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プロジェクトマネージャ 2015年 午後1 問02


ソフトウェアパッケージの導入に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

 D社は衣料品メーカであり、国内にある2か所の倉庫から全国の量販店に商品を配送している。昨今、競合環境が厳しくなっていることから、既存2倉庫を廃止して1か所の新倉庫に統合し、業務の効率向上を図ることを決定した。これまでは自社で開発した倉庫管理システムを既存2倉庫で使用していた。しかし、倉庫ごとに業務プロセスの変更があり、その都度改修を行ってきたので、既存2倉庫でシステムの仕様に差異が発生し、メンテナンスにも支障を来していた。D社では、今まで業務システムを自社開発しており、ソフトウェアパッケージの導入経験はなかったが、これを機に新倉庫には倉庫管理用ソフトウェアパッケージ(以下、倉庫管理パッケージという)を導入することにし、次のシステム化の方針を役員会で決定した。  ・1年後に新倉庫の操業を開始する。  ・既存2倉庫の業務プロセスを基に、業務の統合と効率向上の観点から新業務プロセス案を定義する。  ・新業務プロセス案の機能に対して、適合率が最も高い倉庫管理パッケージを選定する。  ・倉庫管理パッケージの標準機能及び標準プロセスに合わせて、新業務プロセス案を見直し、新倉庫の業務プロセスを決定する。決定に当たっては、業務の効率向上の観点で十分に評価する。  ・倉庫管理パッケージに装備されていない機能、及び装備されていてもそのままでは運用上支障があり利用できない機能については、追加開発を行う。追加開発の工数は、プロジェクトの予算の制約に基づき上限を設定する。  ・無線ハンディ端末を使用してリアルタイムに在庫の動きを把握する現在の方式を踏襲する。   〔倉庫管理パッケージの選定〕  システム化の方針を受け、倉庫管理パッケージ選定委員会(以下、委員会という)が組織された。また、倉庫管理パッケージ導入プロジェクトのプロジェクトマネージャ(PM)には、情報システム部のE課長が任命された。委員会は、業務の効率向上の推進役である経営企画部が中心となり、E課長、新倉庫の管理者及び既存2倉庫のキーパーソンで構成された。  委員会による検討を経て、新業務プロセス案が定義された。新業務プロセス案は、業務の効率向上の観点から既存2倉庫の業務プロセスの差異を吸収するだけでなく、業務プロセスの見直しも多数実施した。既存2倉庫のキーパーソンは、定義された新業務プロセス案の大枠には合意したものの、“既存業務プロセスからの変更が多く、現場がついてこられるか不安だ。”とのことであった。この点は業務プロセス設計の段階で再評価することとなった。  この新業務プロセス案と複数のベンダから提案された倉庫管理パッケージとの機能の適合率を調査し、検討を行った結果、適合率が最も高くベストプラクティスとして業界での評価も高いM社倉庫管理パッケージ(以下、MWSという)を選定した。  E課長は、倉庫管理パッケージ選定の過程でMWSの機能については十分に確認できたが、性能や運用面については今後確認が必要だと感じた。過去にD社では無線ハンディ端末を導入した際、稼働直前の総合テストで性能に関する問題が発見され、稼働が遅れたことがあったからである。またE課長は、プロジェクトの開始に向けてM社へ支援を依頼した。その際、D社のこれまでの開発の実績を踏まえて、MWSの製品知識に詳しいメンバだけでなく、①MWS導入のプロジェクト管理の知識と経験を有するメンバの人選も依頼した。  MWSの追加開発では、D社が現在使用している開発言語及び開発環境が利用できる。また、D社要員のスキルで十分に対応が可能であり、要員の調達のめども立っている。さらに、M社に委託した場合よりもコストが削減できるので、追加開発は自社で行う方針とした。そして、予算の制約から追加開発の上限となる工数を設定し、自社要員の投入可能工数を算出した。   〔プロジェクト計画〕  委員会での検討は3か月で完了し、倉庫管理パッケージ導入プロジェクトが立ち上がった。E課長は、M社メンバの支援を受け、プロジェクト計画を立案した。MWS導入スケジュールは図1のとおりである。
プロジェクトマネージャ試験(平成27年 午後1 問2 図1)
