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プロジェクトマネージャ試験 過去問・解説一覧
年度・セッション別のプロジェクトマネージャ試験過去問題集
プロジェクトマネージャ試験の過去問演習について
本ページではプロジェクトマネージャ試験の過去問を年度・セッション別に計424問収録しています。プロジェクトマネージャ試験は過去問演習が合格への最短ルートです。年度別・セッション別の問題リストから自由に問題を選び、解答・解説を確認できます。
スマートフォンにも最適化されているため、通勤・通学などのスキマ時間学習にも活用してください。プロジェクトマネージャ試験の試験概要・出題形式・難易度・合格率の推移は、このページ下部にまとめて掲載しています。
2027年度の試験制度の見直し:プロジェクトマネージャ試験は、2027年度からプロフェッショナルデジタルスキル試験に再編される予定です(IPAの検討状況)。 出題範囲の重なる新試験の予想問題も、現行の過去問から解けます。
プロジェクトマネージャ試験(PM)とは
プロジェクトマネージャ試験(PM)は、組織の戦略実現に寄与するシステム開発プロジェクトを担い、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を遂行する人を対象としたレベル4(最上位)の国家試験です。シラバスVer.7.1では、立ち上げ・計画・実行・管理・終結の各プロセスに加え、開発アプローチの選択(予測型・適応型)やステークホルダとの共創、チームの自律的な成長の促進まで、変化に強いマネジメント力が問われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分 | PM |
| レベル | レベル4 |
| 実施方式 | CBT方式(令和8年度〜) |
| 実施時期 | 後期(2027年2〜3月)※年1回。2026年度で終了予定 |
| 試験科目 | 科目A-1 / 科目A-2 / 科目B-1 / 科目B-2(旧:午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ) |
| 公式情報 | IPA公式ページ |
| シラバス | シラバスVer.7.1 |
特徴・概要
- 個別システム化計画の策定を支援し、プロジェクト憲章・プロジェクト計画を作成して、目標とライフサイクル・開発アプローチを設定する。
- スコープ・WBS・スケジュール・コスト・品質・資源・調達・コミュニケーションの各計画を作り、実行と管理を統括する。
- リスクや不確かさを早期に捉えて対応し、変更を管理しながらプロジェクトを目的の達成へ導く。
- プロジェクトチームを編成し、メンバーと目的を共有してチームの能力と自律的な成長を引き出す。
- ステークホルダを特定し、期待や関心に応じたコミュニケーションで共創関係を築く。
- フェーズやプロジェクトの終結時に計画と実績を分析・評価し、得た教訓を組織や次のプロジェクトに生かす。
試験の形式・出題構成・採点方式
プロジェクトマネージャ試験(PM)は、令和8年度(2026年度)試験からCBT(Computer Based Testing)方式へ移行し、従来の「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」がそれぞれ「科目A-1・科目A-2・科目B-1・科目B-2」へ名称変更されました。出題形式・出題数・試験時間は従来から変更ありません。
| 試験科目 | 旧名称 | 時間 | 出題形式・構成 |
|---|---|---|---|
| 科目A-1 | 午前Ⅰ | 50分 | 多肢選択式(四肢択一)30問。情報技術の共通知識。一定条件で免除可 |
| 科目A-2 | 午前Ⅱ | 40分 | 多肢選択式(四肢択一)25問。プロジェクトマネジメント分野の専門知識 |
| 科目B-1 | 午後Ⅰ | 90分 | 記述式。3問出題・2問選択 |
| 科目B-2 | 午後Ⅱ | 120分 | 論述式(論文)。2問出題・1問選択 |
採点・合格基準: 科目A-1・科目A-2・科目B-1はいずれも100点満点で60点以上が基準点。科目B-2(論述式)は評価ランクA〜DのうちランクAのみ合格。科目A-1→A-2→B-1→B-2の順に採点され、いずれかが基準を満たさないと、その時点で不合格(以降は採点されない)。
科目A-1免除制度: 応用情報技術者試験の合格者や、過去2年以内に高度試験・支援士試験の科目A-1(旧午前Ⅰ)で基準点を満たした受験者などは、申請により科目A-1が免除されます。
対象者像・求められる知識と技能
対象者像
IPAは対象者像を「高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者」としています。開発プロジェクトのリーダーやPMO、PMを目指す中堅エンジニアが主な受験者層です。
求められる主な能力・役割
- 個別システム化構想・計画の策定を支援し、プロジェクトの目的・目標・ライフサイクルを設定する力
- プロジェクトチームを編成し、メンバーと目的を共有して成長を支援するリーダーシップ
- 問題への対策とリスク・不確かさへの早期対応を主導する力
- ステークホルダとのコミュニケーションを通じて共創関係を築き、維持する力
- フェーズ終了時などに計画と実績を分析・評価し、改善や他プロジェクトへの活用につなげる力
求められる知識
- 組織の戦略・システム全般に関する基本的事項(個別システム化計画、システム開発の工程)
- プロジェクトマネジメントの体系(統合・ステークホルダ・スコープ・資源・スケジュール・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーション)
