プロジェクトマネージャ 2018年 午後1 問03
情報システム刷新プロジェクトのコミュニケーションに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
A社は中堅のSIベンダであり、本社は東京にある。A社は、東京近郊にある中堅不動産会社のP社から現行のCRMシステムを刷新するプロジェクト(以下、CRMプロジェクトという)を受注することが決まり、契約締結に向けて準備をしている。P社では、現行のCRMシステムが間もなく保守期限を迎えることもあり、P社社長の意向によって、最先端のCRMシステムに刷新し、顧客の拡大を図る方針が打ち出されていた。
〔CRMプロジェクトの体制〕
A社は、CRMプロジェクトのプロジェクトマネージャ(PM)としてソリューション部のB課長を任命した。A社は、過去にP社の現行のCRMシステムの構築を手掛けたが、P社とのコミュニケーションで苦労した経験があり、稼働後の保守ではコミュニケーション面の改善にも留意してきた。A社社長からB課長に対しては、前回の反省とこれまでの経験を生かしてCRMプロジェクトを進めるように指示があった。
一方で、A社は、地方のシステム会社X社を昨年子会社にしたばかりであり、CRMプロジェクトにおいてX社の活用を計画している。これまでX社は、A社から提示された仕様書に基づく製造やテストの工程を主な業務範囲としていたので、業務を進める中でA社の顧客との接点はなかった。A社社長には、今後のX社の業務範囲拡大に向けて設計工程から参加してもらいたい、CRMプロジェクトではその先駆けとなる取組みをしてほしい、という意向があった。B課長は、A社社長の意向を受け、X社に再委託することについてのP社の了解を得て、X社に設計工程の業務の一部を委託することにした。この方針を受け、X社は経験豊富なY主任をX社側の責任者として選任した。
P社では、総務部が統括して情報システムの要件を取りまとめ、SIベンダに発注することが通例になっている。CRMプロジェクトにおいては、総務部のQ部長がプロジェクト統括責任者となり、プロジェクト責任者には総務部情報システム担当のR氏が選任された。利用部門からは、業務要件の確定などの目的で、営業部のS部長が利用部門責任者となり、利用部門担当者には営業部のT氏が選任された。
〔ステークホルダ登録簿の作成〕
B課長は、CRMプロジェクトの計画策定に当たり、現行のCRMシステム構築時のPMにヒアリングし、次の問題があったことを確認した。
・P社のプロジェクト責任者と合意した事項について、しばしばP社社長から見直し依頼があり、スケジュールが遅延した。この原因は、P社側のプロジェクト体制において、P社社長への報告経路や報告の会議体が不明確で、プロジェクトの状況が適切に報告されていなかったことであると考えられた。
・会議の参加者に不足があり、会議後に結論が覆されたことがあった。
B課長は、CRMプロジェクトの推進において、これらの問題を再発させないよう、ステークホルダマネジメントの観点から事前に対策を検討することにした。そこでB課長は、①CRMプロジェクトに関わるP社のステークホルダを特定し、その特性を表1の主要なステークホルダ登録簿(P社分)に整理した。

P社のステークホルダについての情報は次のとおりである。
・P社社長のCRMプロジェクトに懸ける思いは強く、CRMプロジェクトの状況には関心が高い。また、Q部長をはじめとするCRMプロジェクトのメンバには期待を懸けている。
・Q部長は、次期役員候補であり、P社社長から全幅の信頼を得ている。Q部長は、CRMプロジェクトにおいて、プロジェクト統括責任者として最先端のCRMシステム導入を成功させ、社内外にアピールしたいと思っている。R氏やB課長が、CRMプロジェクトの進捗状況や課題対応状況を適宜Q部長に報告することで、P社社長の意向を踏まえた判断やP社社長に報告する際のアドバイスが期待できる。
・R氏は、責任感と使命感が強い人物であるが、中途入社ということもあってP社社長に直接報告した経験が少ない。しかし、プロジェクト責任者としてCRMプロジェクトの状況などをP社社長に報告する立場なので、②R氏からP社社長への報告に際しては、P社社長の思いや関心に応える内容になっているかどうかを、必ず事前にR氏からQ部長に確認してもらうのがよいとB課長は考えた。
