プロジェクトマネージャ 2012年 午後1 問01
外部設計の状況確認に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。
金融機関のA社は、支店の営業活動に使用する営業情報を提供するシステムを構築するために、今年の1月にプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトでは、翌年1月の稼働開始に向けて、図1のスケジュールに従って作業を進めており、現在はプロジェクト計画を策定している。利用部門である支店を統括する営業部は、外部設計を行う3月及び4月が繁忙期に当たる。プロジェクトマネージャであるA社情報システム部のB課長は、外部設計の中で営業部の意向を十分に組み入れて合意形成ができるかどうかがプロジェクトの成否につながると考え、この点に特に留意して、外部設計の進め方を検討することにした。

〔外部設計の進め方〕
外部設計は情報システム部が主体となって行う。また、内部設計から結合テストまでを請負契約で委託する予定のX社から、要員2名が委任契約で外部設計にも参加することで、A社の要員不足を補う。B課長の部下のC主任から、外部設計の進め方について次の原案が示された。
・要件定義を基に業務面での仕様を整理した上で、設計作業を行う。
・A社の開発標準には、“内容を熟知し、適切な意見を出すことのできるレビューアが各レビューに必ず参加する”というレビューに関するルールがあるので、外部設計のレビューには、業務を熟知した営業部のメンバが必ず参加する。
・各業務の関連性及び規模を考慮して、DチームとEチームの2チーム構成とする。チーム間の整合性を確保するには、両チームが共同で成果物のレビューをすることが望ましいが、効率を重視したいので、レビューはチームごとに行い、レビュー結果は他チームに電子メールで伝達する。
C主任の原案に対してB課長は、レビュー結果を電子メールで伝達するだけではチーム間の連携が不足し、設計内容の確認が不十分になることをおそれ、両チーム及び営業部による複数回のウォークスルーを実施することにした。また、営業部のレビューアの大半は、業務を熟知しているが責任者ではない。そこで、B課長は、aに関して組織として責任をもってもらうために、bを交えた外部設計の最終確認会を、内部設計の開始前に開催することにした。
〔外部設計の状況確認の計画〕
B課長は、外部設計を予定どおり終えるには、プロジェクトの状況を的確に把握し、問題がある場合は早めに対処することが重要であると考えた。そこで、開発標準の終了判定基準に従って、“設計品質の状況”、“問題の解決状況”及び“スコープの変動状況”の三つの観点から外部設計の状況を3月中旬に確認する計画とした。
〔設計品質の状況〕
B課長が、3月中旬に、外部設計の状況を確認した結果は次のとおりである。
開発標準では外部設計に関して、レビューへの投入時間と指摘件数の基準値をプロジェクトごとに設定した上で設計品質を評価し、必要な品質向上対策を実施することを規定している。B課長は、類似プロジェクトの実績を基に、各成果物の1ページ当たりの許容投入時間の下限を3分、1ページ当たりの許容指摘件数の下限を0.16件、上限を0.24件とする基準値を設定していた。また、外部設計の各成果物は難易度に差がないので同じ基準値を適用することとしていた。B課長は、成果物の中で3月中旬までに完成した分の画面定義書、入力チェック仕様書及び帳票定義書のレビュー状況を確認した。確認結果を表1に示す。

B課長は、表1中の網掛け部分に着目し、各チームのリーダに説明を求めた。
Dチームのリーダは、“画面定義書については、対象業務全般を熟知したメンバが作成に関与したので、指摘も少なく、短時間でレビューできたものと評価し、特段の対策は不要と考えた”と説明した。B課長は、基準値の考え方からすると、画面定義書だけ短時間でレビューできた理由の分析が不足していると考えた。そこで、Dチームのリーダに確認したところ、画面定義書のレビューを短時間で行えたのは、類似する画面が多かったので、複数の画面をまとめてレビューできたからであるということが分かった。
一方、Eチームのリーダは、“帳票定義書については、業務を熟知した営業部のレビューアが多忙で、ほとんどのレビューに都度異なる代役が参加したので、その場で意思決定ができなかった。営業部での意見の調整後、再度レビューが必要となったのでレビューへの投入時間が増えてしまった。また、意見を調整した結果、取下げとなった指摘も誤って件数に含めていた。それを除けば許容範囲内である”と説明した。B課長は、Eチームのリーダに指摘件数の再集計及び品質評価のやり直しを指示し、その結果、帳票定義書の設計品質に問題がないことを確認した。また、開発標準のレビューに関するルールが守られずにこのような事態を招いたことへの対策として、“外部設計でのcを向上させるために、レビューのルールを守るよう徹底してもらいたい”と営業部長に申し入れた。
