プロジェクトマネージャ 2011年 午前2 問21
問題文
(1)〜(4)はある障害の発生から本格的な対応までの一連の活動である。(1)〜(4)の各活動とそれに対応するITILの管理プロセスの組合せのうち、適切なものはどれか。
(1) 利用者からサービスデスクに“特定の入力操作が拒否される”という連絡があったので、別の入力操作による回避方法を利用者に伝えた。
(2) 原因を開発チームで追究した結果、アプリケーションプログラムに不具合があることが分かった。
(3) 障害の原因となったアプリケーションプログラムの不具合を改修する必要があるのかどうか、改修した場合に不具合箇所以外に影響が出る心配はないかどうかについて、関係者を集めて確認し、改修することを決定した。
(4) 改修したアプリケーションプログラムの稼働環境への適用については、利用者への周知、適用手順及び失敗時の切戻し手順の確認など、十分に事前準備を行った。

選択肢
ア:(正解)
イ:
ウ:
エ:
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ITILの障害対応プロセス【午前2解説】
正解の理由
正しい組合せはアです。各活動は、障害への応急対応から原因究明、改修の承認、実際の適用準備へと進んでいます。
- (1) インシデント管理
利用者がサービスを利用できない状況に対し、別の入力操作という回避策を案内しています。インシデント管理では、原因の究明よりも、サービスをできるだけ早く復旧させることを優先します。 - (2) 問題管理
開発チームが原因を追究し、アプリケーションの不具合を特定しています。問題管理は、インシデントの根本原因を特定し、再発防止につなげる活動です。 - (3) 変更管理
不具合を改修する必要性や改修による影響を関係者が評価し、改修を決定しています。システムへの変更を評価・承認する活動に当たります。 - (4) リリース管理及び展開管理
利用者への周知、適用手順、失敗時の切戻し手順などを準備しています。承認された変更を本番環境へ安全に展開するための活動です。
解法ステップ
- 利用者への回避策の案内を見つけます。
原因究明ではなく、サービスを使える状態に戻すことが目的なので、インシデント管理です。 - 原因の追究と不具合の特定を見つけます。
障害の根本原因を調べる活動なので、問題管理です。 - 改修の必要性や影響を評価して実施を決定する活動を見つけます。
変更を評価・承認するため、変更管理です。 - 本番環境への適用に向けた手順や周知の準備を見つけます。
変更を実際に展開する準備なので、リリース管理及び展開管理です。
選択肢別の誤答解説
- ア: (1)インシデント管理、(2)問題管理、(3)変更管理、(4)リリース管理及び展開管理の組合せで、活動内容と一致します。
- イ: (3)と(4)が逆です。改修の必要性や影響を評価して実施を決定するのは変更管理であり、展開に向けた手順などを準備するのはリリース管理及び展開管理です。
- ウ: (1)と(2)が逆です。利用者に回避策を案内するのはインシデント管理で、原因を追究するのは問題管理です。
- エ: (1)と(2)、(3)と(4)の両方が逆です。
よくある誤解
- 原因を調べることと、障害に対処することを混同する
サービスを早く復旧させる対応はインシデント管理、原因を特定する調査は問題管理です。 - 変更の承認と、本番環境への適用を混同する
変更管理は変更内容の評価・承認、リリース管理及び展開管理は承認済みの変更を安全に展開する活動です。 - 改修作業が決まった時点で、展開まで完了したと考える
改修の決定後も、利用者への周知や適用手順、切戻し手順などの準備が必要です。
補足コラム
インシデント管理と問題管理は、同じ障害に対して並行して行われることがあります。たとえば、インシデント管理で回避策を案内してサービスを維持しながら、問題管理で根本原因を調査します。その後、恒久対策として改修する場合は、変更管理による評価・承認を経て、リリース管理及び展開管理で本番環境へ適用します。
FAQ
Q. 回避策を案内した後に原因を調べるのですか?
A. 利用者への応急対応と原因調査は、必ずしも順番に行うとは限りません。回避策でサービスへの影響を抑えながら、原因調査を並行して進めることもあります。
A. 利用者への応急対応と原因調査は、必ずしも順番に行うとは限りません。回避策でサービスへの影響を抑えながら、原因調査を並行して進めることもあります。
Q. 不具合を見つけたら、すぐに修正してよいのですか?
A. 本番環境への変更では、影響やリスクを評価し、必要な承認を得ることが重要です。そのうえで、適用手順や切戻し手順を準備して展開します。
A. 本番環境への変更では、影響やリスクを評価し、必要な承認を得ることが重要です。そのうえで、適用手順や切戻し手順を準備して展開します。
Q. リリース管理及び展開管理で扱うのは、プログラムの配布だけですか?
A. 配布だけではありません。利用者への周知や適用手順、展開時のリスクへの備えなど、リリースを安全に実施するための準備も含まれます。
A. 配布だけではありません。利用者への周知や適用手順、展開時のリスクへの備えなど、リリースを安全に実施するための準備も含まれます。
関連キーワード: インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、展開管理、回避策、切戻し手順

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