プロジェクトマネージャ 2011年 午後1 問04
プロジェクトの評価に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
電機メーカのX社は、ディジタルカメラの今季モデルの開発を先月完了し、来月発売する予定である。Y課長は、今季モデルのソフトウェア開発(以下、今季モデル開発という)でプロジェクトマネージャを担当し、現在は今季モデル開発のプロジェクトの評価を行っている。メンバはすべてX社の社員であった。来月から、同じメンバで来季モデルのソフトウェア開発(以下、来季モデル開発という)が始まる。
〔今季モデル開発で実施した品質管理〕
競争が激化する市場にあって、製品の開発コストの抑制はX社にとって重要な経営課題である。ソフトウェアに関しても、より安く、より高機能・高品質なソフトウェアを開発するために、品質管理の高度化と生産性の向上が強く求められている。Y課長は今季モデル開発において、品質管理に関する次の3点の改善を計画し、実施した。
(1) 従来は、各工程での欠陥摘出密度に着目して品質管理を実施していたが、新たに、欠陥が混入した工程(以下、混入工程という)に着目した分析を行うことにした。具体的には、当該工程で摘出した欠陥のうち、①当該工程よりも前の工程で混入した欠陥数を確認して、その数が計画値の120%を上回った場合には、原因を分析し、必要であれば品質管理上の対策を実施するというものである。
Y課長は、今季モデル開発の開発規模を40.0kステップと計画していることを勘案し、過去の類似プロジェクトで摘出した欠陥のデータを参考にして、今季モデル開発の工程別欠陥摘出計画を表1のとおりに作成した。

(2) 結合テスト以降で摘出した欠陥について、ドキュメントやプログラムの修正と、その再レビュー・再テストに掛かったすべての工数(以下、改修工数という)を、作業項目ごとに正確に集計し、記録した。Y課長は、改修工数の大きな欠陥について事後に分析を行い、同種の欠陥の再発防止策を立案することで、②今後の開発の生産性向上に役立てようと考えた。再発防止策は、混入させてしまった欠陥をいかにして摘出するかという観点と、欠陥の混入をいかにして防ぐかという観点の両面から検討する。
(3) プログラム製造の工程で静的プログラム解析ツールを活用した。静的プログラム解析ツールは、プログラムを実行することなくソースコードを解析して、欠陥のおそれ、脆弱性、開発標準に対する違反などを指摘するツールである。Y課長は、次のような目的で、単体テスト前のソースコードに対して静的プログラム解析ツールを実行し、指摘に対応することを義務づけた。
・欠陥を早期に摘出すること。
・③処理結果や性能には影響しないので、テストでは検出しにくい欠陥を摘出すること。
〔今季モデル開発の工程別欠陥摘出状況〕
Y課長は、今季モデル開発の工程別欠陥摘出実績を表2にまとめた。開発規模の実績値は、計画に対して微増となって40.4kステップであった。

今季モデル開発は、要件定義、基本設計までは順調に進んだが、詳細設計で欠陥摘出総数が計画値を大きく上回った。Y課長は詳細設計の途中でこの予兆を察知して、原因を調査した。その結果、一部の担当者について、担当機能に関する設計には大きな問題はないが、ほかのメンバが担当する周辺の機能、ライブラリに関する理解が不十分なことによって、多くの欠陥を混入させていたことが判明したので、Y課長は④その対策を講じていた。
Y課長は詳細設計工程完了時のフェーズレビューで、まず、定量的な評価を行い、表1の計画値と表2の実績値について、詳細設計における欠陥摘出総数に差異が発生したのは、⑤前工程の問題によるものではないと考えた。さらに、欠陥の重要度、影響度など、定性的な観点からも確認した上で、品質面に問題がないと判断した。ただし、詳細設計で混入した多くの欠陥を、まだ十分に摘出しきれていない可能性もあると考え、以降の工程で⑥ある数値を特に監視することにした。
