プロジェクトマネージャ 2012年 午後1 問04
組込みシステム開発の結合テスト計画に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
電機メーカのJ社は、スマートフォン市場でのシェア拡大のために、新製品の開発を進めている。新製品には、スマートフォンの基本機能を備えたOSを採用し、J社が独自に開発したアプリケーションプログラムを搭載する。
開発プロジェクトのプロジェクトマネージャには、ソフトウェア開発部門のK課長が任命されている。アプリケーションプログラムの開発は、機能別に編成された開発チームが担当する。結合テスト以降のテストは、専任のテストチームが担当する。
アプリケーションプログラムの開発は、現在、プログラム製造・単体テストが始まったところであり、K課長は結合テスト計画の作成に着手した。結合テストでは、実機を用いて、各機能を連携させてテストを行う。結合テストの障害管理票の基本的な処理フローを、図1に示す。障害の改修完了予定日は、開発チームが障害解析を完了した時点で設定する。当初設定した改修完了予定日に改修が間に合わない場合、当該開発チームは他チームに、改修完了予定日の見直しを通知する。

〔意見交換ミーティングの実施〕
K課長は、結合テストの終了が計画よりも大幅に遅れてしまった過去の事例を分析した結果、結合テストを計画どおり終了させるには、障害の多発や障害改修の難航などの理由によって工程完了期日に遅れてしまうおそれがある開発チーム(以下、遅延チームという)への対処が重要だと考えていた。そこで、全チームのチームリーダと主力メンバを招集して、遅延チームに関する問題点、体験について意見交換を行った。ミーティングでは、次のような意見が出された。
(1) 遅延チームにかつて所属していたメンバの意見
・遅延を解消するために、他チームから応援メンバを入れて対応することがあった。しかし、応援メンバは開発する機能についての経験や知識がないので、応援メンバを受け入れても、①チームの生産性はすぐには向上せず、むしろ、一時的には低下することがある。そこで、工程の後半では、応援メンバを受け入れるよりも、現在の要員1人当たりの作業量を増やして対応したいと申し出ることが多かった。しかし、1人当たりの作業量を増やすと作業品質が下がり、結果として生産性が低下した。
・改修すべき障害が累積してくると、工程完了期日までに全ての障害を改修しなければならないというプレッシャーから、余裕のない改修完了予定日を設定してしまう。その結果、要員が焦って、改修ミス、デグレードを発生させ、当初設定した改修完了予定日に間に合わなくなることが多かった。
・当初設定した改修完了予定日に間に合わなくなったケースでは、遅れる可能性について、かなり前から察知していることが多かった。しかし、“改修完了予定日に間に合わせたい”、“他チームに迷惑を掛けたくない”という思いから改修完了予定日の直前まで頑張って、それでも間に合わない場合に見直しを連絡していた。
・他チームに依頼したい作業はいろいろあった。しかし、既に障害が多発して迷惑を掛けている他チームに、更に作業を依頼するのは気が引けて、ためらうことが多かった。
(2) 遅延チームの影響を受けたことがあるメンバの意見
・遅延チームの障害改修が改修完了予定日までに完了しないと、自チームのテスト計画が変更になり、大きな影響があった。直前になってから間に合わないという連絡が来るので、計画の見直しがスムーズにいかないことが多かった。
・改修ミス、デグレード、当初設定した改修完了予定日に対する遅れなどに対して、遅延チームについ厳しいコメントをしてしまうことがあった。遅延チームのモチベーションを下げてしまったかもしれない。
〔結合テストの方針〕
K課長は、過去の事例の分析とミーティングでのメンバの意見を踏まえて、今回の結合テストでは次の方針を徹底することにし、各チームに周知した。
・障害改修に当たっては、②プロジェクト全体への影響を考慮した改修順序を計画する。また、適切な改修完了予定日を設定した上で、当初設定した改修完了予定日を確実に守る。
