プロジェクトマネージャ 2012年 午後1 問03
EVMによるプロジェクト管理に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
L社は、中堅の製造業である。最近のインターネット取引の増加に対応するために、販売管理システムを再構築することにした。販売管理システムは、営業部と情報システム部が協力して開発を行い、プロジェクトマネージャは情報システム部のM課長が担当する。開発期間は1年間とし、翌年の4月1日から稼働開始することを経営会議で決定した。
これまでのL社のシステム開発プロジェクトでは、当初目標とした稼働開始日から大幅に遅延して稼働する例が繰り返されていた。このため、経営層からは、“今回の販売管理システム開発プロジェクトにおいては、プロジェクト管理を徹底すること。特に、プロジェクトの完了予定日が、目標とする稼働開始日に対して遅れていないことを常に確認してプロジェクトを遂行し、目標とする稼働開始日を厳守するように”との指示が出されている。
〔プロジェクト管理の見直し〕
M課長は、これまでにL社で実施されたシステム開発プロジェクトの中で、目標とした稼働開始日から遅延したプロジェクトの記録を調査し、その原因を分析した。その結果、L社で行われたプロジェクト管理には次のような問題点があることが分かった。
・進捗管理は、開発担当者が自分で見積もった進捗率に基づいて行われており、客観的な基準による進捗の把握が行われていない。
・システム開発に対する利用部門の参加意識が低く、工程ごとの成果物の確認が、確実には行われていないので、テスト段階で仕様変更が多発する。
M課長は、これらの問題点を解消するために、次の方針でプロジェクトを進めることにした。
・客観的な基準によって進捗を把握するために、EVM(Earned Value Management)を採用する。
・要件定義はプロトタイピングを用いて実施し、早い段階から利用部門に参加してもらう。
M課長は、この方針を採用することで、経営層の指示事項にも対応できると判断した。
〔WBSの策定〕
M課長は、EVMを実施するために、販売管理システム開発プロジェクトのWBS (Work Breakdown Structure)を次の手順で策定した。
まず、今回のプロジェクトで行う作業を“漏れなく、重複なく”洗い出して、工程別にWBSを策定した。その上で、直接的な開発作業ではないが、プロジェクトを成功裡に進めるために必要となる一連の業務をaとしてWBSに加え、図1に示すレベル1のWBSを策定した。

さらに、M課長は、工程ごとに必要となる成果物を洗い出し、次にそれらの成果物の構成要素となる要素成果物を洗い出した。その上で、それらの構造を明らかにするために、階層構造の形で表現し、文書化した。その際に、上位の成果物が全ての要素成果物を含んでいるか、また、下位の要素成果物で上位の成果物を確実に作成することができるかを確認しながら進め、最下位の要素成果物をワークパッケージ(WP)として設定した。
〔EVMの導入〕
M課長は、今回のプロジェクトでは、プロジェクト管理を徹底することが求められていることから、EVMによる計画と実績の対比を週次で行うことにした。
M課長は、まず、進捗測定のベースラインとなるプランドバリュー(PV)を設定することにした。そのため、先に設定したWPごとに、必要なタスクを洗い出した。各タスクは、所要期間が1週間以内で収まるように細分化した。その上で、各タスクの予算、スケジュールを策定して、PVを定めた。
アーンドバリュー(EV)については、途中計上は行わず、タスクの完了時にEVを全て計上することにした。M課長はタスクの完了判定基準を明確に定め、第三者による確認を受けて、タスクを完了することにした。
次にM課長は、PVに対応した実コスト(AC)の集計が適切に行えるかどうかを確認した。M課長は、今回の開発コストは社員の人件費が全てであることから、社員の作業時間の管理に焦点を当てて確認することにした。L社の情報システム部の作業時間管理のシステムは、各担当者が担当するプロジェクトの工程ごとに、作業時間を毎日入力し、工程別に日次で集計する仕様になっており、工程単位の管理しかできない。このことから、M課長は、現状の仕様ではEVMには適さないと判断し、作業時間管理の仕組みを変更するように、情報システム部長の承認を得た上で、作業時間管理のシステム担当者へ依頼した。作業時間管理のシステム担当者からは、販売管理システムのプロジェクト開始までに対応するとの回答を得た。