更にB課長は、指摘内容にも着目し、①外部設計のレビューにおける、要件定義の内容に起因する指摘の発生状況が、類似プロジェクトの実績と同程度であることを確認し、現時点では、要件定義工程に遡るような作業を行う必要はないと考えた。
〔問題の解決状況〕
3月中旬の時点で、外部設計に関する次の二つの問題の解決に手間取っていた。
問題1:DチームとEチームに共通する月次処理に関わる問題である。営業部での意見の取りまとめが必要だが、取りまとめ役が多忙で方針が確定できない。
問題2:Dチームの担当業務の一部(以下、業務D1という)に特化した問題である。検討の中核となる営業部のメンバが急きょ約2週間、海外に出張することになり、検討が内部設計の期間に1週間程度、ずれ込みそうである。
B課長は、営業部長に体制強化を申し入れた。また、②問題1による遅れを極力抑えるために、作業順序を工夫するよう両チームに指示した。一方、問題2は業務D1に特化したものなので、内部設計が終わるまでに遅れをばん回できるように業務D1のスケジュールを見直した上で、体制面の調整が可能かどうかX社に確認した。その結果、“要員はひっ迫しているが、何とか対応できる”との回答がX社から得られた。
〔スコープの変動状況〕
3月中旬の時点で、次のようなスコープの変動が発生していた。
ある照会画面(以下、画面Fという)の項目について、要件定義では前月末時点の情報を表示する仕様であったが、外部設計のレビューにおいて、前日時点の情報を表示したいという変更要望が営業部から出されていた。B課長も加わって対応方法を検討したところ、基幹系システムから約30種類のデータを受け取り、日次でマスタファイルを更新するプロセスを新規に構築する必要があることが分かった。X社の見積りでは、内部設計以降の総工数が予算策定時の想定工数を20%超える見込みとなった。
B課長はX社の見積結果を精査した上で、営業部に対して、画面Fの変更要望への対応についての優先度を判断するための情報の提供を求めた。また、X社の開発要員の供給力を考えると、スケジュールどおり画面Fの変更要望に対応するのは難しいと判断し、B課長は、画面Fの取扱いについて営業部と調整することにした。
設問1:〔外部設計の進め方〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見るB課長は、設計内容についての、どのような点での確認が不十分となることをおそれたのか。25字以内で述べよ。
模範解答
・他チームが担当する業務との整合性
・他チームが担当する業務とのインタフェース
解説
解答の導き方
-
外部設計は、業務の関連性や規模を考慮してDチームとEチームに分けて進めています。したがって、成果物の内容が各チーム内で正しいかだけでなく、チームの担当範囲をまたぐ部分も確認する必要があります。
-
C主任の原案では、レビューをチームごとに行い、その結果を他チームに電子メールで伝えることになっていました。これに対してB課長は、「チーム間の連携が不足し、設計内容の確認が不十分になること」を懸念しています。つまり、レビュー結果を伝えるだけでは、両チームの設計内容を突き合わせて確認する機会が不足すると考えたのです。
-
そのため、確認すべきなのは、他チームが担当する業務とのつながりです。具体的には、業務同士の内容に矛盾がないかという「整合性」や、業務間で情報や処理を受け渡す「インタフェース」が適切かどうかが該当します。どちらも、チームごとに分けたレビューだけでは見落としやすい点です。
誤りやすいポイント
- 「チーム間の連携不足」とだけ答えると、確認が不十分になる具体的な対象が示されていません。連携によって確認する設計内容まで述べることが大切です。
- レビューの回数や方法を答える問題ではありません。複数回のウォークスルーは対策であり、問われているのは設計内容のどの点を確認するかです。
- 設計品質全般や要件定義との整合性ではなく、チーム間で担当する業務同士の関係に焦点を当てます。
FAQ
Q: 「業務の整合性」と「インタフェース」は、両方とも解答に含める必要がありますか?
A: どちらもチーム間で確認すべき内容を表す解答例です。字数制限内で、どちらかを具体的に述べればよいです。
A: どちらもチーム間で確認すべき内容を表す解答例です。字数制限内で、どちらかを具体的に述べればよいです。
Q: なぜ電子メールでレビュー結果を共有するだけでは不十分なのですか?
