ネットワークスペシャリスト 2018年 午前2 問04
問題文
図のイーサネットパケットのMTU(Maximum Transmission Unit)は、どの部分の最大長のことか。

選択肢
ア:IPヘッダ+TCPヘッダ+データ(正解)
イ:MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ
ウ:MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ+FCS
エ:プリアンブル+MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ+FCS
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MTUの定義範囲【午前2解説】
正解の理由
MTU(Maximum Transmission Unit)は、リンク層が1回の送信で運べる最大の「IPパケット長」を指します。つまり、MTUは「IPヘッダ+トランスポート層ヘッダ(例:TCPヘッダ)+データ」を上限とするサイズであり、リンク層のペイロード最大長(イーサネットでは通常1500バイト)に相当します。したがって選択肢の中では、IPヘッダ+TCPヘッダ+データを示す ア が正しいです。MAC(リンク層)ヘッダやFCS、プリアンブル等のリンク層の前後の情報はMTUの計算対象に含まれません。
解法ステップ
- 問題で問われているのは「MTUがどの層/どの部分の最大長を指すか」を把握すること。MTUはリンク層のペイロードに載る上位層の単位を表す。
- イーサネットでのペイロードに載るのはIPパケット(=IPヘッダ+IPペイロード)であることを確認する。IPペイロードにはトランスポート層ヘッダ(TCP/UDPヘッダ)とデータが含まれる。
- 各選択肢を比較し、「IPヘッダを含むか」「MACヘッダやFCSを含むか」を基準に除外する。
- 「IPヘッダ+TCPヘッダ+データ」を示す ア を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(IPヘッダ+TCPヘッダ+データ)
正しい。MTUはリンク層ペイロードの最大長であり、その中身はIPパケット(IPヘッダを含む)だからです。 - イ(MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ)
誤り。MACヘッダはリンク層のヘッダであり、MTUはその「上位」であるIPパケット長を指すため含まれません。 - ウ(MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ+FCS)
誤り。FCSはリンク層のトレイラであり、MTUには含まれません(同様にMACヘッダも含まれない)。 - エ(プリアンブル+MACヘッダ+IPヘッダ+TCPヘッダ+データ+FCS)
誤り。プリアンブルやSFDは物理層の同期情報であり、MTUの対象外です。
よくある誤解
- 「MTUはIPヘッダを除いたデータ長(MSSと同じもの)」と混同する誤解。MSS(Maximum Segment Size)はTCPが送るデータ部(IP/TCPヘッダを除いた部分)であり、MSS = MTU - IPヘッダ長 - TCPヘッダ長 です。MTU自体はIPヘッダを含みます。
- 「MACヘッダやFCSもMTUに含まれる」と考える誤解。これらはリンク層の付加情報で、MTUの計測対象ではありません。
- VLANタグや jumbo frame の影響を考慮しない誤解。802.1Qタグ(4バイト)やフレーム拡張は実務でMTU扱いに影響するため注意が必要です。
補足コラム
- 代表的なイーサネットの値:標準MTU = 1500 バイト(これはIPヘッダ+IPペイロード=1500)。イーサネットの物理フレーム長(MACヘッダ14B + payload + FCS4B)を含めると通常1518バイトになります(プリアンブル等を含めるとさらに増えます)。
- MSSの計算例(IP/TCPヘッダがそれぞれ20バイトの場合): 例: MTU=1500 → MSS = 1500 - 20 - 20 = 1460 バイト
- VLANタグ(802.1Q, +4B)はフレーム全体長を増やすため、リンク機器の取り扱いによっては有効MTUの調整が必要です。
- パス上の最小MTUを扱う概念に「Path MTU(PMTU)」があり、経路上の最小MTUを越えるパケットは分割(フラグメンテーション)や送信不可となるため注意します。
FAQ
Q1: MTUにIPヘッダは含まれますか?
A1: 含まれます。MTUはIPパケット(IPヘッダ+IPペイロード)の最大長を指します。
A1: 含まれます。MTUはIPパケット(IPヘッダ+IPペイロード)の最大長を指します。
Q2: MSSとMTUの違いは何ですか?
A2: MTUはリンク層が運べる最大のIPパケット長(IPヘッダ含む)。MSSはTCPが送るデータ部分のみ(IP/TCPヘッダを除く)。一般式は MSS = MTU - IPヘッダ長 - TCPヘッダ長 です。
A2: MTUはリンク層が運べる最大のIPパケット長(IPヘッダ含む)。MSSはTCPが送るデータ部分のみ(IP/TCPヘッダを除く)。一般式は MSS = MTU - IPヘッダ長 - TCPヘッダ長 です。
Q3: FCSやプリアンブルはMTUの計算に入りますか?
A3: 入りません。これらはリンク/物理層の付加情報であり、MTUの対象外です。
A3: 入りません。これらはリンク/物理層の付加情報であり、MTUの対象外です。
関連キーワード: MTU、MSS、イーサネットペイロード、IPパケット、フラグメンテーション、VLANタグ

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