M課長は、これらをEVMガイドラインとしてまとめた。M課長は、EVMガイドラインについて情報システム部長の承認を得て、プロジェクトメンバに説明した上でプロジェクトを開始した。
〔EVMの実施〕
プロジェクトが開始され、設計工程の中盤に差し掛かっている。
設計工程において、M課長は、週次でEVMのレポートを確認し、詳細な内容を把握するために、定例のミーティングを継続して行っている。設計工程は、基本設計と詳細設計に大別され、これまでに基本設計は計画どおりに完了している。詳細設計以降の作業は、帳票チーム、内部処理チーム、データベースチーム(以下、DBチームという)に分けて行っている。各チームの成果物の整合性については、全チームリーダの参加する定例ミーティングの場で、必要に応じて確認している。詳細設計が開始され、第1週の進捗を確認するための定例ミーティングで、M課長はプロジェクト全体のSPI(Schedule Performance Index)、CPI(Cost Performance Index)が悪化している状況を把握し、各チームの状況を詳しくヒアリングした。その結果は次のとおりであった。
・帳票チーム:あるWPについて、第1週から参加予定の要員が着任できず着手が遅れていた。翌週に着任し、作業を開始している。同じ単価のサポート要員を一時的に追加することで、WPは予定どおりに完了し、総時間も予定範囲内に収まる見込みである。
・内部処理チーム:要員は予定どおり参加し、タスクも予定どおり完了しており、問題は発生していない。
・DBチーム:あるWPについて、要員は予定どおり参加し、設計作業は予定どおり進み、完了判定基準を満たしている。ただし、第1週のタスクの完了を確認する第三者が病気で休んでしまい、確認が終了していないため、タスクは完了していない。
なお、各チームとも、その他のWPについては、第1週で完了予定のタスクは全て完了しており、第1週末で仕掛り中のタスクはなかった。
M課長は、このヒアリングの結果を受け、第1週におけるプロジェクト全体のSPI、CPIが悪化している原因を理解した。また、M課長は、今後のチーム運営については、次の観点から個別に指示を出した。
・帳票チーム:作業時間管理の観点
・DBチーム:タスク進捗面の対応策の観点
設問1:〔プロジェクト管理の見直し〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見るM課長が、EVMを採用することで、経営層の指示事項にも対応できると判断した理由は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
・完了予定日を明確に把握して進められるから
・早い段階で進捗の遅れを把握できるから
解説
解答の導き方
経営層の指示は、目標とする稼働開始日に間に合うかどうかを、プロジェクトの進行中に確認し続けることです。本文にも「完了予定日が、目標とする稼働開始日に対して遅れていないことを常に確認」とあります。
これに対してM課長は、「客観的な基準によって進捗を把握するために、EVM(Earned Value Management)を採用する」としています。EVMでは、計画した作業の価値と、実際に完了した作業の価値を比較できるため、担当者の感覚的な進捗報告に頼らず、計画に対してどれだけ作業が進んでいるかを把握できます。
さらに、本文ではEVMによる計画と実績の対比を週次で行うとしています。計画より実績の進捗が遅れていれば、稼働開始日に間に合わないおそれを早い段階で把握できます。進捗の傾向を確認することで、プロジェクトの完了予定日も見通しやすくなります。
したがって、EVMを採用すると、完了予定日を明確に把握して進められることと、進捗の遅れを早期に把握できることが、経営層の指示への対応につながります。
誤りやすいポイント
- EVMを採用すれば、目標の稼働開始日に必ず間に合うと考えるのは誤りです。EVMは進捗や遅れを把握するための管理手法であり、遅れへの対応を確実に行うことも必要です。