 スケジュールにある各工程の作業内容は、次のとおりである。  (1) 業務プロセス設計:MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせて、新業務プロセス案を見直す。見直しに当たっては、M社のデモンストレーション環境でプロトタイプを3段階に分けて作成し、新倉庫の業務プロセスを確定させる。それによって、追加開発の要件も確定する。  (2) パラメタ設定:業務プロセス設計で作成したプロトタイプを基に、開発機で詳細なパラメタを設定し、機能単位に動作テストを実施する。  (3) 追加開発:業務プロセス設計で確定した追加開発の要件を基に、追加開発するプログラムの基本設計から単体テストまでを実施する。  (4) 結合テスト:機能単位の動作テストが完了したMWSと、単体テストが完了した追加開発分のプログラムとを、開発機で結合してテストする。  (5) 総合テスト:業務プロセス設計で定義した業務プロセスの観点から、新倉庫の倉庫管理システムを本番機で総合的にテストする。また、性能や運用面の検証、及びキーパーソンを含めた既存2倉庫の要員から成る利用部門による検証を行う。  (6) 利用者トレーニング:利用部門に対する、新しい業務プロセスに沿った操作トレーニングを行う。  (7) 在庫移動:既存2倉庫から在庫品を移動する。在庫データの移行は行わず、新倉庫で入庫処理を行うことによって在庫データを蓄積する方式とする。  E課長はスケジュール作成に当たって、M社から提案された標準的なスケジュール案に対して次の変更を行っている。  ・利用者トレーニングは総合テストの完了後に行うことが標準であったが、新倉庫の操業開始時期の制約があり、総合テストと並行して実施する。  ・M社のデモンストレーション環境はプロトタイプ作成の期間だけの提供が標準であったが、業務プロセス設計工程の完了以降も利用できるようM社に依頼し、プロトタイプを利用部門に公開し、事前に操作してもらうことにした。利用者トレーニングに備えて、既存2倉庫のキーパーソンから新倉庫の業務プロセスについてドキュメントを基に説明してもらう計画だが、それだけでは利用者トレーニングがスムーズに進まないリスクがあると考えたからである。  ・本番機の導入は総合テストからが標準であったが、過去の経験から②ある作業の一部を結合テスト工程で実施するために、結合テスト工程から導入し、利用できるようにした。   〔プロジェクト体制〕  プロジェクトの体制は、業務プロセス設計チーム、MWS導入チーム、追加開発チームの3チーム編成とした。  業務プロセス設計チームは、新倉庫の管理者と既存2倉庫のキーパーソンを中心に構成した。E課長は、③新業務プロセス案を定義したときのキーパーソンの反応から、業務プロセスの設計を行う過程で作業の進捗が滞ってしまうリスクがあると考えた。そこで、M社のメンバと相談し、D社と企業規模や業務内容が似通っており、MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせて業務プロセスを変更し、成果を出している企業の倉庫へ見学に行き、その倉庫の管理者や実務リーダとディスカッションができるよう企画した。  MWS導入チームは情報システム部のメンバで構成した。このチームは、業務プロセス設計チームと共同で業務プロセス設計を行った後、パラメタの設定作業と動作テストを行う。  追加開発チームも情報システム部のメンバで構成した。チームの本格的な立ち上げは業務プロセス設計終了後であるが、チームリーダのF主任については、業務プロセス設計の段階から参加できるよう調整した。   〔プロトタイプと追加開発〕  E課長は、プロトタイプを3段階に分け、それぞれ次の目的で作成することにした。  ・プロトタイプi:MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせて定義された業務プロセスを、プロトタイプを作成して確認し、課題を抽出する。  ・プロトタイプii:プロトタイプiで抽出された課題に対応し、さらに、画面の操作方法や表示形式、イレギュラ処理などの動作を確認する。同時に、追加開発の候補を洗い出し、概算の工数見積りを行う。このとき、見積工数が投入可能工数を超過した場合、④M社メンバの支援を受け、システム化の方針に沿って再検討する。  ・プロトタイプiii:最終的な業務プロセスと追加開発の範囲を確定する。  E課長は、業務プロセス設計工程を完了するには、追加開発が投入可能工数以内に収まることはもちろんだが、それだけでなく、新しく定義された業務プロセスが、⑤システム化の方針に適合していることが重要であると考えた。そこで、業務プロセス設計チームの立ち上げ時に、この点を徹底することにした。