・S部長は、昔ながらの営業気質をもっており、最先端のCRMシステムを導入してもそれだけでは売上が向上するわけがないと考えている。しかし、最先端のCRMシステムの業務要件を確定するためには、利用部門責任者であるS部長の承認は必須である。
・T氏は、営業部で3年間経験を積んでいるが、最先端のCRMシステムの業務要件を独力で定義できるまでには至っておらず、S部長の営業としての見識や経験に基づく支援が必要だとB課長は考えている。
B課長はこれらの情報を分析した結果、P社社長、Q部長及びS部長の3名は、しっかりとしたコミュニケーションマネジメント計画を作成する上で重要な人物であると認識した。
〔コミュニケーションマネジメント計画の作成〕
B課長はR氏に対して、表1の記載内容を基に作成したA社とP社のステークホルダに関わるコミュニケーションマネジメント計画案を説明した。
・ステアリングコミッティ
重要方針の意思決定が必要な時点で開催する。P社社長、Q部長及びS部長に出席してもらい、A社とP社で協議してきた重要事項について、R氏からP社社長に報告してもらう。A社側からもaが出席することによって、意思決定の内容を最終合意する。
・全体会議
CRMプロジェクト内での意思の統一と情報共有を図るために、P社の総務部及び営業部のCRMプロジェクト関係者全員並びにB課長が出席し、月次で開催する。特にS部長には、事前打合せの時間を取ってもらい、③最先端のCRMシステムが有する機能の利点や日々の営業業務への効果などを説明する。
・進捗会議
CRMプロジェクトの進捗や課題をA社とP社間で協議し、共有する。B課長、R氏及びT氏が出席し、週次で開催する。
R氏はB課長の考えを理解し、P社の各ステークホルダと調整を行うことにした。
〔X社の業務範囲の拡大〕
B課長は、X社に委託する業務範囲を拡大するための検討を行った。そこでB課長は、X社を訪問し、Y主任にヒアリングして状況を確認した。
・X社は、これまで地場の取引先の比較的小規模なシステム開発や保守を中心に行ってきた。また、複数のメンバでチームを組んでプロジェクトを遂行した経験が少ない。
・X社のメンバは、個人の技術スキルは高く、技術面の勉強会も活発に行われているが、プロジェクト管理の重要性に関する意識が希薄であり、プロジェクト管理ルールが浸透していない。
・Y主任は、X社が業務範囲を拡大するためには、プロジェクト管理ルールに従って業務を遂行するとともに、チームとして業務を進める上でプロジェクト管理に関する理解を深めることが必要だと思っている。
B課長は、これらの状況を改善してX社の業務範囲を拡大するためには、Y主任が推進役となってX社メンバのbに関する意識を変えることが重要であると考えた。そこで、Y主任と協議して次の対応策を取ることを合意した。
・CRMプロジェクト向けのプロジェクト管理ルールをX社内で規定し、X社からの報告事項、報告時期及び報告方法をB課長とY主任の間で合意する。Y主任はX社メンバに周知する。
・プロジェクト管理ルールをX社メンバに定着させるために、Y主任はルールの遵守状況を定期的に確認する。ルールがある程度定着してきたら、Y主任は④X社としてプロジェクト管理に関する理解を深める活動を検討する。
さらに、B課長は、X社には設計工程において、顧客とレビューを繰り返しながら仕様を確定していくという経験が少なく、設計工程の進め方がイメージできていない、という状況も確認した。そこで、設計工程の業務にも対応できるように、X社には、P社の了解を得た上で、⑤設計工程からある対応をしてもらうことを提案した。
これらの検討の結果に基づき、B課長はP社及びX社との契約内容を整理することにした。
設問1:〔ステークホルダ登録簿の作成〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る本文中の下線①について、B課長が、現行のCRMシステム構築時の問題を再発させないために、ステークホルダ登録簿(P社分)を作成してステークホルダの特性を整理した狙いは何か。30字以内で述べよ。
