プロジェクトマネージャ 2024年 午後1 問01
顧客体験価値(以下、UXという)を提供するシステム開発プロジェクトに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
P社はレストラン予約のサービス事業を展開しており、サービスを提供するシステムは自社で開発している。サービスの利用者には無償の基本サービスと有償の付加サービスを提供している。付加サービスでは、様々な条件で検索できたり、口コミの投稿・閲覧ができたり、特別メニューを選択できたりする。これまで提供情報の種別・量や検索手段を増やすことで、付加サービスの利用者(以下、ロイヤルユーザーという)を開拓してきた。しかし近年、付加サービスの利用をやめて、ロイヤルユーザーから基本サービスの利用者(以下、無償ユーザーという)に戻る利用者が増えてきた。P社の経営層はこの事態に危機感を抱き、早急に対策をとるために、営業部門のQ課長とIT部門のR課長に状況の分析を指示した。
〔状況の分析と対策〕
Q課長とR課長はサービスの利用者にインタビューした。付加サービスの利用をやめた無償ユーザーへのインタビューでは、“自分には付加サービスは対価に見合うサービスではなかった。例えば、Webサービスに慣れていないので、様々なボタンを押したり、いろいろな情報を入力したりすることができず、希望するレストランが見つけられなかった。また、検索から予約までの合計の時間が掛かるので使いにくかった。レストランを探す際に口コミを見てもどこが良いか分からないし、また、口コミを自分では投稿しない。自分に限らず、多少のお金を支払ってでも良いレストランを探したい人は多いので、対価に見合うサービスを提供してほしい。”といった意見が多かった。一方、ロイヤルユーザーへのインタビューでは、時間を掛けてレストランを探したり、口コミの投稿・閲覧をしたり、特別メニューを利用したりする体験が高く評価されていた。
Q課長とR課長は収集したインタビュー結果などから、次のような分析をした。
・Webサービスを使い慣れていない利用者と、希望に合ったレストランを簡単に探したい利用者には、付加サービスのUXは適合しない。
・付加サービスの利用後にUXが対価に見合わないと感じて利用をやめる利用者が増加した。このような利用者に再度有償のサービスを利用してもらうためには、付加サービスとは異なる新たなUXを提供し、そのUXを対価に見合う価値にする必要がある。
・有償のサービスでは、UXを対価に見合う価値にすることが重要なので、有償のサービスを提供するシステムはUXを明確に定義して開発する必要がある。
・無償ユーザーのうち、付加サービスのUXに関心がない利用者も、有償のサービスで対価に見合うUXが提供される場合は、有償のサービスを新規に利用する可能性が高い。
この分析に基づき、P社の経営層は事業拡大のために“複雑な操作をせずに、希望するレストランがお勧めされ、すぐに予約できる。”というUXを定義した。そして、このUXを提供する新たな有償のサービス(以下、簡単サービスという)を開始することで、より多くの簡単サービスの利用者(以下、廉価ユーザーという)の獲得を目指すことを決定した。P社は簡単サービスを提供するシステムを開発するプロジェクトを立ち上げ、R課長がプロジェクトマネージャ(PM)に任命された。
〔UX実現の検討方針〕
R課長は簡単サービスで十分な品質のUXを提供することが重要であると考え、次のUX実現の検討方針でプロジェクト計画を作成することにした。
・様々な利用者が対価に見合う価値であると感じるUXを実現し、より多くの廉価ユーザーを獲得して事業を拡大する。そのために、UXに対して品質の指標を設定し、十分な品質を確保するように、要件定義、設計及びテストを実施する。
・経営層の危機感を踏まえて、サービス開始の目標期限を設定し、予測型開発アプローチでシステムを開発する。ただし、廉価ユーザーは新たな利用者層であることから期待やニーズを一挙には把握できないので、複数回にわたって把握する。
・要件定義では、簡単サービスのUXに対してこれまでの付加サービスの固定観念にとらわれない新たな期待やニーズを多面的に把握し、簡単サービスで十分な品質が確保できるようにする。
