プロジェクトマネージャ 2025年 午後1 問02
製薬会社におけるCRM刷新プロジェクトに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
I社は製薬会社である。全国に営業所が展開されており、営業担当者が、医療機関に向けて営業活動を行っている。競合他社において、営業活動でのコンプライアンス上の問題に起因して経営状況が悪化したことを受けて、I社の経営層と営業部門の営業管理部は、コンプライアンスをより一層強化する方針を打ち出した。I社のCRMシステムについても、この方針に沿って見直すこととなった。I社の現行のCRMシステム(以下、現CRMという)は、長年のシステム改修によって保守性が低下しており、このままでは法改正へ対応するための迅速かつ適切なシステム改修ができなくなる。そこで、I社の経営層は、新たなCRMシステムを導入するプロジェクト(以下、本プロジェクトという)を立ち上げることを決定し、情報システム部のJ課長をプロジェクトマネージャ(PM)に任命した。
新しく導入するCRMシステム(以下、新CRMという)には、V社のSaaSを採用することになった。V社のSaaSは、年に3回の標準機能の拡充・改善によって、導入企業からの改善要求を積極的に採り入れており、また法改正への対応も確実に行っている。これらの特長がI社の経営層から評価された。ただし、標準機能をカスタマイズした場合、カスタマイズ部分については、拡充・改善の対象から外れるので、V社のSaaSの特長を生かせない。そこでI社は、V社のSaaSの標準機能をカスタマイズせずに導入する方針を決定した。
〔ステークホルダの特定〕
J課長は次のように本プロジェクトのステークホルダを特定した。
・プロジェクトオーナーは、営業部門を統括するK役員である。
・利用部門責任者は、営業管理部のL部長である。営業管理部には、L部長以下営業経験者が配属されており、営業系システムの企画や営業施策の進捗管理のほかに、営業部門のコンプライアンスの遵守状況の監視なども行っている。
・要件定義の担当者は、全国の各営業所から選出された営業担当者である。
・営業活動でのシステム利用方法をまとめた営業担当者向けのマニュアル(以下、教育マニュアルという)作成や問合せの受け付けと回答(以下、QAという)対応の主担当は、営業管理部のM氏である。I社では、システムリリース前に、営業管理部が教育マニュアルを用いて営業所の営業担当者へトレーニングを実施する。
・現CRM及び基幹システムの開発・保守ベンダーはW社である。新CRM導入によってW社の開発・保守の範囲は縮小することになる。本プロジェクトで重要な作業となる現CRMから新CRMへのデータ移行にはW社の協力が必要になる。現CRM及び基幹システムの開発・保守責任者はW社のX主任である。
〔K役員からの指示〕
J課長はK役員から、以前、I社のほかの営業系システムにSaaSを導入した際の次のような失敗を繰り返さないように指示された。
・I社の営業活動への適合の観点での事前検討を行わずに、要件定義で、SaaSベンダーに標準機能をそのまま説明してもらったところ、営業担当者から“このシステムは使えない”との不満の声があがり、紛糾して進捗が大幅に遅延した。
・営業管理部の担当者が営業系システムについての理解に時間を要したことによって教育マニュアルの完成が遅れ、営業所の営業担当者へのトレーニングの開始も遅れた。
・全国の営業所からの、営業系システムの利用方法に関する大量の問合せに営業管理部が対応しきれず、営業系システムの利用に支障が出た。
〔ステークホルダマネジメント〕
J課長は、K役員の指示を踏まえた本プロジェクトの計画策定のため、表1に示すように、本プロジェクトの主要ステークホルダの影響度と関与度を特定した。

J課長は、表1の影響度と関与度から、関与度が“支持”ではないステークホルダへの対応を次のとおりとした。
・K役員は、コンプライアンスの重要性と、新CRMの標準機能をカスタマイズせずに利用する必要性を理解している。一方で、標準機能をカスタマイズせずに利用する方針では営業活動の柔軟さ、俊敏さが損なわれるのではないかと懸念している。①J課長は、まずはK役員への対応を優先する必要があると考えた。そこで、K役員に対して、②本プロジェクトでは標準機能のカスタマイズは実施しないが、今後、カスタマイズしたい内容を標準機能として実現するようにV社に改善要求を出していくことを説明し、K役員に納得してもらうことから取り組むこととした。