- WBS、アローダイアグラム・クリティカルパス、クラッシング・ファストトラッキングなどの日程計画技法
- ファンクションポイント法・類推見積りなどの見積り手法と、EVMによる進捗・コストの評価
- リスクの定性的・定量的分析(EMVなど)とリスク対応戦略
- 品質管理の手法(QC七つ道具・レビュー・テスト指標)とソフトウェア品質特性
- 請負・準委任などの契約形態と調達プロセス、関連する法規
- 予測型・適応型(アジャイル)の開発アプローチと、プロセス改善(CMMIなど)の考え方
求められる技能
- 環境の変化やステークホルダの期待を踏まえた、実行可能なプロジェクト計画の作成
- ライフサイクルや開発アプローチの選択と、マネジメントプロセスの修整(テーラリング)
- 進捗・コスト・品質の実績把握と、計画との差異の分析・是正
- 変更要求の影響分析と、合意形成を伴う変更管理
- チームの全体意識の統一とパフォーマンス向上、メンバーの自律的な成長の促進
- 終結時の評価と教訓の収集、組織の知識としての共有
シラバス概要
IPAのシラバスVer.7.1は、プロジェクトマネジメントの業務を次の5つの大項目に整理しています。
- 1. プロジェクト立ち上げ
- 個別システム化計画の作成と承認
- プロジェクト憲章の作成、ステークホルダの特定、プロジェクトチームの編成
- 2. プロジェクトの計画
- プロジェクト計画の作成、システム開発アプローチの選択
- スコープの定義・WBSの作成、活動の定義・順序付け・期間の見積り、スケジュールの作成
- 資源の見積り・プロジェクト組織の定義、コストの見積り・予算の作成
- リスクの特定・評価、品質・調達・コミュニケーションの計画
- 3. プロジェクトの実行
- プロジェクト作業の指揮、ステークホルダのマネジメント、プロジェクトチームの開発
- リスクへの対応、品質保証の遂行、供給者の選定、情報の配布
- 4. プロジェクトの管理
- プロジェクト作業・変更・スコープの管理
- 資源・チーム・スケジュール・コストの管理
- リスクの管理、品質管理の遂行、調達の運営管理、コミュニケーションのマネジメント
- 5. プロジェクトの終結
- プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結
- 得た教訓の収集
分野別の出題数・出題傾向(学習テーマ別)
プロジェクトマネージャ試験の科目A-2(旧・午前2)の出題範囲を、情報処理推進機構(IPA)が公表する公式シラバス(Ver.7.1)を読み解いたうえで、戦国IT独自の切り口で学習テーマ別に整理し、テーマごとの出題数を集計しました。そのため、IPA公式の分野区分とは、分類のまとめ方や名称が一部異なります(公式の正式な分野構成はIPAのシラバスでご確認ください)。どのテーマが多く問われているかの目安としてご活用ください。
科目A-2の過去問 全424問を、戦国IT独自の学習テーマ別に分類した出題数の分布です。
| 学習テーマ | 出題数 | 割合 |
|---|---|---|
| プロジェクト統合マネジメント(憲章・計画・変更管理) | 35問 | 8.3% |
| ステークホルダ・コミュニケーションのマネジメント | 13問 | 3.1% |
| スコープ・WBSのマネジメント | 12問 | 2.8% |
| スケジュールのマネジメント(日程計画・短縮) | 43問 | 10.1% |
| コストのマネジメント・見積り(EVM・FP法) | 47問 | 11.1% |
| リスクのマネジメント(EMV・リスク対応) | 34問 | 8.0% |
| 品質のマネジメント(QC手法・品質特性) | 27問 | 6.4% |
| 資源・チームのマネジメント(RACI・組織行動) | 29問 | 6.8% |
| 調達のマネジメント・契約 | 14問 | 3.3% |
| アジャイル開発・プロセス改善(CMMI) | 20問 | 4.7% |
| セキュリティ | 30問 | 7.1% |
| 開発技術 | 32問 | 7.5% |
| システム戦略・システム企画 | 17問 | 4.0% |
| 企業と法務 | 37問 | 8.7% |
| サービスマネジメント | 22問 | 5.2% |
| その他 | 12問 | 2.8% |

テーマごとの例題は、ページの末尾「参考:学習テーマ別のサンプル問題」に1問ずつ載せています。
科目B(旧午後)の出題内容
科目Bは、架空のプロジェクトの事例を読んで、プロジェクトマネージャとしての判断を答える試験です。
- 科目B-1(旧午後Ⅰ・記述式):3問から2問を選んで解答します。事例の状況と制約条件を読み取り、計画の立て方、リスクや問題への対応、ステークホルダとの調整などについて、理由とともに字数制限の中で答えます。
- 科目B-2(旧午後Ⅱ・論述式):2問から1問を選び、自身が携わったプロジェクトの経験に基づいて論文を書きます。設問ア・イ・ウの流れに沿って、プロジェクトの概要、直面した課題と工夫した対応、その評価や今後の改善を具体的に述べることが求められます。
科目A-2の知識は、科目Bで事例を読み解く前提になります。用語の意味と使いどころを、事例の中で説明できるレベルまで理解しておくと、記述式・論述式の両方で役立ちます。
2027年度からの新試験制度との関係
IPAは2026年3月31日に試験区分体系の見直しを公表し、プロジェクトマネージャ試験を含む現行の高度試験は2026年度(令和8年度)の試験実施をもって終了する予定です。2027年度夏〜秋頃からは、応用情報技術者試験と高度試験を大括り化した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」(マネジメント・データ・AI・システムの3区分)が始まる予定です。
