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プロジェクトマネージャ 2010年 午後1 問02


会計業務においてEUCからWebアプリケーションシステムへ移行するプロジェクトに関する次の記述を読んで、設問1~5に答えよ。

〔業務監査室の指摘〕  J社は、製造業であり、株式を上場している。昨年、内部統制への対応を実施した際、業務監査室から、エンドユーザコンピューティングで実施する業務(以下、EUC業務という)のリスクについて指摘を受けた。EUC業務とは、会計システムからデータを抽出し、表計算ソフトを使って分析したり、加工した結果を用いて報告書を作成したり、会計システムへ入力したりする業務のことである。指摘の内容は、“EUC業務で使用するプログラムには、だれでもアクセスできるので、承認を得ない変更が行われたり、改ざんが行われたりするような、財務諸表に影響を与えるリスクが存在しており、改善する必要がある”とのことであった。この指摘を受け、J社の会計部門である経理部のすべてのEUC業務を洗い出し、財務諸表に与える影響度を“大”“中”“小”に分類した。影響度の“大”のものは、緊急に改善が必要とされ、特定の業務担当者しかアクセスできない専用のファイルサーバで運用するなどの対応を実施した。しかし、業務監査室からは、この対応を実施した後も業務担当者がマクロや計算式を直接修正しており、リスクがまだ完全には解消されていないとの指摘を受けた。そこで、業務監査室長、経理部長と情報システム部長の三者で検討した結果、EUC業務のリスク対策として、EUCからWebアプリケーションシステムへ移行するプロジェクトを立ち上げることになった。プロジェクトマネージャ(PM)には情報システム部のS氏が任命された。また、経営会議で、“既に今年度に入ってから3か月が経過しており、早急にプロジェクトを進めて今年度中に移行を完了し、来年度の業務処理はWebアプリケーションで行うように”との指示が出された。   〔状況把握〕  S氏は、各部へのヒアリングを行い、次のような状況を把握した。  ・経理部長からは、“内部統制への対応の際に、承認の履歴を残すために業務プロセスの多くの部分に文書による承認業務を入れた結果、業務効率が低下した。EUCからWebアプリケーションシステムへ移行するプロジェクトにおいて、業務効率の向上も併せて実現するために、EUC業務のすべてをワークフロー機能を備えたWebアプリケーションシステムへ移行したい”との要求が出ている。  ・情報システム部長の見解としては、“昨年実施したEUC業務の分類を基に情報システム部で検討した結果では、EUC業務は幅が広く、作成している報告書の数も多いことから、EUC業務のすべてを今年度中に移行することは難しい”という判断であった。  ・情報システム部長は経理部長に対し、“財務諸表に与える影響度から優先順位を決めて、必要なものだけを今年度中に移行したい”と申し入れたが、経理部長からは、“業務効率も重要であり、すべてを今年度中に移行してほしい”と重ねて要求されている。  S氏は、現在の状況から判断して、次の対策が必要であると考えた。  ① プロジェクトの目的と目標を明確に定めたプロジェクト憲章を経営会議で決定してもらった上で、キックオフミーティングを早急に実施し、ステークホルダ全員に対して周知徹底する。  ② 経営会議の配下に、図に示す管理部門を所管している担当役員を委員長とした委員会を設置し、開発工程の区切りの時期と部門間の調整が必要となった場合に、委員会を開催する。  S氏は、情報システム部長を通してこれらを経営会議に諮り、承認を得た。
プロジェクトマネージャ試験(平成22年 午後1 問2 移行に向けた体制)
〔プロジェクト計画の策定〕  キックオフミーティングの実施を受けて、S氏は、プロジェクト計画を策定することにした。今年度末までの残り時間が少なくなっていることから、早急にプロジェクトのスコープを確定する必要があると考え、業務監査室長、経理部長と協議を行った。両者に対し、現在の状況を説明して対象範囲の絞込みを打診したところ、業務監査室長からは、業務担当者への教育を徹底し、かつ、ある範囲のEUC業務をすべて含めるようにとの条件付で、また、経理部長からは、対象範囲から除外する部分については、来年度に別プロジェクトとして実施するようにとの条件付で、それぞれの了承を得られた。その結果を受け、昨年実施したEUC業務の分類を基にして、財務諸表に与える影響度の大きさと、それぞれのEUC業務の移行に必要なaを考慮した上で、今年度中に開発可能な範囲に絞り込んだプロジェクト計画を策定し、委員会の開催を依頼した。委員会において、S氏の提案したプロジェクト計画が承認された。   〔利用者レビュー〕  プロジェクト計画の承認を受けて、S氏は、情報システム部のメンバとともに、経理部の要件のヒアリングを開始した。経理部のT課長をはじめとした業務担当者は、経理部のIT化を進めてきたのは自分たちであるとの自負が強く、EUCからWebアプリケーションへ移行することに抵抗感をもっていた。それでもT課長自身は、内部統制対応の重要性は認識しており、業務担当者の説得に努めてくれたが、業務担当者は“業務内容を会計知識のない人間に説明しても分からないし、従来のやり方を変えたら業務の正確性も保証できない”の一点張りであり、協力を得るのは難しかった。S氏は、T課長の協力によって、EUCプログラムのソースコードを分析し、要件を把握して、外部設計書の作成までを完了した。  その後、外部設計書の利用者レビューにおいて、業務担当者からは、些細な変更点についても受け入れられないとの意見が出された。情報システム部のメンバからは、“今年度末までにプロジェクトを完了するためには、期間はぎりぎりになっている。外部設計書の作成が完了したものについては、利用者レビューの結果を待たずに次の工程に入りたい”との意見が出ている。S氏は、たとえスケジュールが最優先のプロジェクトであっても、業務担当者の姿勢を考慮すると、利用者レビューの結果を待たずに進めるのにはリスクがあることを説明し、利用者側の合意を得てから次の工程に進むように指示を出した。S氏は、このままでは外部設計工程を完了できないと判断し、外部設計書承認の最終期限を、委員会の場においてトップダウンで確定してもらう必要があると考えた。   〔委員会開催〕  S氏は、委員会の開催を要請した。委員会において、業務監査室長からEUC業務のリスク対策の重要性を改めて説明してもらい、管理部門担当役員から、プロジェクト完了に向けて各部が一致協力して対応するようにとの指示を出してもらった。その上で協議を行った結果、委員会開催の目的であったbを確定してもらうことについては、経理部長の同意を得ることができた。ただし、外部設計工程を完了した段階で、スケジュールの見直しを行い、余裕があれば、計画段階で対象範囲から除外したEUC業務のうち、業務効率向上に効果の大きいものについては、制約の許す限り移行範囲に組み込んでほしいとの要望が出された。S氏は、追加要求については、委員会の中で変更管理プロセスを設けて、cと追加開発に必要となる工数のバランスを考慮して、対応の可否を決定することを提案し、了承を得た。

