プロジェクトマネージャ 2009年 午後1 問02
外部委託先の選定に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
金融機関のT社の事務センタでは、各支店から送られてくる伝票類の内容確認などの事務処理を行っている。利用しているシステムは、稼働後約10年が経過し、使い勝手はあまり良くない。また、これまでは取扱件数が少なかったのでシステム対応は行わずに人手で対応している事務処理が随所にあり、昨今の取扱件数の急増に伴って、顧客あて帳票類の発送期日が遅れるなどの問題が起きるリスクが懸念されている。
T社は、正確で効率よく事務を遂行できるように、事務センタの事務処理を見直し、システムを再構築するプロジェクトを4月に立ち上げた。大幅な事務処理の見直しを伴うので、システム利用部門である業務部と緊密に連携をとれる体制・手順を確立しておかないと、プロジェクトを円滑に進められなくなるおそれがある。3年後の全面稼働を目標としているが、再構築による効果ができるだけ早くに得られることが望まれた。そこで、システムの基幹部分のうち、独立性の高い一部の機能を選び、第一期システムとして、最初の1年間で先行して開発することにした。
〔要求仕様書の作成〕
プロジェクトマネージャ(PM)に任命されたシステム部のU課長は、第一期システムの外部設計から結合テストまでの開発を請負契約で外部に委託するために、要求仕様書の作成に着手した。来年の3月末までに第一期システムの開発を終えるには、約2か月間で要求仕様を決め、提案依頼を行った上で委託先を決定しなければならない。しかし、要求仕様の検討に欠かせない業務部のメンバが多忙なので、事務処理の見直し内容や使い勝手の改善内容について、業務部とのすり合わせが十分に行える状況ではなかった。
①U課長は、このような妥当性確認の面での問題を抱えたまま作成する要求仕様書に基づいて開発作業を外部に委託した場合、業務部が参加して行う総合テストで問題が発生するリスクが高いと考えた。 U課長は、稼働開始に多少の遅れがあっても、第一期システムの開発を着実に実施することが、結果的には3年後の全面稼働を確実なものにすると考え、要求仕様書の作成期間を約1か月間延長した上で、次に示す対応を行うことにした。また、業務部のメンバがこの対応に十分に加われるように、業務部の部長とシステム部の部長を交えて調整を行った。
・aの流れ及び業務部内での役割分担を明確にするために、要求仕様書の一部として作成するフロー図について、業務部のメンバと十分にレビューを行う。
・外部設計でプロトタイピングを実施することを要求仕様書に追加し、業務部のメンバが画面や帳票などをプロトタイプを用いてbによって仕様を固め、後工程での手戻りが起きないようにする。
〔委託先の選定方法の検討〕
T社では提案内容の評価基準を策定する際には、要求仕様の理解度、記述内容の具体性、計画の妥当性、及び経験・スキルの四つの評価軸について、各プロジェクトのPMが評価項目を設定することを規定している。②U課長は、表1の評価項目を設定した上で、提案内容の優れた委託先を選定できること、及びもう一つのメリットを期待して、次に述べる提案内容と提案価格を総合的に評価する選定方法を採用することにした。選定方法について社内の委託先の管理部門である調達部の承認を得た後、複数の会社に提案依頼を行うことにした。

(1) 提案内容の評価方法
表1のとおり、評価軸に基づいて合計11個の評価項目とそれぞれの配点を設定し、各評価項目の得点の合計を提案内容の得点(以下、内容点という)とする。広範囲にわたる業務の変更への対応を伴う難易度の高い第二期システムの開発を考慮し、今回の選定では要求仕様の理解度及び記述内容の具体性の二つの評価軸を特に重要視して配点を高くする。また、内容点に関する基準点として500点を設定し、この基準点を使用することで適正な委託先を選定できるようにする。
(2) 提案価格の評価方法
提案価格については、想定される開発規模を基に設定した予算枠(以下、想定金額という)の1億円との差額について、次のように得点(以下、価格点という)を付与する。