設問1:

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〔倉庫管理パッケージの選定〕について、E課長が、本文中の下線①の依頼をした理由を、40字以内で述べよ。

模範解答

D社はソフトウェアパッケージの導入経験がないから

解説

解答の導き方

  1. 問われているのは、E課長がM社に「MWS導入のプロジェクト管理の知識と経験を有するメンバ」の人選を依頼した理由です。製品の機能に詳しい人だけでなく、導入プロジェクトを管理した経験のある人も求めた点に注目します。
  2. 本文には、D社は「今まで業務システムを自社開発しており、ソフトウェアパッケージの導入経験はなかった」とあります。つまり、D社には自社開発の経験はありますが、ソフトウェアパッケージを導入するプロジェクトの進め方や管理に関する経験が不足しています。
  3. その不足を補うため、E課長はM社に、MWSの製品知識だけでなく導入プロジェクトの管理経験も持つメンバを依頼したと考えられます。したがって、理由はD社にソフトウェアパッケージの導入経験がないことです。

誤りやすいポイント

  • D社にシステム開発の経験がない、と取り違えないようにします。本文では、業務システムを自社開発してきたと説明されています。
  • MWSの機能に詳しい人を求めた理由と混同しないようにします。下線①で追加して求めたのは、導入プロジェクトの管理知識と経験です。
  • 性能や運用面の確認が必要だと感じたことは、別の懸念です。下線①の依頼理由は、パッケージ導入の経験不足に結び付けます。

FAQ

Q: 自社開発の経験があっても、プロジェクト管理の支援を求めるのはなぜですか?
A: 自社開発とソフトウェアパッケージの導入では、進め方や検討すべき事項が異なるためです。導入経験のあるメンバの知識を補う必要があります。
Q: MWSの製品知識に詳しいメンバだけでは不十分なのですか?
A: 製品の機能を知っていることと、導入プロジェクトを管理する知識・経験を持つことは別です。本文では、後者も備える人材を求めています。
Q: 過去の性能問題が依頼理由ですか?
A: いいえ。性能や運用面の確認が必要という記述はありますが、下線①の依頼理由として直接示されているのは、ソフトウェアパッケージの導入経験がないことです。

関連キーワード: ソフトウェアパッケージ、プロジェクト管理、導入経験、業務プロセス、標準機能

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設問2:〔プロジェクト計画〕について、(1)、(2)に答えよ。

設問2(1)

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E課長は、プロトタイプを公開し、事前に操作してもらうことによって利用部門に何を期待したか。35字以内で述べよ。

模範解答

MWS導入による新しい業務プロセスへの理解を深めてもらうこと

解説

解答の導き方

  1. 問われているのは、利用部門にプロトタイプを事前に操作してもらうことで、どのような効果を期待したかです。操作練習そのものではなく、事前に操作してもらう目的を考えます。
  2. 本文では、利用者トレーニングに備えてキーパーソンがドキュメントを基に説明する計画ですが、「それだけでは利用者トレーニングがスムーズに進まないリスクがある」としています。つまり、説明を聞くだけでは、新しい業務プロセスを十分に理解できないおそれがあります。
  3. そこでE課長は、業務プロセス設計工程の完了後もデモンストレーション環境を利用できるようにし、プロトタイプを利用部門に公開して、事前に操作してもらうことにしました。実際に操作することで、新しい業務プロセスの流れや操作を具体的に把握でき、ドキュメントによる説明だけの場合より理解を深められます。
したがって、期待したのは、MWS導入後の新しい業務プロセスへの理解を利用部門に深めてもらうことです。