設問1:

問題文を見る
〔業務監査室の指摘〕について、業務担当者がマクロや計算式を直接修正しているために、解消されないリスクとは何か。30字以内で述べよ。

模範解答

承認を得ない変更や改ざんが業務担当者によって行われる。

解説

解答の導き方

  1. 問われているのは、EUC業務を専用のファイルサーバで運用した後も、業務担当者がマクロや計算式を直接修正していることで、どのリスクが解消されないかです。
  2. 業務監査室は、EUC業務で使うプログラムについて「承認を得ない変更が行われたり、改ざんが行われたりする」リスクを指摘しています。これは、プログラムが意図しない形で変更され、会計処理や財務諸表に影響するおそれがあるということです。
  3. 専用のファイルサーバで運用しても、業務担当者がマクロや計算式を直接修正できる状態では、変更を承認する手続を経ずにプログラムの内容を変えたり、改ざんしたりする可能性が残ります。
  4. したがって、解消されないのは、業務担当者による承認を得ない変更や改ざんのリスクです。

誤りやすいポイント

  • 「ファイルサーバへのアクセスを制限したこと」と「プログラムの変更を適切に管理できること」を同じものと考えないようにします。アクセスできる人を限定しても、利用者がマクロや計算式を直接修正できれば、変更の承認や確認がないリスクは残ります。
  • 「財務諸表への誤りの影響」だけを答えるのではなく、その原因となる、承認を得ない変更や改ざんが行われることを述べます。
  • 情報漏えいや外部からの不正アクセスではなく、問題文で指摘されている業務担当者によるプログラムの直接修正に着目します。