プログラム製造の工程以降では、品質に関する問題は発生しなかった。
〔今季モデル開発の混入工程別改修状況〕
結合テスト以降で摘出した欠陥の、混入工程別の摘出数と改修工数は表3のとおりであった。

結合テスト以降で摘出した欠陥は、基本設計以降で混入したもので、中でも基本設計で混入した欠陥に対する改修工数合計が47.7%と半数近くを占め、1件当たりの平均改修工数も高かった。また、改修工数の作業項目ごとのデータを分析したところ、上流工程で混入した欠陥ほど、修正するaやbの種類・量が多いだけでなく、それらに対する修正と、そのcの工数も多くなっていた。また、基本設計からの修正では、dの見極めが、下流工程からの修正と比較して難しいので、工数が増大する傾向があった。Y課長は、基本設計で混入した欠陥を基本設計のレビューで摘出できていた場合の工数と、今回の工数の差異を試算した。その結果、基本設計の活動を改善することで、来季モデル開発では大きな成果を得られると考えた。そこで、基本設計で混入し、結合テスト以降で摘出した22件の欠陥を対象に、それぞれ、なぜ混入したのかという観点、及び⑦もう一つ別の観点から精査を行い、レポートにまとめた。精査した結果から導いた、基本設計のレビューに関する改善策を、来季モデル開発のレビュー計画に組み込むことにした。また、同種の欠陥が混入することを予防するために、今季モデル開発のメンバ全員が参加するプロジェクトの評価ミーティングの場を活用して⑧あることを実施すべきであると考えた。
設問1:〔今季モデル開発で実施した品質管理〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る本文中の下線①について、当該工程よりも前の工程で混入した欠陥数が計画値の120%を上回った場合に、Y課長がその時点で実施すべき品質管理上の対策を、15字以内で述べよ。
模範解答
前工程の成果物の再レビュー
解説
解答の導き方
この設問では、前の工程で混入した欠陥が計画を超えて見つかったとき、どのような品質管理上の対策を行うかを考えます。
本文では、当該工程で摘出した欠陥のうち「前の工程で混入した欠陥数」を確認し、その数が計画値の120%を上回った場合には原因を分析して、必要に応じて対策を実施するとしています。つまり、後の工程で欠陥が多く見つかった場合、その欠陥を混入させた前の工程の品質に問題がある可能性を考える必要があります。
見つかった欠陥を個別に修正するだけでは、同じ前工程で見逃されたほかの欠陥が残っている可能性があります。そのため、前工程で作成した成果物を改めて確認し、欠陥が残っていないかをレビューするのが適切です。
誤りやすいポイント
- 見つかった欠陥の修正だけを対策とすることです。設問が問うているのは、欠陥を混入させた前工程に対する品質管理上の対策です。
- 現在の工程でテストを増やすことだけを答えることです。欠陥の混入元が前工程と分かっているため、その工程の成果物を確認する対策が適切です。
- 120%を超えた欠陥数そのものを答えることです。120%は対策を検討する判断基準であり、求められているのは実施する対策です。
FAQ
Q: なぜ前工程の成果物を見直すのですか?
A: 前工程で混入した欠陥が後の工程で多く見つかったことは、前工程の成果物に、まだ摘出されていない欠陥が残っている可能性を示すためです。
A: 前工程で混入した欠陥が後の工程で多く見つかったことは、前工程の成果物に、まだ摘出されていない欠陥が残っている可能性を示すためです。
Q: 見つかった欠陥を修正すれば十分ではないのですか?
A: 個別の欠陥を直すだけでは、同じ成果物に残っている別の欠陥を見逃すおそれがあります。成果物を改めてレビューすることで、未発見の欠陥も確認できます。
A: 個別の欠陥を直すだけでは、同じ成果物に残っている別の欠陥を見逃すおそれがあります。成果物を改めてレビューすることで、未発見の欠陥も確認できます。
Q: 120%を超えたら、必ず同じ対策を実施するのですか?