A: 結果を伝えるだけでは、両チームが同じ場で設計内容を照らし合わせ、担当業務間の矛盾や受渡しの問題を確かめる機会が限られるためです。
A: 結果を伝えるだけでは、両チームが同じ場で設計内容を照らし合わせ、担当業務間の矛盾や受渡しの問題を確かめる機会が限られるためです。
Q: ウォークスルーは何のために実施するのですか?
A: 関係者が設計内容を一緒に確認し、チームをまたぐ業務のつながりや認識の違いを早い段階で見つけるためです。
A: 関係者が設計内容を一緒に確認し、チームをまたぐ業務のつながりや認識の違いを早い段階で見つけるためです。
関連キーワード: 外部設計、レビュー、ウォークスルー、業務間整合性、インタフェース
設問1(2)
問題文を見る本文中のaに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
a:・外部設計の内容
・レビュー結果
解説
解答の導き方
-
まず、B課長が最終確認会を設けた理由を確認します。本文では、営業部のレビューアについて「業務を熟知しているが責任者ではない」と説明されています。つまり、個々のレビューアは業務を理解していても、その意見だけでは営業部として正式に責任を負ったことにはなりません。
-
そこで、責任者を含めた確認会を行い、営業部として外部設計を確認し、合意する必要があります。確認対象の一つは、設計された機能や仕様が営業部の意向を反映しているかという、外部設計の内容です。
-
もう一つの対象は、その内容に対するレビューの結果です。レビューで出た指摘が適切に扱われ、未解決の問題が残っていないかも、組織として確認・責任を持つ必要があります。したがって、aには、外部設計の内容とレビュー結果の両方が入ります。
誤りやすいポイント
- 営業部のメンバがレビューに参加していることだけで、営業部として責任を持ったことになると考えること。本文では、レビューアの多くは責任者ではないため、組織としての確認が別途必要です。
- 確認対象を外部設計の内容だけに限定すること。設計内容に加えて、レビューでの指摘やその対応結果も確認の対象です。
- 「レビュー結果」を、レビューの指摘件数だけだと捉えること。ここでは、レビューで確認された内容や指摘への対応を含む結果として考えます。
FAQ
Q: 業務を熟知したレビューアが参加していれば、責任者を交えた確認会は不要ですか。
A: 不要とはいえません。業務知識があることと、営業部として正式に合意し責任を持つことは別だからです。
A: 不要とはいえません。業務知識があることと、営業部として正式に合意し責任を持つことは別だからです。
Q: 最終確認会を内部設計の開始前に行うのはなぜですか。
A: 外部設計の内容やレビュー結果に問題があれば、後続の内部設計に進む前に確認・調整できるためです。
A: 外部設計の内容やレビュー結果に問題があれば、後続の内部設計に進む前に確認・調整できるためです。
関連キーワード: 外部設計、レビュー、合意形成、承認、品質管理
設問1(3)
問題文を見る本文中のbに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
b:・営業部の責任者
・営業部長
解説
解答の導き方
-
本文では、営業部のレビューアについて「業務を熟知しているが責任者ではない」と説明しています。つまり、レビューアは業務上の内容を確認できますが、その場で営業部としての最終判断をしたり、組織として責任を負ったりする立場とは限りません。
-
そこでB課長は、外部設計の最終確認会を開き、「組織として責任をもってもらう」ことを考えています。会議に加えるべきなのは、営業部の意見を組織として判断し、責任をもてる立場の人です。
-
したがって、[b]には「営業部の責任者」が入ります。本文の状況では、その責任者に当たる具体的な役職は「営業部長」です。
誤りやすいポイント
- 業務に詳しいレビューアと、組織として判断・責任を負う人を同じものと考えないようにします。本文では、レビューアの大半は責任者ではないと明記されています。
- [b]は会議で確認する対象ではなく、会議に加える人を問うています。そのため、設計内容や合意事項ではなく、責任ある立場の参加者を答えます。
- 特定の役職名だけに限定せず、「営業部の責任者」という表現も、本文の状況に合っています。