・提案価格が想定金額よりも低い場合には、想定金額との差額100万円につき、10点を付与する。ただし、c場合の問題を回避するために、価格点には上限を設け、提案価格が5,000万円以下の場合は、一律に500点を付与する。
・提案価格が想定金額よりも高い場合には、価格点は付与しない。
(3) 提案内容と提案価格の総合評価
(1)及び(2)に従って算出された、内容点と価格点を合計した総合点が最も高い会社を委託先の第一候補とする。ただし、第一候補の提案価格が想定金額よりも高い場合には、提案価格を下げる余地があるかどうか折衝し、再提案を求めた上で、委託先の最終決定を行う。
〔委託先の選定〕
U課長は、これまでT社のシステム開発に携わってきた数社に要求仕様書を提示し、提案依頼を行った。提案依頼にはX社、Y社、Z社の3社が応じ、各社の内容点、価格点及び総合点は表2のとおりとなった。

今回の選定方法では総合点の最も高いX社が委託先の第一候補となるが、内容点、提案価格ともに各社のばらつきが大きかったので、U課長は他社と比べて内容点と提案価格が最も低かったY社に対して念のためヒアリングを行い、提案の根拠を確認した。その結果、Y社の要求仕様の理解度及び記述内容の具体性の得点が低く、かつ、提案価格が他社と比べて極端に低かったのは、Y社が第一期システムの対象業務に関して経験が浅く、要求仕様を十分に理解していないことが原因であることが分かった。
U課長は、今回の選定方法に従って第一期システムの開発をX社に委託することについて問題がないと考え、X社との契約手続を開始した。
設問1:〔要求仕様書の作成〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る本文中の下線①について、総合テストで発生する問題を、30字以内で述べよ。
模範解答
・使い勝手の改善についての要望が多発する。
・変更要求が多発する。
解説
解答の導き方
まず、問題が問うているのは、下線①にある「総合テストで問題が発生するリスク」の具体的な内容です。総合テストの実施そのものではなく、要求仕様の確認が十分でないまま開発を進めた場合に、業務部が総合テストで何を問題として指摘するかを考えます。
本文には、要求仕様の検討に欠かせない業務部のメンバが多忙で、「事務処理の見直し内容や使い勝手の改善内容」について業務部とのすり合わせが十分にできない状況だったとあります。つまり、開発前に、業務部が必要とする事務の流れや画面・帳票の使い勝手を、要求仕様へ十分に反映できていない可能性があります。
一方、総合テストは、開発されたシステムが実際の業務で使えるかを業務部も参加して確認する段階です。そのため、業務部がテストでシステムを確認したときに、「想定していた業務の流れと違う」「画面や帳票の使い勝手を改善してほしい」と気付く可能性があります。
そうした要望が総合テストの段階で相次ぐと、仕様の修正や追加対応が必要になります。したがって、使い勝手の改善要望や変更要求が多発することが、下線①で懸念されている問題です。
誤りやすいポイント
- プログラムのバグが多発することだけを答えるのは適切ではありません。本文で問題視されているのは、開発前に業務部とのすり合わせが十分でないことによる、要求仕様と実際の業務ニーズとのずれです。
- 「総合テストに時間がかかる」とだけ述べると、時間がかかる原因が伝わりません。業務部から改善要望や変更要求が多く出ることまで示す必要があります。
- 対策として本文にあるプロトタイピングを答えるのではなく、その対策が必要になった原因として、総合テストで何が起きるかを答えます。
FAQ
Q: なぜ問題が総合テストで表面化すると考えられるのですか?
A: 業務部が実際の業務に照らしてシステムを確認するため、事前のすり合わせで見落とされていた業務上の要望や使い勝手の問題に気付きやすいからです。
A: 業務部が実際の業務に照らしてシステムを確認するため、事前のすり合わせで見落とされていた業務上の要望や使い勝手の問題に気付きやすいからです。
Q: 「使い勝手の改善要望」と「変更要求」は、どちらを答えてもよいのですか?