誤りやすいポイント

  • 「操作に慣れてもらうこと」だけにすると、操作習熟に焦点が寄り、本文で重視されている新しい業務プロセスの理解が抜けます。
  • 「利用者トレーニングをスムーズに進めること」は期待する効果としては関係しますが、そのためにプロトタイプを事前操作してもらう目的を具体的に述べる必要があります。
  • 追加開発の要件や機能の確認は、プロトタイプを作成する別の目的です。この設問では、利用部門に公開して事前操作してもらうことの狙いを答えます。

FAQ

Q: 操作方法を覚えてもらうことが主な目的ではないのですか?
A: 操作を通じて業務の流れをつかむことは役立ちますが、設問で押さえる中心は、新しい業務プロセスへの理解を深めてもらうことです。
Q: 「利用者トレーニングを円滑にすること」と答えるだけでは不十分ですか?
A: それは期待する効果の一つですが、なぜ円滑になるのかを示すため、新しい業務プロセスへの理解を深めることまで述べるのが適切です。

関連キーワード: プロトタイプ、業務プロセス、利用者トレーニング、操作習熟

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設問2(2)

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E課長が、本文中の下線②で実施しようと計画した作業とは何か。10字以内で答えよ。

模範解答

・性能の検証 ・非機能要件の検証

解説

解答の導き方

  1. 下線②では、本番機の導入時期を標準より早め、結合テスト工程から利用できるようにしています。したがって、結合テスト工程で先行して行う作業は、本番機を使う必要がある作業だと考えられます。
  2. 本文には、以前「稼働直前の総合テストで性能に関する問題が発見され、稼働が遅れた」とあります。この経験から、性能面の問題を総合テストの終盤まで見つけられないことが、稼働遅延のリスクになると分かります。
  3. 工程の説明では、結合テストは開発機でMWSと追加開発分のプログラムを結合して行います。一方、総合テストでは本番機を使い、「性能や運用面の検証」も行います。そこで、本番機を結合テスト工程から使えるようにして、総合テストを待たずに性能面の確認に着手する計画だと読み取れます。
  4. したがって、結合テスト工程で一部を先行して実施する作業は、性能の検証です。より広い表現では、非機能要件の検証ともいえます。

誤りやすいポイント

  • 結合テストの通常の目的である、MWSと追加開発分のプログラムの連携確認だけを答えないようにします。設問では、本番機を早く導入する理由となる作業を問われています。
  • 「性能や運用面の検証」の両方を答えると、本文の工程説明をそのまま挙げただけになり、下線②の意図である早期の確認が曖昧になります。
  • 総合テストで行う検証をすべて結合テストに移すわけではありません。性能面の確認の一部を先行して行う点が重要です。

FAQ

Q: なぜ開発機ではなく、本番機を早く導入するのですか?
A: 性能の問題を総合テストの終盤で初めて発見するリスクを減らすためです。本番機を利用できる時期を早め、性能面の確認にも早く着手します。
Q: 性能の検証は、結合テストだけで完了するのですか?
A: いいえ。本文では、総合テストでも性能や運用面の検証を行います。下線②が示すのは、その一部を結合テスト工程で先行して実施することです。
Q: 性能の検証は機能テストとどう違いますか?
A: 機能テストは必要な機能が正しく動くかを確認します。性能の検証は、処理時間や応答などが求める水準を満たすかを確認します。

関連キーワード: 結合テスト、総合テスト、性能試験、非機能要件、本番環境

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設問3:〔プロジェクト体制〕について、(1)~(3)に答えよ。

設問3(1)

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E課長が、本文中の下線③のリスクがあると考えた理由を、40字以内で述べよ。