A: 本文では、基準を超えた場合に原因を分析し、必要であれば品質管理上の対策を実施するとしています。原因や状況を踏まえた対策が必要です。
A: 本文では、基準を超えた場合に原因を分析し、必要であれば品質管理上の対策を実施するとしています。原因や状況を踏まえた対策が必要です。
関連キーワード: 欠陥混入工程、欠陥摘出、成果物レビュー、品質管理
設問1(2)
問題文を見る本文中の下線②について、Y課長が今後の開発の生産性向上に役立てられると考えた理由を、40字以内で述べよ。
模範解答
改修工数が大きい欠陥の予防・早期検出で、手戻りコストを低減できるから
解説
解答の導き方
-
下線②は、改修工数の大きな欠陥を分析し、再発防止策を立てることが、なぜ今後の生産性向上につながるのかを問うています。
-
本文では、結合テスト以降で見つかった欠陥について、「ドキュメントやプログラムの修正」と「その再レビュー・再テスト」に掛かった工数を改修工数として集計しています。つまり、改修工数が大きい欠陥は、修正だけでなく、修正内容の確認やテストにも多くの作業時間を要した欠陥です。
-
そのような欠陥について再発防止策を立てる目的は、同種の欠陥を次の開発で繰り返さないことです。欠陥の混入を防げれば修正作業そのものを減らせます。また、混入した欠陥を早い段階で摘出できれば、後工程での修正や再レビュー・再テストを抑えられます。
-
したがって、改修工数の大きい欠陥を予防し、早期に検出することで、後工程で発生する手戻りの工数を減らせます。この工数削減が、今後の開発の生産性向上につながる理由です。
誤りやすいポイント
- 欠陥の件数を減らすことだけに注目し、修正や再レビュー・再テストに必要な工数を減らす視点を落とさないようにします。
- 再発防止策は、欠陥の混入を防ぐことだけではありません。混入した場合に早い工程で摘出することも含まれます。
- 「品質が向上するから」とだけ答えると、生産性向上とのつながりが不明確です。手戻り工数の低減まで説明することが大切です。
FAQ
Q: 改修工数には、どの作業が含まれますか?
A: 欠陥を修正する作業に加えて、その修正に対する再レビュー・再テストの工数も含まれます。
A: 欠陥を修正する作業に加えて、その修正に対する再レビュー・再テストの工数も含まれます。
Q: 予防と早期検出は、どのように生産性向上につながりますか?
A: 予防は欠陥の修正作業を発生させにくくし、早期検出は後工程での大きな修正や確認作業を抑えます。
A: 予防は欠陥の修正作業を発生させにくくし、早期検出は後工程での大きな修正や確認作業を抑えます。
Q: 改修工数の大きい欠陥を分析するのはなぜですか?
A: 同種の欠陥が再発した場合に多くの工数を要するため、対策による手戻り削減の効果が大きいからです。
A: 同種の欠陥が再発した場合に多くの工数を要するため、対策による手戻り削減の効果が大きいからです。
関連キーワード: 改修工数、手戻り、欠陥予防、早期検出、ソフトウェア品質管理
設問1(3)
問題文を見る本文中の下線③について、どのような特性の欠陥か答えよ。
模範解答
・保守性に関する欠陥
・セキュリティに関する欠陥
解説
解答の導き方
-
下線③は、静的プログラム解析ツールで摘出したい欠陥のうち、「処理結果や性能には影響しないので、テストでは検出しにくい」ものを尋ねています。機能テストや性能テストでは、実行結果や処理時間を確認します。そのため、プログラムを実行しても表面化しない問題は、通常のテストだけでは見つけにくくなります。
-
一方、本文では静的プログラム解析ツールについて、プログラムを実行せずにソースコードを解析し、「欠陥のおそれ、脆弱性、開発標準に対する違反など」を指摘すると説明しています。つまり、実行結果や性能だけでは判断しにくい、ソースコードの性質に関する問題も見つけられます。
-
その代表が、変更や修正を難しくする保守性に関する欠陥と、脆弱性につながるセキュリティに関する欠陥です。通常の機能テストで期待どおりの結果が出ても、コードが保守しにくい状態であることや、特定の条件で悪用される脆弱性があることまでは分からない場合があります。
誤りやすいポイント
- 「テストでは検出しにくい」を、「どのようなテストでも検出できない」と捉えないようにしましょう。ここでは、処理結果や性能を確認する通常のテストだけでは見つけにくい欠陥を指しています。
- 静的プログラム解析ツールが扱うものとして、本文にある「脆弱性」からセキュリティの問題を読み取ります。
- 保守性に関する欠陥は、機能の誤りや性能低下が起きていなくても存在し得ます。処理結果だけで欠陥の有無を判断しないことが大切です。
FAQ
Q: 保守性に関する欠陥とは、どのような問題ですか?