・営業担当者は、新CRMの導入の目的がコンプライアンスのより一層の強化であることは理解しているが、標準機能をカスタマイズせずに利用する方針では、営業活動の柔軟性が確保できず、支障を来すのではないかと不信感をもっている。本プロジェクトを円滑に進捗させるためには、営業担当者の関与度を“抵抗”から“支持”に、少なくとも“中立”に変える必要がある。
・W社のX主任の関与度は、取引先であるI社に対して“抵抗”ではないが、“支持”でもない。J課長は、情報システム部長の承認を得た上で、③X主任の関与度を“支持”に変えるため、開発が計画されている機能の開発・保守をW社に委託する意向であることを、X主任に伝えた。なお、開発が計画されている機能とは、新CRMで取得できる営業活動や販売活動の情報を、基幹システムの情報と併せて基幹システムで分析するものである。
〔コミュニケーション計画の作成〕
J課長は、次のとおり本プロジェクトのコミュニケーション計画を作成して、主要ステークホルダの了承を得た。
(1) ワークショップ
要件定義の中で、新CRMの対象機能単位に、V社がデモ環境を用いて要件の確認を行うワークショップを開催する。L部長、営業担当者、M氏、V社プロジェクト責任者及びV社導入担当者に出席してもらう。J課長は、営業担当者に対して、不明な点は納得できるまでV社に質問するように指示する。また、M氏には、その際にQA対応集を作成するように指示する。この活動を通じて営業担当者のQA対応力を高めて、システムリリース直後の全国の営業所からの問合せが集中する期間には、④本プロジェクトに参加する営業担当者にも、所属する営業所でのQA対応を担当させることについて、K役員の承認を得た。
(2) ワークショップの事前検討会
ワークショップの開催前に、次のような、事前検討会を実施する。
・⑤L部長、M氏、V社プロジェクト責任者及びV社導入担当者に出席してもらう。
・本プロジェクトを円滑に進捗させるために、⑥新CRMの標準機能の範囲内でパラメータ設定を工夫することによって、営業活動の柔軟性を確保できるか検討する。
・パラメータ設定を工夫するだけでは十分な対応ができない場合は、V社に対する今後の標準機能への改善要求として整理し、K役員に報告する。
⑦J課長は、M氏に対して、以降のスケジュールに影響が出ないように、ワークショップと事前検討会の機会を通じて新CRMの理解を深めておくように指示する。
(3) 情報共有会
V社プロジェクト責任者及びV社導入担当者、W社のX主任に出席してもらい、J課長が主催する。⑧本プロジェクトにおける重要な作業のために、適切なタイミングで情報共有会を実施する。
設問1:〔ステークホルダマネジメント〕について答えよ。
設問1(1)
問題文を見る本文中の下線①について、J課長が、K役員への対応を優先した理由は何か。20字以内で答えよ。
模範解答
K役員の影響度が“高”だから
解説
解答の導き方
-
設問は、J課長がK役員への対応を優先した理由を尋ねています。したがって、K役員の役割や懸念の内容だけでなく、表1で示されたステークホルダの評価に注目します。
-
表1では、K役員の影響度は「高」、関与度は「中立」とされています。ここで、影響度はプロジェクトに及ぼす影響の大きさ、関与度はプロジェクトに対する現在の姿勢を示しています。
-
対応を優先する理由として直接関係するのは、K役員の影響度が「高」であることです。影響度の高いステークホルダの理解や納得が得られない場合、プロジェクトの意思決定や進行に大きく影響する可能性があります。そのため、J課長はK役員への対応を先に行おうとしたと判断できます。
誤りやすいポイント
- 関与度が「中立」であることを、優先した理由と取り違えないようにします。「中立」は現在の姿勢であり、対応の優先度を直接示すものではありません。
- K役員がプロジェクトオーナーであることだけを理由にすると、表1の影響度に基づく判断が抜けてしまいます。
- K役員の懸念内容ではなく、表1で示された影響度に着目します。
FAQ
Q: 影響度と関与度は、どのように区別すればよいですか?