模範解答

キーパーソンが、業務プロセスの変更が現場に受け入れられるか不安を抱いているから

解説

解答の導き方

下線③で問われているのは、業務プロセスの設計中に作業が滞るリスクを、E課長がなぜ想定したかです。
まず、業務プロセス設計チームは、新倉庫の管理者と既存2倉庫のキーパーソンを中心に構成されています。そのため、既存倉庫のキーパーソンが新しい業務プロセスをどう受け止めているかは、設計作業の進み方に影響します。
次に、キーパーソンは新業務プロセス案の大枠には合意している一方で、「既存業務プロセスからの変更が多く、現場がついてこられるか不安だ。」と述べています。つまり、大枠への合意はあっても、変更が現場に受け入れられるかという懸念は残っています。
この懸念があると、業務プロセスの具体的な内容を決める段階で、変更の妥当性や現場への影響について調整が難しくなり、合意形成に時間がかかる可能性があります。したがって、リスクの理由は、キーパーソンが業務プロセスの変更が現場に受け入れられるか不安を抱いていることです。

誤りやすいポイント

  • キーパーソンが新業務プロセス案の大枠に合意している点だけを見て、設計作業に支障はないと判断しないようにします。現場が変更についていけるかという不安が残っています。
  • リスクの理由を、パッケージの機能不足や追加開発の工数超過と混同しないようにします。ここでは、キーパーソンの不安が業務プロセス設計の進捗に与える影響が問われています。
  • 利用者の操作習熟が問題だと読み替えないようにします。本文で示されている懸念は、操作方法ではなく、変更後の業務プロセスが現場に受け入れられるかどうかです。

FAQ

Q: 新業務プロセス案の大枠に合意しているのに、なぜ作業が滞るのですか?
A: 大枠への合意と、個々の変更を現場で実施できるという納得は別です。具体的な設計の場面で懸念が解消されなければ、判断や合意に時間がかかる可能性があります。
Q: キーパーソンの不安は、利用者トレーニングの問題として捉えるべきですか?
A: いいえ。この設問では、業務プロセスの変更に対する現場の受け入れへの不安が、設計作業の進捗を妨げるリスクとして問われています。

関連キーワード: 業務プロセス設計、ステークホルダ、合意形成、変更管理、プロジェクトリスク

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設問3(2)

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E課長は、MWSを使っている倉庫を見学することによってどのような効果を狙ったのか。40字以内で述べよ。

模範解答

MWSの標準機能及び標準プロセスで業務が運用できることを確認すること

解説

解答の導き方

  1. まず、業務プロセス設計チームには、新倉庫の管理者と既存2倉庫のキーパーソンが参加します。キーパーソンは新業務プロセス案の大枠に合意している一方で、「現場がついてこられるか不安だ」と感じています。つまり、業務プロセスの変更が実際の現場で受け入れられ、運用できるのかが懸念されています。
  2. E課長は、その懸念から業務プロセスの設計作業が滞るリスクを考えました。そこで、D社と企業規模や業務内容が似ており、MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせて業務を変更し、成果を出している企業の倉庫を訪問する計画を立てています。
  3. 見学先の管理者や実務リーダとのディスカッションを通じて、同じような企業が標準機能・標準プロセスを使ってどのように業務を行っているか、具体的に知ることができます。したがって、この見学で狙った効果は、MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせた業務でも実際に運用できることを確認し、設計を進める上での不安を軽減することです。

誤りやすいポイント

  • 見学の目的を、単に他社の業務をまねることだと捉えないようにします。本文で重視されているのは、MWSの標準機能及び標準プロセスに合わせた業務が成り立つかどうかです。
  • 「業務効率を向上させること」だけでは、見学によって確認しようとした内容が十分に表せません。標準機能・標準プロセスで運用できることまで結び付けます。
  • 目的を、キーパーソンの不安を解消することだけにしないようにします。不安の軽減は期待できる効果ですが、見学の直接的な狙いは、実際に成果を出している企業の事例から運用可能性を確認することです。