A: どちらも、要求仕様と業務部の要望とのずれが総合テストで明らかになり、対応を求められることを表しています。
A: どちらも、要求仕様と業務部の要望とのずれが総合テストで明らかになり、対応を求められることを表しています。
Q: プロトタイピングは、なぜこのリスクを抑えるのですか?
A: 画面や帳票などを早い段階で業務部に確認してもらい、要求仕様のずれや使い勝手の問題を開発後半に持ち越しにくくするためです。
A: 画面や帳票などを早い段階で業務部に確認してもらい、要求仕様のずれや使い勝手の問題を開発後半に持ち越しにくくするためです。
関連キーワード: 要求仕様、妥当性確認、総合テスト、プロトタイピング、変更要求
設問1(2)
問題文を見る本文中のaに入れる適切な字句を、5字以内で答えよ。
模範解答
・業務
・事務処理
解説
解答の導き方
-
空欄の前後を見ると、「aの流れ及び業務部内での役割分担を明確にする」とあります。したがって、フロー図で明確にする対象は、業務部が担当する仕事の進み方と、各作業の担当です。
-
本文では、システム再構築に当たって「事務センタの事務処理を見直し」すると説明されています。また、事務処理の見直し内容について業務部とのすり合わせが十分にできないことを、U課長は問題視しています。フロー図を業務部のメンバとレビューするのは、こうした仕事の流れや役割分担を確認するためです。
-
そのため、「業務の流れ」と読める「業務」、または「事務処理の流れ」と読める「事務処理」が空欄に入ります。どちらも後ろの「の流れ」につながり、本文の目的に合っています。
誤りやすいポイント
- フロー図の対象をシステムの処理手順に限って考えないようにします。この箇所では、業務部のメンバと業務の流れや役割分担を確認することがポイントです。
- 「役割分担」だけに注目して、空欄を担当者や組織名にしないようにします。空欄の後ろには「の流れ」が続くため、仕事の流れを表す語が必要です。
- 本文で見直しの対象としているのは事務センタの事務処理です。したがって、「業務」と「事務処理」のどちらを入れても文意が通ります。
FAQ
Q: 「業務」と「事務処理」のどちらを使うべきですか?
A: どちらも「の流れ」につながり、本文の内容に合うため、解答として認められます。「業務」は仕事全体、「事務処理」はこの問題で見直す事務の作業に焦点を当てた表現です。
A: どちらも「の流れ」につながり、本文の内容に合うため、解答として認められます。「業務」は仕事全体、「事務処理」はこの問題で見直す事務の作業に焦点を当てた表現です。
Q: フロー図を業務部のメンバとレビューする目的は何ですか?
A: 事務処理の流れと業務部内の役割分担を明確にし、要求仕様の認識を合わせるためです。
A: 事務処理の流れと業務部内の役割分担を明確にし、要求仕様の認識を合わせるためです。
関連キーワード: 業務フロー、要求仕様書、業務分析、レビュー、プロトタイピング
設問1(3)
問題文を見る本文中のbに入れる適切な字句を、プロトタイピングを外部設計において行うようにしたことを踏まえ、10字以内で答えよ。
模範解答
・早めに確認すること
・妥当性を確認すること
解説
解答の導き方
-
この設問は、プロトタイピングを外部設計で行う狙いを踏まえて、空欄に入る確認の内容を考える問題です。
-
本文では、業務部とのすり合わせが十分でないまま要求仕様を決めると、総合テストで問題が起きるリスクが高いとしています。つまり、業務部が求める内容や使い勝手を早い段階で確かめられていないことが課題です。
-
そこで、外部設計で「画面や帳票などをプロトタイプを用いて」確認する方法を取り入れます。実際の画面や帳票に近いものを業務部のメンバに見てもらえば、内容や使い勝手が要求に合っているかを、後工程に進む前に確かめられます。
-
したがって、空欄には、プロトタイプを使って早い段階で確認すること、または仕様の妥当性を確認することを表す語句が入ります。確認を通じて仕様を固めることで、後工程での手戻りを防ぐという流れです。
誤りやすいポイント
- プロトタイプを作ること自体を答えにしないようにします。問われているのは、プロトタイプを使って何を確認するかです。
- 「後工程での手戻りを防ぐこと」だけでは、確認の内容を答えていません。手戻りの防止は、確認によって得られる効果です。
- 確認の対象は、業務部のメンバが見る画面や帳票などの内容・使い勝手です。開発者だけで技術的な動作を確認することではありません。
FAQ
Q: なぜ外部設計でプロトタイピングを行うのですか?