FAQ
Q: 業務に詳しいレビューアだけでは、なぜ不十分なのですか。
A: 業務内容の確認はできても、営業部としての最終判断や責任を担う立場とは限らないためです。
A: 業務内容の確認はできても、営業部としての最終判断や責任を担う立場とは限らないためです。
Q: 「営業部の責任者」と「営業部長」のどちらで答えてもよいのですか。
A: どちらも適切です。「営業部の責任者」は立場を示し、「営業部長」はその具体例を示しています。
A: どちらも適切です。「営業部の責任者」は立場を示し、「営業部長」はその具体例を示しています。
Q: 最終確認会は、レビューと何が違うのですか。
A: レビューでは設計内容を確認し、問題点を指摘します。最終確認会では、責任者を交えて営業部としての確認や判断を行います。
A: レビューでは設計内容を確認し、問題点を指摘します。最終確認会では、責任者を交えて営業部としての確認や判断を行います。
関連キーワード: 外部設計、レビュー、合意形成、責任者確認、ウォークスルー
設問2:〔設計品質の状況〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見るB課長が、基準値の考え方からすると、画面定義書だけ短時間でレビューできた理由の分析が不足していると考えたのはなぜか。25字以内で述べよ。
模範解答
・各成果物に同じ基準値を適用しているから
・各成果物の難易度に差がないから
解説
解答の導き方
-
まず、画面定義書のレビュー結果が基準値のどこに当たるかを確認します。基準値では、1ページ当たりの許容投入時間の下限が3分、許容指摘件数の下限が0.16件です。一方、Dチームの画面定義書は投入時間が2.5分、指摘件数が0.12件で、どちらも下限を下回っています。
-
下限を下回ったからといって、レビューが効率的で品質も高かったとは限りません。レビューが十分でなかったために時間も指摘件数も少なかった可能性があるため、基準値から外れた理由を分析する必要があります。
-
ここで重要なのは、本文に「外部設計の各成果物は難易度に差がないので同じ基準値を適用する」とあることです。画面定義書だけ難易度が低く、ほかの成果物より短時間でレビューできた、という説明にはなりません。そのため、Dチームのリーダが述べた「対象業務全般を熟知したメンバが作成に関与した」という説明だけでは、基準値を下回った理由の分析として不足しています。
-
実際に確認したところ、複数の類似する画面をまとめてレビューしたことが短時間でレビューできた理由でした。このように、同じ基準値が適用される条件で基準値を外れた場合は、単にレビュー担当者の知識を挙げるだけでなく、レビューの進め方など、実際の原因を確認することが大切です。
誤りやすいポイント
- 投入時間と指摘件数が少ないことを、そのまま「レビュー効率がよく、品質にも問題がない」と判断してしまうことです。下限を下回っている場合、レビューが不十分だった可能性も考えます。
- 「熟知したメンバが関与した」という説明だけで納得してしまうことです。本文では、各成果物の難易度に差がないものとして同じ基準値を適用しているため、その説明だけでは基準値を下回った原因を十分に説明できません。
- 問われている理由を、後から判明した「複数の画面をまとめてレビューしたこと」と取り違えることです。この設問では、基準値の考え方から分析が不足していると判断した理由を答えます。
FAQ
Q: 投入時間や指摘件数が基準値の下限を下回ると、必ず品質に問題があるのですか?
A: 必ず問題があるとは限りません。ただし、レビュー不足の可能性もあるため、基準値を下回った原因を確認して評価します。
A: 必ず問題があるとは限りません。ただし、レビュー不足の可能性もあるため、基準値を下回った原因を確認して評価します。
Q: 成果物ごとに基準値が同じでも、レビュー結果に差が出ることはありますか?
A: あります。だからこそ、基準値から外れた場合は、成果物の難易度ではなく、レビューの進め方などに原因がないかを分析します。
A: あります。だからこそ、基準値から外れた場合は、成果物の難易度ではなく、レビューの進め方などに原因がないかを分析します。
Q: 指摘件数が少ないことだけで、設計品質が高いと判断できますか?