- EVMを単にコスト管理の手法と捉えると、設問の意図を見落とします。この設問では、完了予定日やスケジュール上の遅れを把握できる点が重要です。
- 進捗を「早く把握できる」ことだけでなく、その情報を基に完了予定日を見通せる点にも触れる必要があります。
FAQ
Q: EVMでは、計画に対する進捗の遅れをどのように捉えますか。
A: 計画上の作業の価値と、実際に完了した作業の価値を比較します。例えば、完了した作業の価値が計画を下回っていれば、スケジュールの遅れが疑われます。
A: 計画上の作業の価値と、実際に完了した作業の価値を比較します。例えば、完了した作業の価値が計画を下回っていれば、スケジュールの遅れが疑われます。
Q: EVMの進捗指標であるSPIは何を表しますか。
A: スケジュール効率指数で、アーンドバリュー(EV)をプランドバリュー(PV)で割って算出します。一般に、SPIが1を下回る場合は、計画に対して進捗が遅れています。
A: スケジュール効率指数で、アーンドバリュー(EV)をプランドバリュー(PV)で割って算出します。一般に、SPIが1を下回る場合は、計画に対して進捗が遅れています。
Q: EVMの進捗を週次で確認するのはなぜですか。
A: 計画と実績の差を短い間隔で確認し、遅れが大きくなる前に把握して対応につなげるためです。
A: 計画と実績の差を短い間隔で確認し、遅れが大きくなる前に把握して対応につなげるためです。
関連キーワード: EVM、プランドバリュー(PV)、アーンドバリュー(EV)、スケジュール効率指数(SPI)、ベースライン
設問1(2)
問題文を見るM課長が、要件定義への利用部門の参加において、要件定義をプロトタイピングを用いて実施し、早い段階から利用部門に参加してもらうようにした目的は何か。25字以内で述べよ。
模範解答
・利用部門のニーズを早く的確に把握するため
・利用部門のプロジェクトへの参加意識を高めるため
解説
解答の導き方
まず、従来のプロジェクトで起きていた問題を確認します。本文には、利用部門の「参加意識が低く」、工程ごとの成果物の確認も確実ではなかったため、「テスト段階で仕様変更が多発する」とあります。つまり、利用部門の要望や認識を早い段階で十分に把握できていないことが問題でした。
そこで、要件定義にプロトタイピングを用いると、利用部門は具体的な画面や動きを確認しながら意見を出せます。実際の利用イメージを早い段階で共有できるため、ニーズを早く、的確に把握することにつながります。
また、利用部門に早くから要件定義へ参加してもらうことは、プロジェクトへの関与を深めることにもなります。従来の問題だった参加意識の低さを改善し、利用部門が成果物の確認にも主体的に関わることを促せます。
したがって、目的は「利用部門のニーズを早く的確に把握すること」と「利用部門のプロジェクトへの参加意識を高めること」の二つに分けて考えます。
誤りやすいポイント
- 「テスト段階の仕様変更を減らすこと」だけを答えると、問題を解決するための直接的な目的が抜けます。ニーズの早期把握と参加意識の向上を示しましょう。
- プロトタイピングの効果を、画面や機能を試作することだけで終わらせないようにします。利用部門の反応を要件定義に反映できる点が重要です。
- 「利用部門のニーズの把握」と「利用部門の参加意識の向上」は異なる目的です。一方だけでなく、両方を押さえます。
FAQ
Q: プロトタイピングを使うと、なぜニーズを早く把握できるのですか?
A: 利用部門が具体的な試作品を見て操作や画面を確認し、要望や認識の違いを早い段階で伝えられるためです。
A: 利用部門が具体的な試作品を見て操作や画面を確認し、要望や認識の違いを早い段階で伝えられるためです。
Q: 参加意識を高めることは、ニーズの把握と同じ意味ですか?
A: 同じではありません。ニーズの把握は要件を明らかにすること、参加意識の向上は利用部門がプロジェクトに主体的に関わることです。
A: 同じではありません。ニーズの把握は要件を明らかにすること、参加意識の向上は利用部門がプロジェクトに主体的に関わることです。
Q: テスト段階の仕様変更を減らすことは、目的として書いてはいけませんか?