・当初設定した改修完了予定日に遅れることが明らかになった場合には、③プロジェクト全体への影響を最小限にするように、適切に対処する。
・ある開発チームが遅延チームとなった場合、プロジェクト全体に影響が広がらないように、プロジェクトとしてaを最優先する。
・遅延チームは、必要であれば応援メンバを積極的に受け入れる。また、他チームに依頼できる作業があれば積極的に提案する。
・遅延チーム以外の開発チーム、テストチームは、遅延チームに対して協力的な態度で接し、批判的な態度をとらないようにする。
〔結合テストの管理指標〕
K課長は結合テストにおいて、テスト項目と障害の数を開発チーム別に集計できるように、テスト項目と障害の数についてのチーム別の集計ルールを設定した。その上で、開発チーム別に、横軸にテスト実施率、縦軸に累積の障害摘出数をとったグラフを作成し、障害の発生状況を監視する。最終的に、グラフの軌跡が④ある傾向を示すことを確認する。
また、開発チームに関する管理指標を表1のように定義して、遅延チームが発生する予兆の検知や、遅延チームの進捗遅れの影響を評価する。
・管理指標No. fで、開発チームの障害改修の作業品質を確認する。
・管理指標No.3で、開発チームが改修完了予定日を適切に設定しているか、当初設定した改修完了予定日を守れているかを評価する。
・管理指標No.1、管理指標No. g、及び開発チーム別の今後に計画されている作業工数から、残障害見込数と改修能力のアンバランスを起因として遅延チームになりそうな開発チームがないかを監視する。管理指標No. gと開発チーム別の今後に計画されている作業工数から求めた改修可能な障害数が、管理指標No.1よりも少ない場合は、応援メンバの投入などの具体的な対策を実施する。
設問1:
問題文を見る〔意見交換ミーティングの実施〕について、本文中の下線①の事象はなぜ起こるのか。30字以内で述べよ。
模範解答
・投入直後は応援メンバの立上げの負荷が掛かるから
・応援メンバにプロジェクトの情報を伝える時間が必要になるから
解説
解答の導き方
この設問は、応援メンバを受け入れた直後に、なぜチームの生産性が一時的に低下することがあるのかを問うています。
本文には、応援メンバは「開発する機能についての経験や知識がない」とあります。そのため、受け入れてすぐに作業を効率よく進められるわけではありません。機能や開発の進め方を理解するための時間が必要です。
また、応援メンバに説明したり、作業を確認したりする負荷が、受け入れる側のメンバにも生じます。その分、既存メンバの作業時間も削られるため、応援メンバの投入直後は、チーム全体の生産性が一時的に下がることがあります。したがって、原因は応援メンバの立上げに伴う負荷や、必要な情報を伝える時間にあります。
誤りやすいポイント
- 応援メンバが経験や知識をもたないことだけを述べ、説明や習熟に時間がかかる点を示さないと、なぜ生産性が低下するのかが伝わりにくくなります。
- 「応援メンバの能力が低いから」とするのは適切ではありません。問題は、機能やプロジェクトについての知識を得て、作業に慣れるまでの立上げに時間がかかることです。
- 後半に述べられている、要員1人当たりの作業量を増やした際の品質低下と混同しないようにします。この設問で問われているのは、応援メンバを受け入れた場合の一時的な生産性低下です。
FAQ
Q: 応援メンバを増やせば、すぐに作業量も増えますか?
A: すぐに増えるとは限りません。機能や作業の進め方を理解する時間に加えて、既存メンバが説明や支援に使う時間も必要です。
A: すぐに増えるとは限りません。機能や作業の進め方を理解する時間に加えて、既存メンバが説明や支援に使う時間も必要です。
Q: なぜ生産性の低下は一時的なのですか?
A: 応援メンバが必要な知識を得て作業に慣れれば、支援にかかる負荷が減り、担当作業を進められるようになるためです。
A: 応援メンバが必要な知識を得て作業に慣れれば、支援にかかる負荷が減り、担当作業を進められるようになるためです。
Q: 「経験や知識がない」と書けば十分ですか?