A: 画面や帳票のイメージを業務部のメンバと早く共有し、仕様が業務上の要求に合っているかを後工程に進む前に確かめるためです。
A: 画面や帳票のイメージを業務部のメンバと早く共有し、仕様が業務上の要求に合っているかを後工程に進む前に確かめるためです。
Q: プロトタイプを確認すれば、仕様が確定したと考えてよいですか?
A: 確認結果を業務部とすり合わせ、必要な修正を反映して仕様を固めます。プロトタイプを提示するだけでは、仕様の合意にはなりません。
A: 確認結果を業務部とすり合わせ、必要な修正を反映して仕様を固めます。プロトタイプを提示するだけでは、仕様の合意にはなりません。
Q: ここでいう「妥当性」とは何を指しますか?
A: 画面や帳票の内容・使い勝手が、業務部の業務や要求に照らして適切かどうかです。
A: 画面や帳票の内容・使い勝手が、業務部の業務や要求に照らして適切かどうかです。
関連キーワード: プロトタイピング、外部設計、要求仕様、仕様確認、手戻り
設問2:〔委託先の選定方法の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線②における、今回の選定方法の採用によるもう一つのメリットを、20字以内で具体的に述べよ。
模範解答
・適正な金額の委託先を選定できる。
・競争原理によって発注価格を適正化できる。
解説
解答の導き方
-
下線②では、提案内容だけでなく「提案価格と提案内容を総合的に評価する」選定方法を採用し、内容の優れた委託先を選べることに加えて、もう一つのメリットを期待しています。したがって、問われているのは、提案内容の評価とは別に、価格も評価に加えることで得られる効果です。
-
提案価格は、想定金額との差額に応じて価格点が付与され、その価格点は内容点と合算されて総合点になります。つまり、提案価格は契約時の参考情報にとどまらず、委託先の選定結果に影響します。
-
複数の会社が同じ条件で提案する場合、各社は内容だけでなく価格でも比較されます。そのため、各社間の競争を通じて、発注価格を適正な水準に導く効果が期待できます。したがって、もう一つのメリットとして「競争原理によって発注価格を適正化できる」と考えられます。
誤りやすいポイント
- 「最も安い会社を選べる」とだけ考えないようにします。価格点だけで決まるのではなく、内容点と価格点を合計した総合点で第一候補が決まります。
- 「提案内容の優れた委託先を選べる」は、本文にすでに示されているメリットです。問われているのは、それとは別に価格を評価することで得られる効果です。
- 「予算内に収められる」とするだけでは、価格を競争評価に含める効果が十分に表現できません。各社の競争を通じて発注価格を適正化する点に注目します。
FAQ
Q: 提案価格が低い会社ほど、必ず選ばれるのですか?
A: いいえ。価格点は総合点の一部です。提案内容の得点も含めて評価されるため、価格の低さだけで選定されるわけではありません。
A: いいえ。価格点は総合点の一部です。提案内容の得点も含めて評価されるため、価格の低さだけで選定されるわけではありません。
Q: 価格を総合評価に加えることで、どのような競争が生まれますか?