FAQ

Q: なぜ見学先は、D社と企業規模や業務内容が似た企業なのですか?
A: D社の状況に近い事例であれば、標準機能・標準プロセスに合わせた業務の進め方を、自社の設計に生かしやすいためです。
Q: 見学では、MWSの機能を確認するだけでよいのですか?
A: いいえ。機能だけでなく、それに合わせた業務プロセスが現場でどのように運用されているかを、見学やディスカッションを通じて確かめます。
Q: 見学によって、業務プロセス設計のリスクがなくなりますか?
A: リスクがなくなるわけではありませんが、運用例を知ることでキーパーソンの不安を和らげ、設計を進めやすくする効果が期待できます。

関連キーワード: ソフトウェアパッケージ、標準機能、標準プロセス、業務プロセス設計、変更管理

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設問3(3)

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E課長がF主任を業務プロセス設計の段階から参加できるよう調整した理由は何か。35字以内で述べよ。

模範解答

・追加開発の要件を把握させ、追加開発チームをスムーズに立ち上げたいから ・追加開発の要件を把握させ、工数を見積もらせたいから

解説

解答の導き方

  1. まず、追加開発に必要な内容がいつ明らかになるかを確認します。業務プロセス設計では、MWSに合わせて業務プロセスを見直し、「それによって、追加開発の要件も確定する」とあります。つまり、この工程に参加すれば、追加開発の範囲や必要な機能を早い段階で把握できます。
  2. 追加開発チームは、業務プロセス設計が終わった後に本格的に立ち上げる計画です。一方で、チームリーダのF主任は設計段階から参加します。これは、要件が確定してから初めて内容を把握するのではなく、設計の過程で追加開発の内容を理解し、チームの立ち上げに備えられるようにするためです。
  3. また、プロトタイプiiでは追加開発の候補を洗い出し、概算の工数を見積もります。F主任が設計段階から関われば、候補となる開発内容を把握した上で工数を見積もり、投入可能工数に収まるかの検討にもつなげられます。
したがって、F主任を早期に参加させた理由は、追加開発の要件を把握させて工数見積りを行えるようにし、追加開発チームを円滑に立ち上げるためです。

誤りやすいポイント

  • 「追加開発チームの要員を増やすため」とするのは適切ではありません。本文が述べているのは、チームリーダのF主任を業務プロセス設計から参加させることです。
  • 「MWSのパラメタ設定を担当させるため」と取り違えないようにします。F主任が参加するのは、追加開発チームのリーダとして、追加開発の要件や工数を早期に把握するためです。
  • 「設計の作業を手伝わせるため」だけでは、追加開発との関係が明確になりません。要件の把握、工数見積り、チーム立ち上げへの準備まで結び付けて考えます。

FAQ

Q: 追加開発の要件は、どの工程で確定しますか?
A: 業務プロセス設計で新倉庫の業務プロセスを決める際に確定します。そのため、追加開発チームのリーダがこの工程から参加することに意味があります。
Q: 工数見積りとチームの立ち上げは、どのようにつながりますか?
A: 必要な追加開発の内容が分かれば、必要な作業量を見積もり、チームが作業を始めるための準備を進められます。
Q: F主任以外の追加開発チームも、設計段階から本格的に参加しますか?
A: 本文では、チームの本格的な立ち上げは業務プロセス設計終了後とされています。設計段階から参加するよう調整されたのは、チームリーダのF主任です。

関連キーワード: 要件定義、工数見積り、追加開発、プロジェクト体制、プロトタイプ、チーム立ち上げ

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設問4:〔プロトタイプと追加開発〕について、(1)、(2)に答えよ。

設問4(1)

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本文中の下線④について、E課長はどのような内容の再検討を行うつもりか。30字以内で述べよ。