・実装内容がUXに適合しているかどうか、及び実現するUXが対価に見合う価値であるかどうかを、簡単サービスのUXに理解を示している利用者が設計、テストの各段階で繰り返し検証する。
・要件定義、設計及びテストでは利用者の参加が必要なので、各段階で行うニーズなどの提示及び内容の検証にふさわしい利用者を、プロジェクトの協力者として営業部門を通じて募る。
〔要件定義に関するプロジェクト計画〕
UX実現の検討方針に従い、要件定義段階では、これまで付加サービスの利用がなく、かつ、利用回数が多い無償ユーザーのうち、次の二つの条件を満たす利用者を対象者として選定し、ヒアリングすることにした。
(i)Webサービスを使い慣れていない利用者
(ii)a
まず、ワイヤーフレームを見てもらって、実際の利用場面をイメージしながら、操作性、視認性、入力情報項目の量に対する許容度、レストラン選択の判断に使うお勧め情報項目に対するニーズ、及び利用者が意識する時間(以下、利用時間という)に関するニーズを提示してもらう。把握したニーズなどを分析し、実装する画面機能やレイアウト、入力情報項目、出力情報項目、及び利用時間を要件として定義する。
〔設計に関するプロジェクト計画〕
UX実現の検討方針に従い、設計段階では、簡易な条件入力画面とお勧め情報の表示画面のモックアップを使って、要件定義段階でのヒアリング対象者に操作性、視認性、表示項目などがUXに適合するかどうかを検証してもらうことにした。
〔結合テストに関するプロジェクト計画〕
R課長は、本番稼働環境に近い環境で結合テストを行う計画とした。結合テストでは、複数の機能が連携して設計どおりに動作するかどうか、実装内容が要件に対して適切なものであるかどうかを本番データに近い疑似的なレストランの予約データを用いてテストする。この作業は4週間で終了するが、UX実現の検討方針に従い、R課長は次の検証も結合テストで行うために、追加で1週間の期間を確保した。
・要件定義段階でのヒアリング対象者に、操作性・視認性を含む実装内容がUXに適合するかどうかを検証してもらう。
・上記の対象者に加え、付加サービスの利用を今はやめている無償ユーザーにも結合テストに参加してもらい、ある内容を検証してもらう。
〔総合テストに関するプロジェクト計画〕
UX実現の検討方針に従い、総合テストでは、結合テストまでのテスト参加者に加え、簡単サービスのUXに関心がある無償ユーザーにも参加してもらい、簡単サービスのUXが対価に見合う価値であるかどうかの検証と、UXに対するニーズなどの追加提示をしてもらう。追加提示されたニーズなどは精査の上対応する改修を行い、UXの品質が一定のレベル以上になったことを確認した上で、本番稼働させるスケジュールとする。
以上の整理を含め、R課長はプロジェクト計画を完成させた。
設問1:〔要件定義に関するプロジェクト計画〕について答えよ。
設問1(1)
問題文を見るR課長が、ヒアリングの対象者を、これまで付加サービスを利用したことがある無償ユーザーではなく、利用したことがない無償ユーザーから選定した狙いを35字以内で答えよ。
模範解答
付加サービスの固定観念にとらわれない多面的なニーズを得る狙い
解説
解答の導き方
-
この設問は、なぜ要件定義のヒアリング対象者を、付加サービスを利用したことがある無償ユーザーではなく、利用したことがない無償ユーザーから選んだのかを問うています。対象者の利用経験の違いが、ヒアリングで得られる意見にどう影響するかを考えます。
-
本文では、簡単サービスについて「これまで付加サービスの固定観念にとらわれない新たな期待やニーズを多面的に把握」するとしています。つまり、既存の付加サービスを前提にせず、新たに提供するサービスに対する利用者の期待やニーズを把握することが狙いです。
-
付加サービスを利用したことがある人は、その操作方法や提供内容に慣れており、意見も既存サービスの使い方や評価に引きずられる可能性があります。一方、利用したことがない人から意見を聞けば、付加サービスの経験を前提としない、新たな視点のニーズを把握しやすくなります。
-
さらに、ヒアリングでは操作性や視認性だけでなく、入力情報項目の量、お勧め情報項目、利用時間に関するニーズも確認します。利用経験のない人からも幅広く意見を得ることで、簡単サービスに必要な要件を多面的に捉えられます。
