的に予約されたアドレスは存在するが、全てが固定ではない。たとえば224.0.0.1は全ホストマルチキャスト、224.0.0.2はルータ、だがそれ以外は動的に使用可能。
- イ: 正解。クラスD(先頭ビット1110、224.0.0.0〜239.255.255.255)がマルチキャスト用として定義される。
- ウ: 「TTL値に関係なく中継」—誤り。TTLはルータがパケットを転送するかの判断に影響し、スコープ制御に使われる(例:ローカルリンクのみ等)。
- エ: 「ネットワーク上の全てのホストによって受信」—誤り。ホストはIGMP(IPv4)等でグループ参加を表明し、参加ホストのみが上位層で処理する。未加入ホストは通常パケットを破棄する。
よくある誤解
- 「すべてのマルチキャストアドレスが用途固定」:一部のアドレス(例:224.0.0.xの一部)は特定プロトコル用に予約されるが、全アドレスが固定用途ではない。動的に用途を割り当てることもある。
- 「TTLは無関係」:マルチキャストでもTTL(Time To Live)はパケットが伝播する範囲(スコープ)を制御するため重要で、ルータはTTL値に基づいて転送を制限できる。
- 「全ホストが全て受信する」:ブロードキャストとは異なり、マルチキャストは受信を希望するホスト(IGMPで加入表明)だけが上位層で処理するため、ネットワーク全員が必ず受信するわけではない。
補足コラム
- マルチキャストの管理プロトコル:IPv4ではIGMP(Internet Group Management Protocol)でホストのグループ参加を管理し、ルータはこれを基に必要なマルチキャスト経路を構築します。
- 特殊なアドレス例:224.0.0.1(全ホスト)、224.0.0.2(全ルータ)、224.0.0.251(mDNS)など、ローカルネットワーク内でのみ有効な予約アドレスがあります。
- マルチキャストとブロードキャストの違い:ブロードキャストは同一ネットワーク上の全ノードが受信対象ですが、マルチキャストはグループに参加したノードのみを対象とするため効率的です。
FAQ
Q: マルチキャストアドレスはIPv6でも使われますか?
A: はい。IPv6でもマルチキャストは定義されており、アドレスは先頭がFF00::/8で始まります(IPv6のマルチキャスト指定)。
A: はい。IPv6でもマルチキャストは定義されており、アドレスは先頭がFF00::/8で始まります(IPv6のマルチキャスト指定)。
Q: TTLが0のマルチキャストパケットはどうなる?
A: TTLが0では通常転送されず破棄されます。TTLはルータ越えの伝播を制限するために使われます。
A: TTLが0では通常転送されず破棄されます。TTLはルータ越えの伝播を制限するために使われます。
Q: すべての224.0.0.0/4のアドレスを自由に使ってよいですか?
A: 一部(特に224.0.0.0/24など)はローカルで予約された用途があり注意が必要です。運用環境では既定の予約を確認して使用してください。
A: 一部(特に224.0.0.0/24など)はローカルで予約された用途があり注意が必要です。運用環境では既定の予約を確認して使用してください。
関連キーワード: マルチキャスト、クラスD、IGMP、TTL、224.0.0.0/4、ルーティング、IPv4、RFC

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