A: 各社が提案内容と価格の両方で比較されるため、適切な価格で提案しようとする競争が働き、発注価格の適正化につながります。
A: 各社が提案内容と価格の両方で比較されるため、適切な価格で提案しようとする競争が働き、発注価格の適正化につながります。
関連キーワード: 総合評価方式、価格評価、内容評価、競争原理、調達
設問2(2)
問題文を見るU課長が、第二期システムの開発を考慮して、今回の選定では要求仕様の理解度及び記述内容の具体性の二つの評価軸を特に重要視して配点を高くした理由を、30字以内で述べよ。
模範解答
・第二期システムの有力候補となる委託先を選定できるから
・着実に対応できる業務に精通した委託先を選定できるから
解説
解答の導き方
-
まず、配点を高くした理由が、今回開発する第一期システムだけにあるのではないことを確認します。本文では「広範囲にわたる業務の変更への対応を伴う難易度の高い第二期システムの開発を考慮し」とあります。つまり、第一期システムの委託先を選ぶ段階で、後に続く第二期システムにも対応できるかを見極めようとしています。
-
次に、特に重視した二つの評価軸が、何を評価するものかを確認します。「要求仕様の理解度」は、システム化の目的や要求仕様を正しく理解しているかを評価します。「記述内容の具体性」は、機能要件や非機能要件への対応方法が具体的かつ適切かを評価します。
-
第二期システムでは業務の変更範囲が広く、難易度も高いため、要求を正確に理解し、実現方法を具体的に示せる委託先が重要です。これらの評価軸に高い配点を置けば、第二期システムの委託先候補として有望な会社や、業務に精通して着実に対応できる会社を選びやすくなります。
-
したがって、理由は「第二期システムの有力候補となる委託先を選定できるから」または「着実に対応できる業務に精通した委託先を選定できるから」という方向でまとめます。単に第一期システムの開発を安く行える会社を選ぶ、という説明では設問の意図から外れます。
誤りやすいポイント
- 第一期間の開発を成功させるためだけの配点だと考えることです。本文は、第二期システムを見据えた配点の理由を述べています。
- 評価軸の名称だけを書き、第二期システムの難易度や業務変更の広さと結び付けないことです。なぜその二つを重視するのかまで示す必要があります。
- 「高得点の会社を選ぶため」のように、配点方法そのものを理由にすることです。問われているのは、第二期システムを考慮して二つの評価軸を重視した目的です。
- 経験・スキルの評価を高くするべきだった、と論点をずらすことです。本文で特に配点を高くしたのは、要求仕様の理解度と記述内容の具体性です。
FAQ
Q: 第一期間の提案を評価するのに、なぜ第二期システムを考慮するのですか?
A: 第一期間の開発を委託する時点で、その提案から委託先の要求理解力や具体的な対応力を確かめ、より難易度の高い第二期システムを任せる候補としても評価できるためです。
A: 第一期間の開発を委託する時点で、その提案から委託先の要求理解力や具体的な対応力を確かめ、より難易度の高い第二期システムを任せる候補としても評価できるためです。
Q: 「業務に精通した委託先」と書く場合、どの評価軸が根拠になりますか?
A: 要求仕様を正しく理解しているか、要件への対応方法を具体的に示しているかを評価する二つの軸が根拠になります。業務を理解した上で実現方法を提案できるかを見極められます。
A: 要求仕様を正しく理解しているか、要件への対応方法を具体的に示しているかを評価する二つの軸が根拠になります。業務を理解した上で実現方法を提案できるかを見極められます。
Q: 「経験・スキル」の配点を高くすることとは、どう違いますか?