A: 影響度はプロジェクトに及ぼす影響の大きさ、関与度はプロジェクトに対する姿勢や関わり方です。
A: 影響度はプロジェクトに及ぼす影響の大きさ、関与度はプロジェクトに対する姿勢や関わり方です。
Q: 関与度が「中立」でも対応を優先することはありますか?
A: あります。関与度だけでなく、影響度も考慮して対応の優先順位を決めます。
A: あります。関与度だけでなく、影響度も考慮して対応の優先順位を決めます。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、影響度、関与度、ステークホルダ分析、エンゲージメント
設問1(2)
問題文を見る本文中の下線②について、J課長が、K役員の関与度を“支持”に変えるためにこのような説明をした理由は何か。ステークホルダマネジメントの観点で、45字以内で答えよ。
模範解答
K役員が、標準機能では営業活動の柔軟さ、俊敏さが損なわれることを懸念しているから
解説
解答の導き方
-
設問は、K役員の関与度を「支持」に変えるために、なぜ将来の改善要求について説明したのかを尋ねています。まず、K役員が何を懸念しているかを確認します。
-
本文では、K役員は標準機能をカスタマイズせずに使う方針を理解している一方で、「営業活動の柔軟さ、俊敏さが損なわれるのではないか」と懸念しています。つまり、単にカスタマイズをしない理由を説明するだけでは、この懸念は解消されません。
-
そこでJ課長は、今後、カスタマイズしたい内容を標準機能として実現するように改善要求を出すと説明しています。これは、現在の方針を維持しながらも、営業活動上の要望を今後の機能改善につなげる道があることを示す説明です。
-
したがって、説明の理由は、K役員が抱く「営業活動の柔軟さ、俊敏さが損なわれる」という懸念に対応し、方針への理解や納得を得るためです。改善要求が必ず採用されると保証する説明ではなく、懸念に対する対応方針を示すことで関与度を高めようとしています。
誤りやすいポイント
- 「コンプライアンスを強化するため」とだけ答えると、K役員がすでに理解している点を述べるだけになり、説明した理由を捉えられません。
- 「カスタマイズをしないから」と答えるのも不十分です。K役員はその方針を理解した上で、営業活動の柔軟さや俊敏さが損なわれることを懸念しています。
- 改善要求を出せば必ず標準機能に追加される、と解釈しないようにします。本文から分かるのは、改善要求を出す方針を説明したことです。
FAQ
Q: カスタマイズをしない方針を説明するだけでは、なぜ不十分なのですか?
A: K役員はその方針を理解していますが、それによって営業活動の柔軟さや俊敏さが損なわれることを心配しているからです。その懸念に応える説明が必要です。
A: K役員はその方針を理解していますが、それによって営業活動の柔軟さや俊敏さが損なわれることを心配しているからです。その懸念に応える説明が必要です。
Q: 改善要求を出すと説明するのは、要求の実現を約束することですか?
A: いいえ。本文では、改善要求を出すことを説明しています。要求が必ず採用されると約束したわけではありません。
A: いいえ。本文では、改善要求を出すことを説明しています。要求が必ず採用されると約束したわけではありません。
Q: ここで問われているステークホルダマネジメント上の要点は何ですか?