FAQ

Q: 専用のファイルサーバを使っているのに、なぜリスクが残るのですか。
A: サーバを限定することでアクセスできる人を絞れても、アクセスできる業務担当者がマクロや計算式を直接変更できるなら、変更の承認や確認が行われないおそれがあるためです。
Q: マクロや計算式を変えると、なぜ財務諸表に影響するのですか。
A: EUC業務では、会計システムから抽出したデータを加工・分析した結果を報告書の作成や会計システムへの入力に用います。計算式などが不適切に変更されると、その結果を通じて財務諸表に影響する可能性があります。
Q: この設問では、どの部分をリスクとして答えればよいですか。
A: 財務諸表への影響そのものだけでなく、その原因となる業務担当者による承認のない変更や改ざんを答えます。

関連キーワード: EUC、内部統制、アクセス制御、変更管理、財務諸表

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設問2:〔状況把握〕について、(1)~(3)に答えよ。

設問2(1)

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S氏が、①、②の対策が必要であると考える根拠となった、現在の状況とは何か。25字以内で述べよ。

模範解答

・情報システム部と経理部の意識が合っていない。 ・各部の目的意識が合っていない。

解説

解答の導き方

  1. まず、関係する部門がそれぞれ何を重視しているかを整理します。経理部長は、業務効率の向上も実現するため「EUC業務のすべて」を移行したいと考えています。一方、情報システム部長は、すべてを今年度中に移行するのは難しいと判断し、財務諸表への影響度を基に対象を絞りたいと考えています。
  2. つまり、経理部は業務効率の向上や全業務の移行を重視し、情報システム部は実現可能性や財務諸表への影響度を重視しています。両部門で、プロジェクトに期待することや優先することが異なっています。
  3. このずれがあるため、S氏はプロジェクトの目的と目標を明確にし、ステークホルダ全員に周知する対策を考えています。また、部門間の調整が必要な場合に委員会を開催する対策も必要としています。したがって、対策の根拠となった状況は、情報システム部と経理部の目的意識がそろっていないことです。

誤りやすいポイント

  • 「今年度中に移行する時間がない」といったスケジュール上の問題だけを答えないようにします。スケジュールの制約は背景ですが、設問が尋ねているのは、二つの対策が必要になった状況です。
  • 経理部が全面移行を望んでいることだけでなく、情報システム部が対象を絞ろうとしていることも押さえます。両部門の考えの違いがポイントです。
  • 業務担当者の協力不足は、後の〔利用者レビュー〕で述べられる問題です。この設問では、〔状況把握〕にある経理部と情報システム部の認識のずれに注目します。

FAQ

Q: 経営会議から「今年度中に移行を完了」と指示されていることが、部門間のずれなのでしょうか。
A: 指示自体よりも、その制約の下で経理部は「すべてを移行したい」とし、情報システム部は「必要なものに絞りたい」としている点が、部門間のずれです。
Q: ①のプロジェクト憲章と、②の委員会は、どちらも同じ目的ですか。
A: どちらも関係者の認識を合わせることに関係しますが、①はプロジェクトの目的・目標を明確にして共有すること、②は開発工程の節目や部門間の調整が必要な場合に協議することが中心です。

関連キーワード: プロジェクト憲章、ステークホルダ管理、合意形成、組織間調整、プロジェクトガバナンス

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設問2(2)

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S氏が、役員が加わった委員会を設置した目的は何か。30字以内で述べよ。

模範解答

・部門間の調整の権限をもった調整機関とするため ・管理部門担当役員の支援を受けてプロジェクトを進めるため

解説

解答の導き方

この設問では、役員が加わる委員会を設けることで、プロジェクトをどのように進めようとしたのかを考えます。
まず、本文では、経理部長は「すべてを今年度中に移行してほしい」と要求する一方、情報システム部長は「すべてを今年度中に移行することは難しい」と判断しています。部門によって優先したいことや実現可能性の見方が異なるため、プロジェクト内だけでは調整しきれない問題が生じています。
次に、S氏が委員会を設置した目的として、「開発工程の区切りの時期と部門間の調整が必要となった場合に、委員会を開催する」とあります。つまり、委員会には部門間の意見を調整し、プロジェクトの進め方を決める役割が期待されています。
さらに、委員長は「管理部門を所管している担当役員」です。図の体制にも役員と各部門の責任者が委員会に加わる形で示されています。役員が関与することで、部門間の調整を行う権限をもたせるとともに、役員の支援を得て各部門の協力を促し、プロジェクトを進められます。
したがって、委員会の目的は、部門間の調整を行える体制をつくり、管理部門担当役員の支援を得てプロジェクトを推進することです。