A: できません。指摘が少ない理由が、設計品質の高さなのか、レビューが十分でなかったためなのかを確認する必要があります。
A: できません。指摘が少ない理由が、設計品質の高さなのか、レビューが十分でなかったためなのかを確認する必要があります。
関連キーワード: レビュー、品質基準値、レビュー投入時間、指摘件数、成果物難易度
設問2(2)
問題文を見る本文中のcに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
c:・レビューの効率
・作業の効率
解説
解答の導き方
-
cの直前には、営業部のレビューアが交代で参加した結果、レビューの場で意思決定できず、意見を調整した後に「再度レビューが必要」になったとあります。つまり、レビューを一度で進められず、投入時間が増えたことが問題です。
-
開発標準には、「内容を熟知し、適切な意見を出すことのできるレビューアが各レビューに必ず参加する」というルールがあります。このルールが守られれば、業務を理解したレビューアがその場で意見を出し、必要な判断を行いやすくなります。その結果、レビューのやり直しや調整に伴う無駄を減らせます。
-
したがって、営業部長に求めているのは、レビューを効率よく進められるようにすることです。cには「レビューの効率」または、より広く「作業の効率」が入ります。
誤りやすいポイント
- 設計品質そのものを向上させる、と考えないようにします。この場面で直接問題になっているのは、レビューアが安定して参加せず、再レビューが発生して投入時間が増えたことです。
- レビューの指摘件数を増やすことが目的ではありません。指摘件数の再集計後、帳票定義書の設計品質に問題がないことは確認されています。
- 「レビューのルールを守る」ことと、レビューに必要な人が参加して効率よく判断できることを結び付けて考えます。
FAQ
Q: 「レビューの効率」と「作業の効率」のどちらを入れてもよいのですか。
A: どちらも模範解答として認められています。問題の直接の対象はレビューなので「レビューの効率」が具体的です。「作業の効率」は、レビューのやり直しを減らすことで外部設計の作業全体を効率化する、という表現です。
A: どちらも模範解答として認められています。問題の直接の対象はレビューなので「レビューの効率」が具体的です。「作業の効率」は、レビューのやり直しを減らすことで外部設計の作業全体を効率化する、という表現です。
Q: レビューアを固定することが、なぜ効率向上につながるのですか。
A: 業務を理解し、適切な意見を出せるレビューアが参加すれば、その場で判断しやすくなります。後から意見を調整して再レビューする手間を減らせるためです。
A: 業務を理解し、適切な意見を出せるレビューアが参加すれば、その場で判断しやすくなります。後から意見を調整して再レビューする手間を減らせるためです。
Q: この場面で重視されているのは、設計品質よりも効率ですか。
A: この空欄で問われている対策の目的は、レビューのルールを守らせ、再レビューなどによる余分な作業を減らすことです。したがって、効率に関する表現が適切です。
A: この空欄で問われている対策の目的は、レビューのルールを守らせ、再レビューなどによる余分な作業を減らすことです。したがって、効率に関する表現が適切です。
関連キーワード: レビュー、レビューア、外部設計、レビュー効率、品質管理
設問2(3)
問題文を見る本文中の下線①における、要件定義の内容に起因する指摘とはどのようなものか。30字以内で述べよ。
模範解答
・要件定義の内容に不明確な点があることによる指摘
・要件定義の内容に矛盾する点があることによる指摘
・要件定義の品質の確保が不十分であることによる指摘
解説
解答の導き方
-
問われているのは、外部設計のレビューで見つかった指摘のうち、「要件定義の内容に起因する」ものの意味です。外部設計の成果物そのものの誤記や表記ミスではなく、指摘の原因が前段階の要件定義にある場合を考えます。
-
本文では、B課長が「要件定義の内容に起因する指摘の発生状況」を類似プロジェクトの実績と比較しています。つまり、要件定義の内容に問題があり、その影響が外部設計のレビューで指摘として現れた状況を確認しています。
-
たとえば、要件の意味が曖昧で設計内容を一意に決められない場合や、要件同士に矛盾がある場合は、外部設計の段階で確認や修正が必要になります。このような指摘は、設計担当者の作業ミスではなく、要件定義の内容や品質に原因があります。
