プロジェクトマネージャ 2010年 午後1 問01
新システムの構築に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
金融機関のC社は、これまで地域の個人客を中心にマーケット展開をしていたが、業容の拡大を図るために、法人分野を得意とするE社と業務面・システム面での包括的な協力関係を1月に結んだ。その一環として、E社の法人向け商品を基にしてC社独自の商品を開発して販売することにした。E社の法人向け商品の販売管理システム(以下、E社システムという)をC社用に改造したシステム(以下、新システムという)を、E社の支援を受けながら、図1のスケジュールに従って構築し、10月からの商品の販売開始を目指すことにした。

〔プロジェクトの発足〕
E社と合同の新システムの構築プロジェクトが組織され、プロジェクトマネージャにはC社システム部のD課長が任命された。C社からは、システム部の新システム開発対応メンバ3名(以下、新システム担当という)と、利用部門のメンバ3名がプロジェクトに参加した。
外部設計から結合テストまでは、E社システムの構築経験が豊富なF社に請負で委託する予定である。一方、E社では4月の稼働開始を目標とする大規模な改修を厳しいスケジュールの下で進めている。また、次の大規模な改修を10月以降に予定しており、F社がこれらの対応を行う。この状況を踏まえ、D課長は、外部設計を円滑に進めることができるように、次の対応を行った。
・外部設計の開始時期を考えると、4月向け大規模改修後のE社システムを基にして外部設計以降の開発作業を進める方法もある。しかし、①本番稼働前のE社システムを基にして開発作業を進めると、十分な稼働実績がないことから、新システムの開発スケジュールに悪影響を及ぼす追加の作業が頻発するおそれがある。そこで、4月向け大規模改修前のE社システムを基にして開発作業を進めることにした。
・外部設計以降の開発作業におけるC社にとってのメリットを考え、E社の支援を受けながら、新システム担当にE社特有の用語を収集して解説した用語集を作成させた。
〔利用部門との連携〕
4月から9月末までの6か月間という短期開発なので、D課長はE社システムに業務を合わせることで開発規模を絞り込むこと、及び3月末に要件定義が完了することを重要視した。そして、②開発作業を予定どおりに進める上でのリスクを軽減するために、1月末に行うキックオフミーティングではE社システムを極力利用して業務プロセスを組み立てるように、CIOから利用部門に協力を要請してもらうことにした。
また、利用部門が精度の高い要件定義を効率よく行えるように、E社システムを利用してプロトタイプを構築することにした。
〔結合テストの品質評価方法の検討〕
D課長は、E社システムの過去の改修時にF社が作成した結合テストの計画書をE社から入手し、F社の品質評価方法を確認した。その結果、F社の結合テストにおける品質評価の考え方は次のとおりであり、C社と大きな違いのないことが分かった。
・単位ステップ数当たりのテストケース数(以下、テスト密度という)及び障害検出数(以下、障害密度という)を基準値として用いる。
・③品質評価の基準値を算出する際に使用するステップ数としては、新規に開発又は修正したステップ数に対して、ある条件に該当するプログラムのステップ数の一定割合を加えた値を使用する。これは、テスト密度及び障害密度について、新規に開発又は修正した部分の全体への影響を加味して適切に評価するためである。
ただし、F社の基準値はF社の過去のプロジェクトの実績値に基づいて設定されたものであり、C社の基準値と単純に比較評価することはできない。結合テストが終了した際は、テストの対象となる約50個の機能について図2の例に示すグラフを作成するようにF社に要請し、F社の品質の確保状況を次の方法で確認する必要があるとD課長は考えた。