誤りやすいポイント

  • 委員会を単なる進捗報告の場と捉えないようにします。本文では、工程の区切りや部門間の調整が必要な場合に開催するとされています。
  • 役員が加わる意義を「会議の重要性を高めるため」だけで終わらせないようにします。部門間の調整権限や、役員からの支援を得る点が重要です。
  • 開発作業を担当するチームと、部門間の意思決定・調整を行う委員会を混同しないようにします。

FAQ

Q: 委員会を設けるのは、プロジェクトチームだけでは調整できないからですか?
A: はい。部門ごとに異なる要求や制約を調整するため、役員や各部門の責任者が関与する場を設けています。
Q: 役員が加わることで、どのような効果が期待できますか?
A: 部門間の調整を進めやすくなり、役員の支援を受けて各部門の協力を得やすくなります。
Q: 委員会は、日々の開発作業を行う組織ですか?
A: いいえ。開発作業を担うプロジェクトとは別に、工程の節目や部門間調整が必要な場面で判断・調整を行う組織です。

関連キーワード: プロジェクトガバナンス、部門間調整、意思決定、ステークホルダ管理、プロジェクト推進

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設問2(3)

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S氏が、キックオフミーティングを早急に実施し、ステークホルダ全員に徹底したプロジェクトの目標とは何か。20字以内で述べよ。

模範解答

今年度中に移行を完了すること

解説

解答の導き方

  1. この設問で問われているのは、プロジェクトを実施する理由そのものではなく、キックオフミーティングでステークホルダ全員に周知する「プロジェクトの目標」です。
  2. 目標を読み取る根拠は、経営会議の指示です。本文には「今年度中に移行を完了し、来年度の業務処理はWebアプリケーションで行うように」とあります。ここから、移行を完了させる期限が今年度中であると分かります。
  3. 「来年度の業務処理はWebアプリケーションで行う」は、移行完了によって実現する状態です。プロジェクトで達成すべきことを簡潔に表すなら、期限を含めて、今年度中に移行を完了することが目標です。

誤りやすいポイント

  • EUC業務のリスク対策や業務効率の向上は、プロジェクトに取り組む目的や期待効果であり、ここで問われている目標とは区別します。
  • 「来年度の業務処理はWebアプリケーションで行う」だけでは、移行をいつまでに完了するかが明確になりません。期限である「今年度中」を含めます。
  • 経理部長が希望する「EUC業務のすべてを今年度中に移行すること」は、本文で調整が必要な要求です。確定したプロジェクト目標と混同しないようにします。

FAQ

Q: プロジェクトの目的と目標はどう違いますか?
A: 目的はプロジェクトを行う理由や解決したい課題で、目標はプロジェクトで達成する具体的な状態や期限です。この設問では、今年度中の移行完了が目標に当たります。
Q: キックオフミーティングで目標を周知するのはなぜですか?
A: 関係者が共通の達成基準を理解し、対象範囲や作業の優先順位を判断しやすくするためです。

関連キーワード: プロジェクト目標、プロジェクト憲章、ステークホルダ、スコープ管理

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設問3:〔プロジェクト計画の策定〕について、(1)、(2)に答えよ。

設問3(1)

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業務監査室長から移行対象に含めるようにと条件の付いた、ある範囲のEUC業務とは何か答えよ。