- 現行試験と新区分の対応関係は、IPAから公表されていません。シラバス案の範囲から見ると、プロジェクトマネジメントはマネジメント区分の出題範囲と重なります。
- 新試験の各区分には、現行の高度試験と同等の免除制度を設けることが検討されています。現行の高度試験で一部科目の免除要件を満たした人が、一定期間、新試験で免除を受けられる経過措置も検討中です(詳細は未公表)。
- 現行区分での合格を狙う場合は、2026年度後期が最後の受験機会になる見込みです。
実施時期・受験機会
令和8年度は後期の年1回実施です。CBT化により、受験者が実施期間内の日時・会場を選んで受験します。科目A群(科目A-1・A-2)と科目B群(科目B-1・B-2)は別の日に受験し、申込みの際に両方を同時に予約します。
| 項目 | 期間(令和8年度後期) |
|---|---|
| 申込受付期間 | 2027年1月27日〜2月27日 |
| 科目A-1・科目A-2 | 2027年2月20日〜3月2日 |
| 科目B-1・科目B-2 | 2027年3月16日〜3月28日 |
受験手数料は7,500円(税込)です。最新の日程・申込方法はIPA公式で必ず確認してください。
攻略ポイント・学習アドバイス
- 科目A-2(旧午前Ⅱ)は、EVM・クリティカルパス・ファンクションポイント法・EMVなどの計算問題がよく出ます。公式と解き方を押さえ、過去問で手早く解けるようにしましょう。
- 科目A-2は過去問と同じ、または似た問題が繰り返し出ます。プロジェクトマネジメントの用語と、契約・法務・セキュリティなどの周辺分野をあわせて、過去問を繰り返し解くのが効率的です。
- 科目B-1は「なぜその対応をとるのか」を問う設問が中心です。本文中の記述を根拠にして、設問の字数に収める練習をしましょう。
- 科目B-2の論述は、自身のプロジェクト経験を「状況→課題→工夫した対応→結果と評価」の流れで整理しておき、問われたテーマに合わせて組み立て直せるようにしておきます。
- アジャイル開発やステークホルダとの共創、チームの自律的な成長など、近年のシラバスで重みが増したテーマは、自分の経験と結び付けて説明できるようにしておきましょう。
関連リンク
- IPA公式:プロジェクトマネージャ試験(PM)
- IPA公式:「プロジェクトマネージャ試験(レベル4)」シラバス(Ver.7.1)
- IPA公式:令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について
- IPA公式:情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況
- 戦国ITブログ:2027年の情報処理技術者試験再編を整理!PDS・データマネジメント試験・CBT化の要点は?
まとめ
プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの立ち上げから終結までを責任をもって導く力を問う、マネジメント系の高度試験です。科目A-2では、スケジュール・コスト・リスクなどの計算問題と、プロジェクトマネジメントの用語・周辺分野の知識が繰り返し問われるので、過去問の演習が最も効果的です。科目Bでは、事例を読み解く記述式と、自身の経験に基づく論述式で実践力が試されます。現行制度での試験は2026年度後期が最後の見込みなので、日程を確認したうえで、科目A-2の過去問から計画的に準備を進めましょう。
参考:学習テーマ別のサンプル問題(科目A-2の過去問から)
ここでは、「分野別の出題数・出題傾向」で示した学習テーマごとに、何が問われるかの要点と、実際に出題された科目A-2の過去問を1問ずつ紹介します。
本セクションで扱う学習テーマは全15テーマです。
- プロジェクト統合マネジメント(憲章・計画・変更管理)
- ステークホルダ・コミュニケーションのマネジメント
- スコープ・WBSのマネジメント
- スケジュールのマネジメント(日程計画・短縮)
- コストのマネジメント・見積り(EVM・FP法)
- リスクのマネジメント(EMV・リスク対応)
- 品質のマネジメント(QC手法・品質特性)
- 資源・チームのマネジメント(RACI・組織行動)
- 調達のマネジメント・契約
- アジャイル開発・プロセス改善(CMMI)
- セキュリティ
- 開発技術
- システム戦略・システム企画
- 企業と法務
- サービスマネジメント
プロジェクト統合マネジメント(憲章・計画・変更管理)
このテーマで問われること
プロジェクトの目的、計画、実行、監視、変更、終結を一貫して調整する分野である。憲章により実施の根拠と権限を明確にし、スコープ、日程、コスト、品質、資源、リスクなどの各計画を統合して実行基準を定める。実行中は作業実績と計画との差を把握し、課題や変更要求を影響分析に基づいて判断する。承認された変更を関連計画や関係者へ反映し、構成や版を管理することが重要である。終結時には成果物の引渡し、契約処理、記録の整理を行い、プロジェクトを正式に完了する。
出題の焦点
- 憲章とプロジェクト目的の明確化
- 各管理計画の統合
- 実績・計画差異の把握
- 変更要求の影響分析と承認
- 成果物引渡しと正式な終結
問題 ― 令和3年午前2 問1
あるプロジェクトのステークホルダとして、プロジェクトスポンサ、プロジェクトマネージャ、プロジェクトマネジメントオフィス及びプロジェクトマネジメントチームが存在する。ステークホルダのうち、JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば、主として標準化、プロジェクトマネジメントの教育訓練及びプロジェクトの監視といった役割を担うのはどれか。
- ア:プロジェクトスポンサ
- イ:プロジェクトマネージャ
- ウ:プロジェクトマネジメントオフィス
- エ:プロジェクトマネジメントチーム