A: プログラムの変更や修正、理解を難しくする問題です。動作が正しくても、コードの構造などに問題があれば保守性に関する欠陥となり得ます。
A: プログラムの変更や修正、理解を難しくする問題です。動作が正しくても、コードの構造などに問題があれば保守性に関する欠陥となり得ます。
Q: セキュリティに関する欠陥は、通常の機能テストで見つかりますか?
A: 通常の入力・操作で期待どおりに動作していても、特定の条件で悪用される脆弱性が残ることがあります。そのため、機能テストだけでは見つけにくい場合があります。
A: 通常の入力・操作で期待どおりに動作していても、特定の条件で悪用される脆弱性が残ることがあります。そのため、機能テストだけでは見つけにくい場合があります。
Q: 静的プログラム解析ツールは、プログラムを実行して確認するのですか?
A: いいえ。本文の説明では、プログラムを実行せずにソースコードを解析します。
A: いいえ。本文の説明では、プログラムを実行せずにソースコードを解析します。
関連キーワード: 静的プログラム解析、保守性、セキュリティ、脆弱性、動的テスト
設問2:〔今季モデル開発の工程別欠陥摘出状況〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中の下線④について、Y課長が講じていたと考えられる対策を、25字以内で述べよ。
模範解答
・該当担当者の成果物をほかのメンバでレビューする。
・周辺機能やライブラリの説明会を行う。
解説
解答の導き方
この設問では、詳細設計で欠陥を多く混入させた原因に対して、Y課長がどのような対策を講じたかを考えます。
本文では、担当者について「担当機能に関する設計には大きな問題はない」が、「周辺の機能、ライブラリに関する理解が不十分」だったため、多くの欠陥を混入させていたと説明されています。つまり、個々の担当機能の設計力というより、ほかのメンバが担当する機能やライブラリへの理解不足が問題です。
そのため、対策はこの理解不足を補うものが適切です。例えば、ほかのメンバが成果物をレビューすれば、担当者だけでは気付きにくい周辺機能との食い違いや設計上の見落としを発見しやすくなります。また、周辺機能やライブラリについて説明する機会を設ければ、担当者間で必要な知識を共有できます。
どちらも原因に直接対応する対策です。設問は対策を一つ尋ねているため、これらを両方書く必要はなく、いずれか一つを答えればよいです。
誤りやすいポイント
- 「品質を高めるためにテストを増やす」のような一般的な対策だけを書くと、設計時点の理解不足という原因に対応していないため、答えとして弱くなります。
- 担当者の能力不足と決めつけず、本文にある「周辺の機能、ライブラリに関する理解が不十分」という原因に沿って考えます。
- 模範解答にある対策例を両方とも書かなければならないわけではありません。原因に対応する対策を一つ選びます。
FAQ
Q: 他のメンバによるレビューが有効なのはなぜですか。
A: 担当者自身が見落としやすい、周辺機能やライブラリとの関係を別の視点から確認できるためです。
A: 担当者自身が見落としやすい、周辺機能やライブラリとの関係を別の視点から確認できるためです。
Q: 周辺機能やライブラリの説明会でも対策になりますか。
A: なります。担当者間で知識を共有し、理解不足による欠陥の混入を防ぐ対策です。