A: それも期待される効果ですが、この設問では、その効果につながるニーズの早期把握と参加意識の向上を述べるのが適切です。
A: それも期待される効果ですが、この設問では、その効果につながるニーズの早期把握と参加意識の向上を述べるのが適切です。
関連キーワード: プロトタイピング、要件定義、要求分析、利用者参加、成果物レビュー
設問2:〔WBSの策定〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見るM課長は、EVMを実施するために、なぜプロジェクトのWBSを活用することにしたのか。30字以内で述べよ。
模範解答
・コストとスケジュールをWBS(又はWP)単位に設定できるから
・実績と予想をWBS(又はWP)単位に比較する必要があるから
解説
解答の導き方
-
EVMでは、計画と実績を同じ単位で比較できるようにする必要があります。本文では、EVMのベースラインとなるPVを設定するために、まずWBSを作り、その最下位の要素成果物をWPとして設定しています。WBSによって、プロジェクトの作業を段階的に分け、管理する単位を明確にしています。
-
さらに、WPごとに必要なタスクを洗い出し、各タスクの予算とスケジュールを決めてPVを定めています。つまり、WBSやWPを基準にすれば、計画上のコストやスケジュールを整理して設定できます。
-
EVMでは、計画値だけでなく実績も計画と対応させて比較します。本文でも、PVに対応した実コスト(AC)を集計できるか確認しており、工程単位しか管理できない現状の仕組みではEVMに適さないと判断しています。したがって、WBSを活用する理由は、計画と実績をWBSまたはWP単位で対応させて管理・比較するためだと分かります。
誤りやすいポイント
- WBSを、単に作業項目を一覧にするためのものと考えないようにします。EVMでは、作業を管理しやすい単位に分解し、計画と実績を比較する基準として使います。
- 「進捗を把握するため」だけでは説明が不十分です。設問では、WBSを活用することでコストやスケジュールをどの単位で管理できるかまで示す必要があります。
- WBSを作ること自体がEVMの目的ではありません。WBSに基づいてWPやタスクを設定し、計画値と実績値を対応させることが重要です。
FAQ
Q: WBSを使うと、EVMで何を管理しやすくなりますか?
A: 作業を管理単位に分けられるため、各単位の計画値と実績値を対応させて管理しやすくなります。
A: 作業を管理単位に分けられるため、各単位の計画値と実績値を対応させて管理しやすくなります。
Q: 工程単位で作業時間を集計するだけでは、なぜ不十分なのですか?
A: 本文では、工程単位の管理ではPVに対応した実コストの集計ができず、計画と実績を同じ細かさで比較できないと判断しています。
A: 本文では、工程単位の管理ではPVに対応した実コストの集計ができず、計画と実績を同じ細かさで比較できないと判断しています。
Q: WPはどのように設定されていますか?
A: WBSを階層構造で整理し、最下位の要素成果物をWPとして設定しています。
A: WBSを階層構造で整理し、最下位の要素成果物をWPとして設定しています。
関連キーワード: WBS、ワークパッケージ、EVM、プランドバリュー、アーンドバリュー、実コスト
設問2(2)
問題文を見る本文中のaに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
a:・プロジェクト管理
・プロジェクトマネジメント
解説
解答の導き方
-
問われているのは、WBSに加えた「直接的な開発作業ではない」業務の名称です。本文では、その業務を「プロジェクトを成功裡に進めるために必要となる一連の業務」と説明しています。
-
要件定義、設計、製造、テスト、移行は、システムを開発して稼働させるための作業です。それらを計画し、進捗や課題を管理する業務は、開発そのものではなく、プロジェクト全体を進めるための管理業務に当たります。
-
図1では、要件定義などの工程と並ぶレベル1の項目として、空欄の項目が置かれています。したがって、ここに入るのは、開発工程ではなくプロジェクト全体を管理する業務を表す語です。「プロジェクト管理」または「プロジェクトマネジメント」が適切です。
誤りやすいポイント
- 空欄を要件定義や設計などの開発工程名と考えないようにします。本文は、それらとは別に、開発を成功させるために必要な業務を加えたと説明しています。
- WBSを開発作業だけの一覧と捉えないことが大切です。プロジェクトを進めるための管理業務も、必要な作業としてWBSに含めます。
- 「プロジェクト管理」と「プロジェクトマネジメント」は、ここでは同じ趣旨を表す語として扱えます。
FAQ
Q: プロジェクト管理は、なぜ開発作業と別にWBSへ加えるのですか?