模範解答
・主要なステークホルダに対して適切な対応を取ること
・P社社長への報告経路や報告の会議体を整備すること
解説
解答の導き方
-
まず、現行のCRMシステム構築時に起きた問題を確認します。P社では、プロジェクト責任者と合意した事項をP社社長から見直され、スケジュールが遅延しました。その原因は、P社社長への報告経路や報告の会議体が不明確で、プロジェクトの状況が適切に報告されていなかったことだと考えられています。
-
また、会議の参加者が不足し、会議後に結論が覆されたことも問題でした。つまり、関係者の役割や影響力を把握し、誰に何を報告するか、重要事項を誰が出席する会議で決めるかを明らかにする必要があります。
-
表1では、ステークホルダごとに役割、影響度、CRMプロジェクトに対する姿勢が整理されています。例えば、P社社長は最終意思決定者で影響度が高く、S部長も利用部門責任者で影響度が高い一方、抵抗があります。このような違いを把握すれば、重要な人物に応じたコミュニケーションの方法を考えられます。
-
さらに、Q部長はP社社長から信頼されており、進捗や課題対応状況を適宜報告すれば、P社社長の意向を踏まえた判断や、社長への報告に関する助言が期待できます。したがって、ステークホルダの特性を整理する狙いには、重要な人物に適切に対応することに加え、P社社長への報告経路や報告の会議体を整えることが含まれます。
誤りやすいポイント
- ステークホルダの氏名や役割を一覧にすること自体を目的と考えないようにします。登録した特性を、適切なコミュニケーション方法の検討に生かすことが重要です。
- 「P社社長への報告経路」だけに注目すると、会議の参加者不足によって結論が覆された問題を見落としやすくなります。
- 影響度や姿勢を記録するだけで終わらせず、それらを基に誰にどのように働きかけるかを考える必要があります。
FAQ
Q: ステークホルダ登録簿を作るだけで、報告経路や会議体の問題は解決しますか。
A: 登録簿は関係者の役割や特性を把握するための基礎資料です。その情報を使って、報告先や会議の参加者などをコミュニケーションマネジメント計画に定めます。
A: 登録簿は関係者の役割や特性を把握するための基礎資料です。その情報を使って、報告先や会議の参加者などをコミュニケーションマネジメント計画に定めます。
Q: 影響度やプロジェクトへの姿勢を整理するのはなぜですか。
A: 影響度や姿勢によって、必要な情報や働きかけ方が異なるためです。重要な人物を見極め、適切な対応を検討しやすくなります。
A: 影響度や姿勢によって、必要な情報や働きかけ方が異なるためです。重要な人物を見極め、適切な対応を検討しやすくなります。
Q: 会議後に結論が覆された問題には、どう対応する考え方ですか。
A: 意思決定に関係するステークホルダを事前に把握し、重要事項を協議する場に必要な人が参加できるよう、会議体を整備します。
A: 意思決定に関係するステークホルダを事前に把握し、重要事項を協議する場に必要な人が参加できるよう、会議体を整備します。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、ステークホルダ登録簿、コミュニケーションマネジメント、報告経路、会議体
設問1(2)
問題文を見る本文中の下線②について、R氏からP社社長への報告に際しては必ず事前にこのような対応をしてもらうことでB課長が防ぎたかったことは何か。40字以内で述べよ。
模範解答
P社社長の知りたいことを適切に報告できず、見直し依頼が発生すること
解説
解答の導き方
-
まず、B課長が再発を防ごうとしている過去の問題を確認します。現行のCRMシステム構築時には、合意した事項に対して「しばしばP社社長から見直し依頼があり、スケジュールが遅延した」とあります。
-
その原因は、P社社長への報告経路や会議体が不明確で、「プロジェクトの状況が適切に報告されていなかった」ことだと考えられていました。つまり、P社社長が必要とする情報を十分に把握できないまま重要事項が進み、後から見直しが発生したという流れです。