・障害密度の実績値が基準値の上限を超える機能については、品質面での問題があることが想定されるので、原因分析に基づいた適切な対応が行われたかどうかを確認する。④例えば、当該機能の開発を担当したチームの体制面に原因があると想定される場合は、結合テストを開始するまでの開発作業の実施状況について、体制面の問題を踏まえた再確認が行われ、再確認の結果に基づいた適切な対応が行われたかどうかを確認する。
・障害密度の実績値が基準値の下限に満たない機能については、十分な品質が確保できている場合と、もう一つの場合が想定される。どちらに該当するかを判断するためにテストケースの内容が適切であるかどうかを確認する。
・テスト密度の実績値が基準値の範囲外となる機能については、テストケースに着目した適切な対応が行われたかどうかを確認する。
〔E社システムの障害への新システムでの対応〕
D課長は、E社システムの稼働中に発生する障害の中で、新システムでも対応が必要なものについては、8月に対応するスケジュールとした(図1)。これは、⑤障害発生の都度対応するのではなく、結合テストの後半にまとめて対応する方が、作業効率の面で優れているという考えによる。ただし、対応にかなりの工数を要する重大な障害が発生することも想定される。その場合は、10月に確実に稼働開始できるように、障害の新システムへの影響の有無、障害対応の内容及び必要工数を基にして、納期の観点からある確認をした上で、障害への対応方針を整理する必要があるとD課長は考えた。
設問1:〔プロジェクトの発足〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る本文中の下線①における、本番稼働前のE社システムを基にして開発作業を進めた場合に頻発するおそれがある追加の作業の内容を答えよ。
模範解答
初期障害への対応
解説
解答の導き方
設問は、本番稼働前のE社システムを基に開発を進めた場合、どのような追加作業が頻発するおそれがあるかを尋ねています。
本文では、本番稼働前のE社システムには「十分な稼働実績がない」と述べています。実際の業務で使われ始めて初めて、想定していなかった不具合や問題が見つかることがあります。その場合、原因を調べて修正し、新システムにも必要な対応を反映する作業が発生します。
このように、稼働開始直後に見つかった問題への対応は、一般に初期障害への対応と呼ばれます。したがって、追加作業の内容は初期障害への対応と判断できます。
誤りやすいポイント
- E社システムに稼働実績がないことから、要件の追加や変更が頻発すると考えてしまうことがあります。ここで問われているのは、実稼働後に表面化する障害への対応です。
- 「追加の作業」を、開発工程で行うテストや設計変更と捉えないようにします。本文では、本番稼働の実績が不足していることが、その作業の発生理由として示されています。
- 「障害対応」だけでは範囲が広いため、稼働開始直後に発生する障害、つまり初期障害への対応と具体化することが大切です。
FAQ
Q: 初期障害とは、どのような障害ですか?
A: システムの稼働開始後、実際の業務で使われる中で見つかる不具合や問題を指します。
A: システムの稼働開始後、実際の業務で使われる中で見つかる不具合や問題を指します。
Q: なぜ本番稼働前のシステムでは、追加作業が発生しやすいのですか?
A: 実際の業務で十分に使われた実績がなく、稼働後に初めて明らかになる問題を事前に把握しきれないためです。
A: 実際の業務で十分に使われた実績がなく、稼働後に初めて明らかになる問題を事前に把握しきれないためです。
Q: テストで障害を見つける作業も、初期障害への対応に含まれますか?
