プロジェクトマネージャ 2018年 午前2 問12
問題文
システム開発のプロジェクトにおいて、リスク識別を効率よく行うための手段として、“JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル)”が規定する利用時の品質特性を用いてソフトウェアの品質に関するリスクを分類することにした。“満足性”に対するリスクとして分類される、リスクとその評価の事例はどれか。
選択肢
ア:システムが稼働する環境に依存した機能を使用しているので、現在の稼働環境とは異なる環境のプラットフォームに展開できず、柔軟でないと評価される。
イ:操作に習熟していない利用者が、誤った使い方をしたときの対処方法が分からずに困惑し、快適でないと評価される。(正解)
ウ:ソフトウェアパッケージを導入した際に、消耗品が多く必要となって、コストが膨らみ、効率的でないと評価される。
エ:導入したソフトウェアパッケージの目新しさだけが目立ち、業務の一部を手作業で補完しなければならず、有効でないと評価される。
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利用時の品質特性と満足性【午前2解説】
正解の理由
利用時の品質特性における「満足性」は、利用者がシステムを使ったときに感じる満足の度合いを表します。その下位特性には、利用者の目的に役立つかを示す「有用性」、利用者が安心して使えるかを示す「信頼感」、楽しさに関わる「快感」、心理的・身体的に心地よく使えるかを示す「快適性」などがあります。
操作に慣れていない利用者が、誤った使い方をしたときの対処方法が分からず困惑するのは、利用者が安心して快適に使えない状態です。そのため、「快適でない」と評価される事例であるイが、満足性に対するリスクに該当します。
解法ステップ
- 問題が尋ねている品質特性を「利用時の品質特性」に絞ります。
- 選択肢にある評価語に注目します。特に「快適でない」は、満足性の下位特性である「快適性」と対応します。
- 利用者が操作に困惑し、心地よく利用できない状況を示すイを選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア:稼働環境が異なるプラットフォームへ展開できない問題です。利用時の満足性よりも、環境の変化に対応できるかという適応性・柔軟性に関する問題です。
- イ:誤操作時の対処方法が分からず、利用者が困惑する問題です。「快適でない」という評価に結び付くため、満足性に該当します。
- ウ:消耗品にかかる費用が増える問題です。利用に必要な資源やコストに対する効率性に関する問題であり、満足性とは異なります。
- エ:業務の一部を手作業で補う必要があり、目的を十分に達成できない問題です。「有効でない」という評価は、有効性に関するものです。
よくある誤解
- 「利用者が困っている」ことを、すべて有効性や効率性の問題と考えないようにしましょう。この選択肢では、困惑によって快適に使えない点が問われています。
- 「有効性」と「満足性」は別の特性です。目的を達成できるかは有効性、使っていて心地よいかは満足性に関係します。
- 「快適性」は操作の便利さだけを指すものではありません。利用者が使用中に感じる心理的・身体的な心地よさも含みます。
補足コラム
JIS X 25010の品質モデルでは、製品そのものの品質だけでなく、利用者が実際の利用状況で得る品質も評価します。利用時の品質には、有効性、効率性、満足性、リスク回避性、利用状況網羅性などがあります。
選択肢の評価語を手掛かりにすると、分類しやすくなります。たとえば、「目的を達成できない」は有効性、「コストがかかる」は効率性、「快適でない」は満足性に結び付きます。
FAQ
Q. 操作に困惑する問題は、操作性の問題ではないのですか?
A. 操作性に関係する場合もありますが、この問題では利用者が「快適でない」と評価する点が焦点です。そのため、利用時の品質特性のうち満足性に分類します。
A. 操作性に関係する場合もありますが、この問題では利用者が「快適でない」と評価する点が焦点です。そのため、利用時の品質特性のうち満足性に分類します。
Q. 満足性は、利用者がシステムを好きかどうかだけを表しますか?
A. いいえ。有用性や信頼感、快感、快適性など、利用者がシステムを使う際に感じる複数の側面を含みます。
A. いいえ。有用性や信頼感、快感、快適性など、利用者がシステムを使う際に感じる複数の側面を含みます。
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