A: ステークホルダの懸念を把握し、その懸念に対応する説明を通じて、関与度を望ましい状態へ変えることです。
A: ステークホルダの懸念を把握し、その懸念に対応する説明を通じて、関与度を望ましい状態へ変えることです。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、関与度、期待値管理、要求管理、標準機能
設問1(3)
問題文を見る本文中の下線③について、J課長は、このような説明によって、X主任に何を理解してもらおうとしたか。W社のビジネスの観点で35字以内で答えよ。
模範解答
新CRM導入がW社の新たな開発・保守範囲の受託につながること
解説
解答の導き方
-
まず、X主任の立場と、プロジェクトによるW社への影響を確認します。X主任は現CRM及び基幹システムの開発・保守責任者です。一方、新CRMの導入によって「W社の開発・保守の範囲は縮小する」とあります。このままでは、W社にとって受託する仕事が減る可能性があります。
-
次に、J課長がX主任に伝えた内容に注目します。J課長は、開発が計画されている機能の開発・保守を「W社に委託する意向」であると伝えています。つまり、新CRMの導入に伴って、W社が新たな開発・保守業務を受託する可能性があるということです。
-
設問は、X主任に理解してもらおうとしたことを「W社のビジネスの観点」で尋ねています。したがって、機能の技術的な内容ではなく、既存の受託範囲が縮小するだけではなく、新たな開発・保守業務の受託にもつながるという事業上の見通しを捉えます。
誤りやすいポイント
- 新CRMの機能が何を分析するかだけを答えると、機能の説明にとどまり、W社のビジネス上の意味を示せません。
- 「X主任の関与度を支持に変えるため」とだけ答えるのでは不十分です。設問が求めているのは、そのためにJ課長がX主任に理解してもらおうとした内容です。
- W社の既存業務が縮小する点だけに注目すると、J課長が伝えた新たな開発・保守業務の受託機会を見落とします。
FAQ
Q: なぜ、X主任にとって新たな受託の話が重要なのですか。
A: 新CRMの導入でW社の既存の開発・保守範囲は縮小しますが、新たな機能の開発・保守を受託できれば、W社にとって新しい事業機会になるからです。
A: 新CRMの導入でW社の既存の開発・保守範囲は縮小しますが、新たな機能の開発・保守を受託できれば、W社にとって新しい事業機会になるからです。
Q: 設問では、開発が計画されている機能の内容まで答える必要がありますか。
A: 問われているのはW社のビジネスの観点です。機能の分析内容そのものより、その機能の開発・保守をW社が受託することの意味が中心です。
A: 問われているのはW社のビジネスの観点です。機能の分析内容そのものより、その機能の開発・保守をW社が受託することの意味が中心です。
Q: X主任は、初めからW社の受託に反対していたのですか。
A: いいえ。本文では関与度は「中立」とされています。J課長は、新たな受託の可能性を伝えることで、X主任の関与度を「支持」に変えようとしています。
A: いいえ。本文では関与度は「中立」とされています。J課長は、新たな受託の可能性を伝えることで、X主任の関与度を「支持」に変えようとしています。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、ステークホルダ関与度、業務委託、事業機会、開発・保守範囲
設問2:〔コミュニケーション計画の作成〕について答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線④について、J課長は、本プロジェクトに参加する営業担当者にもQA対応を担当してもらうことによって、どのような効果を期待したか。30字以内で答えよ。
模範解答
全国の営業所からの問合せに滞りなく対応できる効果
解説
解答の導き方
-
まず、過去に起きた失敗を確認します。全国の営業所から利用方法に関する問合せが集中し、営業管理部だけでは対応しきれず、営業系システムの利用に支障が出ていました。つまり、問合せが集中する時期の対応力が課題です。
-
今回は、ワークショップを通じて営業担当者のQA対応力を高めたうえで、本プロジェクトに参加した営業担当者にも、自分の営業所でQA対応を担当してもらいます。営業管理部だけでなく、各営業所にも対応の担い手を置く計画です。
-