A: ここで問われているのは、本番稼働前のテストではなく、稼働実績が不足しているシステムを基に開発することで、稼働後に発生し得る追加作業です。
A: ここで問われているのは、本番稼働前のテストではなく、稼働実績が不足しているシステムを基に開発することで、稼働後に発生し得る追加作業です。
関連キーワード: 初期障害、稼働実績、本番稼働、障害対応、リスク管理
設問1(2)
問題文を見るD課長が、用語集を新システム担当に作成させたのは、C社にとってどのようなメリットがあると考えたからか。20字以内で述べよ。
模範解答
・E社システムの理解が早まる。
・E社システムの理解が深まる。
・開発作業が円滑に立ち上がる。
解説
解答の導き方
-
問われているのは、用語集を作ること自体の効果ではなく、それによってC社が得るメリットです。本文には、D課長が「外部設計以降の開発作業におけるC社にとってのメリットを考え」たとあります。したがって、用語集がその後の開発作業にどう役立つかを考えます。
-
用語集に載せるのは、「E社特有の用語を収集して解説した」ものです。新システム担当にとって、E社特有の用語はなじみが薄く、意味を知らないままでは、E社システムの機能や設計内容を理解しにくくなります。用語の意味を調べられるようにしておけば、用語の確認にかかる時間を抑え、内容への理解を早められます。
-
外部設計以降の開発では、E社システムを基に新システムを構築します。担当者がE社特有の用語を理解していれば、設計内容を把握しやすくなり、関係者とのやり取りでも認識のずれが起きにくくなります。その結果、C社側の担当者が開発作業にスムーズに加われるため、開発の立ち上がりを円滑にする効果もあります。
誤りやすいポイント
- 用語集を作成することが、E社側の作業を助ける効果だけに注目しないようにします。設問はC社にとってのメリットを尋ねているため、新システム担当の理解や開発作業への貢献に結び付けます。
- 用語集の作成を、単なる記録や資料作りとして捉えないようにします。用語の意味を共有することで、システム理解を促し、担当者間の認識のずれを抑える点が重要です。
- 「開発規模を小さくできる」「要件定義が早く終わる」など、本文で用語集の効果として述べられていない内容に広げないようにします。
FAQ
Q: 用語集を作ることで、なぜ開発作業が円滑になるのですか?
A: 用語の意味をその都度確認する手間や、意味の取り違えによる認識のずれを抑えられ、設計内容の理解や関係者とのやり取りが進めやすくなるためです。
A: 用語の意味をその都度確認する手間や、意味の取り違えによる認識のずれを抑えられ、設計内容の理解や関係者とのやり取りが進めやすくなるためです。
Q: E社特有の用語を集めるだけでなく、解説も付ける必要があるのはなぜですか?
A: 用語の一覧だけでは、担当者が意味を理解できるとは限りません。解説を付けることで、用語とその意味を結び付けて理解できるようになります。
A: 用語の一覧だけでは、担当者が意味を理解できるとは限りません。解説を付けることで、用語とその意味を結び付けて理解できるようになります。
Q: 用語集の効果は、要件定義の精度を高めることですか?
A: 要件定義への効果も考えられますが、この設問では、外部設計以降の開発作業に対するC社のメリットが中心です。E社の用語への理解が進み、開発作業にスムーズに取り組める点を押さえます。
A: 要件定義への効果も考えられますが、この設問では、外部設計以降の開発作業に対するC社のメリットが中心です。E社の用語への理解が進み、開発作業にスムーズに取り組める点を押さえます。
関連キーワード: 用語集、知識共有、システム理解、外部設計、コミュニケーション
設問2:〔利用部門との連携〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線②においてD課長は、開発作業を予定どおりに進める上での、どのようなリスクを軽減しようとしたのか。20字以内で述べよ。
模範解答
・改修量が想定規模以上に膨らむ。
・修正要望が想定以上に膨らむ。
・開発規模が予算を超過する。
解説
解答の導き方
この設問は、CIOから利用部門に協力を求めることで、どのようなリスクを抑えようとしたのかを問うています。協力の依頼内容そのものではなく、それが必要となる背景からリスクを考えます。
まず、開発期間は「4月から9月末までの6か月間」と短く、D課長は「開発規模を絞り込むこと」と「3月末に要件定義が完了すること」を重視しています。つまり、要件が膨らんで開発作業が増えると、予定どおりに進められなくなる状況です。
そこで本文では、「E社システムに業務を合わせることで開発規模を絞り込む」としています。既存のシステムに合わせれば、C社独自の業務に対応するための変更を抑えられるからです。また、利用部門に「E社システムを極力利用して業務プロセスを組み立てる」よう協力を求めています。
この協力が得られず、利用部門から既存の業務を維持するための変更要望が多く出ると、改修量や開発規模が当初の想定を超えるおそれがあります。したがって、軽減しようとしているのは、変更要望などによって改修量が想定以上に膨らみ、開発スケジュールに影響するリスクです。
誤りやすいポイント
- 「スケジュールが遅れること」だけを書くと、遅れにつながる原因が不足します。改修量や開発規模の拡大が原因であることを押さえます。
- CIOに協力を要請すること自体は、リスクではなくリスクを軽減するための対応です。
- E社システムの機能不足を補うリスクと捉えるのではなく、利用部門の変更要望によって改修が増えるリスクと考えます。
- 品質上の問題ではなく、要件や変更の増加による開発規模の膨張に着目します。
FAQ
Q: なぜ既存のシステムに業務を合わせると、開発規模を抑えられるのですか?