A: 状況の説明にはなりますが、設問はその状態が生産性低下を招く理由を尋ねています。立上げや情報共有に時間と負荷がかかる点まで示すことが大切です。
A: 状況の説明にはなりますが、設問はその状態が生産性低下を招く理由を尋ねています。立上げや情報共有に時間と負荷がかかる点まで示すことが大切です。
関連キーワード: 生産性、応援要員、立上げ、知識移転、作業負荷
設問2:〔結合テストの方針〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線②の改修順序として、具体的にはどのような障害を優先して改修すべきか。20字以内で述べよ。
模範解答
・他チームへの影響が大きな障害
・他チームのテストが進まなくなる障害
解説
解答の導き方
-
問われているのは、障害改修の順序を決めるときに、どの障害を優先するかです。障害の深刻さや改修のしやすさだけでなく、プロジェクト全体への影響を基準に考えます。
-
方針には「プロジェクト全体への影響を考慮した改修順序を計画する」とあります。したがって、自チームの作業だけでなく、その障害によって他チームの作業やテストがどうなるかに注目します。
-
図1では、障害の解析結果と改修完了予定日を、テストチームや関連する開発チームに通知する流れになっています。結合テストでは各機能を連携させるため、ある障害が残っていることで他チームのテストが進められない場合、その影響は他チームにも及びます。
このため、他チームへの影響が大きい障害、とりわけ他チームのテストを止めてしまう障害を先に改修する考え方になります。
誤りやすいポイント
- 改修しやすい障害や、発見が古い障害を優先する問題ではありません。問われているのは、プロジェクト全体への影響を踏まえた優先順位です。
- 自チームにとって重大な障害だけを基準にしないようにします。他チームの作業を妨げるかどうかも考慮します。
- 「障害数が多いチームの障害を優先する」と考えるのも不適切です。障害の数ではなく、他チームのテストや作業への影響に注目します。
FAQ
Q: 障害の重大度が高いものを優先すればよいですか?
A: 重大度も判断材料になり得ますが、この設問では、プロジェクト全体への影響、とくに他チームの作業やテストを妨げるかどうかが重要です。
A: 重大度も判断材料になり得ますが、この設問では、プロジェクト全体への影響、とくに他チームの作業やテストを妨げるかどうかが重要です。
Q: 他チームに影響する障害は、すべて最優先にするのですか?
A: 影響の大きさを比べて順序を決めます。特に、他チームのテストが進められなくなる障害は、後続の作業にも影響するため優先度が高くなります。
A: 影響の大きさを比べて順序を決めます。特に、他チームのテストが進められなくなる障害は、後続の作業にも影響するため優先度が高くなります。
関連キーワード: 結合テスト、障害管理、改修優先順位、依存関係、進捗管理
設問2(2)
問題文を見る本文中の下線③で適切に対処するとしているのは、どのような対処か。20字以内で述べよ。
模範解答
見通しの変化を速やかに通知すること
解説
解答の導き方
下線③が問うのは、障害の改修が当初の予定日に間に合わないと分かったとき、プロジェクト全体への影響を小さくするためにどうするかです。
意見交換では、遅延チームが遅れる可能性に早くから気付いていても、予定日に間に合わせたい、他チームに迷惑を掛けたくないという思いから、連絡を直前まで待つことが多かったと述べられています。一方、影響を受けるチームからは、直前の連絡ではテスト計画の見直しがスムーズに進まないという意見が出ています。
このことから、遅延が明らかになった後も当初の予定日に間に合わせようと連絡を控えるのではなく、遅れる見通しに変わった時点で、関係するチームに速やかに知らせる必要があります。早く共有すれば、他チームは計画を見直す時間を確保でき、プロジェクト全体への影響を抑えられます。
したがって、対処の要点は、見通しの変化を速やかに通知することです。
誤りやすいポイント
- 改修を急がせることだけを対処と考えないようにします。設問は、遅延が明らかになった場合にプロジェクト全体への影響をどう抑えるかを問うています。
- 当初の改修完了予定日を過ぎてから連絡するのでは遅すぎます。遅れる可能性が明らかになった時点で知らせることが重要です。
- 「予定日を見直すこと」だけでは、関係チームへの早期共有が示せません。計画の見直しを可能にするため、見通しの変化を速やかに伝える点まで押さえます。
FAQ
Q: 改修完了予定日が確定してから連絡すればよいですか?
