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ネットワークスペシャリスト 2014年 午前205


問題文

スパニングツリープロトコルに関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

OSI基本参照モデルにおけるネットワーク層のプロトコルである。
ブリッジ間に複数経路がある場合、同時にフレーム転送することを可能にするプロトコルである。
ブロードキャストフレームを、ブリッジ間で転送しない利点がある。
ルートブリッジの決定には、ブリッジの優先順位とMACアドレスが使用される。(正解)

スパニングツリープロトコルに関する記述【午前2 解説】

正解の理由

選択肢エは「ルートブリッジの決定には、ブリッジの優先順位とMACアドレスが使用される。」とあるが、これはSTPの正しい説明です。STPでは各ブリッジにブリッジID(通常はブリッジの優先順位値とその装置のMACアドレス)を割り当て、これを比較して一番小さいものをルートブリッジとして選出します。優先順位が同じ場合はMACアドレスで比較されます。

解法ステップ

  1. 問題文からプロトコル名(スパニングツリープロトコル=STP)を確認する。
  2. STPの基本機能を思い出す:ループ防止のための論理的ツリー形成、データリンク層で動作、ルート選出の基準。
  3. 各選択肢をSTPの特徴と照合する:OSI層、経路利用(同時転送か遮断か)、ブロードキャストの扱い、ルート決定要素。
  4. 最も一致する選択肢を選ぶ(エ)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「OSI基本参照モデルにおけるネットワーク層のプロトコルである。」
    → 誤り。STPはイーサネットスイッチ/ブリッジのためのプロトコルであり、OSIのデータリンク層(第2層)で動作します。ネットワーク層(第3層)ではありません。
  • イ: 「ブリッジ間に複数経路がある場合、同時にフレーム転送することを可能にするプロトコルである。」
    → 誤り。STPはループを防ぐためにある経路をブロックし、同時に複数経路を活性化して同一ブロードキャストが循環しないようにします。なお、RSTPやMSTPでも基本はループ防止であり、負荷分散のために等価経路を同時利用するのはLACPやECMP、あるいはVLAN設計による別手法です。
  • ウ: 「ブロードキャストフレームを、ブリッジ間で転送しない利点がある。」
    → 誤り。STPの目的はブロードキャストフレームがループで無限増幅することを防ぐ点であり、「ブロードキャスト自体を転送しない」わけではありません。ルートツリーに基づき適切なポートでフレームを転送しますが、ループとなる不要経路はブロックします。
  • エ: 「ルートブリッジの決定には、ブリッジの優先順位とMACアドレスが使用される。」
    → 正しい。ブリッジIDは優先順位(Bridge Priority)とMACアドレスを組み合わせて比較され、最小のブリッジIDがルートブリッジになるため選択肢エが正解です。

よくある誤解

  • 誤解1: 「STPはネットワーク層(第3層)のプロトコル」→実際はデータリンク層(第2層)で動作します。
  • 誤解2: 「STPは複数経路の同時利用を可能にする」→逆で、ループを防ぐために不必要な経路をブロックし、同時転送は行いません(後述の拡張技術を除く)。
  • 誤解3: 「STPはブロードキャスト自体を抑止する」→STPはブロードキャストがループで増殖することを防ぐが、ブロードキャストフレーム自体の転送を全面的に止める目的ではありません。

補足コラム

  • STPの進化:古典的なIEEE 802.1D STPのほか、より高速に収束するRSTP(802.1w)や複数スパニングツリーを扱うMSTP(802.1s)があります。これらもルート選出には同様のブリッジID比較を用います。
  • 負荷分散と冗長化:同時に複数経路を活かしたい場合はLACP(リンクアグリゲーション)やVLANごとのスパニングツリー設計(PVST、MST)などで対処します。STP単体は「どの経路を使うか」を一本化する方向です。

FAQ

Q1: ブリッジの優先順位はどのくらいの単位で設定しますか?
A1: 優先順位(Bridge Priority)は通常4096の倍数で設定することが多く、デフォルトは32768です。小さい値が優先されます。優先順位が同じ場合にMACアドレスで比較されます。
Q2: STPの収束が遅いときの対処は?
A2: RSTP(802.1w)に切り替える、ポートの設定(BPDUガードやポートファスト)を適切に行う、不要な物理ループを排除する、設計を見直してVLAN分割やリンクアグリゲーションを検討します。
Q3: ブロードキャストストームを完全に防げますか?
A3: STPはループによる無限増幅を防ぎますが、ネットワーク上の大量ブロードキャスト発生自体(端末やアプリによる)を完全に抑えるものではありません。ブロードキャスト制御は別途VLAN設計やフィルタリング等で対処します。

関連キーワード: スパニングツリー、STP、RSTP、ブリッジID、ブリッジ優先順位、MACアドレス、データリンク層、ループ防止
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