A: 開発作業だけでは、進捗の把握や計画の調整など、プロジェクト全体を進めるための業務が表せないからです。必要な業務をWBSに含めることで、プロジェクトで実施する作業を漏れなく整理できます。
A: 開発作業だけでは、進捗の把握や計画の調整など、プロジェクト全体を進めるための業務が表せないからです。必要な業務をWBSに含めることで、プロジェクトで実施する作業を漏れなく整理できます。
Q: WBSには、工程だけを並べればよいのですか?
A: いいえ。本文では、まず作業を漏れなく、重複なく洗い出し、その後にプロジェクト管理の業務も加えています。工程に加えて、プロジェクト遂行に必要な業務も含めて整理します。
A: いいえ。本文では、まず作業を漏れなく、重複なく洗い出し、その後にプロジェクト管理の業務も加えています。工程に加えて、プロジェクト遂行に必要な業務も含めて整理します。
関連キーワード: WBS、プロジェクト管理、成果物、ワークパッケージ、EVM
設問3:〔EVMの導入〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見るM課長が、各タスクを、所要期間を1週間以内で収まるように細分化した理由は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
タスクが完了したかどうかで週次の進捗が把握できるから
解説
解答の導き方
この設問は、タスクの所要期間を1週間以内にした理由を、EVMの進捗測定方法と週次の確認頻度に結び付けて考えます。
本文では、EVMによる計画と実績の対比を「週次」で行う一方、EVは「タスクの完了時に」全て計上し、途中計上はしないとしています。つまり、各タスクの完了が確認できて初めて、そのタスク分の進捗をEVとして反映できます。
タスクが1週間を超えると、週次の確認時点で作業が進んでいても未完了であればEVは計上されません。そのため、実際には作業が進んでいても、週次の進捗として把握しにくくなります。各タスクを1週間以内にすれば、週次の確認でタスクが完了したかどうかを確かめ、その結果を進捗に反映できます。
したがって、タスクを1週間以内に細分化したのは、完了の有無によって週次の進捗を把握できるようにするためです。
誤りやすいポイント
- タスクを細分化する目的を、作業の難易度を下げるためだけだと考えないようにします。この設問では、週次で進捗を測定することとの対応が重要です。
- EVをタスクの途中でも計上すると考えないようにします。本文では、タスク完了時にEVを全て計上するとしています。
- タスクが1週間以内なら、週次で必ず作業量を細かく数値化するという意味ではありません。完了したかどうかを基準に進捗を把握できる点が要点です。
FAQ
Q: タスクが1週間を超えると、週次の進捗把握で何が問題になりますか?
A: 作業が進んでいてもタスクが未完了ならEVが計上されず、その週の進捗に反映されにくくなります。
A: 作業が進んでいてもタスクが未完了ならEVが計上されず、その週の進捗に反映されにくくなります。
Q: この問題では、EVをタスクの完了時にまとめて計上するのはなぜですか?
A: 途中の進捗を主観で評価せず、明確な完了判定に基づいて客観的に進捗を把握するためです。
A: 途中の進捗を主観で評価せず、明確な完了判定に基づいて客観的に進捗を把握するためです。
Q: タスクを細分化すれば、進捗が必ず計画どおりになるのですか?