A: なります。担当者間で知識を共有し、理解不足による欠陥の混入を防ぐ対策です。
Q: 対策を二つとも解答する必要がありますか。
A: ありません。成果物のレビューと説明会は、どちらも原因に対応した対策例です。
A: ありません。成果物のレビューと説明会は、どちらも原因に対応した対策例です。
関連キーワード: 設計レビュー、知識共有、欠陥予防、設計品質、ライブラリ
設問2(2)
問題文を見るY課長が本文中の下線⑤のように考えた理由を、40字以内で述べよ。
模範解答
・摘出した欠陥数の差異は、混入工程が詳細設計の欠陥によるものだから
・混入工程が前工程である欠陥の数は、計画値の120%を上回っていないから
解説
解答の導き方
下線⑤については、詳細設計で摘出した欠陥数が計画を上回った原因が、要件定義や基本設計などの前工程にあるのか、それとも詳細設計で混入した欠陥にあるのかを確認します。
品質管理の方針では、ある工程で摘出した欠陥のうち、前工程で混入した欠陥数が計画値の120%を上回った場合に、原因分析や対策を行います。したがって、まず表1と表2から、詳細設計で摘出した欠陥のうち、前工程で混入したものの数を比べます。
表1では、要件定義で混入した欠陥が4件、基本設計で混入した欠陥が32件なので、前工程で混入した欠陥の計画値は合計36件です。表2では、それぞれ4件と30件なので、実績は合計34件です。計画値の120%は43.2件であり、実績の34件はこれを上回っていません。そのため、前工程で混入した欠陥が詳細設計で多く摘出された、とは判断できません。
一方、詳細設計で混入した欠陥は、表1では204件、表2では313件です。詳細設計で摘出した欠陥の総数も、計画の240件に対して実績は347件となっています。この増加は、主に詳細設計で混入した欠陥が多かったことによるものです。
したがって、詳細設計で欠陥摘出総数が計画を大きく上回った差異は、前工程ではなく、詳細設計で混入した欠陥に起因すると考えられます。
誤りやすいポイント
- 詳細設計で摘出した欠陥の総数だけを見て、前工程に原因があったと判断しないようにします。欠陥を「摘出した工程」と「混入した工程」は分けて確認します。
- 前工程で混入した欠陥数は、表の詳細設計の列から、要件定義と基本設計の行を取り出して合計します。
- 計画値との比較では、単に実績が計画を上回ったかではなく、本文にある「計画値の120%を上回った場合」という基準に達したかを確認します。
FAQ
Q: 詳細設計で摘出した欠陥が計画より多ければ、前工程に問題があったといえますか?
A: いいえ。摘出総数だけでは判断できません。欠陥の混入工程別に内訳を確認し、前工程で混入した欠陥数が基準を超えているかを見ます。
A: いいえ。摘出総数だけでは判断できません。欠陥の混入工程別に内訳を確認し、前工程で混入した欠陥数が基準を超えているかを見ます。
Q: ここで比較する「前工程で混入した欠陥数」は、どの数ですか?
A: 詳細設計で摘出した欠陥のうち、要件定義または基本設計で混入した欠陥の数です。詳細設計で混入した欠陥は含めません。
A: 詳細設計で摘出した欠陥のうち、要件定義または基本設計で混入した欠陥の数です。詳細設計で混入した欠陥は含めません。
Q: 詳細設計で混入した欠陥が多かったことは、どのように分かりますか?