したがって、選定の狙いは、付加サービスの経験に基づく考え方に偏らず、新たなサービスに対する多様なニーズを得ることです。
誤りやすいポイント
- 「付加サービスをやめた人の不満を詳しく聞くため」と考えることです。この設問では、付加サービスの利用経験がない人を選ぶことで、既存サービスの考え方にとらわれないニーズを把握する点が重要です。
- 「Webサービスに慣れていない人を選ぶため」とだけ答えることです。それは対象者の条件の一つですが、今回問われているのは、付加サービスを利用したことがない人を選ぶ狙いです。
- 「簡単サービスの操作性を確認するため」と答えることです。操作性などの確認もヒアリングの内容ですが、利用経験のない人を対象にする理由とは区別して考える必要があります。
FAQ
Q: 付加サービスを利用したことがある人へのヒアリングは不要なのですか。
A: 不要という意味ではありません。ここでは、新しいサービスの期待やニーズを、既存の付加サービスの考え方に偏らず把握するために、利用経験のない人を対象にしています。
A: 不要という意味ではありません。ここでは、新しいサービスの期待やニーズを、既存の付加サービスの考え方に偏らず把握するために、利用経験のない人を対象にしています。
Q: 利用回数が多い無償ユーザーを選ぶのはなぜですか。
A: レストラン予約サービスをよく利用している人から、予約時に必要なことや使いにくさなど、実際の利用に基づく意見を得やすくするためです。
A: レストラン予約サービスをよく利用している人から、予約時に必要なことや使いにくさなど、実際の利用に基づく意見を得やすくするためです。
Q: 「多面的に把握」とは、どのような観点でニーズを聞くことですか。
A: 本文では、操作性、視認性、入力情報項目の量、お勧め情報項目、利用時間などを挙げています。こうした複数の観点から、必要な要件を検討します。
A: 本文では、操作性、視認性、入力情報項目の量、お勧め情報項目、利用時間などを挙げています。こうした複数の観点から、必要な要件を検討します。
関連キーワード: UX、要件定義、利用者インタビュー、ユーザーニーズ、ユーザビリティ
設問1(2)
問題文を見るR課長は、ヒアリング対象者として、どのような条件を満たす利用者を選定したのか。本文中のaに入れる適切な利用者を30字以内で答えよ。
模範解答
希望に合ったレストランを簡単に探したい利用者
解説
解答の導き方
-
aに入るのは、(i)の「Webサービスを使い慣れていない利用者」とは別の条件です。したがって、(i)の言い換えではなく、簡単サービスで実現するUXに関係する、もう一つの利用者像を考えます。
-
本文の分析では、「希望に合ったレストランを簡単に探したい利用者」には付加サービスのUXが適合しないとされています。一方、新たに定義されたUXは「複雑な操作をせずに、希望するレストランがお勧めされ、すぐに予約できる。」というものです。
-
つまり、ヒアリング対象者には、Webサービスに不慣れな人だけでなく、自分の希望に合うレストランを簡単に見つけたい人も含める必要があります。したがって、aには「希望に合ったレストランを簡単に探したい利用者」が入ります。
誤りやすいポイント
- (i)の「Webサービスを使い慣れていない利用者」を、aにも重ねて書かないようにします。aは二つ目の条件です。
- 「レストランを探したい利用者」だけでは、希望との合致や簡単に探したいというニーズが表れません。
- 「良いレストランを探したい利用者」と一般化せず、本文にある「希望に合ったレストランを簡単に探したい」というニーズに沿って答えます。
FAQ
Q: なぜ「口コミを投稿したくない利用者」ではないのですか?
A: 口コミに関する意見は付加サービスへの評価に関するものです。この設問では、簡単サービスで実現するUXに関係する利用者の条件が問われています。
A: 口コミに関する意見は付加サービスへの評価に関するものです。この設問では、簡単サービスで実現するUXに関係する利用者の条件が問われています。
Q: 「希望に合ったレストラン」とは、どの記述から分かりますか?