A: いいえ。細分化によって週次の進捗を把握しやすくなりますが、作業の遅れそのものを防ぐわけではありません。
A: いいえ。細分化によって週次の進捗を把握しやすくなりますが、作業の遅れそのものを防ぐわけではありません。
関連キーワード: EVM、プランドバリュー(PV)、アーンドバリュー(EV)、進捗管理、作業分解構成図(WBS)
設問3(2)
問題文を見るM課長が、タスクの完了判定基準を明確に定め、第三者による確認を義務付けた目的は何か。20字以内で述べよ。
模範解答
客観的な進捗管理を確実に行うため
解説
解答の導き方
-
この設問では、タスクの完了判定基準を明確にし、第三者による確認を義務付けた目的を問われています。EVMでは、作業の進捗を客観的に把握し、計画と実績を比較できるようにすることが重要です。
-
本文では、従来の進捗管理について「開発担当者が自分で見積もった進捗率」に基づいており、「客観的な基準による進捗の把握が行われていない」と問題視しています。つまり、担当者の主観に頼る進捗評価を改める必要がありました。
-
そこで、M課長はタスクの完了判定基準を明確にし、第三者による確認を経て完了とすることにしました。さらに、EVはタスクの完了時に全て計上する方式です。完了の判断を明確な基準と第三者の確認に基づいて行えば、進捗を客観的に評価し、EVを確実に計上できます。
-
したがって、目的は、客観的な進捗管理を確実に行うことです。
誤りやすいポイント
- 第三者による確認の目的を、成果物の品質向上だけに限定しないことが大切です。この設問では、EVMにおける進捗の客観的な把握が中心です。
- 「タスクの完了を遅らせないため」と考えるのは適切ではありません。第三者の確認は、完了判定の信頼性を高めるためのものです。
- タスクの完了時にEVを全て計上するため、完了判定が曖昧だと進捗の計上にもばらつきが生じます。判定基準の明確化と第三者確認は、そのばらつきを防ぐ役割があります。
FAQ
Q: なぜ担当者自身の判断だけでは不十分なのですか?
A: 主観的な判断に偏ると、実際の進捗と報告された進捗に差が生じるおそれがあるためです。
A: 主観的な判断に偏ると、実際の進捗と報告された進捗に差が生じるおそれがあるためです。
Q: 第三者が確認するのは、タスクの作業そのものですか?
A: 本文では、タスクの完了を確認する第三者による確認を求めています。完了判定を客観的に行い、EVを適切に計上することにつながります。
A: 本文では、タスクの完了を確認する第三者による確認を求めています。完了判定を客観的に行い、EVを適切に計上することにつながります。
Q: EVをタスクの完了時に全て計上することと、判定基準の明確化はどう関係しますか?
A: 完了したかどうかでEVを計上するため、完了の判断基準が明確で、確認が確実に行われる必要があります。
A: 完了したかどうかでEVを計上するため、完了の判断基準が明確で、確認が確実に行われる必要があります。
関連キーワード: EVM、アーンドバリュー、進捗管理、完了判定基準、客観的評価
設問3(3)
問題文を見るM課長は、作業時間管理の仕組みをどのように修正するように依頼したのか。25字以内で述べよ。
模範解答
工程別の管理からタスク(又はWBS又はWP)単位の管理に変更する。
解説
解答の導き方
この設問では、作業時間管理の仕組みを、EVMで実コスト(AC)を把握できるようにどう変更するかを考えます。
本文では、今回の開発コストは社員の人件費だけなので、作業時間を基にACを集計します。一方、現状のシステムは「工程別に日次で集計」し、「工程単位の管理しかできない」とあります。つまり、毎日の作業時間は記録されていますが、どのタスクに何時間かかったかまでは把握できません。
EVMでは、WPごとにタスクを設定し、タスクごとに予算やスケジュールを定めてPVを設定しています。そのため、実際の作業時間もタスクなど同じ単位で集計できなければ、PVとACを対応させて比較できません。
したがって、変更すべきなのは入力頻度ではなく、作業時間を管理・集計する単位です。工程別の管理から、タスク、WBS、又はWP単位の管理に変更する必要があります。
誤りやすいポイント
- 作業時間を「毎日」入力していることを問題と捉えないようにします。問題は入力頻度ではなく、工程単位でしか集計できない点です。
- 管理を細かくするとだけ述べると、どの単位に変えるのかが不明確です。タスク、WBS、WPなど、PVに対応できる単位を示します。
- EVMの実施頻度を週次から日次に変える問題ではありません。作業時間の集計単位を変更する問題です。
FAQ
Q: なぜ工程別の作業時間だけでは不十分なのですか?