A: 経験・スキルは過去の経験や人材の能力を評価します。一方、今回重視した二つの軸は、提示された要求をどう理解し、どのような方法で満たすかを提案内容から直接評価します。
A: 経験・スキルは過去の経験や人材の能力を評価します。一方、今回重視した二つの軸は、提示された要求をどう理解し、どのような方法で満たすかを提案内容から直接評価します。
関連キーワード: 要求仕様、評価基準、提案評価、業務知識、委託先選定
設問2(3)
問題文を見るU課長は、内容点に関する基準点をどのように使用することによって、適正な委託先を選定できると考えたのか。30字以内で述べよ。
模範解答
・内容点が基準点に満たない会社は選定対象外とする。
・選定のスクリーニングの基準として使用する。
解説
解答の導き方
-
選定では、提案内容の評価である内容点と、提案価格の評価である価格点を合計し、総合点が最も高い会社を第一候補にします。したがって、提案内容の評価が低くても、価格点が高ければ総合点で有利になる可能性があります。
-
本文では「内容点に関する基準点として500点を設定」とあります。この基準点は、総合点の計算に加える点数ではなく、提案内容が委託先として最低限の水準に達しているかを確認するためのものと考えられます。
-
そのため、まず内容点が500点に満たない会社を選定対象から外し、その後、基準を満たした会社の中で内容点と価格点を合わせて比較します。これなら、提案内容が不十分な会社が、極端に低い価格による高い価格点だけで選ばれることを防げます。
誤りやすいポイント
- 基準点を総合点に加算するものと考えないようにします。本文では、内容点と価格点を合計して総合点を算出すると説明されています。
- 内容点が基準点に満たない会社を、価格点の高さで補えるとは考えません。基準点は、総合点による比較の前に行う足切りとして使います。
- 基準点と同じ点数の場合は「満たない」わけではないため、基準を満たします。たとえば、内容点が500点の会社はこの条件だけでは対象外になりません。
FAQ
Q: なぜ総合点だけで委託先を決めないのですか。
A: 価格点が高いことで、提案内容が十分でない会社の総合点が上がる可能性があるためです。内容点の基準点を設ければ、内容面で最低限の水準に達した会社に絞って比較できます。
A: 価格点が高いことで、提案内容が十分でない会社の総合点が上がる可能性があるためです。内容点の基準点を設ければ、内容面で最低限の水準に達した会社に絞って比較できます。
Q: 内容点が基準点と同じ会社は選定対象になりますか。
A: なります。基準点に「満たない」会社が対象外なので、基準点と同じ点数は基準を満たしています。
A: なります。基準点に「満たない」会社が対象外なので、基準点と同じ点数は基準を満たしています。
Q: 基準点を満たした後は、何を基準に選びますか。
A: 内容点と価格点を合計した総合点で比較します。
A: 内容点と価格点を合計した総合点で比較します。
関連キーワード: 委託先選定、評価基準、スクリーニング、総合評価、内容点、価格点
設問2(4)
問題文を見る本文中のcに入れる適切な字句を、20字以内で述べよ。
模範解答
・想定外の低い金額が提示された
・極端に低い金額が提示された
解説
解答の導き方
-
提案価格が「想定金額よりも低い場合」には、想定金額との差額に応じて価格点が加算されます。つまり、提案価格が低くなるほど価格点は高くなります。
-
この加点に上限がなければ、非常に低い提案価格によって価格点が大きくなり、提案内容の評価が低くても総合点で有利になるおそれがあります。価格が低いことだけで、要求仕様を満たす提案だとは判断できないためです。
-
そこで、価格点に上限を設けて、低価格による加点が過度に大きくならないようにしています。本文の「提案価格が5,000万円以下の場合は、一律に500点」という設定も、想定金額の1億円との差額が5,000万円のときに、差額100万円につき10点を加算した500点で頭打ちにするものです。
この上限で避けようとしているのは、想定外に低い金額が提示され、その価格点が評価を大きく左右する事態です。したがって、空欄には「想定外の低い金額が提示された」など、極端な低価格の提示を表す語句が入ります。
誤りやすいポイント
- 提案価格が低いほど常に望ましいと考えないようにしましょう。低価格でも、要求仕様の理解不足などによって提案価格が低くなっている可能性があります。