A: 既存のシステムの仕組みを活用でき、C社の業務に合わせて独自の変更を加える必要が少なくなるためです。
A: 既存のシステムの仕組みを活用でき、C社の業務に合わせて独自の変更を加える必要が少なくなるためです。
Q: 「開発規模が予算を超過する」リスクと答えてもよいですか?
A: 模範解答にあるとおり、改修量や修正要望が想定以上に増え、その結果として開発規模や予算が膨らむという内容であれば、同じ趣旨です。
A: 模範解答にあるとおり、改修量や修正要望が想定以上に増え、その結果として開発規模や予算が膨らむという内容であれば、同じ趣旨です。
Q: 「開発が遅れるリスク」だけでは不十分ですか?
A: 遅れの原因が示されていないため、説明としては不十分になりやすいです。改修量や変更要望の増加が、予定どおりの開発を妨げる点まで示します。
A: 遅れの原因が示されていないため、説明としては不十分になりやすいです。改修量や変更要望の増加が、予定どおりの開発を妨げる点まで示します。
関連キーワード: 要件定義、開発規模、変更要求、スコープ管理、スケジュール管理
設問2(2)
問題文を見るD課長が、E社システムを利用してプロトタイプを構築することによって、利用部門が精度の高い要件定義を行えると考えた理由を、20字以内で述べよ。
模範解答
・E社システムの使い勝手を実感できるから
・E社システムの特徴を正確に把握できるから
・新システムの内容を正確に理解できるから
解説
解答の導き方
この設問は、E社システムを使ったプロトタイプによって、利用部門がなぜ精度の高い要件定義を行えるのかを問うています。
本文では、開発期間が4月から9月末までの6か月間と短く、E社システムに業務を合わせて開発規模を絞ること、そして3月末に要件定義を完了することが重視されています。そのうえで、「利用部門が精度の高い要件定義を効率よく行えるように、E社システムを利用してプロトタイプを構築する」とあります。
プロトタイプを実際に操作できれば、利用部門は資料や説明だけでは分かりにくい画面の使い勝手や業務の流れを具体的に確かめられます。また、E社システムの機能や特徴を把握したうえで、新システムで必要なことや変更が必要な点を検討できます。こうして業務上の要望を具体化できるため、要件定義の精度を高められると判断できます。
誤りやすいポイント
- 「プロトタイプを作るから」とだけ答えると、精度の高い要件定義につながる理由が示せません。利用部門が何を確認できるのかまで説明します。
- 開発期間の短縮や開発規模の縮小を、プロトタイプを作る直接の理由として答えないようにします。設問が尋ねているのは、利用部門が要件を正確に定められる理由です。
- プロトタイプを完成版と同一視しないようにします。ここでは、利用部門がシステムの操作や特徴を具体的に把握するための手段として捉えます。
FAQ
Q: プロトタイプを使うと、なぜ要件を具体化しやすくなるのですか?
A: 利用部門が画面や業務の流れを実際に確かめられるため、抽象的な要望を具体的な機能や使い方に結び付けやすくなるからです。
A: 利用部門が画面や業務の流れを実際に確かめられるため、抽象的な要望を具体的な機能や使い方に結び付けやすくなるからです。
Q: この設問では、要件定義の効率と精度のどちらが重要ですか?
A: 両方が本文に示されていますが、設問が尋ねているのは「精度の高い要件定義を行えると考えた理由」です。操作を通じてシステムの使い勝手や特徴を把握できる点を中心に説明します。
A: 両方が本文に示されていますが、設問が尋ねているのは「精度の高い要件定義を行えると考えた理由」です。操作を通じてシステムの使い勝手や特徴を把握できる点を中心に説明します。
Q: プロトタイプで確認した内容は、そのまま要件になるのですか?
