プロジェクトマネージャ 2025年 午後1 問01
生成AIを活用したシステムの開発・導入・運用・保守を行うプロジェクトの計画立案に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
Q予備校では習熟度テストを実施して生徒の理解度を測定し、生徒自身に理解不足の箇所を認識させ、再学習をさせている。また、理解不足の箇所を中心に講師が個別指導を行い、生徒の理解度を高める仕組みを取り入れている。
習熟度テストには、生徒が自身の表現で解答を記述する問題がある。全ての講師が自身の担当する教材・領域におけるこのような問題の問題作成者となって、問題及び採点基準を作成し、採点専門のアルバイト(以下、採点者という)が採点基準を適用して答案を採点する。採点者は全ての答案の採点終了後、自身では採点基準の適用ができず採点できなかった答案を講師に引き渡す。講師は、採点基準をより適正なものにするための、採点基準を具体化したり解釈を付け加えたりする情報(以下、補足情報という)を追加して、採点者が採点できなかった答案の採点を確定する。近年、この補足情報を追加し採点を確定する作業が多発して作業負荷が高まり、講師は個別指導の時間を十分に取れない状況になっている。
また、再学習及び個別指導は生徒の理解度を正確に測定することが前提となるので、適正な採点基準を作成すること、及び採点基準を理解し多数の答案に採点基準を適用できる採点の経験値の高い採点者を確保することによって、高い採点の信頼性を保つことが重要である。
講師からは、採点基準作成の経験値が低いと正確性が担保された適正な採点基準を作成することは難しいという意見がある。また、採点者から採点基準の適用ができない答案を引き渡される際に、採点基準をより適正なものにする補足情報の候補も併せて提示してもらえれば、それを参考に補足情報を追加できるので講師の作業負荷を軽減できるという意見もある。しかしながら、アルバイトであり、採点基準作成の経験のない採点者に、補足情報の候補の提示は期待できないとの意見もある。採点者からは、採点基準が適正でない場合や自身の採点の経験値が低い場合は、採点基準の適用ができない答案が増えるとの意見がある。
以上から、Q予備校の経営陣は生徒の理解度を高める仕組みを適切に運用するために、“高い採点の信頼性を保つこと”と“講師の作業負荷を減らすこと”とを両立させることが課題であると考えている。
経営陣は、適正な採点基準の作成及び採点の支援に大規模言語モデル(Large Language Models)の生成AI(以下、生成AIという)を活用したシステムを導入することによって、これらの課題を解決でき、さらに、採点者を不要にできるのではないかと考え、システム部のR課長と教務部のS課長に生成AIを活用したシステムの導入可能性を調査することを指示した。
〔生成AIを活用したシステムの導入可能性の調査結果〕
R課長とS課長が、生成AIを活用したシステムの導入支援ベンダーK社のサポートを受けて調査した結果、次のことが分かった。
・過去の習熟度テストの問題と採点基準などから正確性・多様性・網羅性が担保された初期の学習データを用意して生成AIに学習させると、生成AIは生徒の答案などから採点基準をより適正なものにする補足情報を生成できる。
・講師がこの補足情報を精査の上追加することによって、生成AIによる採点は過去の採点と同等以上の採点の信頼性を保てる。
・システム稼働後にも新たな適切な学習データを用意して生成AIに追加で学習させることによって、継続的に採点の信頼性を高められる。
R課長とS課長から報告を受けた経営陣は、生成AIの導入に前向きであった。ただし、一部の役員は、高い採点の信頼性を保てなくなるような事態が起きると、生徒の理解度を高められないだけではなく、Q予備校を信頼できなくなった生徒が退校することを懸念し、生成AIの導入は時期尚早という意見であった。また多くの講師は、採点基準をより適正なものにする補足情報を生成したり、過去の採点と同等以上の採点の信頼性を保てたりする生成AIの効果に納得していないので、今のやり方に固執する可能性がある。
この調査結果を受けてQ予備校は、①採点の信頼性を過去の採点と同等以上にすること、及び講師の作業負荷をこれまでより軽減することをプロジェクト目標として、K社のサポートを受け、生成AIを活用した補足情報作成や採点を支援するシステム(以下、採点支援システムという)の開発・導入・運用・保守を行うプロジェクト(以下、本プロジェクトという)の立ち上げを決定した。プロジェクトマネージャ(PM)に任命されたR課長は、経営陣の懸念を払拭し、目標の達成を目指すプロジェクト計画の作成に着手した。
〔プロジェクト計画の作成方針〕
R課長は調査結果から、本プロジェクトは生成AIを活用する点で、Q予備校でこれまで主だったSaaS導入プロジェクトとは、作業の内容や進め方などに大きな違いがあると考えた。そこで、プロジェクト計画の作成に先立ち、K社のサポートも受けてプロジェクトに関わる各プロセスにおける作業の違いを表1にまとめた。