A: いいえ。予定日に間に合わない見通しが明らかになった段階で速やかに共有し、関係チームが計画を見直せるようにします。
A: いいえ。予定日に間に合わない見通しが明らかになった段階で速やかに共有し、関係チームが計画を見直せるようにします。
Q: 早く連絡する目的は何ですか?
A: 影響を受けるチームがテスト計画などを早めに調整し、プロジェクト全体への影響を抑えるためです。
A: 影響を受けるチームがテスト計画などを早めに調整し、プロジェクト全体への影響を抑えるためです。
Q: 遅延チームは、連絡よりも改修作業を優先すべきですか?
A: 改修作業と並行して、遅れる見通しを速やかに伝えることが必要です。連絡を遅らせると、他チームの計画変更が難しくなります。
A: 改修作業と並行して、遅れる見通しを速やかに伝えることが必要です。連絡を遅らせると、他チームの計画変更が難しくなります。
関連キーワード: 進捗管理、障害管理、改修完了予定日、情報共有、影響分析
設問2(3)
問題文を見る本文中のaに入れる適切な字句を、15字以内で答えよ。
模範解答
a:遅延チームの進捗の早期回復
解説
解答の導き方
-
aの前には、「ある開発チームが遅延チームとなった場合」とあります。したがって、遅れが発生した後に、プロジェクトとして何を優先して対応するかが問われています。
-
遅延チームの障害改修が予定どおり終わらないと、ほかのチームのテスト計画にも影響します。本文でも、遅れの連絡が直前になると計画の見直しが難しくなるという問題が挙げられています。遅れを放置すれば、影響がプロジェクト全体に広がるおそれがあります。
-
方針には「プロジェクト全体に影響が広がらないように」とあります。また、遅延チームには応援メンバを受け入れたり、他チームに依頼できる作業を提案したりするよう促し、周囲のチームには協力的な態度を求めています。これらは、遅延チームの作業を早く進め、遅れを回復させるための対応です。
-
したがって、プロジェクトとして最優先するのは、遅延チームを責めたり、遅れの原因分析だけにとどまったりすることではなく、遅延チームの進捗を早期に回復させることです。
誤りやすいポイント
- 「応援メンバの投入」を答えにしないようにします。応援メンバの受入れは進捗回復の手段ですが、設問はプロジェクトとして最優先することを尋ねています。
- 「当初設定した改修完了予定日を守ること」と混同しないようにします。遅れが明らかになった後の優先事項は、予定日を守るよう求め続けることではなく、遅延チームの進捗を回復させ、プロジェクトへの影響を抑えることです。
- 遅延チームだけで解決すべきだと考えないようにします。本文では、ほかのチームやテストチームも協力する方針が示されています。
FAQ
Q: なぜ「応援メンバの投入」だけでは不十分なのですか?
A: 応援メンバの投入は進捗回復の方法の一つにすぎないからです。作業の依頼や周囲の協力なども含め、遅延チームの進捗を回復させることが優先されます。
A: 応援メンバの投入は進捗回復の方法の一つにすぎないからです。作業の依頼や周囲の協力なども含め、遅延チームの進捗を回復させることが優先されます。
Q: 「プロジェクト全体への影響を最小限にすること」と、遅延チームの進捗回復はどう関係しますか?