模範解答

影響度の“大”のもの

解説

解答の導き方

  1. まず、EUC業務は財務諸表への影響度によって“大”“中”“小”に分類されています。本文では「影響度の“大”のものは、緊急に改善が必要」とされており、影響度が“大”の業務ほど優先してリスク対策を行う必要があると分かります。
  2. 一方、EUC業務は幅が広く、報告書の数も多いため、すべてを今年度中に移行するのは難しい状況です。そのため、プロジェクト計画では、財務諸表への影響度と移行に必要な作業を考慮して、今年度中に開発できる範囲に絞り込んでいます。
  3. その範囲を絞り込むに当たり、業務監査室長は「ある範囲のEUC業務をすべて含める」ことを条件にしています。リスク対策を優先する必要があるのは、分類の中で緊急に改善が必要とされた影響度“大”の業務です。したがって、対象に含めるよう求められた範囲は、影響度“大”のEUC業務です。

誤りやすいポイント

  • 「すべてを含める」という表現から、すべてのEUC業務が対象だと考えないようにします。本文では、今年度中にすべてを移行するのは難しいとされています。
  • 「業務担当者への教育を徹底する」という条件と、移行対象に含める業務の範囲を混同しないようにします。教育は別の条件です。
  • 財務諸表への影響度が“大”“中”“小”のうち、どの分類が緊急に改善すべきとされていたかを確認します。

FAQ

Q: なぜ影響度“大”の業務を対象に含めるのでしょうか。
A: 本文で、影響度“大”のものは緊急に改善が必要とされているためです。限られた期間で移行する場合、財務諸表への影響が大きい業務を優先する判断につながります。
Q: 業務監査室長は、影響度“大”の業務だけを移行するよう求めたのですか。
A: 求めたのは、ある範囲のEUC業務をすべて含めることです。その範囲を、本文の分類と優先度から判断すると、影響度“大”の業務に当たります。
Q: 業務担当者への教育は、移行対象の範囲を決める条件ですか。
A: いいえ。本文では、教育の徹底と、特定範囲のEUC業務をすべて含めることが、別々の条件として示されています。

関連キーワード: EUC、内部統制、リスク評価、プロジェクトスコープ

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設問3(2)

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本文中のaに入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

・開発期間 ・開発工数

解説

解答の導き方

本文では、今年度末までの残り時間が少ないため、「今年度中に開発可能な範囲」にプロジェクトの対象を絞り込むとしています。したがって、財務諸表への影響度だけでなく、各EUC業務を移行するのに必要な開発上の負担も判断材料になります。
開発上の負担には、開発にどれだけの時間がかかるかという「開発期間」と、作業にどれだけの人手を要するかという「開発工数」の二つがあります。期間が短くても工数が大きければ、限られた体制で今年度中に開発できるとは限りません。反対に、工数が小さくても期間が長ければ、今年度中の完了が難しくなることがあります。
そのため、aには、各EUC業務の移行に必要な開発期間と開発工数を入れます。

誤りやすいポイント

  • 財務諸表に与える影響度だけで対象範囲を決めると考えることです。本文では、それに加えて今年度中に開発可能かどうかも考慮しています。
  • 「開発期間」と「開発工数」を同じ意味として扱うことです。期間は作業にかかる時間、工数は作業に必要な人手の量を表します。
  • 対象範囲を絞り込む際に、利用者側の要望だけを優先することです。本文では、残り時間と開発上の負担を踏まえて、今年度中に開発可能な範囲を選んでいます。

FAQ

Q: 開発期間と開発工数は、どのように違いますか?
A: 開発期間は開発にかかる時間、開発工数は開発作業に必要な人手の量です。どちらも、限られた期間内に対象範囲を完成できるかを見積もるために使います。
Q: 財務諸表への影響度を考慮するだけでは不十分なのはなぜですか?
A: 影響度が大きい業務でも、開発期間や開発工数が大きければ、今年度中に移行できるとは限らないためです。
Q: 本文で、開発可能な範囲に絞る必要があるのはなぜですか?
A: 今年度末までの残り時間が少なく、移行を今年度中に完了するという期限があるためです。

関連キーワード: スコープ管理、開発期間、開発工数、優先順位付け、工数見積り

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設問4:〔利用者レビュー〕について、(1)、(2)に答えよ。

設問4(1)

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S氏が考慮した、業務担当者の姿勢とは何か。30字以内で述べよ。