R課長は、これまでのQ予備校のSaaS導入プロジェクトの計画を参照しつつ、プロジェクトに関わる作業の違いと生成AIの導入可能性の調査結果を踏まえて、プロジェクト計画を次の方針で作成することにした。
・開発・導入プロセスでは、採点基準作成の経験値の高い講師が、習熟度テストの問題と採点基準、補足情報、答案、採点結果から生成AIに学習させる初期の学習データを用意する。
・その上で、開発・導入プロセスでは、K社が初期の学習データを生成AIに学習させることによって、処理品質を一定以上に向上させる。その後、全ての講師が参加する効果検証テストを実施する。具体的には、補足情報を精査の上追加することによって、過去の採点と同等以上の採点の信頼性になるかどうかの検証を行う。
・効果検証テストでは、講師の作業負荷軽減の効果も検証する。
・システム稼働後も、継続的に採点の信頼性を高められるように、全ての講師が関わる体制となる運用・保守プロセスを設計する。具体的には、全ての講師が、正確性を担保した新たな学習データを用意し、生成AIに追加で学習させる。
・プロジェクト目標の達成見通しを経営陣に適宜報告する。
〔プロジェクト目標の達成に向けたリスク対策〕
R課長は、K社のサポートを受けて、プロジェクト目標の達成に関わる次に示すリスクを特定し、リスク対応策を検討した。
(1) 採点の信頼性を過去の採点と同等以上にできない、又は、継続的に高められないリスク
初期の学習データの用意が不十分だった場合は、最新の入試問題に対応する習熟度テストの問題などに対して、採点基準をより適正なものにする補足情報を生成できず、プロジェクトの目標である採点の信頼性を過去の採点と同等以上にすることが達成できないリスクがある。本リスクへの対策として、初期の学習データを用意する際に、教材に含まれるキーワード集や最新の入試問題などの記述例を分析し、習熟度テストの問題と採点基準、補足情報などでは不足する用語や記述スタイルも学習データとして生成AIに学習させることにした。
また、システム稼働後に新たな適切な学習データを追加で学習させられず、継続的に採点の信頼性を高めることができないリスクがある。R課長は、本リスクへの対策として、運用・保守プロセスで、生成AIに追加で学習させる学習データとして、毎回の習熟度テストの問題と採点基準、補足情報、答案、採点結果が利用可能と考えた。
(2) 講師の作業負荷をこれまでよりも軽減することができないリスク
R課長は、採点基準をより適正なものにする補足情報を生成したり、過去の採点と同等以上の採点の信頼性を保てたりする生成AIの効果に納得していない講師は、プロジェクトの目標である作業負荷軽減が達成できないリスクがあると考えた。R課長は、本リスクへの対策として、効果検証テストにおける講師の作業負荷軽減の効果の検証において、採点支援システムが提供する、生徒の答案などから補足情報を作成する機能を重点対象とし、生成された補足情報の正しさや、補足情報が提示されることによる自身の作業負荷の軽減を実感してもらうことにした。
設問1:
問題文を見る〔生成AIを活用したシステムの導入可能性の調査結果〕について、本文中の下線①のプロジェクト目標を定めたのは、Q予備校としてどのような効果を狙うためか。プロジェクトがもたらす成果の観点から20字以内で答えよ。
模範解答
生徒の理解度を高める効果
解説
解答の導き方
-
まず、Q予備校の習熟度テストが何のために行われているかを確認します。本文では、テストで生徒の理解度を測定し、理解不足の箇所を認識させて再学習につなげ、講師の個別指導によって「生徒の理解度を高める仕組み」と説明されています。したがって、Q予備校が最終的に実現したいのは、生徒の理解度を高めることです。
-
下線①のプロジェクト目標は、「採点の信頼性」を過去の採点と同等以上にすることと、講師の作業負荷を軽減することです。これらは、理解度を正確に測り、講師が個別指導に時間を使えるようにするための条件と考えられます。
-
設問は、プロジェクト目標を定めたことでQ予備校が狙う効果を、プロジェクトの成果として尋ねています。採点の信頼性や講師の負荷軽減そのものではなく、それらによって実現する最終的な効果を答えるので、生徒の理解度を高めることにつながります。
誤りやすいポイント
- 「採点の信頼性を過去の採点と同等以上にすること」だけを答えると、プロジェクトの目標を述べるにとどまり、設問が尋ねる成果になりません。
- 「講師の作業負荷を軽減すること」は、個別指導の時間を確保するための手段です。最終的にどのような効果につながるかまで考えます。
- 「生徒の退校を防ぐこと」は役員の懸念として述べられていますが、プロジェクトがもたらす成果として本文が示している内容とは異なります。
FAQ
Q: 採点の信頼性を高めること自体が、プロジェクトの最終的な成果ではないのですか?