A: 遅延チームの作業が滞ったままでは、ほかのチームの作業やテスト計画にも影響が及びます。進捗を早期に回復させることが、影響の拡大を防ぐ対応になります。
A: 遅延チームの作業が滞ったままでは、ほかのチームの作業やテスト計画にも影響が及びます。進捗を早期に回復させることが、影響の拡大を防ぐ対応になります。
関連キーワード: 結合テスト、進捗管理、プロジェクト管理、リソース配分、リスク管理
設問3:〔結合テストの管理指標〕について、(1)~(5)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中の下線④のある傾向とは、どのような傾向か。15字以内で述べよ。
模範解答
障害の摘出が収束する傾向
解説
解答の導き方
この設問では、横軸が「テスト実施率」、縦軸が「累積の障害摘出数」であるグラフについて、テストの進行に伴う望ましい変化を考えます。
テスト実施率が上がるほど、より多くのテスト項目を実施するため、障害が見つかれば累積の障害摘出数は増加します。ただし、結合テストが順調に進み、発見される障害が少なくなるにつれて、累積数の増加は次第に緩やかになります。
したがって、グラフは初めに上昇し、その後は傾きが小さくなって、最終的にほぼ横ばいになります。このように、新たな障害が見つかるペースが落ち着いていく状態を、障害の摘出が収束する傾向と表現できます。
誤りやすいポイント
- 累積の障害摘出数は、それまでに見つかった障害の合計です。障害が改修されても、累積数が減るわけではありません。
- 「収束」は、グラフが下がることではありません。障害摘出数の増加が次第に小さくなり、横ばいに近づくことです。
- グラフが横ばいになったからといって、障害が残っていないと断定できるわけではありません。テスト実施率の進行と合わせて判断します。
FAQ
Q: 障害の摘出が収束するとは、障害がゼロになることですか?
A: いいえ。テストを進めても新たに見つかる障害が少なくなり、累積摘出数の増加が落ち着くことです。
A: いいえ。テストを進めても新たに見つかる障害が少なくなり、累積摘出数の増加が落ち着くことです。
Q: 累積の障害摘出数が減少するグラフが望ましいのですか?
A: いいえ。累積値は過去に見つかった障害も含むため、減少するものではありません。増加が緩やかになり、横ばいに近づくかを見ます。
A: いいえ。累積値は過去に見つかった障害も含むため、減少するものではありません。増加が緩やかになり、横ばいに近づくかを見ます。
Q: 横ばいになれば、テストは十分だと判断できますか?
A: 横ばいだけでは判断できません。テスト実施率も確認し、テストが十分に進んだ上で障害の摘出が落ち着いているかを見ます。
A: 横ばいだけでは判断できません。テスト実施率も確認し、テストが十分に進んだ上で障害の摘出が落ち着いているかを見ます。
関連キーワード: 結合テスト、テスト実施率、累積障害摘出数、障害収束、テスト進捗管理
設問3(2)
問題文を見る表1中のbに入れる適切な字句を、15字以内で答えよ。
模範解答
b:・障害の改修能力
・1件当たり障害改修工数
解説
解答の導き方
表1の管理指標No.2について、名称の空欄 b と計算式、単位を対応させます。
まず、計算式は「開発チーム別の c ÷ 開発チーム別の改修済障害数」です。単位が「人時/件」なので、分子は障害改修に使った作業工数、分母は改修した障害の件数と考えられます。つまり、この指標は障害1件を改修するのに平均して何人時かかるかを表します。
さらに、本文では、この管理指標と今後に計画されている作業工数から「改修可能な障害数」を求め、残障害見込数と比較するとしています。1件当たりに必要な工数が分かれば、今後の作業工数で何件改修できるかを見積もれるためです。
したがって、b は「1件当たり障害改修工数」と表現できます。この指標は、開発チームの障害改修能力を把握するためにも使われます。
誤りやすいポイント
- 「改修済障害数」は計算式の分母です。指標名ではなく、計算結果が何を表すかを考えます。
- 単位の「人時/件」を見落とすと、改修に使った総工数と取り違えやすくなります。総工数ではなく、障害1件当たりの工数です。
- 障害改修能力を表す指標だからといって、単位を「件/人時」と逆にしないようにします。表の単位は「人時/件」です。
FAQ
Q: 1件当たりの障害改修工数が小さいほど、改修能力が高いといえますか。
A: 同じ作業工数でより多くの障害を改修できるため、改修能力は高いと判断しやすくなります。
A: 同じ作業工数でより多くの障害を改修できるため、改修能力は高いと判断しやすくなります。
Q: なぜ今後の作業工数とこの指標から、改修可能な障害数を求められるのですか。