模範解答

・MWSの標準機能を使って実現できないかどうかを検討する。 ・MWSの標準機能に合わせるように業務プロセスを見直す。

解説

解答の導き方

この設問は、追加開発の見積工数が投入可能工数を超えた場合に、何を見直すのかを問うています。
まず、プロトタイプiiでは「追加開発の候補を洗い出し、概算の工数見積りを行う」とあります。したがって、再検討の対象には、追加開発として挙がった機能や、その実現方法が含まれます。
次に、本文では見積工数が投入可能工数を超えた場合、「システム化の方針に沿って再検討する」としています。その方針では、パッケージの「標準機能及び標準プロセスに合わせて」業務プロセスを見直し、追加開発は必要な場合に行うことになっています。
そのため、まずは追加開発しようとしている機能を、MWSの標準機能で実現できないかを検討します。また、標準機能を利用できるように、業務プロセスを見直すことも再検討の内容になります。単に追加開発を削るのではなく、標準機能や標準プロセスを活用して、追加開発の工数を抑える考え方です。

誤りやすいポイント

  • 「投入可能工数を超過した場合」だけに注目して、追加開発の機能を単純に削ると考えないようにします。本文が求めているのは、システム化の方針に沿った再検討です。
  • 追加開発の工数上限を超えないように、要員や予算を増やすことが答えではありません。工数は予算の制約に基づいて設定されています。
  • 業務プロセスの見直しだけ、または標準機能で実現できるかの確認だけに限定せず、標準機能の活用と、それに合わせた業務プロセスの見直しの両面を押さえます。

FAQ

Q: なぜ業務プロセスも見直すのですか?
A: 標準機能で実現できる業務に合わせれば、追加開発を行わずに済む可能性があるためです。
Q: 追加開発を一律に取りやめるという意味ですか?
A: いいえ。標準機能での実現や業務プロセスの見直しを検討した上で、なお必要な機能は追加開発の候補になります。
Q: 再検討の基準になる方針は何ですか?
A: パッケージの標準機能・標準プロセスを活用し、業務の効率向上を図るという方針です。

関連キーワード: ソフトウェアパッケージ、標準機能、業務プロセス、追加開発、工数見積り、プロトタイプ

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設問4(2)

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本文中の下線⑤について、システム化の方針に適合しているとは具体的にどのようなことか。20字以内で述べよ。

模範解答

業務の効率向上が図られていること

解説

解答の導き方

  1. 問われているのは、業務プロセス設計の完了条件として、新しく定義する業務プロセスがシステム化の方針に合っているとはどういう状態かです。
  2. 方針では、新業務プロセス案を「業務の統合と効率向上の観点から」定義するとしています。さらに、倉庫管理パッケージの標準機能や標準プロセスに合わせて業務プロセスを決める際にも、「業務の効率向上の観点で十分に評価する」とあります。
  3. したがって、パッケージの標準機能に合わせることや、追加開発を投入可能工数以内に収めることだけでは、方針への適合を満たしません。新しい業務プロセスによって、業務の効率向上が実現できていることが必要です。

誤りやすいポイント

  • パッケージの標準機能や標準プロセスに合わせることだけを、方針への適合と考えないようにします。方針では、業務の効率向上の観点から評価することも求めています。
  • 追加開発が投入可能工数以内であることと、業務プロセスが方針に適合することは別の条件です。工数を守れていても、効率向上が図られていなければ十分ではありません。
  • 無線ハンディ端末による在庫把握など、方針に含まれる個別の要件を答えるのではなく、設問が問う業務プロセスの評価基準に着目します。

FAQ

Q: パッケージの標準プロセスに合わせれば、それだけで方針に適合しますか。
A: いいえ。標準プロセスへの適合に加えて、業務の効率向上につながるかを評価する必要があります。
Q: 追加開発の工数が上限内なら、業務プロセス設計は完了できますか。
A: それだけでは不十分です。追加開発の工数が上限内であることと、業務プロセスが効率向上を実現することの両方が必要です。

関連キーワード: 業務プロセス設計、ソフトウェアパッケージ、標準機能、プロトタイピング、追加開発工数

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