A: 工程全体の時間しか分からず、個々のタスクやWPに対する実コストを把握できないためです。タスクなどの単位でPVとACを対応させる必要があります。
A: 工程全体の時間しか分からず、個々のタスクやWPに対する実コストを把握できないためです。タスクなどの単位でPVとACを対応させる必要があります。
Q: 作業時間の入力を毎日行う仕組みは変更しなくてよいのですか?
A: 本文で問題とされているのは、日次入力ではなく工程別の集計です。入力頻度ではなく、作業時間をタスクなどの単位で管理できるようにします。
A: 本文で問題とされているのは、日次入力ではなく工程別の集計です。入力頻度ではなく、作業時間をタスクなどの単位で管理できるようにします。
Q: なぜ作業時間の管理がACの把握につながるのですか?
A: 開発コストが社員の人件費だけなので、作業時間を基に人件費を集計してACを把握するためです。
A: 開発コストが社員の人件費だけなので、作業時間を基に人件費を集計してACを把握するためです。
関連キーワード: EVM、プランドバリュー(PV)、実コスト(AC)、WBS、ワークパッケージ(WP)
設問4:〔EVMの実施〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問4(1)
問題文を見るM課長が、ヒアリングを実施して把握した各チームの状況において、第1週におけるプロジェクト全体のSPI、CPIが悪化している原因となっているチームはどれか。SPI、CPIごとにそれぞれチーム名を全て答えよ。
模範解答
SPI:帳票チーム、DBチーム
CPI:DBチーム
解説
解答の導き方
-
SPIとCPIが何を表すかを確認します。SPIは計画に対する進捗、CPIは実コストに対する成果の効率を示し、それぞれ 、 で求めます。したがって、予定した作業に対してEVが不足するとSPIが悪化し、実コストが発生しているのにEVが不足するとCPIも悪化します。
-
本文では、EVは「タスクの完了時にEVを全て計上」とされています。そのため、作業が途中まで進んでいても、タスクが完了していなければEVは計上されません。
-
帳票チームでは、第1週から着手する予定だったWPの要員が着任できず、作業開始が遅れています。第1週に完了予定だった作業のEVが計上されない一方、計画上はPVがあるため、SPIが悪化します。ただし、作業は第1週に開始されておらず、同じ単価のサポート要員を加えても「総時間も予定範囲内に収まる見込み」とされています。このため、実コストの超過によるCPI悪化の原因とはなりません。
-
DBチームでは、設計作業は予定どおり進み、完了判定基準も満たしています。しかし、第三者による確認が終わっていないため、タスクは未完了です。第1週に完了予定だった作業のEVが計上されず、PVに対してEVが不足するのでSPIが悪化します。また、設計作業には実コストが発生しているのにEVが計上されないため、CPIも悪化します。
-
内部処理チームは、要員が予定どおり参加し、タスクも予定どおり完了しています。本文で進捗や作業時間の問題が示されているのは、帳票チームとDBチームです。以上から、SPIの悪化には帳票チームとDBチームが、CPIの悪化にはDBチームが関係すると判断できます。
誤りやすいポイント
- タスクの実作業が完了していても、完了判定の第三者確認が終わっていなければ、本文のルールではEVを計上できません。DBチームはこの点がSPIとCPIの両方に影響します。
- 作業が遅れているチームを、SPIだけでなくCPIにも影響すると判断しないようにします。帳票チームは第1週に作業を開始できていないことに加え、総時間は予定範囲内の見込みなので、CPI悪化の原因ではありません。
- 翌週以降に遅れを取り戻せる見込みであっても、第1週末時点では予定したEVが得られていません。第1週のSPIを判断するときは、その時点の実績で考えます。
FAQ
Q: DBチームは設計作業を終えているのに、なぜEVが計上されないのですか?
A: EVは作業の実施状況だけでなく、タスクの完了判定に基づいて計上されます。第三者による確認が終わっておらずタスクが未完了なので、EVは計上されません。
A: EVは作業の実施状況だけでなく、タスクの完了判定に基づいて計上されます。第三者による確認が終わっておらずタスクが未完了なので、EVは計上されません。
Q: 帳票チームの遅れが後で取り戻せるなら、第1週のSPIには影響しませんか?