そのため、リリース直後に全国から問合せが集中しても、対応を分担できます。期待されるのは、問合せへの対応が滞って営業活動に支障が出る事態を避けることです。
誤りやすいポイント
- 「QA対応力を高めること」だけを書くと、営業担当者が対応を担当することで得られる効果まで述べられていません。
- 「営業管理部の負担を減らす」だけでは、最終的に問合せ対応がどうなるかが不明確です。問合せに滞りなく対応できることまでつなげます。
- 問合せの件数が減る効果ではありません。問合せが集中する状況でも、対応を分担して利用への支障を避ける効果です。
FAQ
Q: なぜ営業担当者もQA対応を担当するのですか。
A: 営業所ごとに対応を分担し、営業管理部だけでは処理しきれなかった問合せの集中に備えるためです。
A: 営業所ごとに対応を分担し、営業管理部だけでは処理しきれなかった問合せの集中に備えるためです。
Q: QA対応集を作成すること自体が、この設問で問われる効果ですか。
A: いいえ。QA対応集の作成は対応力を高めるための活動です。問われている効果は、営業担当者も対応に加わることで、問合せに円滑に対応できることです。
A: いいえ。QA対応集の作成は対応力を高めるための活動です。問われている効果は、営業担当者も対応に加わることで、問合せに円滑に対応できることです。
関連キーワード: 問い合わせ対応、FAQ、利用者教育、ナレッジ共有、業務継続
設問2(2)
問題文を見る本文中の下線⑤について、J課長が、V社プロジェクト責任者及びV社導入担当者に出席してもらうことにした目的は何か。40字以内で答えよ。
模範解答
営業活動への適合の観点での検討を踏まえてワークショップで説明してもらうため
解説
解答の導き方
-
問われているのは、事前検討会にV社のプロジェクト責任者と導入担当者を出席させる目的です。単に出席者を増やすことではなく、事前検討会と、その後のワークショップをどうつなげるかを考えます。
-
過去の失敗では、I社の営業活動に合うかを事前に検討せず、要件定義でSaaSの標準機能をそのまま説明した結果、営業担当者から「このシステムは使えない」という不満が出て、進捗が遅れました。したがって今回は、標準機能の説明を一方的に行うのではなく、営業活動への適合性を事前に検討しておく必要があります。
-
事前検討会では、標準機能の範囲内でパラメータ設定を工夫し、営業活動の柔軟性を確保できるかを検討します。V社の担当者にも出席してもらえば、その検討内容や営業活動上の懸念を踏まえたうえで、後のワークショップで機能を説明してもらえます。
-
つまり、V社の担当者に求めているのは、標準機能を一律に紹介することではありません。事前検討で確認した営業活動への適合性を踏まえて、ワークショップで説明してもらうことです。
誤りやすいポイント
- V社の担当者に出席してもらう目的を、単に「標準機能について説明してもらうため」と捉えないようにします。過去の失敗を繰り返さないため、事前検討の内容を踏まえた説明が重要です。
- 「パラメータ設定で営業活動の柔軟性を確保すること」は事前検討会で行う検討事項です。設問が問うているのは、その検討会にV社の担当者を出席させる目的です。
- M氏の教育マニュアル作成やQA対応力の向上は、事前検討会に関係する別の目的です。設問ではV社の担当者の出席目的に焦点を当てます。
FAQ
Q: V社の担当者は、事前検討会で何を検討するのでしょうか。
A: 標準機能の範囲内でパラメータ設定を工夫することにより、営業活動の柔軟性を確保できるかを検討します。
A: 標準機能の範囲内でパラメータ設定を工夫することにより、営業活動の柔軟性を確保できるかを検討します。
Q: パラメータ設定だけでは対応できない場合は、どうする計画ですか。
A: 標準機能への今後の改善要求として整理し、K役員に報告する計画です。
A: 標準機能への今後の改善要求として整理し、K役員に報告する計画です。
Q: なぜ事前検討会の内容をワークショップに引き継ぐ必要があるのですか。
A: 営業活動への適合性を踏まえた説明にすることで、標準機能の一方的な説明による不満や、要件定義の紛糾を避けるためです。
A: 営業活動への適合性を踏まえた説明にすることで、標準機能の一方的な説明による不満や、要件定義の紛糾を避けるためです。
関連キーワード: 要件定義、適合性評価、パラメータ設定、ワークショップ、ステークホルダマネジメント
設問2(3)
