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ネットワークスペシャリスト 2017年 午前223


問題文

複数台のPCで1台のプリンタを共有するシステムがある。このプリンタに対する平均印刷要求回数が毎分1回のとき、このプリンタの平均印刷時間(印刷を要求してから終了するまでの時間)は何秒か。ここで、プリンタは、平均が15秒の指数分布に従う時間で印刷要求を処理するものとし、プリンタに対する印刷要求はポアソン分布に従うものとする。

選択肢

15
18
20(正解)
30

複数台のPCで1台のプリンタを共有するシステムの平均印刷時間【午前2 解説】

正解の理由

この問題は到着がポアソン過程、サービス時間が指数分布のM/M/1単一サーバ待ち行列モデルに対応します。到着率をλ=1回/分、サービスの平均時間をE[S]=15秒=0.25分とすると、利用率ρ=λE[S]=1×0.25=0.25です。M/M/1モデルにおける平均滞在時間(印刷要求を出してから終了するまでの平均時間)Wは
により求まり、これを秒に戻すと
したがって正解は(20秒)です。

解法ステップ

  1. 到着率λを確認:毎分1回 → λ = 1(回/分)。
  2. サービス平均時間E[S]を同じ単位に変換:15秒 = 15/60 = 0.25(分)。
  3. 利用率を計算:ρ = λ × E[S] = 1 × 0.25 = 0.25。
  4. M/M/1の平均滞在時間公式を適用:分。
  5. 秒に戻す:分 = 20秒。これが平均印刷時間。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 15秒
    サービスの平均時間のみを答えにしてしまったケース。到着の影響(待ち時間)を無視している。利用率が0ではない限り誤り。
  • イ: 18秒
    単位や計算の途中で丸めや誤変換が入った可能性。正確には20秒で、18秒になる理屈はない(例えば0.3分と誤認すると0.3/(1-0.3)=0.4286分=25.7秒とずれる)。
  • ウ: 20秒(正解)
    到着率とサービス時間の単位を揃え、M/M/1の平均滞在時間公式を正しく適用した解。
  • エ: 30秒
    利用率を0.5(例えばサービス時間を0.5分と誤認)などと誤って計算した場合に近づく値。根拠が不適切。

よくある誤解

  • サービス時間をそのまま秒で使って到着率を分単位で計算せず、単位不整合で誤答する。必ず同じ時間単位に揃える。
  • 平均印刷時間をサービス時間だけ(15秒)と考え、待ち時間(キューの影響)を無視してしまう。到着がある限り平均滞在時間はサービス時間より大きい。
  • 利用率ρの概念を見落とし、という公式そのものを知らないまたは忘れている。

補足コラム

この問題で使ったモデルはM/M/1待ち行列モデル(到着ポアソン、指数分布サービス、単一サーバ、先着順)。一般に平均滞在時間Wはサービス時間E[S]とシステムの渋滞度ρから求まり、キューイング理論の基本公式です。利用率が高くなるほどWは急速に増加するため、プリンタやサーバの増設などでρを下げることが有効です。参考に、平均待ち行列長L_qや平均滞在時間Wの関係はLittleの法則(L=λW)で結びつきます。

FAQ

Q: 到着率とサービス時間の単位が違ったらどうする?
A: 必ず同一単位に揃える(例:分、秒、時間のいずれかに統一)。単位不整合が最も多いミスです。
Q: ρが1以上だったら?
A: ρ≥1ではシステムは不安定で平均待ち時間は無限大(収束しない)になります。増設や到着率抑制が必要です。
Q: 到着がポアソンでなければ同じ公式は使える?
A: 到着過程やサービス分布が変わると公式は変わります。M/M/1はポアソン到着と指数サービスに特化した結果です。

関連キーワード: M/M/1、待ち行列理論、利用率、平均滞在時間、Littleの法則、印刷ジョブ管理、キューイングモデル
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