A: 利用者の意見に「希望するレストランが見つけられなかった」とあり、定義されたUXにも希望するレストランをお勧めすることが含まれています。
A: 利用者の意見に「希望するレストランが見つけられなかった」とあり、定義されたUXにも希望するレストランをお勧めすることが含まれています。
Q: この条件をヒアリング対象者の選定に使うのはなぜですか?
A: 希望に合う店を簡単に探したい人のニーズを把握し、新しいUXの要件に反映するためです。
A: 希望に合う店を簡単に探したい人のニーズを把握し、新しいUXの要件に反映するためです。
関連キーワード: UX、要件定義、利用者ニーズ、ユーザーインタビュー、ワイヤーフレーム
設問1(3)
問題文を見るR課長は、利用時間に関するニーズとして、何の時間に関するニーズを収集したのか。20字以内で答えよ。
模範解答
検索から予約までの合計の時間
解説
解答の導き方
設問は、要件定義で利用者から集める「利用時間」に関するニーズが、どの時間についてのものかを尋ねています。
まず、付加サービスの利用をやめた利用者の意見には、「検索から予約までの合計の時間が掛かるので使いにくかった」とあります。ここから、利用者が問題に感じていたのは、検索や予約の一つの操作にかかる時間だけではなく、レストランを探して予約するまでの全体の時間だと分かります。
さらに、要件定義では、実際の利用場面をイメージしてもらい、「利用者が意識する時間」に関するニーズを聞き取る計画です。したがって、聞き取るのはシステムの応答時間だけではなく、利用者が検索を始めてから予約を完了するまでに感じる時間です。
誤りやすいポイント
- システムの応答時間だけを答えないようにします。設問は、利用者がサービスの利用場面で意識する時間について尋ねています。
- レストランを探す時間だけに限定しないようにします。本文では、検索から予約までの合計の時間が使いにくさの理由として挙げられています。
- 予約操作にかかる時間だけに限定しないようにします。検索から予約までの一連の流れを捉える必要があります。
FAQ
Q: 画面の表示速度やシステムの応答時間も関係しますか?
A: 利用者が感じる時間に影響する要素ではありますが、この設問で求められているのは検索から予約までの一連の利用時間です。
A: 利用者が感じる時間に影響する要素ではありますが、この設問で求められているのは検索から予約までの一連の利用時間です。
Q: なぜ検索から予約までの時間を聞き取るのですか?
A: 利用者がそのサービスを使いやすいと感じるかどうかに、目的を達成するまでの時間が関係するためです。
A: 利用者がそのサービスを使いやすいと感じるかどうかに、目的を達成するまでの時間が関係するためです。
Q: 利用者の時間に関するニーズは、どの段階で把握しますか?
A: 要件定義の段階で、ワイヤーフレームを見ながら実際の利用場面をイメージしてもらい、聞き取ります。
A: 要件定義の段階で、ワイヤーフレームを見ながら実際の利用場面をイメージしてもらい、聞き取ります。
関連キーワード: UX、要件定義、ユーザーニーズ、ユーザビリティ、ユーザーインタビュー
設問2:
問題文を見る〔設計に関するプロジェクト計画〕について、R課長が、検証してもらうために、要件定義段階でのヒアリング対象者を再度選定した狙いは何か。35字以内で答えよ。
模範解答
UXに理解を示している利用者に設計内容を検証してもらう狙い
解説
解答の導き方
-
設問は、設計段階で要件定義段階のヒアリング対象者を再度選ぶ狙いを尋ねています。対象者を選び直す理由は、設計段階で何を検証してもらう計画なのかから考えます。
-
UX実現の検討方針には、簡単サービスのUXに理解を示している利用者が、設計やテストの各段階で繰り返し検証するとあります。つまり、単に画面の使いやすさを評価してもらうのではなく、実装内容が目指すUXに合っているかを確かめてもらう必要があります。
-
設計段階では、モックアップを使い、操作性や視認性、表示項目などがUXに適合するかを検証してもらいます。そのため、簡単サービスで実現したいUXを理解している利用者に、設計内容を確かめてもらうことが狙いです。
誤りやすいポイント
- 「操作性や視認性を評価してもらうこと」だけを答えると、検証の狙いではなく検証項目の説明にとどまります。大切なのは、それらを通じて設計内容がUXに適合するかを確かめることです。
- 要件定義段階と設計段階で同じ対象者に参加してもらうことだけを狙いと考えないようにします。本文では、UXに理解を示している利用者による各段階での検証が重視されています。
- 「利用者のニーズを新たに集めること」を主な狙いとするのも適切ではありません。設計段階では、モックアップの内容がUXに合っているかを検証します。
FAQ
Q: なぜ設計段階でも利用者に確認してもらうのですか?