A: そのまま確定するとは限りません。利用部門が実際に確認した内容を基に、必要な機能や業務上の要望を検討し、要件として整理します。
A: そのまま確定するとは限りません。利用部門が実際に確認した内容を基に、必要な機能や業務上の要望を検討し、要件として整理します。
関連キーワード: プロトタイピング、要件定義、利用者参加、業務プロセス、ユーザインタフェース
設問3:〔結合テストの品質評価方法の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中の下線③における、ある条件に該当するプログラムとはどのようなプログラムか。30字以内で述べよ。
模範解答
・新規に開発又は修正した部分の影響を受けるプログラム
・新規に開発又は修正した部分との関連性が深いプログラム
解説
解答の導き方
-
下線③では、品質評価に用いるステップ数を「新規に開発又は修正したステップ数」だけにせず、条件に該当するプログラムのステップ数も一定割合加えると説明しています。したがって、問われているのは、新規開発・修正部分そのものではなく、それ以外で加算対象となるプログラムの条件です。
-
その理由は、テスト密度や障害密度を「新規に開発又は修正した部分の全体への影響を加味して適切に評価するため」です。変更した箇所だけでなく、その変更の影響が及ぶプログラムも品質評価に関係するため、加算対象に含めると考えられます。
-
以上から、条件に該当するのは、新規に開発又は修正した部分の影響を受けるプログラムです。同じ趣旨を、変更部分との関連性が深いプログラムと言い換えることもできます。影響や関連性の薄いプログラムまで一律に加算するのではなく、変更部分と関係するプログラムを対象にする点が重要です。
誤りやすいポイント
- 加算対象を、新規に開発又は修正したプログラムだけだと捉えないようにします。設問では、それらのステップ数に加えるプログラムについて尋ねています。
- 既存のプログラムをすべて対象にすると考えるのも誤りです。本文の目的は、変更部分の影響を加味することであり、影響や関連性のないプログラムまで含めるとは述べていません。
- 「関連性がある」だけでなく、変更部分の影響を受ける、または関連性が深いという条件が伝わるように答えます。
FAQ
Q: なぜ、変更していないプログラムのステップ数も評価に加えるのですか?
A: 新規開発や修正によって、関連する既存プログラムにも影響が及ぶことがあるためです。その影響を評価から外さないようにします。
A: 新規開発や修正によって、関連する既存プログラムにも影響が及ぶことがあるためです。その影響を評価から外さないようにします。
Q: 条件に該当するプログラムのステップ数を、すべて加えるのですか?
A: 本文では「一定割合を加えた値」としています。対象となるステップ数をそのまま全量加えるのではなく、一定割合を加算します。
A: 本文では「一定割合を加えた値」としています。対象となるステップ数をそのまま全量加えるのではなく、一定割合を加算します。
Q: テスト密度と障害密度で、加算するプログラムの条件は異なりますか?
A: 本文では、両方の品質評価について、同じステップ数を基準値の算出に用いる説明になっています。
A: 本文では、両方の品質評価について、同じステップ数を基準値の算出に用いる説明になっています。
関連キーワード: テスト密度、障害密度、ステップ数、影響範囲、品質評価
設問3(2)
問題文を見る本文中の下線④における、体制面の問題を踏まえた再確認では、具体的にどのようなことを確認するのか。30字以内で述べよ。
模範解答
・当該チームが担当したほかの機能に品質の問題がないこと
・当該チームが作成したすべての成果物に問題がないこと
解説
解答の導き方
-
下線④では、障害密度が基準値の上限を超えた機能について、原因分析を踏まえて適切な対応が行われたかを確認するとしています。さらに、原因が開発チームの体制面にある場合には、「結合テストを開始するまでの開発作業の実施状況」を再確認する必要があります。
-
原因がチームの体制にあるなら、品質上の問題が見つかった機能だけを調べても不十分です。同じチームが担当したほかの機能にも、同じ原因による品質上の問題が及んでいる可能性があるからです。
-
また、問題の影響は機能だけでなく、チームが作成した成果物にも及ぶ可能性があります。そのため、再確認では、当該チームが担当したほかの機能に品質の問題がないことと、当該チームが作成したすべての成果物に問題がないことを確認します。
誤りやすいポイント
- 障害密度が上限を超えた機能だけを再確認することです。原因がチームの体制にある場合、同じチームが担当したほかの機能も確認対象になります。
- テストケースだけを見直すことです。この設問では、結合テスト前の開発作業について、チームの体制面の問題を踏まえて確認することが求められています。
- チームの体制を改善する方法を答えることです。問われているのは改善策ではなく、再確認で何を確認するかです。
FAQ
Q: なぜ、問題が見つかった機能以外も確認するのですか?