A: 採点の信頼性は、理解度を正確に測定するための条件です。正確な測定と再学習・個別指導を通じて、生徒の理解度を高めることが最終的な効果です。
A: 採点の信頼性は、理解度を正確に測定するための条件です。正確な測定と再学習・個別指導を通じて、生徒の理解度を高めることが最終的な効果です。
Q: 講師の作業負荷を減らすことは、なぜ成果そのものではないのですか?
A: 作業負荷の軽減は、講師が個別指導に時間を取れるようにする効果です。その時間を生徒の指導に活用し、理解度を高めることにつながります。
A: 作業負荷の軽減は、講師が個別指導に時間を取れるようにする効果です。その時間を生徒の指導に活用し、理解度を高めることにつながります。
関連キーワード: 生成AI、学習データ、採点品質、効果検証、運用・保守
設問2:〔プロジェクト計画の作成方針〕について答えよ。
設問2(1)
問題文を見るR課長が、プロジェクト計画の作成に先立ち、表1にプロジェクトに関わる各プロセスにおける作業の違いをまとめた目的は何か。35字以内で答えよ。
模範解答
作業の違いを踏まえてプロジェクト計画をテーラリングするため
解説
解答の導き方
-
設問は、表1に作業の違いをまとめた「目的」を尋ねています。表の内容をそのまま答えるのではなく、表を作ったことで、その後の計画作成にどう生かすのかを考えます。
-
表1では、SaaS導入プロジェクトは既存データの移行や出力の確認を行うのに対し、本プロジェクトでは学習データを用意して生成AIに学習させ、処理品質を向上させると整理されています。運用・保守でも、従来のようなロジックやマスターデータの変更ではなく、新たな学習データを追加して学習させます。つまり、本プロジェクトには、これまでのプロジェクトとは異なる作業があります。
-
表の後には、R課長が「作業の違いと生成AIの導入可能性の調査結果を踏まえて、プロジェクト計画を」作成するとあります。したがって、表を作ったのは、従来のSaaS導入プロジェクトの計画をそのまま使うのではなく、本プロジェクトの作業の特徴に合わせて計画を調整するためです。こうした調整を「テーラリング」と表現できます。
誤りやすいポイント
- 表に書かれた作業の違いだけを説明して終わらないようにします。設問は、違いを整理した目的を問うています。
- 「生成AIの処理品質を高めるため」とすると、プロジェクトで目指す効果と、表をまとめた目的を混同します。
- 「リスクを特定するため」とすると、別に記述されているリスク対策の目的と取り違えます。
- 従来の計画を参照することと、従来の計画をそのまま適用することは異なります。作業の違いに応じて計画を調整する点が重要です。
FAQ
Q: テーラリングとは何ですか?
A: プロジェクトの特性や状況に合わせて、計画や進め方を調整することです。
A: プロジェクトの特性や状況に合わせて、計画や進め方を調整することです。
Q: これまでのSaaS導入プロジェクトの計画は、使わないということですか?
A: そうではありません。これまでの計画を参照しつつ、本プロジェクト特有の作業に合わせて調整します。
A: そうではありません。これまでの計画を参照しつつ、本プロジェクト特有の作業に合わせて調整します。
Q: 表1に作業の違いをまとめただけで、計画の調整まで分かるのですか?