したがって、要件定義の内容が不明確または矛盾していることなどによって発生した指摘を指します。
誤りやすいポイント
- 外部設計書の記載ミスや誤記など、設計成果物の問題と混同しないようにします。
- 外部設計中に出た指摘でも、原因が要件定義にあるものと、外部設計で新たに生じたものは区別します。
- 営業部から出された新たな変更要望を、そのまま要件定義の品質問題と捉えないようにします。ここで問われているのは、要件定義の内容が不明確・矛盾していることなどに起因する指摘です。
FAQ
Q: 要件が不足している場合も、要件定義の内容に起因する指摘ですか。
A: はい。設計に必要な内容が定義されておらず、確認や追加が必要になった場合も、要件定義の品質が十分でないことに起因する指摘と考えられます。
A: はい。設計に必要な内容が定義されておらず、確認や追加が必要になった場合も、要件定義の品質が十分でないことに起因する指摘と考えられます。
Q: 要件定義の内容に起因する指摘は、すべて要件定義工程に戻って修正すべきですか。
A: 必ずしもそうではありません。本文では、指摘の発生状況が類似プロジェクトと同程度であることを確認したため、現時点では要件定義工程に遡る必要はないと判断しています。
A: 必ずしもそうではありません。本文では、指摘の発生状況が類似プロジェクトと同程度であることを確認したため、現時点では要件定義工程に遡る必要はないと判断しています。
Q: 表記ミスもこの指摘に含まれますか。
A: 問題文では、レビューの指摘件数について「内容面に関する指摘」と「誤記や表記に関する指摘」を区別しています。設問で問われているのは、要件定義の内容に問題があるために生じた指摘です。
A: 問題文では、レビューの指摘件数について「内容面に関する指摘」と「誤記や表記に関する指摘」を区別しています。設問で問われているのは、要件定義の内容に問題があるために生じた指摘です。
関連キーワード: 要件定義、外部設計、レビュー、要求品質、トレーサビリティ
設問3:〔問題の解決状況〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中の下線②で指示している作業順序の工夫を、25字以内で述べよ。
模範解答
・月次処理に関連しない作業を先に行う。
・問題1の影響を受けない作業を先に行う。
解説
解答の導き方
-
まず、遅れの原因となっている問題を確認します。問題1は「DチームとEチームに共通する月次処理に関わる問題」であり、営業部での意見の取りまとめが必要ですが、取りまとめ役が多忙で方針が確定できていません。
-
このため、月次処理に関わる設計作業は、営業部の方針が決まるまで進めにくい状態です。一方、問題1に関係しない作業まで止める必要はありません。
-
B課長の指示は、問題1による遅れをできるだけ抑えることです。そこで、方針決定を待つ作業を後に回し、月次処理に関連しない作業を先に進めます。言い換えると、問題1の影響を受けない作業から着手するという作業順序の工夫です。
誤りやすいポイント
- 問題1の解決を待つ間、外部設計全体を止めると考えることです。遅れを抑えるには、問題1の影響を受けない作業を進めます。
- 月次処理に関する未確定の方針を、チームの判断で仮決めして設計を進めることです。本文では営業部で意見を取りまとめる必要があるため、方針決定を要する作業は切り分けて考えます。
- 問題2の対応を答えることです。設問が問うているのは、問題1による遅れを抑えるための作業順序です。
FAQ
Q: 月次処理に関係する作業は、すべて中止するという意味ですか?
A: 中止ではありません。営業部の方針が決まるまで影響を受ける作業を待たせ、その間に進められる作業を先に行うということです。
A: 中止ではありません。営業部の方針が決まるまで影響を受ける作業を待たせ、その間に進められる作業を先に行うということです。
Q: なぜ作業順序を工夫すると遅れを抑えられるのですか?
A: 問題1の解決を待つ間も、影響を受けない作業を進められるためです。全ての作業を待たせる場合に比べ、作業の停滞を小さくできます。
A: 問題1の解決を待つ間も、影響を受けない作業を進められるためです。全ての作業を待たせる場合に比べ、作業の停滞を小さくできます。
Q: 問題1の影響を受けない作業とは、どのような作業ですか?