-
今回は、プロジェクト責任者のR氏からP社社長へ報告する計画ですが、R氏はP社社長に直接報告した経験が少ないとされています。そのため、報告内容がP社社長の思いや関心に応えているかを、事前にQ部長に確認してもらうことにしました。
-
Q部長はP社社長から信頼され、P社社長の意向を踏まえた判断や、報告時のアドバイスが期待されています。したがって、この事前確認によって、P社社長が知りたいことを適切に報告できず、その後に見直し依頼が発生する事態を防ごうとしています。
誤りやすいポイント
- 「P社社長からの見直し依頼を防ぐ」とだけ書くと、見直し依頼につながる原因が示されません。報告内容が不十分になることとのつながりを押さえます。
- 防ぐ対象を、P社社長の意見や変更そのものと捉えないようにします。事前確認の目的は、P社社長の関心に応じた報告を行うことです。
- R氏の報告経験の少なさだけを答えるのではなく、それによって起こり得る不適切な報告と、過去に起きた見直し依頼まで結び付けます。
FAQ
Q: なぜ事前確認をする相手がQ部長なのですか。
A: Q部長はP社社長から信頼されており、社長の意向を踏まえた判断や、報告内容への助言が期待されているためです。
A: Q部長はP社社長から信頼されており、社長の意向を踏まえた判断や、報告内容への助言が期待されているためです。
Q: 防ぎたいのは、P社社長への報告そのものですか。
A: いいえ。報告を行うことではなく、社長の関心に応えられない報告によって、後から見直し依頼が発生することです。
A: いいえ。報告を行うことではなく、社長の関心に応えられない報告によって、後から見直し依頼が発生することです。
Q: この対応は、過去のどの問題への対策ですか。
A: 報告経路などが不明確でプロジェクト状況が適切に伝わらず、合意事項の見直しとスケジュール遅延が起きた問題への対策です。
A: 報告経路などが不明確でプロジェクト状況が適切に伝わらず、合意事項の見直しとスケジュール遅延が起きた問題への対策です。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、コミュニケーションマネジメント、報告経路、情報共有、意思決定
設問1(3)
問題文を見るB課長が、S部長について、しっかりとしたコミュニケーションマネジメント計画を作成する上で重要な人物であると考えた理由は何か。35字以内で述べよ。
模範解答
・プロジェクトに対する姿勢に抵抗があるが、影響度は高いから
・T氏だけでは業務要件を定義できず、S部長の支援が必要だから
解説
解答の導き方
-
まず、表1でS部長の影響度とプロジェクトに対する姿勢を確認します。S部長は「影響度」が「高」である一方、プロジェクトに対する姿勢は「抵抗あり」です。影響力の大きい人物が抵抗しているため、プロジェクトの合意形成に影響する可能性があり、コミュニケーション計画で対応を考える必要があります。
-
次に、S部長の承認が必要な場面を確認します。本文には、業務要件の確定には「利用部門責任者であるS部長の承認は必須」とあります。S部長の理解や合意が得られなければ、要件を確定できないおそれがあります。
-
さらに、T氏だけで業務要件を定義できるかを確認します。T氏は「独力で定義できるまでには至っておらず」、S部長の見識や経験による支援が必要とされています。つまり、S部長は抵抗への対応が必要な人物であるだけでなく、業務要件を定める上でも欠かせません。
以上から、S部長はプロジェクトへの抵抗と高い影響度を併せ持ち、業務要件の確定にも必要な人物であることが、重要と判断された理由です。
誤りやすいポイント
- 「抵抗あり」だけを理由にし、影響度が高いことを示さないと、S部長を重視する必要性が伝わりにくくなります。
- S部長の承認が必要なことだけで終えると、T氏の業務要件定義を支援する役割を見落とします。
- T氏が利用部門担当者であることから、T氏だけで要件を定義できると誤解しないようにします。本文では、T氏にはS部長の支援が必要とされています。
FAQ