模範解答

従来の業務手順を変えたくないという姿勢

解説

解答の導き方

設問は、S氏が利用者レビューを進める際に考慮した、業務担当者の姿勢を問うています。業務担当者がどのような考えで変更に反対しているのかを、本文から読み取ります。
本文では、業務担当者が「従来のやり方を変えたら業務の正確性も保証できない」と述べています。つまり、従来の業務手順を変えることに抵抗があり、変更によって正確性が損なわれることを心配しています。
さらに、利用者レビューでは「些細な変更点についても受け入れられない」との意見が出ています。これは、業務担当者が変更を受け入れにくい姿勢を続けていることを示しています。
したがって、S氏が考慮したのは、従来の業務手順を維持したいという姿勢です。

誤りやすいポイント

  • 「業務内容を会計知識のない人間に説明しても分からない」という発言だけに注目し、業務手順の変更に対する抵抗を見落とすことです。
  • 「業務の正確性を保証できない」という懸念を、実際に正確性が低下するという事実として答えることです。設問が問うているのは、業務担当者の姿勢です。
  • 「些細な変更点も受け入れられない」というレビュー時の発言だけを抜き出し、変更を拒む理由である従来の業務手順へのこだわりを示さないことです。

FAQ

Q: 業務担当者が「業務内容を説明しても分からない」と述べたことも、姿勢に含まれますか?
A: 業務担当者の協力を得にくい背景の一つです。ただし、この設問では、従来のやり方を変えることへの抵抗を中心に捉えます。
Q: 「業務の正確性も保証できない」は、業務の正確性が実際に低下するという意味ですか?
A: いいえ。本文では、業務担当者が変更による正確性への影響を懸念していることを表しています。
Q: 利用者レビューで変更を受け入れてもらう必要があるのはなぜですか?
A: 利用者の合意を得ずに次の工程へ進むと、後から設計の修正や受入れ上の問題が生じるおそれがあるためです。

関連キーワード: 利用者レビュー、業務要件、内部統制、システム移行、変更管理

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設問4(2)

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S氏が、レビュー結果を待たずに次の工程を先行することで想定したリスクは何か。30字以内で述べよ。

模範解答

・利用者の承認を得られず手戻りとなる。 ・手戻りが発生してスケジュールが遅れる。

解説

解答の導き方

この設問では、利用者レビューの結果を待たずに次の工程へ進んだ場合、どのような問題が起こるかを考えます。
まず、業務担当者はEUCからWebアプリケーションへ移行することに抵抗感があり、外部設計書についても「些細な変更点についても受け入れられない」と述べています。このため、レビューの結果、外部設計書に対する利用者側の合意が得られない可能性があります。
その状態で次の工程に進むと、後から設計の修正が必要になり、すでに進めた作業にも影響が及びます。つまり、手戻りが発生します。さらに、本文では今年度末までの期間がぎりぎりであるとされています。手戻りによって作業が増えれば、プロジェクトのスケジュールが遅れるおそれがあります。
このように、レビュー結果を待たずに進めるリスクは、利用者の承認を得られずに手戻りが発生し、その結果としてスケジュールが遅れることです。

誤りやすいポイント

  • 「利用者の意見と情報システム部の意見が対立すること」だけで止めないようにします。設問は、先に工程を進めた場合に生じる具体的なリスクを尋ねています。
  • 「手戻り」と「スケジュール遅延」は別々の問題ではなく、利用者の承認が得られず設計を修正することで手戻りが生じ、作業の遅れにつながる関係です。
  • スケジュールが厳しいことだけを答えるのではなく、レビューを待たずに進めることが、なぜ遅延を招き得るのかまで押さえます。

FAQ

Q: 利用者レビューの合意を待たずに進めると、なぜ手戻りになるのですか。
A: 次の工程に進んだ後で設計への異議や変更要求が出ると、確定していない設計に基づいて行った作業を修正する必要が生じるためです。
Q: スケジュールが厳しいなら、レビューを待たずに進めた方がよいのではありませんか。
A: 合意前に進めると、後から修正が必要になり、かえって手戻りが増えて遅延につながる可能性があります。本文でも、利用者側の合意を得てから次の工程に進むよう指示しています。
Q: 「利用者の承認が得られない」だけでは不十分ですか。
A: それはリスクの発端です。手戻りやスケジュール遅延といった、工程を先行することで想定される影響まで示すと、設問への答えがより明確になります。