正解と解説
正解:ウ
JIS Q 21500:2018では、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、組織内のプロジェクトマネジメントを支援・統制する役割を担います。主な役割には、プロジェクトマネジメントの標準化、教育訓練、プロジェクトの監視などがあります。
これらの役割に該当するのは、選択肢のウ「プロジェクトマネジメントオフィス」です。
ステークホルダ・コミュニケーションのマネジメント
このテーマで問われること
プロジェクトに影響を与える関係者を特定し、その期待、関心、影響力に応じて関与を促す分野である。誰に、何を、いつ、どの手段で伝えるかを計画し、会議、報告、記録、情報配布を通じて共通認識を形成する。関係者の意見や懸念を把握して適切に対応することで、合意形成や意思決定を円滑にし、認識のずれや手戻りを減らす。プロジェクトの状況変化に応じて関係者と情報ニーズを見直し、情報の機密性や正確性にも配慮してコミュニケーションを管理する。
出題の焦点
- ステークホルダの特定・分析
- 期待と関与度の管理
- コミュニケーション計画の作成
- 情報配布と報告の適時性
- 認識差・対立への対応
問題 ― 平成23年午前2 問10
あるプレゼンテーションにおいて、次の順序で話を展開した。このような話の展開順序の方法を何というか。
A社では、2年前からIT化を全社的に推進しており、その結果、250名の要員を間接部門から直接部門に配置転換した。
B社では、ホワイトカラーの生産性向上のために、事務部門のIT化を全社的に推進しており、これまでに生産性を25%向上させている。
C社では、・・・・・・・・・・・・。
D社では、業務効率の向上を図るために、グループウェアを導入し、年間15%の経費節減を達成している。
したがって、間接部門の生産性と経費の節減が重要な課題となっている当社においても、間接部門のIT化に早急に着手することが必要である。
- ア:因果的順序法
- イ:演繹的順序法
- ウ:起承転結型順序法
- エ:帰納的順序法
正解と解説
正解:エ
複数の企業の具体例を示し、それらを根拠として「当社でも間接部門のIT化に着手すべきである」という結論を導いています。このように、個別の事実や事例から共通点を見いだし、一般的な結論へ進む方法を帰納的順序法といいます。
したがって、正しいのはエです。
スコープ・WBSのマネジメント
このテーマで問われること
プロジェクトで実施する作業と作成する成果物を明確にし、必要な範囲を漏れなく管理する分野である。要求を整理してスコープを定義し、対象外や前提条件も明確にする。WBSでは成果物や作業を管理可能な単位まで階層的に分解し、各作業の責任や完了条件を定める。実行中は成果物が合意した要件を満たすかを確認し、承認された変更を反映しながらスコープの逸脱を防ぐ。範囲の曖昧さや追加要求を適切に扱い、品質、日程、コストへの影響を統合的に考慮することが重要である。
出題の焦点
- 要求と成果物の範囲定義
- 対象外・前提条件の明確化
- WBSの分解と網羅性
- 成果物の受入れ基準
- スコープ変更と逸脱の管理
問題 ― 平成29年午前2 問5
WBSの構成要素であるワークパッケージに関する記述のうち、適切なものはどれか。
- ア:ワークパッケージは、OBS(組織ブレークダウンストラクチャ)のチームに、担当する人員を割り当てたものである。
- イ:ワークパッケージは、関連がある成果物をまとめたものである。
- ウ:ワークパッケージは、通常、アクティビティに分解される。
- エ:ワークパッケージは、一つ上位の成果物と1対1に対応する。
正解と解説
正解:ウ
ワークパッケージは、WBSを階層的に分解したときの、管理可能な大きさの作業単位です。通常、ワークパッケージをさらに具体的なアクティビティ(作業)に分解して、実施内容やスケジュールを明確にします。
このため、適切な記述はウです。
スケジュールのマネジメント(日程計画・短縮)
このテーマで問われること
プロジェクト活動を定義し、依存関係と所要期間を見積もって実行可能な日程を作成・管理する分野である。活動の順序付け、資源制約、マイルストーンを考慮し、ネットワーク図やクリティカルパスなどを用いて全体期間と遅延要因を把握する。進捗の測定では計画との差や遅延の影響を評価し、必要に応じて資源配分や作業順序を調整する。短縮策を検討するときは、コスト、品質、リスク、チーム負荷への影響を比較し、実現性を確認したうえで計画に反映する。
出題の焦点
- 活動と依存関係の定義
- 期間見積りと日程作成
- クリティカルパスと余裕の把握
- 進捗差異と遅延の影響分析
- 短縮策の効果・副作用の評価
問題 ― 令和1年午前2 問6
WBSを構成する個々のワークパッケージの進捗率を測定する方法のうち、ワークパッケージの期間が比較的長い作業に適した、重み付けマイルストーン法の説明はどれか。
- ア:作業を開始したら50%、作業が完了したら100%というように、作業の“開始”と“完了”の2時点について、計上する進捗率を決めておく。
- イ:設計書の作成作業において、“複雑な入出力に関する記述を終えたら70%とする”というように、計測者の主観で進捗率を決める。
- ウ:設計書のレビューを完了したら60%、社内承認を得たら80%というように、あらかじめ設定した作業の区切りを過ぎるごとに計上する進捗率を決めておく。
- エ:全部で10日間の作業のうち5日を経過したら50%というように、全作業期間に対する経過した作業期間の比で進捗率を決める。
正解と解説
正解:ウ
重み付けマイルストーン法は、作業の進捗を測るために、あらかじめ作業の区切り(マイルストーン)を設定し、それぞれの区切りに到達したときに計上する進捗率を決めておく方法です。