問題文を見る本文中の下線⑥について、本プロジェクトを円滑に進捗させるために、このような対応によって避けようとしたリスクは何か。25字以内で答えよ。
模範解答
ワークショップで要件定義が遅延するリスク
解説
解答の導き方
-
下線⑥では、ワークショップの前に、新CRMの標準機能の範囲内でパラメータ設定を工夫し、営業活動の柔軟性を確保できるか検討しています。標準機能をカスタマイズしない方針のまま、営業担当者の懸念に対応する方法をあらかじめ探す対応です。
-
避けようとしたリスクを考える手掛かりは、以前のSaaS導入の失敗です。その際は、営業活動への適合性を事前に検討せず、要件定義で標準機能を説明した結果、営業担当者から「このシステムは使えない」と不満が出て、紛糾し、進捗が大幅に遅延しました。
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今回も営業担当者は、標準機能をカスタマイズせずに利用すると営業活動に支障が出るのではないかと不信感をもっています。そこで、ワークショップの前にパラメータ設定で柔軟性を確保できるかを検討しておけば、ワークショップで不満が表面化して議論が紛糾し、要件定義が遅れる事態を避けやすくなります。
-
したがって、避けようとしたのは、ワークショップにおける営業担当者との議論が紛糾し、要件定義の進捗が遅れるリスクです。
誤りやすいポイント
- 避ける対象を「営業活動の柔軟性が失われること」とだけ捉えないようにします。下線⑥の検討は、その懸念に対応し、要件定義が遅れる事態を防ぐためのものです。
- 「カスタマイズを実施するリスク」とするのは適切ではありません。本文では、標準機能をカスタマイズせずに導入する方針が示されています。
- 教育マニュアルの完成遅延や、リリース後の問合せ集中と混同しないようにします。ここで問われているのは、ワークショップを含む要件定義段階での遅延リスクです。
FAQ
Q: なぜパラメータ設定を事前に検討するのですか?
A: 標準機能の範囲内で営業活動の柔軟性を確保できるかを確認し、ワークショップで不満や議論が集中するのを避けるためです。
A: 標準機能の範囲内で営業活動の柔軟性を確保できるかを確認し、ワークショップで不満や議論が集中するのを避けるためです。
Q: 避けようとしたのは、ワークショップ自体の開催が遅れるリスクですか?
A: 直接の焦点は、ワークショップで要件定義が紛糾し、その進捗が遅れるリスクです。
A: 直接の焦点は、ワークショップで要件定義が紛糾し、その進捗が遅れるリスクです。
関連キーワード: 要件定義、SaaS、パラメータ設定、ステークホルダマネジメント、リスク対応
設問2(4)
問題文を見る本文中の下線⑦について、J課長が、M氏にこのような指示をする目的は何か。25字以内で答えよ。
模範解答
トレーニングの開始が遅れないようにするため
解説
解答の導き方
-
まず、M氏の役割を確認します。M氏は「教育マニュアル作成・QA対応」の主担当です。教育マニュアルは営業担当者が新CRMを利用する際の手引きであり、M氏が新CRMを理解していなければ、作成に時間がかかるおそれがあります。
-
次に、K役員から指摘された過去の失敗を確認します。営業管理部の担当者が営業系システムの理解に時間を要した結果、教育マニュアルの完成が遅れ、営業所の営業担当者へのトレーニング開始も遅れました。つまり、システムへの理解不足が、マニュアル作成を通じてトレーニングの遅れにつながったということです。
-
そこでJ課長は、ワークショップと事前検討会の機会を使って、M氏に新CRMへの理解を深めてもらおうとしています。「以降のスケジュールに影響が出ないように」という指示もあるため、マニュアル作成が遅れてトレーニング開始に影響する事態を防ぐことが目的です。
誤りやすいポイント
- M氏がQA対応を担当する点だけに注目し、問合せへの対応を円滑にすることを目的として答えてしまうことがあります。ここでは、教育マニュアル作成の遅れとトレーニング開始の遅れを結び付けて考えます。
- 「新CRMへの理解を深めること」だけを答えると、指示の手段を述べたにとどまり、何を防ぐためかが不明確になります。
- 目的を広く「プロジェクトの遅延防止」とするのではなく、過去の失敗と結び付くトレーニング開始の遅れに絞ることが大切です。
FAQ
Q: なぜM氏に新CRMの理解を深めてもらう必要があるのですか?