A: 原因がチームの体制にある場合、同じチームが担当したほかの機能にも、品質上の問題が生じている可能性があるためです。
A: 原因がチームの体制にある場合、同じチームが担当したほかの機能にも、品質上の問題が生じている可能性があるためです。
Q: なぜ、成果物をすべて確認するのですか?
A: チームの体制面の問題が、特定の機能だけでなく、チームが作成したほかの成果物にも影響している可能性があるためです。
A: チームの体制面の問題が、特定の機能だけでなく、チームが作成したほかの成果物にも影響している可能性があるためです。
Q: プロジェクト全体の成果物を確認するのですか?
A: 確認の中心は、問題の原因と考えられる当該チームが担当した機能や作成した成果物です。
A: 確認の中心は、問題の原因と考えられる当該チームが担当した機能や作成した成果物です。
関連キーワード: 結合テスト、障害密度、品質評価、原因分析、開発体制、成果物
設問3(3)
問題文を見る障害密度の実績値が基準値の下限に満たない機能について想定される、もう一つの場合とはどのような場合か。20字以内で述べよ。
模範解答
・十分なテストが行われていない場合
・テストケースが不足している場合
・障害を検出しきれていない場合
解説
解答の導き方
-
問われているのは、障害密度の実績値が基準値の下限を下回る機能について、「十分な品質が確保できている場合」以外に考えられる状態です。障害密度が低いことだけでは、品質が高いとは判断できません。
-
本文では、下限を下回る機能について、二つの場合のどちらに当たるかを判断するために「テストケースの内容が適切であるかどうかを確認する」としています。テストケースが不適切だったり不足していたりすると、実際には障害が残っていても、テストで発見できないことがあります。
-
したがって、もう一つの場合は、テストが十分に行われず、障害を検出しきれていない状態です。20字以内で表すなら、「テストケースが不足している場合」などが該当します。
誤りやすいポイント
- 障害密度が低いことを、そのまま「品質が高い」と判断しないようにします。テストが不十分な場合も、検出される障害数は少なくなります。
- テストケースの数だけで判断せず、障害を検出できる内容になっているかも確認します。
- 「障害が少ない場合」とだけ答えると、テスト不足によって障害を検出できていないという原因が伝わりません。
FAQ
Q: 障害密度が基準値の下限を下回ると、なぜテスト内容の確認が必要なのですか?
A: 品質が高いために障害が少ない場合と、テストが不十分で障害を発見できていない場合の両方が考えられるためです。
A: 品質が高いために障害が少ない場合と、テストが不十分で障害を発見できていない場合の両方が考えられるためです。
Q: テストケースが多ければ、テストは十分だと判断できますか?