A: 今後の作業工数を、障害1件当たりに必要な工数で割れば、改修できる障害数を見積もれるためです。
A: 今後の作業工数を、障害1件当たりに必要な工数で割れば、改修できる障害数を見積もれるためです。
関連キーワード: 障害改修工数、作業工数、改修能力、管理指標
設問3(3)
問題文を見る模範解答
c:改修済障害の改修に要した総工数
d:・改修完了予定日に対する遵守率
・改修完了予定日に対する遅延率
解説
解答の導き方
まず、cは管理指標No.2の計算式の分子に入ります。式は「開発チーム別の c ÷ 開発チーム別の改修済障害数」で、単位は「人時/件」です。つまり、改修済障害1件当たりの作業時間を求める指標です。そのため、分子には改修済障害の改修に費やした工数の合計が入ります。「改修済障害の改修に要した総工数」と判断できます。
次に、dは管理指標No.3の名称に入り、計算式の分子には、当初設定した改修完了予定日を守れた障害、または予定日に遅れた障害の数が入ります。本文では、管理指標No.3によって「当初設定した改修完了予定日を守れているか」を評価するとあります。したがって、予定日を守れた割合を表す「改修完了予定日に対する遵守率」が適切です。
遅れた障害の割合を分子にする場合は、「改修完了予定日に対する遅延率」と表せます。どちらも当初設定した改修完了予定日に対する実績を評価する指標です。
誤りやすいポイント
- cを「改修に要した工数」とだけ考えると、障害1件当たりの工数なのか、合計工数なのかが曖昧になります。計算式では改修済障害数で割り、単位が「人時/件」になるため、分子は総工数です。
- 管理指標No.3は、予定日を守ったかどうかを評価します。改修後のテスト不合格やデグレードの割合を表す管理指標No.4と混同しないようにします。
- 遵守率と遅延率では、計算式の分子に置く障害数が異なります。遵守率なら予定日までに改修が完了した障害数、遅延率なら予定日に遅れた障害数を数えます。
FAQ
Q: なぜcは「総工数」なのですか?
A: 改修済障害数で割った結果が「人時/件」になるからです。分子を総工数にすれば、障害1件当たりの改修工数を求められます。
A: 改修済障害数で割った結果が「人時/件」になるからです。分子を総工数にすれば、障害1件当たりの改修工数を求められます。
Q: 遵守率と遅延率のどちらを書いてもよいのはなぜですか?
A: どちらも、当初設定した改修完了予定日に対して実績を評価する指標だからです。遵守率は期限内に完了した割合、遅延率は期限に遅れた割合を表します。
A: どちらも、当初設定した改修完了予定日に対して実績を評価する指標だからです。遵守率は期限内に完了した割合、遅延率は期限に遅れた割合を表します。
Q: 不合格・デグレード発生率とは、何が違いますか?
A: 不合格・デグレード発生率は改修後の作業品質を評価します。一方、遵守率や遅延率は、改修完了予定日に対する進捗の実績を評価します。
A: 不合格・デグレード発生率は改修後の作業品質を評価します。一方、遵守率や遅延率は、改修完了予定日に対する進捗の実績を評価します。
関連キーワード: 結合テスト、改修工数、改修完了予定日、遵守率、遅延率
設問3(4)
問題文を見る表1中のeに入れる適切な字句を、25字以内で答えよ。
模範解答
e:dを“改修完了予定日に対する遵守率”と解答した場合
・改修完了予定日を遵守した改修済の障害数
dを“改修完了予定日に対する遅延率”と解答した場合
・改修完了予定日に遅延した改修済の障害数
解説
解答の導き方
表1の管理指標No.3は、分子を「開発チーム別の当初設定した e」、分母を「開発チーム別の改修済障害数」として、百分率を求めています。したがって、分子には、改修済障害を当初設定した改修完了予定日に照らして分類した件数が入ります。
本文では、管理指標No.3によって「当初設定した改修完了予定日を守れているか」を評価すると説明しています。このため、dを「改修完了予定日に対する遵守率」とする場合、分子は予定日を守った改修済障害の数になります。一方、dを「改修完了予定日に対する遅延率」とする場合は、予定日に遅れた改修済障害の数が分子になります。
どちらの場合も、判定の基準は見直し後の予定日ではなく、当初設定した改修完了予定日です。
誤りやすいポイント
- 分母の「改修済障害数」と、分子に入れる「予定日を守った、または遅れた改修済障害数」を取り違えないようにします。
- dを遵守率とするか遅延率とするかによって、分子に入る障害数が逆になります。
- 見直し後の改修完了予定日ではなく、当初設定した改修完了予定日を基準に判定します。
FAQ
Q: なぜ分子は改修済障害に限られるのですか?