A: 表の後に、作業の違いを踏まえてプロジェクト計画を作成すると述べられているため、表は計画を調整するための材料と分かります。
A: 表の後に、作業の違いを踏まえてプロジェクト計画を作成すると述べられているため、表は計画を調整するための材料と分かります。
関連キーワード: プロジェクト計画、テーラリング、開発プロセス、運用・保守プロセス、学習データ
設問2(2)
問題文を見るR課長が、開発・導入プロセスで、初期の学習データを用意する担当者を採点基準作成の経験値の高い講師とする目的は何か。20字以内で答えよ。
模範解答
学習データの正確性を担保するため
解説
解答の導き方
-
まず、初期の学習データが生成AIの処理品質に関わることを確認します。表1では、開発・導入プロセスで「初期の学習データを用意し、K社が生成AIに学習させ」て処理品質を向上させるとされています。つまり、学習データの内容が適切であることは、生成AIの採点支援にとって重要です。
-
次に、なぜ採点基準作成の経験値が高い講師が必要なのかを、本文の説明から考えます。講師からは「採点基準作成の経験値が低いと正確性が担保された適正な採点基準を作成することは難しい」という意見が出ています。初期の学習データには、習熟度テストの問題や採点基準、補足情報、答案、採点結果が含まれるため、採点基準や採点結果の正確さが学習データの正確さに影響します。
-
したがって、採点基準作成の経験値が高い講師に初期の学習データを用意してもらうのは、正確な採点基準などに基づく学習データを用意するためです。目的を簡潔に述べると、「学習データの正確性を担保するため」となります。
誤りやすいポイント
- 「生成AIの処理品質を向上させるため」だけでは、なぜ経験値の高い講師が担当するのかが明確ではありません。問われているのは、担当者をそう定める目的です。
- 「講師の作業負荷を軽減するため」はプロジェクト目標の一つですが、初期の学習データの準備を経験値の高い講師に任せる理由とは異なります。
- 学習データの正確性と、データの多様性・網羅性を混同しないようにします。この設問では、経験値の高い講師を担当者とすることによる正確性の確保が焦点です。
FAQ
Q: 学習データの正確性とは、答案そのものが正しいことですか?
A: 答案だけでなく、採点基準や補足情報、採点結果などが適切であることも含みます。それらが不正確だと、生成AIが学習する内容にも影響します。
A: 答案だけでなく、採点基準や補足情報、採点結果などが適切であることも含みます。それらが不正確だと、生成AIが学習する内容にも影響します。
Q: 多様性や網羅性を確保することも、経験値の高い講師を担当者とする目的ですか?
A: 学習データの多様性・網羅性も処理品質に関わります。ただし、この設問で問われている担当者の経験値に直接結び付く目的は、採点基準などを適切に作成して学習データの正確性を担保することです。
A: 学習データの多様性・網羅性も処理品質に関わります。ただし、この設問で問われている担当者の経験値に直接結び付く目的は、採点基準などを適切に作成して学習データの正確性を担保することです。
関連キーワード: 学習データ、データ品質、正確性、生成AI、機械学習
設問2(3)
問題文を見るR課長が、効果検証テストに、一部ではなく全ての講師に参加してもらう狙いは何か。運用・保守プロセスに関するものを35字以内で答えよ。
模範解答
全ての講師が運用・保守プロセスに関わる体制を確立する狙い
解説
解答の導き方
-
設問は、効果検証テストに全ての講師が参加する狙いのうち、特に運用・保守プロセスに関するものを尋ねています。したがって、テストで採点の信頼性や作業負荷軽減の効果を確かめることだけでなく、システム稼働後の運用・保守とのつながりを考えます。
-
プロジェクト計画では、システム稼働後も採点の信頼性を高めるため、「全ての講師が関わる体制となる運用・保守プロセスを設計する」としています。さらに、全ての講師が新たな学習データを用意し、生成AIに追加で学習させる計画です。
-
つまり、稼働後の運用・保守では、全ての講師が学習データの準備などを担います。そのため、効果検証テストにも全ての講師が参加して、システムや作業の進め方を経験しておくことは、稼働後に全員が運用・保守に関われる体制を整えることにつながります。