A: 詳細設計で混入した欠陥は、計画の204件に対して実績が313件です。前工程で混入した欠陥数が120%の基準を超えていない一方、この数が大きく増えていることから判断できます。
A: 詳細設計で混入した欠陥は、計画の204件に対して実績が313件です。前工程で混入した欠陥数が120%の基準を超えていない一方、この数が大きく増えていることから判断できます。
関連キーワード: 欠陥混入工程、欠陥摘出数、計画実績比較、品質管理、工程別分析
設問2(3)
問題文を見る本文中の下線⑥の数値とは、どのような数値か。20字以内で述べよ。
模範解答
混入工程が詳細設計である欠陥の数
解説
解答の導き方
-
詳細設計で摘出した欠陥の総数は、計画の240件に対して実績が347件です。ただし、表2の内訳を見ると、そのうち前工程で混入した欠陥は、要件定義で混入したものが4件、基本設計で混入したものが30件です。計画値もそれぞれ4件、32件なので、前工程で混入した欠陥が大幅に増えたとはいえません。
-
そのため、本文では、詳細設計の摘出総数が計画を大きく上回った差異は「前工程の問題によるものではない」と判断しています。表2では、詳細設計で混入し、詳細設計で摘出した欠陥が、計画の204件に対して実績は313件です。つまり、詳細設計で混入した欠陥が多かったことが、詳細設計の摘出総数を押し上げたと考えられます。
-
しかし、本文には「詳細設計で混入した多くの欠陥を、まだ十分に摘出しきれていない可能性」とあります。詳細設計の完了後に、詳細設計で混入した欠陥が後続工程でどれだけ見つかるかを確認する必要があります。表2では、その欠陥はプログラム製造・単体テストで25件、結合テストで27件、総合テストで9件摘出されています。
-
したがって、監視すべきなのは、後続工程で見つかった欠陥のうち、混入工程が詳細設計である欠陥の数です。
誤りやすいポイント
- 後続工程で摘出した欠陥の総数を監視すると、基本設計やプログラム製造で混入した欠陥も含まれます。詳細設計で混入した欠陥の残存状況を把握するには、混入工程を区別する必要があります。
- 詳細設計で摘出した欠陥の総数を監視するのではありません。問われているのは、詳細設計の完了後に見つかる、詳細設計で混入した欠陥の数です。
- 「混入工程」と「摘出工程」を取り違えないようにします。欠陥を作り込んだ工程と、欠陥を発見した工程は別の場合があります。
FAQ
Q: なぜ、後続工程で摘出した欠陥の総数ではいけないのですか?
A: その総数には、詳細設計以外で混入した欠陥も含まれるためです。混入工程を特定して数えることで、詳細設計に残っている問題を把握できます。
A: その総数には、詳細設計以外で混入した欠陥も含まれるためです。混入工程を特定して数えることで、詳細設計に残っている問題を把握できます。
Q: 詳細設計で摘出した欠陥の数を監視するのではないのですか?
A: 詳細設計で既に摘出した欠陥ではなく、詳細設計で混入したまま残り、後続工程で摘出される欠陥を監視します。
A: 詳細設計で既に摘出した欠陥ではなく、詳細設計で混入したまま残り、後続工程で摘出される欠陥を監視します。
Q: 「混入工程」と「摘出工程」はどう違いますか?
A: 「混入工程」は欠陥が作り込まれた工程、「摘出工程」はその欠陥が発見された工程です。
A: 「混入工程」は欠陥が作り込まれた工程、「摘出工程」はその欠陥が発見された工程です。
関連キーワード: 欠陥管理、工程別品質管理、欠陥摘出、フェーズレビュー、品質監視
設問3:〔今季モデル開発の混入工程別改修状況〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中のa~dに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
a:・ドキュメント
・設計書
b:プログラム
c:・再レビュー・再テスト
・検証
d:影響範囲
解説
解答の導き方
この箇所では、結合テスト以降で見つかった欠陥について、混入した工程が上流であるほど改修工数が大きくなる理由を説明しています。文の前半で、修正対象となるものと、修正後に必要となる作業を順に考えます。
まず、表3を見ると、基本設計で混入した欠陥は22件で、改修工数合計は957人時、改修工数合計占有率は47.7%です。平均改修工数は43.5人時/件であり、詳細設計の14.0人時/件、プログラム製造の8.1人時/件よりも大きくなっています。上流工程の欠陥ほど、後工程で作られた成果物にも影響し、修正対象が増えると考えられます。