ウは、「設計書のレビュー完了で60%」「社内承認で80%」のように、作業の区切りと進捗率をあらかじめ定めています。そのため、重み付けマイルストーン法の説明として適切です。
作業期間が比較的長い場合でも、時間の経過だけではなく、作業の成果や達成した節目を基準に進捗を把握できます。
コストのマネジメント・見積り(EVM・FP法)
このテーマで問われること
プロジェクトに必要な費用を見積もり、予算を設定し、実績と予測を管理する分野である。作業、資源、調達、リスクなどを踏まえてコストを見積もり、予備費を含む予算基準を定める。実行中は実コストと進捗を定期的に把握し、計画値と比較して超過や遅れの原因を分析する。EVMなどの手法を用いて、出来高、コスト効率、完了時の見通しを評価することもある。見積りの前提と不確実性を明示し、変更や実績に応じて予測を更新して適切な是正判断につなげる。
出題の焦点
- 見積り手法と前提条件
- 予算基準と予備費
- 実コスト・進捗の監視
- EVMによる差異・完了予測
- コスト超過への是正判断
問題 ― 令和7年午前2 問3
プロジェクトの成果を予測する際に用いる回帰分析の説明はどれか。
- ア:アウトプットとこれに対応した一連のインプット変数との関係について多数のデータを用いて分析し、統計学的関係を明らかにする。
- イ:差異、欠陥、又はリスクを引き起こす根源的な理由を明らかにする。
- ウ:ベースラインと実際のパフォーマンスについて、違いが生じた原因と、違いの度合いを判定する。
- エ:予算、コスト、スケジュール、又はスコープのパラメータとベースラインとの差異を判定し、これに基づいて将来のある時点におけるパラメータのベースラインからの差異を予測する。
正解と解説
正解:ア
回帰分析は、成果などの目的変数と、それに影響すると考えられるコスト・作業量・期間などの説明変数との関係を、多数のデータから統計的に分析する手法です。分析した関係を使って、将来の成果を予測できます。
この説明に当てはまるのは、アウトプットと複数のインプット変数との統計的な関係を明らかにすると述べているアです。
リスクのマネジメント(EMV・リスク対応)
このテーマで問われること
プロジェクト目標に影響を及ぼす不確実性を体系的に扱う分野である。リスクを特定し、発生確率と影響度、緊急性などを評価して優先順位を付ける。定量分析では期待金額価値などを用いて選択肢や予備費の判断を支援する。対応策は回避、軽減、転嫁、受容などから選び、機会に対する活用策も検討する。実行段階ではリスクの兆候、対応策の進捗、残存リスクを監視し、新たなリスクを記録する。責任者と対応期限を明確にし、変化に応じて計画を更新することが重要である。
出題の焦点
- リスクの特定とリスク登録簿
- 発生確率・影響度による評価
- 定量分析とEMV
- 脅威・機会への対応策選択
- 残存リスクと対応状況の監視
問題 ― 平成30年午前2 問10
PMBOKガイド第5版のプロジェクト・リスク・マネジメントにおけるリスク対応戦略に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- ア:強化は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。
- イ:共有は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。
- ウ:受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。
- エ:転嫁は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。
正解と解説
正解:ウ
PMBOKガイド第5版では、リスクを「マイナスのリスク(脅威)」と「プラスのリスク(好機)」に分け、それぞれに対応する戦略を定めています。
「受容」は、リスクが発生する可能性や影響を認識したうえで、積極的な対策を講じずに受け入れる戦略です。脅威にも好機にも適用されるため、適切な記述はウです。
品質のマネジメント(QC手法・品質特性)
このテーマで問われること
成果物とプロジェクト活動が、合意された品質要求や基準を満たすよう計画・保証・管理する分野である。品質特性や受入れ条件を明確にし、レビュー、監査、試験、測定などを工程に組み込む。品質保証ではプロセスが適切に実施されているかを評価し、品質管理では成果物の欠陥やばらつきを検出して原因を分析する。統計的手法やQC七つ道具などを活用し、再発防止や継続的改善につなげる。品質は検査だけで作り込めないため、要件定義から終結まで責任と基準を共有することが大切である。
出題の焦点
- 品質要求・品質特性の定義
- 品質計画と保証活動
- レビュー・監査・試験の使い分け
- QC手法による原因分析
- 欠陥是正と再発防止
問題 ― 平成30年午前2 問12
システム開発のプロジェクトにおいて、リスク識別を効率よく行うための手段として、“JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル)”が規定する利用時の品質特性を用いてソフトウェアの品質に関するリスクを分類することにした。“満足性”に対するリスクとして分類される、リスクとその評価の事例はどれか。
- ア:システムが稼働する環境に依存した機能を使用しているので、現在の稼働環境とは異なる環境のプラットフォームに展開できず、柔軟でないと評価される。
- イ:操作に習熟していない利用者が、誤った使い方をしたときの対処方法が分からずに困惑し、快適でないと評価される。
- ウ:ソフトウェアパッケージを導入した際に、消耗品が多く必要となって、コストが膨らみ、効率的でないと評価される。
- エ:導入したソフトウェアパッケージの目新しさだけが目立ち、業務の一部を手作業で補完しなければならず、有効でないと評価される。