A: いいえ。件数だけでなく、テストケースが対象機能を適切に確認できる内容かどうかも見る必要があります。
A: いいえ。件数だけでなく、テストケースが対象機能を適切に確認できる内容かどうかも見る必要があります。
関連キーワード: 障害密度、テスト密度、テストケース、品質評価、テスト網羅性
設問3(4)
問題文を見るテスト密度の実績値が基準値の範囲外となる機能について行う、テストケースに着目した適切な対応とはどのような内容か。20字以内で述べよ。
模範解答
・テストケースの妥当性を確認する。
・テストケースの再レビューを行う。
解説
解答の導き方
-
まず、テスト密度は「単位ステップ数当たりのテストケース数」です。したがって、実績値が基準値の範囲外ということは、対象の機能について、プログラム量に対するテストケース数が基準より多いか少ない状態です。
-
ただし、テスト密度が範囲外だからといって、直ちにテストケースが不適切だとは判断できません。テストケース数が少なくても、必要な条件や処理を網羅していれば十分な場合があります。一方、数が多くても、内容に重複があったり、必要な観点が抜けていたりする可能性があります。
-
本文では、テスト密度の実績値が基準値の範囲外となる機能について、「テストケースに着目した適切な対応」が行われたかを確認するとしています。そこで、テストケースの内容が妥当かを確認し、必要に応じて再レビューすることが対応になります。
誤りやすいポイント
- テスト密度が基準値の範囲外というだけで、テストケースを単純に増やす、または減らすと決めつけないようにします。まず内容の妥当性を確かめます。
- 障害密度の実績値が基準値の範囲外となる場合の確認と混同しないようにします。この設問では、テスト密度に対して、テストケースに着目した対応を問われています。
- プログラムの修正や障害原因の分析ではなく、テストケースの確認・再レビューが中心です。
FAQ
Q: テスト密度が基準値より低い場合は、必ずテストケースを追加するのですか?
A: 必ず追加するとは限りません。テストケースの内容を確認し、必要な観点が不足していると判断した場合に追加などの対応を検討します。
A: 必ず追加するとは限りません。テストケースの内容を確認し、必要な観点が不足していると判断した場合に追加などの対応を検討します。
Q: テスト密度が基準値より高い場合は、テストケースを削除するのですか?
A: 直ちに削除するのではなく、テストケースの妥当性や重複の有無などを確認します。
A: 直ちに削除するのではなく、テストケースの妥当性や重複の有無などを確認します。
Q: 「再レビュー」では何を確認しますか?
A: テストケースが必要な条件や処理を適切に扱っているか、内容に不足や重複がないかを確認します。
A: テストケースが必要な条件や処理を適切に扱っているか、内容に不足や重複がないかを確認します。
関連キーワード: テスト密度、テストケース、基準値、妥当性確認、レビュー、品質評価
設問4:〔E社システムの障害への新システムでの対応〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問4(1)
問題文を見る本文中の下線⑤において、結合テストの後半にまとめて対応する方が、作業効率の面で優れているとD課長が考えた理由を、30字以内で述べよ。
模範解答
・品質が比較的安定した状態で障害対応が行えるから
・まとめて行うことによって作業の重複が少なくなるから
・既存の開発作業への影響が少ないから
解説
解答の導き方
この設問は、E社システムで障害が発生するたびに対応するのではなく、結合テストの後半にまとめて対応する方が効率的だと考えた理由を問うています。
本文には、対応時期について「結合テストの後半にまとめて対応する」とあります。図1でも、結合テストは7月から8月半ばまで、新システムの障害への対応は8月初めから半ばまでの予定です。つまり、新システムの開発やテストがある程度進んだ時期に、障害対応を行う計画です。
開発の途中で障害の対応を都度行うと、まだ変更が続いている部分に修正を加えたり、対応後にその部分を再確認したりする必要が生じることがあります。結合テストの後半まで待てば、新システムの品質が比較的安定した状態で対応できるため、修正後に再び変更が加わることによる手戻りを抑えやすくなります。
また、複数の障害をまとめて調査・修正すれば、影響範囲の確認やテストなど、対応のたびに必要となる作業を繰り返さずに済みます。障害が発生するたびに予定していた開発作業を中断する必要も減るため、既存の作業への影響も小さくできます。これらが、まとめて対応する方が作業効率に優れる理由です。