-
よって、狙いは効果検証だけにとどまらず、全ての講師が運用・保守プロセスに関わる体制を確立することです。
誤りやすいポイント
- 効果検証テストで「採点の信頼性を確認すること」だけを答えると、設問が指定する運用・保守プロセスとの関係が抜けます。
- 「講師の作業負荷を軽減すること」だけでは、効果検証テストの別の目的に寄ってしまいます。ここでは、稼働後に全ての講師が運用・保守に関わることが中心です。
- 全ての講師に参加してもらう理由を「講師の理解や納得を得るため」とだけ捉えるのも不十分です。本文では、稼働後に全ての講師が新たな学習データを用意する体制が示されています。
FAQ
Q: 効果検証テストで、全ての講師が運用・保守作業を完了する必要がありますか。
A: いいえ。設問で問われているのは、稼働後に全ての講師が運用・保守プロセスに関わる体制を整える狙いです。
A: いいえ。設問で問われているのは、稼働後に全ての講師が運用・保守プロセスに関わる体制を整える狙いです。
Q: 講師が用意する新たな学習データは、運用・保守でどのように使いますか。
A: 生成AIに追加で学習させ、継続的に採点の信頼性を高めるために使います。
A: 生成AIに追加で学習させ、継続的に採点の信頼性を高めるために使います。
Q: 効果検証テストでは、運用・保守に関することだけを確認しますか。
A: いいえ。本文では、採点の信頼性と講師の作業負荷軽減の効果も検証します。この設問では、そのうち運用・保守プロセスに関する狙いに絞って答えます。
A: いいえ。本文では、採点の信頼性と講師の作業負荷軽減の効果も検証します。この設問では、そのうち運用・保守プロセスに関する狙いに絞って答えます。
関連キーワード: 運用・保守、学習データ、効果検証、継続的改善
設問2(4)
問題文を見るR課長が、プロジェクト目標の達成見通しを経営陣に適宜報告する狙いは何か。35字以内で答えよ。
模範解答
生成AIの導入は時期尚早という一部の役員の意見を変える狙い
解説
解答の導き方
-
問われているのは、プロジェクトの進捗を経営陣に報告する一般的な目的ではなく、目標の達成見通しを報告することで何を狙うのかです。
-
経営陣の中には、採点の信頼性が損なわれる事態を懸念し、「生成AIの導入は時期尚早」という意見をもつ役員がいます。つまり、プロジェクトを進めるうえで、導入に慎重な役員の理解を得ることが課題になっています。
-
プロジェクトでは、採点の信頼性を過去の採点と同等以上にすることと、講師の作業負荷を軽減することを目指しています。これらの目標を達成できそうかを適宜報告すれば、役員は導入後の効果や懸念への対応状況を判断できます。
-
したがって、この報告は単なる進捗共有ではなく、導入に慎重な役員の懸念を和らげ、生成AIの導入は時期尚早という意見を変えることを狙っています。
誤りやすいポイント
- 「進捗を管理するため」とだけ答えると、報告の一般的な機能にとどまり、経営陣の意見に働きかける狙いを捉えられません。
- 講師の理解や協力を得ることを狙いとするのは不適切です。ここで報告する相手は経営陣です。
- 「導入の承認を得るため」と言い換えると、本文に明記されている狙いからずれるおそれがあります。導入に慎重な役員の意見を変えることに着目します。
FAQ
Q: 目標の達成見通しとは、何を報告することですか?
A: 採点の信頼性と講師の作業負荷軽減という目標について、達成できる見込みを伝えることです。
A: 採点の信頼性と講師の作業負荷軽減という目標について、達成できる見込みを伝えることです。
Q: 定期的に報告すれば、それだけで役員の意見が変わるのですか?
A: 報告するだけで意見が必ず変わるとは限りません。ここでは、目標の達成見通しを示すことで、導入に慎重な役員の懸念を和らげる狙いがあると読み取ります。
A: 報告するだけで意見が必ず変わるとは限りません。ここでは、目標の達成見通しを示すことで、導入に慎重な役員の懸念を和らげる狙いがあると読み取ります。
Q: 講師の作業負荷軽減も、経営陣に報告する対象ですか?