基本設計の欠陥では、設計書などのドキュメントだけでなく、その設計を基に作られたプログラムも修正対象になります。したがって、aには「ドキュメント」または「設計書」、bには「プログラム」が入ります。
次に、修正するだけでは品質を確認できません。修正した箇所を再レビューしたり、修正によって問題が解消したことやほかの機能に影響していないことを再テストしたりする必要があります。そのため、cには「再レビュー・再テスト」または「検証」が入ります。
最後に、基本設計からの修正は、下流工程での修正より影響を受ける範囲を判断しにくいという記述があります。設計変更がどのドキュメントやプログラムに及ぶかを見極める必要があるため、dには「影響範囲」が入ります。
誤りやすいポイント
- aを「プログラム」とし、bを「ドキュメント」とするなど、文中で挙げられている修正対象の順序を取り違えないようにします。
- cは、修正そのものではなく、修正後に正しく直ったかを確認する作業です。「再レビュー・再テスト」や、それらをまとめた「検証」が該当します。
- dは、欠陥の原因や修正方法ではありません。基本設計の修正によって、どこまで修正が必要になるかという「影響範囲」の見極めを指します。
- 欠陥の件数だけで改修の大きさを判断しないようにします。表3では、基本設計で混入した欠陥は22件ですが、改修工数合計占有率は47.7%に達しています。
FAQ
Q: なぜ基本設計で混入した欠陥は、改修工数が大きくなりやすいのですか?
A: 基本設計の内容を基に後工程の成果物が作られるため、設計書だけでなくプログラムなど複数の成果物を修正する可能性があるからです。さらに、修正後の確認作業も必要になります。
A: 基本設計の内容を基に後工程の成果物が作られるため、設計書だけでなくプログラムなど複数の成果物を修正する可能性があるからです。さらに、修正後の確認作業も必要になります。
Q: 「検証」と「再レビュー・再テスト」は、どのように対応しますか?
A: 「再レビュー・再テスト」は確認作業を具体的に示し、「検証」はそれらをまとめて表す語です。どちらも、修正後に正しく直ったことを確認する作業を指します。
A: 「再レビュー・再テスト」は確認作業を具体的に示し、「検証」はそれらをまとめて表す語です。どちらも、修正後に正しく直ったことを確認する作業を指します。
Q: 「影響範囲」とは、具体的には何を見極めることですか?
A: 基本設計を修正したときに、どのドキュメントやプログラムなどを追加で修正・確認する必要があるかを特定することです。
A: 基本設計を修正したときに、どのドキュメントやプログラムなどを追加で修正・確認する必要があるかを特定することです。
関連キーワード: 改修工数、欠陥混入工程、影響範囲、レビュー、再テスト
設問3(2)
問題文を見る本文中の下線⑦の観点とは、どのような観点か。25字以内で述べよ。
模範解答
なぜレビューで欠陥を摘出できなかったか。
解説
解答の導き方
-
本文では、基本設計で混入し、結合テスト以降で摘出した22件の欠陥を対象に、「なぜ混入したのかという観点」と、もう一つの観点から精査するとあります。したがって、問われているのは欠陥が混入した理由とは別の分析視点です。
-
これらの欠陥は、基本設計のレビューで見つけられず、後の工程で摘出されたものです。そこで、欠陥を混入させた原因だけでなく、レビュー時に見つけられなかった理由も調べる必要があります。
-
精査の結果は、来季モデル開発のレビュー計画に改善策として組み込むとあります。レビューで欠陥を摘出できなかった原因を分析すれば、レビュー方法の見直しにつなげられます。このため、もう一つの観点は、なぜレビューで欠陥を摘出できなかったかという観点です。
誤りやすいポイント
- 「なぜ混入したのか」という観点を、もう一つの観点として答えてしまうことです。本文では、それとは別の観点を問われています。
- 欠陥の混入防止だけに注目することです。設問では、レビューで摘出できなかった理由を分析し、レビュー計画の改善につなげる点が重要です。
- 「レビューを改善する」とだけ答えることです。問われているのは改善策そのものではなく、欠陥をレビューで見つけられなかった理由を調べる観点です。
FAQ
Q: 欠陥が混入した理由を調べるだけでは不十分なのですか?