A: 影響します。SPIは第1週末時点で計画した作業と実績を比べるため、その時点でEVが計上されていなければSPIは悪化します。後の週に遅れを取り戻すことは、第1週の実績を変えません。
A: 影響します。SPIは第1週末時点で計画した作業と実績を比べるため、その時点でEVが計上されていなければSPIは悪化します。後の週に遅れを取り戻すことは、第1週の実績を変えません。
関連キーワード: EVM、プランドバリュー(PV)、アーンドバリュー(EV)、実コスト(AC)、SPI、CPI
設問4(2)
問題文を見るM課長が、今後のチーム運営について出した個別の指示とは何か。帳票チーム、DBチームごとにそれぞれ25字以内で述べよ。
模範解答
帳票チーム:総時間が予定範囲を超えないようにする。
DBチーム:遅れの影響を調査しリカバリプランを策定する。
解説
解答の導き方
この設問では、ヒアリングで分かった各チームの状況と、M課長が重視する観点を結び付けて、個別の指示を考えます。
まず、帳票チームでは、要員の着任が遅れて作業開始も遅れましたが、翌週に着任した後、サポート要員を追加することで「WPは予定どおりに完了」する見込みです。一方、「総時間も予定範囲内に収まる見込み」とあります。つまり、現時点ではスケジュールの遅れは取り戻せる見込みですが、追加要員によって作業時間が増え、予定を超える可能性には注意が必要です。帳票チームへの指示は、作業時間の観点から、総時間が予定範囲を超えないように管理することになります。
次に、DBチームでは、設計作業が予定どおり進み、完了判定基準も満たしています。しかし、タスク完了には第三者による確認が必要であり、その確認が終わっていないため、本文では「タスクは完了していない」とされています。EVMではタスクの完了時にEVを計上する方針なので、確認が済むまではタスクの完了として扱えません。そのため、DBチームには、確認の遅れが後続作業やプロジェクト全体のスケジュールに及ぼす影響を調べ、遅れを回復するための計画を立てるよう指示します。
誤りやすいポイント
- 帳票チームについて、着手の遅れだけに注目し、スケジュールのリカバリを指示すればよいと考えないようにします。予定どおりの完了が見込まれているため、設問で指定された作業時間の観点では、総時間が予定範囲を超えないようにすることが焦点です。
- サポート要員の単価が同じことだけを根拠に、コスト上の確認は不要と判断しないようにします。作業時間の合計が予定を超えれば、コストにも影響する可能性があります。
- DBチームは設計作業が終わっているからタスクも完了した、と判断しないようにします。第三者の確認を完了条件としているため、確認が終わるまではタスク未完了です。
- DBチームの指示を「確認を早く終わらせる」だけにしないようにします。確認の遅れが全体に及ぼす影響を調べ、必要なリカバリプランを策定することが重要です。
FAQ
Q: DBチームの設計作業が完了判定基準を満たしていても、EVは計上できないのですか?
A: 本文では、第三者による確認を受けてタスクを完了するとしています。確認が終わっていない以上、タスクは未完了として扱われ、EVも計上されません。
A: 本文では、第三者による確認を受けてタスクを完了するとしています。確認が終わっていない以上、タスクは未完了として扱われ、EVも計上されません。
Q: 帳票チームでは、なぜ作業時間の管理を重視するのですか?
A: サポート要員の追加によって予定どおりの完了が見込まれる一方、追加作業によって総時間が予定を超える可能性があるためです。
A: サポート要員の追加によって予定どおりの完了が見込まれる一方、追加作業によって総時間が予定を超える可能性があるためです。
Q: DBチームの「遅れの影響」は、何を確認すればよいですか?
A: 第三者確認の遅れが後続作業やプロジェクト全体のスケジュールに及ぼす影響を確認し、遅れを回復する計画につなげます。
A: 第三者確認の遅れが後続作業やプロジェクト全体のスケジュールに及ぼす影響を確認し、遅れを回復する計画につなげます。
関連キーワード: EVM、アーンドバリュー、実コスト、SPI、CPI、進捗管理