A: はい。プロジェクト目標には採点の信頼性だけでなく講師の作業負荷軽減も含まれるため、両方の達成見通しが報告の対象になります。
A: はい。プロジェクト目標には採点の信頼性だけでなく講師の作業負荷軽減も含まれるため、両方の達成見通しが報告の対象になります。
関連キーワード: ステークホルダーマネジメント、プロジェクトガバナンス、進捗管理、リスクコミュニケーション
設問3:〔プロジェクト目標の達成に向けたリスク対策〕について答えよ。
設問3(1)
問題文を見るR課長が、最新の入試問題への対応などに向け、習熟度テストの問題と採点基準、補足情報などでは不足する用語や記述スタイルを学習データとして生成AIに学習させることによって、どのような効果を狙ったのか。30字以内で答えよ。
模範解答
網羅性が不足する領域の学習データを追加する効果
解説
解答の導き方
-
まず、リスク対策で何が問題とされているかを確認します。本文では、初期の学習データが不十分だと「最新の入試問題に対応する習熟度テストの問題など」に対して補足情報を生成できず、採点の信頼性を目標どおりにできないおそれがあるとしています。つまり、既存の学習データだけでは対応できない内容が残ることが課題です。
-
次に、その課題への対策を見ます。教材のキーワード集や最新の入試問題などの記述例を分析し、問題や採点基準などに含まれていない用語や記述スタイルも学習データに加えることにしています。既存データに不足している内容を補うための対策です。
-
表1では、処理品質を向上させるために学習データの「正確性・多様性・網羅性を担保」し、「網羅性が不足する領域の学習データの追加」も行うとしています。この対策は、用語や記述スタイルが不足している領域の網羅性を補うものです。
したがって、狙っている効果は、網羅性が不足する領域に学習データを追加することです。
誤りやすいポイント
- 「最新の入試問題に対応すること」だけを答えると、対策によって学習データのどの性質を高めるのかが不明確になります。
- 学習データの「正確性」を高める効果と取り違えないようにします。この設問で直接問われているのは、既存データにない用語や記述スタイルを補うことによる網羅性の向上です。
- 採点の信頼性向上だけを答えるのも不十分です。それは学習データの網羅性を高めた結果として期待される、さらに先の効果です。
FAQ
Q: なぜキーワード集や最新の入試問題を分析するのですか?
A: 既存の問題や採点基準などだけでは学習データに含まれない用語や記述スタイルを見つけ、足りない領域を補うためです。
A: 既存の問題や採点基準などだけでは学習データに含まれない用語や記述スタイルを見つけ、足りない領域を補うためです。
Q: 網羅性が不足する領域の学習データを追加すると、何が期待できますか?
A: 既存データでは扱いにくかった内容にも対応しやすくなり、採点に必要な補足情報を生成できる範囲を広げられます。
A: 既存データでは扱いにくかった内容にも対応しやすくなり、採点に必要な補足情報を生成できる範囲を広げられます。
Q: 正確性や多様性とは、設問で問われている効果と別ですか?
A: 学習データ全体では正確性・多様性・網羅性が重要ですが、この対策で特に狙っているのは、不足する用語や記述スタイルを加えて網羅性を補うことです。
A: 学習データ全体では正確性・多様性・網羅性が重要ですが、この対策で特に狙っているのは、不足する用語や記述スタイルを加えて網羅性を補うことです。
関連キーワード: 学習データ、網羅性、生成AI、採点基準、処理品質
設問3(2)
問題文を見るR課長が、継続的に採点の信頼性を高めるために、生成AIに追加で学習させる学習データとして、毎回の習熟度テストの問題と採点基準、補足情報、答案、採点結果が利用可能と考えた理由は何か。30字以内で答えよ。
模範解答
講師が正確性を担保した新たな学習データであるから
解説
解答の導き方
-
設問は、システム稼働後に生成AIへ追加で学習させるデータとして、毎回の習熟度テストに関する情報を利用できると考えた理由を尋ねています。単にデータが集まるからではなく、継続的な学習に使える品質がある理由を答える必要があります。
-
本文では、運用・保守プロセスで「全ての講師が、正確性を担保した新たな学習データを用意し、生成AIに追加で学習させる」としています。したがって、追加で学習させるデータの正確性を担保する主体は講師です。
-
また、毎回の習熟度テストでは、問題、採点基準、補足情報、答案、採点結果が得られます。これらはそのまま使うのではなく、講師が正確性を担保した新たな学習データとして用意する方針なので、追加学習に使える品質を備えたデータとして利用できます。
-
以上から、これらの情報を利用できる理由は、講師が正確性を担保して作成する新たな学習データだからだと判断できます。
誤りやすいポイント
- 毎回、答案や採点結果が集まるという「データの量・入手可能性」だけを理由にしないことが大切です。問われているのは、追加学習に使えると考えた理由です。
- 「生成AIが自動で正確なデータを作るから」と考えるのは誤りです。本文では、講師が新たな学習データを用意し、その正確性を担保する方針です。
- 初期の学習データを用意する担当者の経験値だけに注目しないようにしましょう。この設問は、稼働後に毎回のテストから得られるデータを利用できる理由を尋ねています。
FAQ
Q: 答案や採点結果があれば、それだけで正確性が担保されますか?