A: M氏が教育マニュアル作成の主担当だからです。新CRMへの理解が浅いままだと、マニュアル作成に時間がかかり、トレーニング開始が遅れるおそれがあります。
A: M氏が教育マニュアル作成の主担当だからです。新CRMへの理解が浅いままだと、マニュアル作成に時間がかかり、トレーニング開始が遅れるおそれがあります。
Q: なぜワークショップと事前検討会を活用するのですか?
A: 新CRMを確認し、理解を深める機会をあらかじめ設けることで、後のマニュアル作成やトレーニングの予定に影響が出るのを防ぐためです。
A: 新CRMを確認し、理解を深める機会をあらかじめ設けることで、後のマニュアル作成やトレーニングの予定に影響が出るのを防ぐためです。
Q: QA対応力を高めることも、この指示の目的ですか?
A: QA対応力の向上は別の活動で扱われています。この指示では、M氏の理解を早め、教育マニュアル作成を遅らせないことが中心です。
A: QA対応力の向上は別の活動で扱われています。この指示では、M氏の理解を早め、教育マニュアル作成を遅らせないことが中心です。
関連キーワード: 教育マニュアル、利用者トレーニング、知識共有、スケジュール管理
設問2(5)
問題文を見る本文中の下線⑧について、J課長が、本プロジェクトでの重要な作業を考慮してV社とW社間の情報共有会を実施することにした目的は何か。25字以内で答えよ。
模範解答
新CRMへのデータ移行を滞りなく進めるため
解説
解答の導き方
-
下線⑧は、V社とW社の関係者を集める情報共有会の目的を問うています。出席者は、V社のプロジェクト責任者と導入担当者、現CRM及び基幹システムの開発・保守責任者であるW社のX主任です。
-
本文には、「現CRMから新CRMへのデータ移行にはW社の協力が必要」とあります。つまり、新CRMを導入するV社側と、現CRMなどを担当してきたW社側の連携が、プロジェクトの重要な作業であるデータ移行に必要です。
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そのため、情報共有会は、両社の関係者が必要な情報を共有し、データ移行の作業を円滑に進めることを目的としていると考えられます。設問は会を実施する目的を尋ねているので、「新CRMへのデータ移行を滞りなく進めるため」とまとめます。
誤りやすいポイント
- 情報共有会の目的を、一般的な「関係者間の連携強化」だけで答えると、本文に示された重要な作業が反映されません。
- W社が新CRMを導入する、と取り違えないようにします。新CRMにはV社のSaaSを採用し、W社にはデータ移行への協力が必要です。
- 問われているのは会議の開催方法や頻度ではなく、データ移行に関して会を開く目的です。
FAQ
Q: なぜV社とW社の両方が情報共有会に出席するのですか?
A: 新CRMを担当するV社と、現CRMなどを担当してきたW社の協力が、現CRMから新CRMへのデータ移行に必要だからです。
A: 新CRMを担当するV社と、現CRMなどを担当してきたW社の協力が、現CRMから新CRMへのデータ移行に必要だからです。
Q: 「適切なタイミングで」実施することは、目的とどう関係しますか?
A: データ移行の作業に必要な情報を、必要な時期に関係者間で共有し、作業の停滞を防ぐことにつながります。
A: データ移行の作業に必要な情報を、必要な時期に関係者間で共有し、作業の停滞を防ぐことにつながります。
関連キーワード: データ移行、情報共有、ステークホルダ、コミュニケーション計画、ベンダー調整