- 上限を設ける理由を、提案価格が想定金額より高い場合の対応と混同しないようにしましょう。空欄の直前では、提案価格が想定金額より低い場合の価格点を説明しています。
- 5,000万円以下の提案価格に一律500点を付与する設定は、価格点を無制限に増やさないための上限です。
FAQ
Q: なぜ価格点に上限が必要なのですか。
A: 極端な低価格による加点が大きくなりすぎると、提案内容よりも価格が総合評価を左右するおそれがあるためです。
A: 極端な低価格による加点が大きくなりすぎると、提案内容よりも価格が総合評価を左右するおそれがあるためです。
Q: 5,000万円以下で一律500点となるのはなぜですか。
A: 想定金額の1億円との差額が5,000万円の場合、差額100万円につき10点として計算すると500点になるためです。それより安くても、価格点は増えません。
A: 想定金額の1億円との差額が5,000万円の場合、差額100万円につき10点として計算すると500点になるためです。それより安くても、価格点は増えません。
Q: 価格点が高ければ、提案内容も優れていると判断できますか。
A: いいえ。価格点と内容点は別の評価です。価格が低くても、要求仕様を十分に理解していない場合があります。
A: いいえ。価格点と内容点は別の評価です。価格が低くても、要求仕様を十分に理解していない場合があります。
関連キーワード: 総合評価方式、価格点、内容点、評価基準、提案価格
設問3:〔委託先の選定〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見るY社の要求仕様の理解度及び記述内容の具体性の得点が低かったことを踏まえ、U課長がY社へのヒアリングに基づいて今回の選定方法の妥当性について確認したことを、30字以内で述べよ。
模範解答
・要求仕様書の記述内容に問題がないこと
・Y社だけが不利となる要求仕様書ではないこと
・評価項目や配点に問題がないこと
解説
解答の導き方
-
まず、質問が求めているのは、Y社の得点が低かった理由そのものではなく、ヒアリングを踏まえて今回の選定方法に問題がないか確認した内容です。
-
本文では、Y社は「対象業務に関して経験が浅く、要求仕様を十分に理解していない」ため、要求仕様の理解度と記述内容の具体性の得点が低かったと分かっています。しかし、得点が低い理由がY社側にあったとしても、評価する側の要求仕様書や評価基準に不備があれば、公平な選定とはいえません。
-
そこで確認すべきなのは、要求仕様書の記述が不明確でなかったか、Y社だけが不利になる内容ではなかったか、さらに評価項目や配点が適切だったかです。これらに問題がないことを確認すれば、Y社の低得点は選定方法の不備によるものではなく、提案内容を評価した結果だと判断できます。
誤りやすいポイント
- 「Y社は経験が浅く、要求仕様を十分に理解していなかった」と、得点が低かった理由だけを書くことです。設問が尋ねているのは、ヒアリングを踏まえて選定方法の妥当性について確認した内容です。
- 提案価格が低かった理由の確認に話を絞ることです。この設問では、要求仕様の理解度と記述内容の具体性が低かったことを踏まえた評価の妥当性が中心です。
- 評価結果が公平かどうかだけを述べ、要求仕様書の内容や評価項目・配点に問題がないかという確認対象を示さないことです。
FAQ
Q: Y社の得点が低かった理由を書けばよいのですか?
A: いいえ。理由はY社の経験や要求仕様の理解不足ですが、問われているのは、その評価結果が要求仕様書や評価基準の不備によるものではないと確認した内容です。
A: いいえ。理由はY社の経験や要求仕様の理解不足ですが、問われているのは、その評価結果が要求仕様書や評価基準の不備によるものではないと確認した内容です。
Q: 「公平性を確認した」だけでもよいですか?
A: 趣旨は合っていますが、要求仕様書の記述、Y社だけが不利になる条件の有無、評価項目や配点など、何の公平性を確認したのかを具体的に示すと伝わりやすくなります。
A: 趣旨は合っていますが、要求仕様書の記述、Y社だけが不利になる条件の有無、評価項目や配点など、何の公平性を確認したのかを具体的に示すと伝わりやすくなります。
Q: 提案価格の妥当性も答えに含める必要がありますか?
