ネットワークスペシャリスト 2014年 午前2 問07
問題文
ルーティングプロトコルであるBGP-4の説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:自律システム間で、経路情報に付加されたパス属性を使用し、ポリシーに基づいて経路を選択するパスベクタ方式のプロトコルである。(正解)
イ:全てのノードが同一のリンク状態データベースを用い、コストが最小となる経路を最適経路とするプロトコルである。
ウ:到達可能な宛先アドレスまでのホップ数が最小となる経路を、最適経路とするプロトコルである。
エ:パケットが転送される経路のノードを、送信元ノードが明示的に指定するプロトコルである。
ルーティングプロトコル BGP-4 の説明【午前2 解説】
正解の理由
選択肢アは「自律システム間で、経路情報に付加されたパス属性を使用し、ポリシーに基づいて経路を選択するパスベクタ方式のプロトコルである」とあり、これはBGP-4の定義そのものです。BGPはBorder Gateway Protocolの略で、AS(Autonomous System)間で経路(プレフィックス)を交換し、ASパスやNEXT_HOP、LOCAL_PREFなどの属性を持たせて、管理者が定めたポリシーに基づいて経路選択を行います。これにより単純な最短経路ではなく、ビジネスや運用上の要件に合った経路制御が可能です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを把握:「BGP-4」「自律システム」「パス属性」「ポリシー」「パスベクタ方式」。
- 各選択肢と照合:これらのキーワードが含まれる選択肢を探す。
- 他の代表的ルーティング方式(リンク状態、距離ベクトル、ソースルーティング)との違いを確認する。
- BGPの主要概念(AS間ルーティング、AS_PATH、LOCAL_PREF、NEXT_HOP、ルートポリシー)で整合性が取れる選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 自律システム間で、経路情報に付加されたパス属性を使用し、ポリシーに基づいて経路を選択するパスベクタ方式のプロトコルである。 — 正解。BGP-4の特徴を的確に表現している。
- イ: 全てのノードが同一のリンク状態データベースを用い、コストが最小となる経路を最適経路とするプロトコルである。 — 誤り。これはリンク状態プロトコル(例: OSPF, IS-IS)の説明であり、BGPではない。
- ウ: 到達可能な宛先アドレスまでのホップ数が最小となる経路を、最適経路とするプロトコルである。 — 誤り。これは距離ベクトル的な単純指標(例: RIP のホップ数)に近い説明で、BGPのポリシーベース選択とは異なる。
- エ: パケットが転送される経路のノードを、送信元ノードが明示的に指定するプロトコルである。 — 誤り。これはソースルーティングの説明であり、BGPの仕組みではない。
よくある誤解
- 誤解1: 「BGPは常に最短(ホップ数が少ない)経路を選ぶ」――BGPはホップ数(ICMPホップではなくASパス長は参考)を唯一の基準とせず、複数属性で決定するため単純な最短基準ではない。
- 誤解2: 「BGPはリンク状態プロトコルと同じ働きをする」――リンク状態プロトコル(例: OSPF)はネットワーク内で同一のリンク状態データベースを持ちコスト最小経路を選ぶが、BGPはAS間での経路交換とポリシー制御が主要目的で異なる設計である。
- 誤解3: 「送信元が経路の全ノードを指定する」――それはソースルーティングの説明であり、BGPの動作ではない。
補足コラム
- BGPはインターネットのバックボーンで使われる主要な外部ゲートウェイルーティングプロトコル(EGP)で、経路選択は複数段階(プレフィックスの一致、LOCAL_PREF、AS_PATH長、ORIGIN、MED、eBGP/iBGPの優先など)で決まります。
- BGPの安定性やスケーラビリティのために、経路フィルタリングやRoute Reflector、 Confederation などの運用手法が用いられます。
- BGPは経路の到達可能性を保証するものの、パケット転送の経路を制御する際はポリシーやトラフィックエンジニアリングも重要です。
FAQ
Q: BGPは内部ネットワーク(AS内)でも使われますか?
A: はい。iBGP(同一AS内のBGP)として内部で利用されることがあり、大規模ネットワークでの一貫したポリシー適用に使われます。
A: はい。iBGP(同一AS内のBGP)として内部で利用されることがあり、大規模ネットワークでの一貫したポリシー適用に使われます。
Q: BGPは経路ループ防止をどう実現していますか?
A: 広く使われる方法はAS_PATH属性で、経路に自分のASが含まれている場合は受け入れないことでASループを防ぎます。
A: 広く使われる方法はAS_PATH属性で、経路に自分のASが含まれている場合は受け入れないことでASループを防ぎます。
Q: BGPの経路選択で最初に評価される属性は何ですか?
A: Ciscoなどのデフォルトではまず受信したプレフィックスの有効性、次にLOCAL_PREF(より高い値を好む)や、eBGP経由の方がiBGPより優先されるなどが評価されます(実装差あり)。
A: Ciscoなどのデフォルトではまず受信したプレフィックスの有効性、次にLOCAL_PREF(より高い値を好む)や、eBGP経由の方がiBGPより優先されるなどが評価されます(実装差あり)。
関連キーワード: BGP、パスベクタ、AS_PATH、ルーティングポリシー、iBGP、eBGP、経路フィルタ、OSPF、RIP、ソースルーティング

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