A: モックアップの段階で、画面の操作性や表示内容が目指すUXに合っているかを確かめ、実装後のずれを防ぐためです。
A: モックアップの段階で、画面の操作性や表示内容が目指すUXに合っているかを確かめ、実装後のずれを防ぐためです。
Q: 要件定義段階のヒアリング対象者に限る必要がありますか?
A: この計画では、UXを理解した利用者に設計段階でも検証してもらうため、要件定義段階の対象者を再度参加させています。
A: この計画では、UXを理解した利用者に設計段階でも検証してもらうため、要件定義段階の対象者を再度参加させています。
Q: 設計段階で検証するものは、画面の見やすさだけですか?
A: いいえ。操作性や視認性に加え、表示項目なども含めて、設計内容がUXに適合するかを検証します。
A: いいえ。操作性や視認性に加え、表示項目なども含めて、設計内容がUXに適合するかを検証します。
関連キーワード: UX、ユーザビリティ、モックアップ、要件定義、ユーザー参加型設計
設問3:〔結合テストに関するプロジェクト計画〕について答えよ。
設問3(1)
問題文を見るR課長は、操作性・視認性がUXに適合するかどうかを、設計段階だけでなく、結合テスト段階でも検証する計画としたのはなぜか。25字以内で答えよ。
模範解答
・本番稼働環境に近い環境での検証が必要だから
・疑似的な予約データでの検証が必要だから
解説
解答の導き方
-
設計段階では、簡易な画面のモックアップを使い、操作性や視認性、表示項目がUXに適合するかを確認します。ここでは、画面の見た目や操作のイメージを中心に検証できます。
-
一方、結合テストでは「本番稼働環境に近い環境」で複数の機能を連携させて確認します。また、「本番データに近い疑似的なレストランの予約データ」を使います。つまり、設計段階のモックアップだけでは確認しにくい、実際の機能が連携した状態での操作性や視認性を評価できます。
-
画面の使いやすさや情報の見やすさは、実際の機能やデータを使ったときに、モックアップでの印象と異なる可能性があります。そのため、設計段階だけでなく、本番に近い環境とデータで改めて検証する必要があります。
誤りやすいポイント
- 「UXの品質を高めるため」のように、目的だけを述べて具体的な理由を示さないこと。
- 結合テストの目的を、機能間の連携確認だけに限定すること。この設問では、利用者が操作性・視認性を検証する理由を問われています。
- 設計段階のモックアップで確認できることと、結合テストで確認できることを同じだと考えること。本番に近い環境やデータを使う点が、結合テストで検証する理由になります。
FAQ
Q: 設計段階と結合テスト段階では、UXの何が違って見えるのですか?
A: 設計段階ではモックアップを使って画面や操作の案を確認します。結合テストでは、機能が連携し、実際に近いデータが表示される状態で検証するため、利用時の操作性や視認性をより具体的に評価できます。
A: 設計段階ではモックアップを使って画面や操作の案を確認します。結合テストでは、機能が連携し、実際に近いデータが表示される状態で検証するため、利用時の操作性や視認性をより具体的に評価できます。
Q: どのような環境やデータで検証する計画ですか?