A: それだけでは、欠陥を混入させた原因の分析にとどまります。レビューで摘出できなかった理由も調べることで、レビューの進め方や確認内容の改善につなげられます。
A: それだけでは、欠陥を混入させた原因の分析にとどまります。レビューで摘出できなかった理由も調べることで、レビューの進め方や確認内容の改善につなげられます。
Q: なぜ結合テスト以降で見つかった欠陥を対象にしているのですか?
A: 基本設計で混入した欠陥が、その工程のレビューで摘出されず、後の工程まで残っていたためです。レビューで見つけられなかった原因を振り返る対象になります。
A: 基本設計で混入した欠陥が、その工程のレビューで摘出されず、後の工程まで残っていたためです。レビューで見つけられなかった原因を振り返る対象になります。
Q: 精査結果は何に活用しますか?
A: 本文では、精査結果から導いたレビューの改善策を、来季モデル開発のレビュー計画に組み込むとしています。
A: 本文では、精査結果から導いたレビューの改善策を、来季モデル開発のレビュー計画に組み込むとしています。
関連キーワード: レビュー、欠陥分析、品質管理、生産性改善
設問3(3)
問題文を見る本文中の下線⑧について、Y課長が実施すべきであると考えた、あることとは何か。25字以内で述べよ。
模範解答
メンバ全員で精査結果のレポート内容を共有する。
解説
解答の導き方
-
まず、Y課長が何を防ごうとしているのかを確認します。本文には「同種の欠陥が混入することを予防するために」とあります。したがって、評価ミーティングで行うことは、今季モデル開発で見つかった欠陥への対応だけではなく、来季モデル開発で同じ欠陥を再び混入させないための活動です。
-
次に、共有する情報を確認します。基本設計で混入し、結合テスト以降で摘出した「22件の欠陥」について、Y課長は、混入した理由などを精査してレポートにまとめています。このレポートには、再発防止に役立つ分析結果が含まれています。
-
さらに、評価ミーティングには今季モデル開発の「メンバ全員が参加」します。同じメンバで来季モデル開発を行うため、精査結果を全員に伝え、欠陥の原因や注意点を共有すれば、各メンバが同種の欠陥を混入させないようにできます。
-
したがって、Y課長が実施すべきことは、メンバ全員で精査結果のレポート内容を共有することです。
誤りやすいポイント
- 欠陥を混入させた担当者だけにレポートを見せることだと考えないようにします。本文では、メンバ全員が参加する評価ミーティングを活用するとしています。
- レポートを作成すること自体を答えにしないようにします。本文では、すでに精査結果をレポートにまとめているため、その内容をミーティングでどう活用するかが問われています。
- レビュー計画の改善と混同しないようにします。レビュー計画への反映は、基本設計のレビューを改善するための別の対策です。この設問では、同種の欠陥の混入を予防するためにメンバ全員で行うことを答えます。
FAQ
Q: なぜメンバ全員で共有する必要があるのですか?
A: 同じメンバで来季モデル開発を行うため、分析結果を全員が知ることで、同種の欠陥を混入させないようにできるからです。
A: 同じメンバで来季モデル開発を行うため、分析結果を全員が知ることで、同種の欠陥を混入させないようにできるからです。
Q: 精査結果のレポートでは、何を共有するのですか?
A: 欠陥がなぜ混入したのかなど、再発防止に役立つ分析結果を共有します。
A: 欠陥がなぜ混入したのかなど、再発防止に役立つ分析結果を共有します。
Q: レビュー計画の改善と、レポート内容の共有は同じ対策ですか?
A: 別の対策です。レビュー計画の改善は欠陥の摘出に関する対策で、メンバ全員での共有は同種の欠陥の混入を防ぐための対策です。
A: 別の対策です。レビュー計画の改善は欠陥の摘出に関する対策で、メンバ全員での共有は同種の欠陥の混入を防ぐための対策です。
関連キーワード: 欠陥分析、再発防止、品質管理、情報共有、レビュー改善