誤りやすいポイント
- 「障害発生の都度対応しない」という計画だけに注目し、まとめて対応することで作業の重複を減らせる点を見落とさないようにします。
- 単に「結合テストの後半の方が時間に余裕があるから」と考えるのは不十分です。品質が比較的安定した状態で対応できることや、既存作業への影響が少ないことも理由になります。
- まとめて対応するのは、障害を放置するという意味ではありません。この設問では、対応時期をまとめることによる作業効率上の利点を説明します。
FAQ
Q: なぜ、結合テストの後半だと品質が比較的安定していると考えられるのですか。
A: 開発やテストが進み、対象となる機能の変更が落ち着いていると考えられるためです。対応後に別の変更が加わって修正をやり直す可能性を抑えやすくなります。
A: 開発やテストが進み、対象となる機能の変更が落ち着いていると考えられるためです。対応後に別の変更が加わって修正をやり直す可能性を抑えやすくなります。
Q: まとめて対応すると、どのような作業の重複を減らせますか。
A: 障害の影響範囲の確認や修正後のテストなど、障害対応のたびに必要となる作業を繰り返すことを減らせます。
A: 障害の影響範囲の確認や修正後のテストなど、障害対応のたびに必要となる作業を繰り返すことを減らせます。
Q: 都度対応すると、なぜ既存の開発作業への影響が大きくなりますか。
A: 発生のたびに予定していた作業を中断して、調査や修正、確認に切り替えることになるためです。
A: 発生のたびに予定していた作業を中断して、調査や修正、確認に切り替えることになるためです。
関連キーワード: 結合テスト、障害対応、品質安定、手戻り、作業効率
設問4(2)
問題文を見るD課長は、10月に確実に稼働開始できるように、納期の観点からどのような確認をする必要があると考えたのか。25字以内で述べよ。
模範解答
・稼働開始時に対応が必須かどうかの確認
・一部の対応を稼働開始後にできないかどうかの確認
解説
解答の導き方
この設問は、重大な障害が発生した場合に、10月の稼働開始に間に合わせるため、納期の観点で何を確認するかを問うています。
まず、本文には、E社システムの障害のうち新システムでも対応が必要なものを、結合テストの後半にまとめて対応するとあります。一方で、「対応にかなりの工数を要する重大な障害が発生することも想定される」とあり、障害対応に時間をかけると、稼働開始に間に合わなくなるおそれがあります。
そこで、障害の新システムへの影響、対応内容、必要工数を踏まえ、すべてを稼働開始前に完了させる必要があるのかを見極めます。具体的には、まず、その障害への対応が稼働開始時点で必須かどうかを確認します。さらに、対応の一部を稼働開始後に回してもよいかどうかを確認すれば、稼働開始に必要な作業を優先し、納期を守れる可能性を判断できます。
誤りやすいポイント
- 障害の原因や修正方法だけを確認する回答では、納期の観点が抜けています。
- 発生した障害にはすべて稼働開始前に対応すると決めつけると、本文が求める確認を捉えられません。
- 「対応を稼働開始後に回す」だけでは不十分です。そもそも稼働開始時に対応が必須かどうかも確認します。
- 対応の先送りを一律に決めるのではなく、影響や対応内容、必要工数を踏まえて判断することが重要です。
FAQ
Q: なぜ、障害対応をすべて稼働開始前に完了させる前提にしないのですか?
A: 重大な障害への対応にかなりの工数がかかると、稼働開始が遅れるおそれがあるためです。稼働開始時に必要な対応と、後から実施できる対応を分けて考えます。
A: 重大な障害への対応にかなりの工数がかかると、稼働開始が遅れるおそれがあるためです。稼働開始時に必要な対応と、後から実施できる対応を分けて考えます。
Q: 「一部の対応を稼働開始後にできないか」と確認するのは、障害を放置してよいという意味ですか?
A: いいえ。障害の影響を踏まえ、稼働開始に必要な対応を行った上で、残りの対応を後に回せるかを確認するという意味です。
A: いいえ。障害の影響を踏まえ、稼働開始に必要な対応を行った上で、残りの対応を後に回せるかを確認するという意味です。
Q: 必要工数は、どの判断に役立ちますか?
A: 対応をすべて稼働開始前に行う場合に、予定どおり稼働開始できるかを見極める材料になります。
A: 対応をすべて稼働開始前に行う場合に、予定どおり稼働開始できるかを見極める材料になります。
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