A: この設問では、要求仕様の理解度と記述内容の具体性の得点が低かったことを踏まえた確認が中心です。提案価格が低かった理由だけに置き換えないようにします。
A: この設問では、要求仕様の理解度と記述内容の具体性の得点が低かったことを踏まえた確認が中心です。提案価格が低かった理由だけに置き換えないようにします。
関連キーワード: 要求仕様書、評価基準、配点、提案評価、委託先選定
設問3(2)
問題文を見るY社の提案価格が他社と比べて極端に低かったことを踏まえ、U課長が提案価格についてY社にヒアリングして確認したことを、30字以内で述べよ。
模範解答
・提案価格の根拠となる規模や生産性
・他社の提案価格が極端に高いわけではないこと
解説
解答の導き方
-
この設問で問われているのは、Y社の提案価格が他社より極端に低かったことについて、U課長がヒアリングで何を確認したかです。提案内容の得点が低かった理由ではなく、価格の妥当性に絞って考えます。
-
表2では、Y社の提案価格は4,000万円で、X社の8,000万円、Z社の9,000万円より低くなっています。また、価格点は提案価格が5,000万円以下の場合に一律で500点となります。したがって、Y社の価格は価格点を最大限得られる水準であり、金額が低いというだけで妥当と判断せず、どのような見積りの前提から算出されたのかを確かめる必要があります。
-
そこで、まず価格の算出根拠を確認します。具体的には、開発対象の規模をどのように見積もったのか、どの程度の生産性を前提にしたのかを聞けば、必要な作業を漏れなく見積もっているか、現実的な前提で価格を算出しているかを判断できます。
-
さらに、Y社の価格だけを見ても、それが低すぎるのか、他社の価格が高すぎるのかは分かりません。本文には「内容点、提案価格ともに各社のばらつきが大きかった」とあります。そのため、他社の価格が極端に高いのではないことも確かめ、Y社の価格が相対的に低く見えるだけではないかを確認します。
誤りやすいポイント
- Y社の価格が低い理由だけを述べ、価格の見積り前提や他社価格との比較に触れないことです。
- 「Y社は経験が浅かった」という後の確認結果を答えにしてしまうことです。この設問では、ヒアリングで価格について確認した内容を述べます。
- 価格点が高いことだけを根拠に、提案価格が妥当だと判断することです。価格点の高さと、価格の算出根拠が妥当であることは別の問題です。
FAQ
Q: なぜ、Y社の価格だけでなく他社の価格も確認するのですか?
A: Y社が過度に安い場合と、他社が過度に高い場合とでは、低価格に見える理由が異なるためです。比較対象の価格も妥当かを確認する必要があります。
A: Y社が過度に安い場合と、他社が過度に高い場合とでは、低価格に見える理由が異なるためです。比較対象の価格も妥当かを確認する必要があります。
Q: 価格の根拠として、なぜ規模や生産性を確認するのですか?
A: 見積金額は、必要な作業量や作業の効率に左右されるためです。規模や生産性の前提を確認すると、必要な作業を見落としていないか、無理な効率を見込んでいないかを判断できます。
A: 見積金額は、必要な作業量や作業の効率に左右されるためです。規模や生産性の前提を確認すると、必要な作業を見落としていないか、無理な効率を見込んでいないかを判断できます。
Q: この設問で、Y社の提案内容の得点が低かった理由まで述べる必要がありますか?
A: いいえ。ここで問われているのは提案価格についての確認事項です。提案内容の評価理由と混同せず、価格の算出根拠と他社価格との関係を述べます。
A: いいえ。ここで問われているのは提案価格についての確認事項です。提案内容の評価理由と混同せず、価格の算出根拠と他社価格との関係を述べます。
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