A: 月次処理の方針が決まらなくても、設計を進められる作業です。設問では、これを月次処理に関連しない作業として捉えます。
A: 月次処理の方針が決まらなくても、設計を進められる作業です。設問では、これを月次処理に関連しない作業として捉えます。
関連キーワード: スケジュール管理、作業依存関係、進捗管理、遅延対策
設問3(2)
問題文を見るB課長がX社に確認した体制面の調整内容を、30字以内で述べよ。
模範解答
・スケジュールの見直しに対応した要員の確保の可否
・内部設計の期間に追加要員を投入することの可否
解説
解答の導き方
まず、問題2の遅れの原因を確認します。検討の中核となる営業部のメンバが「急きょ約2週間、海外に出張する」ため、検討が内部設計の期間に「1週間程度、ずれ込みそう」とあります。つまり、業務D1の作業が予定より遅れる見込みです。
次に、B課長の対応を追います。遅れを内部設計が終わるまでに取り戻せるよう、業務D1のスケジュールを見直しています。その上でX社に確認したのは「体制面の調整が可能かどうか」です。したがって、確認内容は、見直したスケジュールに合わせて必要な要員を確保できるか、または内部設計の期間に追加要員を投入できるか、という点です。
問題は、X社に確認した調整内容を問うています。営業部のメンバの出張そのものへの対応や、問題の検討方針ではなく、遅れを取り戻すための要員確保・追加投入が可能かどうかに焦点を当てます。
誤りやすいポイント
- 営業部長に申し入れた「体制強化」と、X社に確認した「体制面の調整」を混同しないようにします。設問が問うているのは、X社に確認した内容です。
- 業務D1の問題に対しては、スケジュールを見直した上で要員面を調整しています。単に「スケジュールを変更できるか」と答えるだけでは、確認した体制面の内容が不足します。
- 遅れの原因となった営業部メンバの出張を取り消すことや、営業部内の意見をまとめることは、X社への確認事項ではありません。
FAQ
Q: なぜ要員の確認が必要なのですか?
A: 業務D1の作業が内部設計の期間にずれ込む見込みであり、内部設計が終わるまでに遅れを取り戻すための体制が必要だからです。
A: 業務D1の作業が内部設計の期間にずれ込む見込みであり、内部設計が終わるまでに遅れを取り戻すための体制が必要だからです。
Q: 「要員の確保」と「追加要員の投入」は別の確認ですか?
A: どちらも、見直したスケジュールに対応するための要員面の調整です。必要な要員を確保できるか、特に内部設計の期間に追加投入できるかという表現の違いです。
A: どちらも、見直したスケジュールに対応するための要員面の調整です。必要な要員を確保できるか、特に内部設計の期間に追加投入できるかという表現の違いです。
Q: X社の回答は、要員に余裕があるという意味ですか?
A: いいえ。「要員はひっ迫しているが、何とか対応できる」とあるため、余裕があるのではなく、調整すれば対応可能という意味です。
A: いいえ。「要員はひっ迫しているが、何とか対応できる」とあるため、余裕があるのではなく、調整すれば対応可能という意味です。
関連キーワード: スケジュール管理、要員計画、リソース調整、遅延回復、内部設計
設問4:〔スコープの変動状況〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問4(1)
問題文を見る画面Fの変更要望への対応についての優先度を判断するために、B課長が、営業部に提供を求めた情報の内容を、30字以内で述べよ。
模範解答
・変更要望に対応することによる業務上の効果
・スケジュールどおりに変更要望に対応する必要性
・変更要望に対応しなかった場合の業務への影響
解説
解答の導き方
この設問では、画面Fの変更要望について、対応する優先度を判断するために営業部から得るべき情報を考えます。
まず、変更要望に対応するには、基幹系システムから約30種類のデータを受け取り、日次でマスタファイルを更新するプロセスを新規に構築する必要があります。そのため、X社の見積りでは「内部設計以降の総工数が予算策定時の想定工数を20%超える見込み」となっています。つまり、変更要望を受け入れるかどうかは、追加作業を伴うことを踏まえて判断する必要があります。
次に、B課長は「スケジュールどおり画面Fの変更要望に対応するのは難しい」と判断しています。営業部がその変更を望んでいるかだけでなく、予定どおりの時期に実現する必要があるのかも判断材料になります。
したがって、営業部には、変更要望を実現した場合に業務上どのような効果があるか、予定どおりの対応がどれほど必要か、対応しない場合に業務へどのような影響があるかを確認します。これらを合わせて、追加工数やスケジュール上の制約を受け入れてまで対応する優先度があるかを判断できます。
誤りやすいポイント
- X社の見積りは対応に必要な工数を示す情報であり、営業部に求める情報とは役割が異なります。営業部には、業務上の効果や必要性を確認します。
- 「変更したい」という要望だけでは、優先度を判断できません。対応した場合の効果だけでなく、対応しない場合の業務への影響も考える必要があります。
- 変更の効果と、スケジュールどおりに対応する必要性は別の観点です。効果があっても、実現時期に余裕があるなら、優先度の判断は変わる可能性があります。
FAQ
Q: なぜ、対応に必要な工数を営業部に尋ねないのですか?