正解と解説
正解:イ
利用時の品質特性における「満足性」は、利用者がシステムを使ったときに感じる満足の度合いを表します。その下位特性には、利用者の目的に役立つかを示す「有用性」、利用者が安心して使えるかを示す「信頼感」、楽しさに関わる「快感」、心理的・身体的に心地よく使えるかを示す「快適性」などがあります。
操作に慣れていない利用者が、誤った使い方をしたときの対処方法が分からず困惑するのは、利用者が安心して快適に使えない状態です。そのため、「快適でない」と評価される事例であるイが、満足性に対するリスクに該当します。
資源・チームのマネジメント(RACI・組織行動)
このテーマで問われること
プロジェクトに必要な人員や設備を見積もり、組織、役割、責任を明確にして、チームの能力を発揮させる分野である。資源の確保と配置ではスキル、稼働率、制約を考慮し、責任分担表などで作業の実行者・承認者・協力者を整理する。チーム形成、育成、動機付け、評価を通じて協働を促し、対立や能力不足には適切な支援を行う。実行中は資源の利用状況や負荷を監視し、必要に応じて再配置する。人間関係や組織文化にも配慮し、共通目標に向けてチームの成果を高める。
出題の焦点
- 資源要求と要員見積り
- 組織構造・役割・責任の定義
- RACIなどの責任分担
- チーム育成と動機付け
- 資源競合・対立・負荷の調整
問題 ― 令和7年午前2 問5
ホーソン効果の、システム開発プロジェクトにおける例として、適切なものはどれか。
- ア:開発サイクルごとの成果物のレビューで、ある開発チームの成果物がプロダクトオーナーに注目されたことによって、その開発チームの士気が上がり、その後の生産性が向上した。
- イ:開発チーム別の進捗報告会で、遅れを報告したチームは優秀なチームだったので、遅れは挽回可能であるという報告を信用したが、次の進捗報告で遅れが拡大した。
- ウ:結合テストで3件の誤りが検出され、そのうちの2件の誤りが同一のモジュールに起因していたので、残りの1件もそのモジュールに起因していると思い込んで調査したが、そのモジュールから誤りは検出できなかった。
- エ:全ての利用者が満足するUIを開発するという達成困難な目標を開発チームに対して設定したので、開発チームの士気が下がり、その後の生産性が低下した。
正解と解説
正解:ア
ホーソン効果とは、人が注目されたり、観察されたりしていると意識することで、行動や作業の成果が変化する現象です。
アでは、プロダクトオーナーに成果物を注目されたことをきっかけに、開発チームの士気が上がり、その後の生産性が向上しています。注目を受けたことによる変化なので、ホーソン効果の例として適切です。
調達のマネジメント・契約
このテーマで問われること
プロジェクトで外部から必要な製品やサービスを調達し、供給者との契約と履行を管理する分野である。内製・外製の判断、調達範囲、要求仕様、選定基準、契約方式を計画し、提案依頼や見積評価を通じて供給者を選定する。契約では成果物、納期、価格、検収条件、変更手続、責任範囲を明確にする。実行中は納入状況、品質、契約遵守、課題を監視し、変更や紛争に適切に対応する。完了時には検収、支払、契約終了を確認し、調達記録や供給者評価を整理する。
出題の焦点
- 内製・外製と調達計画
- 調達仕様・選定基準
- 供給者評価と選定
- 契約方式・責任分界・変更手続
- 納入・検収・契約終結
問題 ― 平成24年午前2 問15
外部調達における契約形態のうち、請け負った作業に掛かったコストに加えて、契約時に合意したパフォーマンスの基準を達成した場合に受注者が所定の利益(フィー)を受け取る契約タイプはどれか。
- ア:コスト プラス インセンティブ フィー契約
- イ:コスト プラス定額フィー契約
- ウ:タイム アンド マテリアル契約
- エ:定額インセンティブ フィー契約
正解と解説
正解:ア
アのコストプラスインセンティブフィー契約は、受注者が実際に掛かったコストの払い戻しを受けたうえで、契約時に定めた目標や性能基準の達成度に応じて、インセンティブフィーを受け取る契約です。
問題文には「作業に掛かったコストに加えて」と「合意したパフォーマンスの基準を達成した場合に所定の利益を受け取る」とあります。コストの払い戻しと、成果に応じた報酬の組合せがポイントです。
アジャイル開発・プロセス改善(CMMI)
このテーマで問われること
不確実性の高い開発において、反復的な計画と短い開発サイクルを通じて価値を届ける方法や、開発組織のプロセスを改善する考え方を扱う。アジャイルでは顧客との協働、優先順位付けされたバックログ、反復ごとの成果確認、振り返りを重視し、変化する要求に対応する。適用時には契約、品質、リスク、全体計画との整合を取り、チームの自律性と透明性を確保する。CMMIなどの成熟度モデルや継続的改善の考え方を通じて、組織のプロセス能力を評価し、改善策を定着させることも重要となる。
出題の焦点
- 予測型・反復型・アジャイルの選択
- バックログと優先順位管理
- 反復ごとの成果確認と適応
- 振り返りによる継続的改善
- プロセス成熟度と改善の定着
問題 ― 平成26年午前2 問17
XP(Extreme Programming)のプラクティスの一つに取り入れられているものはどれか。
- ア:構造化プログラミング
- イ:コンポーネント指向プログラミング
- ウ:ビジュアルプログラミング
- エ:ペアプログラミング
正解と解説
正解:エ
XP(Extreme Programming)は、顧客の要求変更にすばやく対応しながら、ソフトウェアを継続的に開発・改善するためのアジャイル開発手法です。
XPでは、二人の開発者が一台のコンピュータを使い、相談しながらプログラムを書く「ペアプログラミング」をプラクティスとして取り入れています。したがって、該当するのはエです。
セキュリティ