A: 本番稼働環境に近い環境を用い、本番データに近い疑似的なレストランの予約データを使います。
A: 本番稼働環境に近い環境を用い、本番データに近い疑似的なレストランの予約データを使います。
関連キーワード: UX、ユーザビリティ、視認性、結合テスト、モックアップ、テストデータ
設問3(2)
問題文を見るR課長が、結合テストで、付加サービスの利用を今はやめている無償ユーザーに検証してもらう内容は何か。25字以内で答えよ。
模範解答
UXが対価に見合う価値であるかどうか
解説
解答の導き方
-
まず、付加サービスの利用をやめた無償ユーザーが、なぜ利用をやめたのかを確認します。インタビューでは「対価に見合うサービスではなかった」という意見が多くありました。つまり、この利用者層が感じていた問題は、有償サービスの価値が支払う対価に見合っていないことです。
-
P社は、この利用者層にも再び有償サービスを利用してもらうため、付加サービスとは異なるUXを提供する簡単サービスを計画しています。そのため、新しいサービスのUXが対価に見合う価値になるかどうかを確かめる必要があります。
-
結合テストでは、要件定義段階のヒアリング対象者に、操作性・視認性を含む実装内容がUXに適合するかを検証してもらいます。それに加えて、付加サービスの利用をやめた無償ユーザーにも参加してもらいます。過去に有償サービスを対価に見合わないと感じた人の視点から、新しいUXが支払う対価に見合うかを確かめるためです。
誤りやすいポイント
- 操作性・視認性がUXに適合するかという検証と、UXが対価に見合う価値かという検証を混同しないようにします。前者は要件定義段階のヒアリング対象者に確認してもらう内容として示されています。
- 結合テストでの機能連携や設計どおりの動作だけに注目すると、追加で参加する無償ユーザーに何を検証してもらうのかを見落とします。
- 問われているのは、サービスの料金を変更すべきかどうかではありません。新たに提供するUXが、支払う対価に見合う価値かどうかです。
FAQ
Q: なぜ、付加サービスの利用をやめた無償ユーザーにも参加してもらうのですか?
A: 有償サービスを対価に見合わないと感じた経験があるため、新たなUXが対価に見合う価値かを確認するのに適した利用者だからです。
A: 有償サービスを対価に見合わないと感じた経験があるため、新たなUXが対価に見合う価値かを確認するのに適した利用者だからです。
Q: 操作性や視認性の検証と、対価に見合う価値かの検証は同じですか?
A: 同じではありません。操作性や視認性は実装内容がUXに適合するかの確認に関わり、対価に見合う価値かは利用者が感じるUXの価値を確かめるものです。
A: 同じではありません。操作性や視認性は実装内容がUXに適合するかの確認に関わり、対価に見合う価値かは利用者が感じるUXの価値を確かめるものです。
Q: 対価に見合うかどうかの検証は、総合テストだけで行うのですか?
A: いいえ。結合テストでも利用者に検証してもらい、総合テストではさらに簡単サービスのUXに関心がある無償ユーザーにも参加してもらいます。
A: いいえ。結合テストでも利用者に検証してもらい、総合テストではさらに簡単サービスのUXに関心がある無償ユーザーにも参加してもらいます。
関連キーワード: UX、ユーザーニーズ、ユーザビリティテスト、結合テスト、価値検証
設問4:〔総合テストに関するプロジェクト計画〕について答えよ。
設問4(1)
問題文を見るR課長が、簡単サービスのUXに関心がある無償ユーザーにも総合テストに参加してもらった事業上の狙いを25字以内で答えよ。
模範解答
より多くの廉価ユーザーを獲得する狙い
解説
解答の導き方
- 設問が問うているのは、無償ユーザーにテストで確認してもらう内容ではなく、総合テストに参加してもらう事業上の狙いです。したがって、テストでの検証目的と、事業として目指す成果を分けて考えます。
- 総合テストの参加者には、「簡単サービスのUXに関心がある無償ユーザー」も含まれます。簡単サービスに関心がある無償ユーザーは、今後、有償サービスである簡単サービスを利用する可能性がある層です。
- さらに、本文では簡単サービスについて、「より多くの簡単サービスの利用者(以下、廉価ユーザーという)の獲得を目指す」としています。つまり、この層にも参加してもらう事業上の狙いは、簡単サービスの利用者を増やすことです。
誤りやすいポイント
- 総合テストで行う「UXが対価に見合う価値であるかどうかの検証」を、事業上の狙いとして答えてしまうことです。これはテストの目的であり、設問が問う事業上の狙いとは異なります。
- 「UXに対するニーズなどの追加提示」を答えることです。これも総合テストで参加者にしてもらう内容であり、参加者を募る事業上の狙いではありません。
- 無償ユーザーが参加する理由を、既存のロイヤルユーザーの維持と捉えることです。簡単サービスは、より多くの利用者を新たに獲得するためのサービスです。
FAQ
Q: なぜ簡単サービスに関心がある無償ユーザーを総合テストに参加させるのですか?