A: 管理指標No.3の分母が改修済障害数だからです。改修済障害のうち、予定日を守ったもの、または遅れたものの割合を求めます。
A: 管理指標No.3の分母が改修済障害数だからです。改修済障害のうち、予定日を守ったもの、または遅れたものの割合を求めます。
Q: dが遵守率の場合、予定日を後から変更して守れた障害も分子に含めますか?
A: いいえ。本文が評価対象としているのは「当初設定した改修完了予定日」を守れたかどうかです。
A: いいえ。本文が評価対象としているのは「当初設定した改修完了予定日」を守れたかどうかです。
関連キーワード: 障害管理、進捗管理、改修完了予定日、遵守率、遅延率
設問3(5)
問題文を見る本文中のf、gに入れる管理指標No.を答えよ。
模範解答
f:4
g:2
解説
解答の導き方
fは、どの管理指標で開発チームの障害改修の作業品質を確認するかを問うています。表1の管理指標No.4は「不合格・デグレード発生率」です。改修済障害のうち、テスト不合格やデグレードが検出された障害の割合を示すため、改修後の作業品質を評価する指標として適切です。
一方、管理指標No.1は結合テスト完了までの残障害見込数、管理指標No.3は当初設定した改修完了予定日に関する指標です。残障害の量や予定日の遵守状況を示すもので、改修の作業品質を直接確認するものではありません。したがって、fには管理指標No.4が入ります。
次にgは、残障害見込数と、今後の作業工数から求めた改修可能な障害数を比較するために使う指標です。改修可能な障害数を求めるには、今後の作業工数を「障害1件の改修に必要な工数」で割ります。表1の管理指標No.2は、計算式の単位が「人時/件」であり、障害1件当たりの改修工数を表す指標です。この値を使えば、今後の作業工数で何件の障害を改修できるかを見積もれるため、gには管理指標No.2が入ります。
誤りやすいポイント
- 管理指標No.1は残障害の「件数」を示します。改修能力を計算するための指標ではありません。
- 管理指標No.2は障害1件当たりの改修工数を示します。値が大きいほど、同じ作業工数で改修できる障害数は少なくなります。
- 管理指標No.3は改修完了予定日の設定・遵守状況を評価する指標であり、改修後の品質を表すものではありません。
- 管理指標No.4は不合格やデグレードの発生状況を示すため、作業品質の確認に対応します。
FAQ
Q: 管理指標No.4の発生率が高い場合、何が懸念されますか?
A: 改修後のテスト不合格やデグレードが多い状態です。改修の正確さや影響範囲の確認が不十分である可能性を考えます。
A: 改修後のテスト不合格やデグレードが多い状態です。改修の正確さや影響範囲の確認が不十分である可能性を考えます。
Q: なぜ管理指標No.2だけで改修可能な障害数を求められるのですか?
A: No.2は「人時/件」という単位で、障害1件の改修に必要な工数を示すためです。今後の作業工数をこの値で割ると、改修可能な障害数を見積もれます。
A: No.2は「人時/件」という単位で、障害1件の改修に必要な工数を示すためです。今後の作業工数をこの値で割ると、改修可能な障害数を見積もれます。
Q: 管理指標No.3が示す「予定日の遵守状況」は、作業品質とは関係ありませんか?
A: 予定日の遵守状況は進捗や計画の適切さを確認するものです。改修後に不合格やデグレードが発生したかを確認する管理指標No.4とは、評価する対象が異なります。
A: 予定日の遵守状況は進捗や計画の適切さを確認するものです。改修後に不合格やデグレードが発生したかを確認する管理指標No.4とは、評価する対象が異なります。
関連キーワード: 品質指標、回帰テスト、工数見積り、障害管理、進捗管理