このテーマで問われること
情報システムの企画・開発・運用において、情報資産を脅威から保護するための考え方と管理策を扱う。機密性・完全性・可用性を維持するため、リスク評価に基づいてアクセス制御、認証、暗号化、ログ管理、脆弱性対策などを選択する。プロジェクトでは、セキュリティ要件を早期に明確化し、設計・実装・試験・移行の各工程に組み込むことが重要となる。法令や組織方針、委託先との責任分界を踏まえ、事故発生時の報告・対応や復旧まで含めて管理する。
出題の焦点
- 機密性・完全性・可用性の確保
- セキュリティ要件の定義と追跡
- 脅威・脆弱性に基づくリスク評価
- 委託先を含む責任分界
- インシデント対応と復旧
問題 ― 令和6年午前2 問25
公開された実証コード(PoC:Proof of Concept)を使って、インターネットからWebサーバを狙う攻撃がある。こういった攻撃に自社のWebサーバが侵害される被害を未然に防ぐ対策として、最も効果があるものはどれか。
- ア:JIS Q 27001:2023で規定される“人的管理策”にのっとり、自社のWebサーバについての秘密情報を持ち出すおそれがない人物か、職員採用時に厳格な適格性検査を行う。
- イ:SNSサイトやダークウェブを巡回し、自社のWebサーバについて秘密として管理している情報が売買されていないことを確認する。
- ウ:自社のWebサーバで使用しているソフトウェアの脆弱性情報を確認し、ワークアラウンドの実施又は脆弱性修正プログラムの適用を行う。
- エ:ファイアウォールを用いて外部との通信を記録し、自社のWebサーバから不審な宛先への通信が発生していないか調査する。
正解と解説
正解:ウ
公開された実証コード(PoC)は、ソフトウェアの脆弱性を実際に悪用する方法を示すコードです。PoCが公開されると、攻撃者がそれを利用して脆弱なWebサーバを攻撃するおそれがあります。
そのため、まず自社のWebサーバで使用しているソフトウェアの脆弱性情報を確認し、該当する脆弱性があれば、ワークアラウンドの実施や修正プログラムの適用によって悪用されにくくすることが重要です。この対策を示しているウが最も効果的です。
開発技術
このテーマで問われること
システム開発における技術要素と工程の進め方を理解し、要求分析から設計、実装、テスト、移行までを適切に管理する分野である。開発対象や制約に応じて、アーキテクチャ、開発環境、プログラミング方式、テスト技法を選択する。品質、保守性、性能、拡張性などの非機能要件を考慮し、成果物と工程の整合を確保することも重要となる。プロジェクトマネージャには、技術的な課題を把握し、関係者間の意思決定や進捗・品質管理に反映させる力が求められる。
出題の焦点
- 開発工程と成果物の対応
- 方式設計と技術選定
- テスト計画・テスト技法
- 非機能要件の実現性
- 技術課題と品質・進捗への影響
問題 ― 平成23年午前2 問16
共通フレーム2007において、システム要件として定義するものはどれか。
- ア:業務、組織及び利用者の要件
- イ:データ定義及びデータベースに対する要件
- ウ:利用者の運用に対する要件
- エ:利用者の実行に対する要件
正解と解説
正解:ア
共通フレーム2007では、システム要件として、システムが業務や組織、利用者の要求にどう応えるかを定義します。そのため、業務・組織・利用者の要件を挙げているアが適切です。
システム要件は、システム全体として実現すべき内容を定めるものです。データベースの定義や、利用者の操作・実行に関する具体的な要件とは、対象とする範囲が異なります。
システム戦略・システム企画
このテーマで問われること
経営や業務の目的を踏まえ、情報システム化の必要性、対象範囲、実現方針を明らかにする分野である。現状と課題を分析し、期待効果、費用、リスク、実現可能性を比較しながら、投資判断に必要な計画を作成する。個別システム化計画では、業務要件や制約、関係システムとの連携、導入後の運用を見通し、承認者が判断できる根拠を示す。企画内容をプロジェクトの目的や成果物に結び付け、事業価値の実現を継続的に確認することが重要である。
出題の焦点
- 経営・業務課題とシステム化目的の整合
- 個別システム化計画の作成
- 投資効果と実現可能性の評価
- 関係システム・制約の把握
- 計画の承認とプロジェクト目的への反映
問題 ― 令和7年午前2 問20
利用者要件のうち、非機能要件項目はどれか。
- ア:新しい業務の在り方や運用に関わる業務手順、入出力情報、組織、責任、権限、業務上の制約などの項目
- イ:新しい業務の遂行に必要なアプリケーションシステムに関わる利用者の作業、システム機能の実現範囲、機能間の情報の流れなどの項目
- ウ:経営戦略や情報戦略に関わる経営上のニーズ、システム化・システム改善を必要とする業務上の課題、求められる成果・目標などの項目
- エ:システム基盤に関わる可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性などの項目
正解と解説
正解:エ
非機能要件とは、システムが「何をするか」という機能そのものではなく、「どのような品質や条件で動作するか」を定める要件です。
エにある可用性、性能、拡張性、運用性、保守性、移行性は、システムの品質や運用に関わる項目です。そのため、非機能要件に該当します。
企業と法務
このテーマで問われること
プロジェクトの遂行に関係する企業活動、法令、契約、知的財産、労務などの基礎を扱う。情報システムの開発や調達では、契約の成立、責任範囲、成果物の権利、秘密情報の管理、個人情報保護などを踏まえて意思決定する必要がある。法令や社内規程への適合を確認し、違反や紛争につながるリスクを事前に抑えることが求められる。また、委託・再委託の関係や検収条件を明確にし、関係者が合意した条件に基づいて取引とプロジェクトを管理する。