A: 工数はX社が見積もっています。営業部に確認するのは、工数だけでは分からない業務上の価値や緊急性です。
A: 工数はX社が見積もっています。営業部に確認するのは、工数だけでは分からない業務上の価値や緊急性です。
Q: 対応した場合の効果だけで優先度を決められませんか?
A: 効果に加えて、予定どおりの時期に必要か、対応しない場合に業務へどの程度影響するかも判断材料になります。
A: 効果に加えて、予定どおりの時期に必要か、対応しない場合に業務へどの程度影響するかも判断材料になります。
Q: 対応しない場合の影響を確認するのはなぜですか?
A: 対応しなくても業務への影響が小さいなら、追加工数やスケジュール上の制約を踏まえて、優先度を下げる判断ができるためです。
A: 対応しなくても業務への影響が小さいなら、追加工数やスケジュール上の制約を踏まえて、優先度を下げる判断ができるためです。
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設問4(2)
問題文を見るB課長は、画面Fの取扱いについて営業部とどのような調整をすることにしたのか。30字以内で述べよ。
模範解答
・変更要望への対応時期を後ろにずらす。
・稼働開始の時点では前月末時点の情報を画面Fに表示する。
解説
解答の導き方
この設問では、画面Fの変更要望をプロジェクトのスケジュールや工数に照らして、営業部とどのように扱うことにしたかを考えます。
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要件定義で決まっていた仕様は「前月末時点の情報を表示する」ことです。これに対し、外部設計のレビューで「前日時点の情報を表示したい」という変更要望が出ています。つまり、画面Fの表示情報を新しくするための変更です。
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変更を実現するには、基幹系システムから「約30種類のデータを受け取り、日次でマスタファイルを更新するプロセス」を新規に構築する必要があります。その結果、「内部設計以降の総工数が予算策定時の想定工数を20%超える見込み」となっています。要望をそのまま実施する場合、当初の想定より大きな追加作業が必要です。
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さらに、B課長は「スケジュールどおり画面Fの変更要望に対応するのは難しい」と判断しています。したがって、変更要望を予定どおり取り込むのではなく、対応する時期を後ろにずらす調整が必要です。
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ただし、本文には変更要望を取りやめるとはありません。稼働開始時点では要件定義どおり「前月末時点の情報」を画面Fに表示し、変更要望への対応は後に回す形なら、当初のスケジュールを守りながら要望にも対応できます。
誤りやすいポイント
- 変更要望を単に「対応しない」と解釈しないことです。本文から読み取れるのは、要望を取り下げることではなく、対応時期を後ろにずらす調整です。
- 変更後の「前日時点の情報」を稼働開始時点から表示すると考えないことです。稼働開始時点では、要件定義で決まっていた「前月末時点の情報」を表示します。
- 追加工数だけを根拠にせず、スケジュールどおりの対応が難しいという記述にも着目します。ここから、変更を延期する理由が分かります。
FAQ
Q: 変更要望を完全に却下するのではなく、時期を後ろにずらすのはなぜですか?
A: 本文では、営業部から変更要望が出ている一方、対応には追加作業が必要で、当初のスケジュールどおりに進めるのが難しいとされています。そこで、要望自体をなくすのではなく、対応を延期する調整が適切です。
A: 本文では、営業部から変更要望が出ている一方、対応には追加作業が必要で、当初のスケジュールどおりに進めるのが難しいとされています。そこで、要望自体をなくすのではなく、対応を延期する調整が適切です。
Q: 稼働開始時点で画面Fに表示する情報は、なぜ前月末時点のものですか?
A: それが要件定義で決まっていた仕様だからです。前日時点の情報を表示する変更要望への対応を後回しにするため、稼働開始時点では当初の仕様を維持します。
A: それが要件定義で決まっていた仕様だからです。前日時点の情報を表示する変更要望への対応を後回しにするため、稼働開始時点では当初の仕様を維持します。
Q: 営業部に優先度を判断するための情報を求めたのはなぜですか?
A: 変更要望を実現する場合の工数やスケジュールへの影響を踏まえ、営業部にとっての重要度と照らして扱いを決めるためです。
A: 変更要望を実現する場合の工数やスケジュールへの影響を踏まえ、営業部にとっての重要度と照らして扱いを決めるためです。
関連キーワード: スコープ管理、変更管理、工数見積り、優先順位付け、スケジュール管理