A: いいえ。本文のポイントは、講師が正確性を担保した新たな学習データとして用意することです。
A: いいえ。本文のポイントは、講師が正確性を担保した新たな学習データとして用意することです。
Q: 補足情報は、なぜ学習データに含められるのですか?
A: 補足情報は採点基準を具体化したり解釈を付け加えたりして採点基準をより適正なものにする情報で、講師が精査の上追加するものです。採点基準を補う情報として、学習データに含められます。
A: 補足情報は採点基準を具体化したり解釈を付け加えたりして採点基準をより適正なものにする情報で、講師が精査の上追加するものです。採点基準を補う情報として、学習データに含められます。
Q: 毎回のデータを追加で学習させる狙いは何ですか?
A: 新たな学習データを継続的に活用し、採点の信頼性を高めることです。
A: 新たな学習データを継続的に活用し、採点の信頼性を高めることです。
関連キーワード: 学習データ、データ品質、継続学習、採点基準、生成AI
設問3(3)
問題文を見るR課長が、生成AIの効果に納得していない講師が、作業負荷軽減を達成できないリスクがあると考えたのはなぜか。生成された補足情報の正しさや作業負荷の軽減を実感させる対策を取ったことを踏まえ、その理由を25字以内で答えよ。
模範解答
これまでのやり方に固執する可能性があるから
解説
解答の導き方
- 問われているのは、講師が生成AIの効果に納得していないことが、なぜ作業負荷軽減の妨げになるのかです。
- 本文には、生成AIの効果に納得していない講師は「今のやり方に固執する可能性がある」とあります。つまり、システムの効果を信じられず、これまでの業務の進め方を変えないおそれがあります。
- その場合、採点支援システムが補足情報を生成しても、講師がそれを活用しなければ、従来の作業が続きます。結果として、講師の作業負荷は軽減されません。
- そこで、効果検証テストでは、生成された補足情報の正しさと、利用による作業負荷の軽減を講師自身に実感してもらおうとしています。これにより、従来のやり方に固執せず、システムを活用してもらうことを狙っています。
誤りやすいポイント
- 「生成AIの採点精度が低いから」と考えるのは誤りです。ここで問われているリスクの直接の原因は、講師が生成AIの効果に納得せず、従来のやり方を続ける可能性です。
- 「講師に生成AIの知識がないから」と、本文にない理由を加えないようにします。
- 効果検証テストの目的を、採点の信頼性確認だけに限定しないようにします。この設問では、講師が補足情報の正しさや作業負荷軽減を実感することも重要です。
FAQ
Q: 生成AIの効果に納得していないこと自体が、なぜ作業負荷を増やすのですか?
A: 効果を認めずに従来の方法を続けると、システムによる補足情報の作成などが活用されず、作業負荷が軽減されないためです。
A: 効果を認めずに従来の方法を続けると、システムによる補足情報の作成などが活用されず、作業負荷が軽減されないためです。
Q: 効果検証テストで講師に実感してもらうのは、何のためですか?
A: 生成された補足情報の正しさと、活用したときの作業負荷軽減を確認してもらい、システムの利用を促すためです。
A: 生成された補足情報の正しさと、活用したときの作業負荷軽減を確認してもらい、システムの利用を促すためです。
Q: この設問では、採点の信頼性と作業負荷のどちらが問われていますか?
A: 講師が生成AIの効果に納得しない場合に、作業負荷の軽減が達成できない理由が問われています。
A: 講師が生成AIの効果に納得しない場合に、作業負荷の軽減が達成できない理由が問われています。
関連キーワード: 生成AI、業務プロセス、リスク対応、効果検証、業務負荷