出題の焦点
- 契約条件と責任範囲
- 著作権・特許など知的財産
- 個人情報・秘密情報の保護
- 委託・再委託に関する管理
- 法令・社内規程への適合
問題 ― 平成21年午前2 問24
ソフトウェア開発を下請業者に委託する場合、下請代金支払遅延等防止法で禁止されている行為はどれか。
- ア:交通費などの経費については金額を明記せず、実費負担とする旨を発注書面に記載する。
- イ:下請業者に委託する業務内容は決まっているが、ユーザ側との契約代金が未定なので、下請代金の取決めはユーザとの契約決定後とする。
- ウ:発注書面を交付する代わりに、下請業者の承諾を得て、必要な事項を記載した電子メールで発注を行う。
- エ:ユーザ側の事情で下請予定の業務内容の一部が未定なので、その部分及び下請代金は別途取り決める。
正解と解説
正解:イ
禁止されているのは、業務内容が決まっているのに、下請代金の決定をユーザ側との契約成立後まで先送りすることです。
下請代金は、発注時に定めるのが原則です。ユーザ側との契約代金が未定であることは、下請業者への発注条件を決めないままにしてよい理由にはなりません。したがって、イが禁止されている行為です。
サービスマネジメント
このテーマで問われること
情報システムを利用者に継続的な価値を提供するサービスとして捉え、運用開始後の品質と安定性を管理する分野である。サービスレベル、可用性、容量、継続性、インシデント対応などを定め、業務要件に沿った運用体制や責任分界を整える。開発プロジェクトでは、運用部門や利用者を早期に関与させ、移行、教育、運用手順、保守体制を計画することが重要となる。サービス開始後も実績を測定し、問題の根本原因を分析して改善を継続する。変更管理や構成管理を通じて、安全なサービス変更と安定運用を両立させる。
出題の焦点
- サービスレベルとSLA
- 運用・保守への円滑な引継ぎ
- インシデント・問題管理
- 可用性・容量・継続性の管理
- サービス改善と変更管理
問題 ― 令和6年午前2 問19
データの追加・変更・削除が、少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの2倍にした。このとき、データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- ア:復旧時に行うログ情報反映の平均処理時間が約2倍になる。
- イ:フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
- ウ:フルバックアップ取得1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
- エ:フルバックアップ取得の平均処理時間が約2倍になる。
正解と解説
正解:ア
適切なのはアです。
フルバックアップの間隔を2倍にすると、障害発生時に直近のフルバックアップから障害発生までに経過している時間も、平均で約2倍になります。その間に記録されたログ情報を復旧時に反映する必要があるため、ログ情報の反映にかかる平均処理時間も約2倍になります。
プロジェクトマネージャ試験の難易度・合格率の推移
以下は年度ごとの受験者数・合格者数・合格率・合格者平均年齢の推移データです。合格率の傾向を把握し、学習計画の目安にしてください。
年度別 統計データ(表形式)
各年度ごとの合格率・平均年齢・合格者数などの推移です。
※ 表は横にスクロールできます
| 年度 | 受験申込者数(人) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 合格者平均年齢(才) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2009 春期 | 16241 | 9372 | 1187 | 12.7 | 36.3 |
| 2010 春期 | 19877 | 12463 | 1613 | 12.9 | 36.9 |
| 2011 春期 | 20459 | 12340 | 1637 | 13.3 | 37.2 |
| 2012 春期 | 19680 | 12458 | 1628 | 13.1 | 37.3 |
| 2013 春期 | 18571 | 11850 | 1485 | 12.5 | 36.9 |
| 2014 春期 | 17584 | 10927 | 1385 | 12.7 | 38.0 |
| 2015 春期 | 17360 | 11050 | 1485 | 13.4 | 38.1 |
| 2016 春期 | 16173 | 10263 | 1491 | 14.5 | 37.4 |
| 2017 春期 | 18291 | 11596 | 1521 | 13.1 | 37.8 |
| 2018 春期 | 18212 | 11338 | 1496 | 13.2 | 38.0 |
| 2019 春期 | 17588 | 10909 | 1541 | 14.1 | 38.1 |
| 2020 秋期 | 9672 | 6276 | 948 | 15.1 | 38.7 |
| 2021 秋期 | 10184 | 6680 | 959 | 14.4 | 37.8 |
| 2022 秋期 | 11745 | 7382 | 1042 | 14.1 | 38.0 |
| 2023 秋期 | 12197 | 7888 | 1066 | 13.5 | 38.1 |
| 2024 秋期 | 13481 | 8627 | 1195 | 13.9 | 37.9 |
| 2025 秋期 | 13540 | 8511 | 1219 | 14.3 | 37.7 |
年度別 統計推移グラフ
各年度ごとの合格者数・受験者数・合格率・平均年齢の推移
合格者数

受験者数

合格率(%)

合格者平均年齢