関連キーワード: 利用者レビュー、合意形成、手戻り、スケジュール管理、変更管理

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設問5:〔委員会開催〕について、(1)、(2)に答えよ。

設問5(1)

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本文中のbに入れる適切な字句を、20字以内で答えよ。

模範解答

外部設計書承認の最終期限

解説

解答の導き方

  1. まず、利用者レビューの段階で、業務担当者が「些細な変更点についても受け入れられない」としていることに注目します。外部設計書の内容について利用者側の合意を得るのに時間がかかる状況です。
  2. 一方、情報システム部のメンバは、今年度末までに完了するには期間がぎりぎりだと考えています。S氏は、レビュー結果を待たずに次の工程へ進むのはリスクがあるとして、利用者側の合意を得てから進めるよう指示しています。つまり、合意を急ぐ必要はありますが、合意を省略することはできません。
  3. そこでS氏は、このままでは外部設計工程を完了できないと判断し、「外部設計書承認の最終期限」を委員会でトップダウンに確定してもらう必要があると考えています。
  4. 委員会開催の段落でも、委員会の目的はその期限を確定してもらうことだと述べられています。したがって、[b]に入るのは、外部設計書の承認をいつまでに行うかという最終期限です。

誤りやすいポイント

  • プロジェクト全体の完了期限と混同しないようにします。ここで委員会が確定するのは、外部設計書の承認期限です。
  • 外部設計書の内容や承認方法を決めることではありません。本文が求めているのは、承認を終える期限の確定です。
  • 利用者レビューを省略して開発を先行する、という意味でもありません。本文では、利用者側の合意を得てから次の工程に進む方針が示されています。

FAQ

Q: なぜPMだけで期限を決めず、委員会に諮るのですか?
A: 業務担当者の合意が得られず外部設計工程が止まるおそれがあり、関係部門をまたぐ調整とトップダウンの判断が必要だからです。
Q: 委員会が確定するのは、外部設計書の承認日ですか?
A: 特定の日付そのものではなく、承認を完了する最終期限です。問題文では、その期限を委員会で確定するとしています。
Q: 期限を確定することで、レビューの合意は不要になりますか?
A: なりません。期限を設けることと、利用者側の合意を得ることは別です。本文では、合意を得てから次の工程へ進む方針が示されています。

関連キーワード: プロジェクト管理、利用者レビュー、合意形成、スケジュール管理、ステークホルダ管理

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設問5(2)

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模範解答

業務効率向上による効果

解説

解答の導き方

この設問では、追加開発の可否を決める際に、追加開発に必要な工数と何を比較するのかを考えます。
本文では、計画段階で対象範囲から除外したEUC業務について、「業務効率向上に効果の大きいもの」を追加で移行してほしいという要望が出ています。したがって、追加開発を行うことで得られる業務効率向上の効果が、比較の対象になります。
さらに、S氏は変更管理プロセスを設け、「追加開発に必要となる工数のバランスを考慮して、対応の可否を決定する」と提案しています。つまり、追加開発にかかる工数と、その開発によって得られる業務効率向上の効果を比べて、対応するかどうかを判断します。この比較対象を表す語句が入ります。

誤りやすいポイント

  • 追加開発の「工数」や「スケジュール」を空欄に入れるのは適切ではありません。これらは、本文ですでに比較の相手として示されています。
  • 対象範囲に含める条件として書かれた「業務効率向上に効果の大きいもの」を読み落とさないようにします。
  • 変更管理では、追加要求をそのまま受け入れるのではなく、得られる効果と必要な工数のバランスを見て対応を判断します。

FAQ

Q: なぜ、財務諸表への影響度ではなく業務効率向上の効果が問われるのですか?
A: この箇所は、当初の対象範囲から除外した業務を追加するかどうかの判断について述べています。追加要望の理由が業務効率の向上なので、その効果と追加開発の工数を比較します。
Q: 追加要求は、効果が大きければ必ず実施するのですか?
A: いいえ。本文では、追加開発に必要な工数とのバランスを考慮して、対応の可否を決めるとしています。

関連キーワード: 変更管理、追加要求、工数見積り、スコープ管理、費用対効果

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