A: 簡単サービスを利用する可能性がある層に参加してもらうことで、将来の有償利用者の獲得につなげるためです。
A: 簡単サービスを利用する可能性がある層に参加してもらうことで、将来の有償利用者の獲得につなげるためです。
Q: 「UXが対価に見合う価値か」の確認は、設問の答えにならないのですか?
A: それは総合テストで行う検証内容です。この設問は、参加させることによって事業として何を目指すのかを尋ねています。
A: それは総合テストで行う検証内容です。この設問は、参加させることによって事業として何を目指すのかを尋ねています。
Q: ここでいう廉価ユーザーとは、どのような利用者ですか?
A: 簡単サービスの利用者を指します。本文では、簡単サービスの利用者を「廉価ユーザー」と定義しています。
A: 簡単サービスの利用者を指します。本文では、簡単サービスの利用者を「廉価ユーザー」と定義しています。
関連キーワード: UX、ユーザー獲得、ユーザー参加型テスト、顧客ニーズ
設問4(2)
問題文を見るR課長が、総合テストでもUXに対するニーズなどの追加提示をしてもらった理由は何か。35字以内で答えよ。
模範解答
・廉価ユーザーのニーズなどを複数回にわたって把握する必要があるから
・本番稼働させるにはUXの品質を一定のレベル以上にする必要があるから
解説
解答の導き方
-
設問は、総合テストでも利用者にニーズなどを追加提示してもらう理由を尋ねています。まず、ニーズを複数回確認する必要があるかを考えます。
-
検討方針には、廉価ユーザーは「新たな利用者層」であり、期待やニーズを「一挙には把握できない」とあります。そのため、要件定義段階で確認しただけでは十分とは限らず、後の段階でもニーズを把握する必要があります。総合テストでの追加提示は、このように複数回にわたってニーズを把握するためです。
-
次に、追加されたニーズをその後どう扱うかを確認します。総合テストでは、提示されたニーズなどを精査して改修し、「UXの品質が一定のレベル以上になったことを確認」してから本番稼働させます。つまり、追加のニーズを確認することは、UXを改善し、本番稼働に必要な品質に達しているかを確かめることにもつながります。
誤りやすいポイント
- ニーズの追加提示を求める理由を、単に「利用者の意見を聞くため」とだけ捉えないようにします。新たな利用者層の期待やニーズを一度で把握できないため、複数回確認するという方針が根拠です。
- ニーズを追加で集めることだけを理由にせず、その後の精査・改修を経て、一定以上のUX品質を確認してから本番稼働させる点も押さえます。
- 提示されたニーズをすべて採用するという意味ではありません。本文では、ニーズを精査した上で改修するとしています。
FAQ
Q: 要件定義でニーズを確認しているのに、総合テストでも確認するのはなぜですか?
A: 新たな利用者層の期待やニーズは一度に把握できないため、開発の後の段階でも確認する必要があるからです。
A: 新たな利用者層の期待やニーズは一度に把握できないため、開発の後の段階でも確認する必要があるからです。
Q: 総合テストで追加されたニーズは、すべて改修に反映するのですか?
A: すべてを反映するとは限りません。内容を精査した上で、必要な改修を行います。
A: すべてを反映するとは限りません。内容を精査した上で、必要な改修を行います。
Q: ニーズの追加確認は、本番稼働とどう関係しますか?
A: 必要な改修を行い、UXの品質が一定のレベル以上になったことを確認してから本番稼働させるためです。
A: 必要な改修を行い、UXの品質が一定のレベル以上になったことを確認してから本番稼働させるためです。
関連キーワード: UX、ユーザーニーズ、総合テスト、品質保証、要件定義