Q: S部長が「抵抗あり」であることは、なぜ重要なのでしょうか。
A: 影響度が高い人物の抵抗は、要件の合意やプロジェクトの進行に影響する可能性があるためです。コミュニケーション計画では、相手の姿勢や影響度に応じた働きかけを検討します。
A: 影響度が高い人物の抵抗は、要件の合意やプロジェクトの進行に影響する可能性があるためです。コミュニケーション計画では、相手の姿勢や影響度に応じた働きかけを検討します。
Q: T氏も業務要件に関わるのに、なぜS部長が特に重要なのですか。
A: T氏は業務要件を独力で定義できず、S部長の見識や経験による支援が必要だからです。また、要件確定にはS部長の承認も必要です。
A: T氏は業務要件を独力で定義できず、S部長の見識や経験による支援が必要だからです。また、要件確定にはS部長の承認も必要です。
Q: 「影響度が高い」だけで、重要なステークホルダと判断できますか。
A: 影響度は重要な判断材料ですが、それだけでなく、プロジェクトへの姿勢や担う役割も確認します。この設問では、S部長の抵抗、承認の必要性、T氏への支援という複数の要素が根拠になります。
A: 影響度は重要な判断材料ですが、それだけでなく、プロジェクトへの姿勢や担う役割も確認します。この設問では、S部長の抵抗、承認の必要性、T氏への支援という複数の要素が根拠になります。
関連キーワード: ステークホルダ登録簿、ステークホルダ分析、影響度、合意形成、コミュニケーションマネジメント計画
設問2:〔コミュニケーションマネジメント計画の作成〕について、(1)、(2)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る本文中のaに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
a:A社社長
解説
解答の導き方
-
ステアリングコミッティは「重要方針の意思決定が必要な時点で開催する」とあります。したがって、定例の状況共有ではなく、プロジェクトの重要事項を決める場です。
-
P社側からは、最終意思決定者であるP社社長のほか、Q部長とS部長が出席します。さらに、R氏が「A社とP社で協議してきた重要事項」をP社社長に報告します。
-
そのうえで、A社側の出席者によって「意思決定の内容を最終合意する」とあります。B課長はプロジェクトマネージャとして進行や調整を担いますが、重要方針を会社として最終合意する場には、A社側の意思決定を代表できる立場の人が必要です。
-
A社側でその立場に当たるのはA社社長です。よって、空欄にはA社社長が入ります。
誤りやすいポイント
- B課長はプロジェクトマネージャなので、会議に出席する可能性はあります。しかし、設問が問うているのはプロジェクトの進行役ではなく、重要事項を会社として最終合意するための出席者です。
- ステアリングコミッティを、プロジェクトの定例報告会と取り違えないようにします。本文では、重要方針の意思決定が必要な時点で開催するとされています。
- P社側の出席者をそのままA社側にも当てはめるのではなく、会議の目的である最終合意に照らして、A社側の意思決定を代表する人を考えます。
FAQ
Q: B課長はステアリングコミッティに出席しないのですか?
A: この空欄が問うのは、意思決定内容を最終合意するためにA社側から出席する人です。B課長がほかの役割で出席するかどうかではなく、最終合意を担う立場に注目します。
A: この空欄が問うのは、意思決定内容を最終合意するためにA社側から出席する人です。B課長がほかの役割で出席するかどうかではなく、最終合意を担う立場に注目します。
Q: なぜステアリングコミッティにP社社長が出席するのですか?
A: 本文ではP社社長が最終意思決定者であり、重要方針を決める会議としてステアリングコミッティを開催するとされています。決定に必要な権限を持つ人が参加するためです。
A: 本文ではP社社長が最終意思決定者であり、重要方針を決める会議としてステアリングコミッティを開催するとされています。決定に必要な権限を持つ人が参加するためです。
Q: 全体会議や進捗会議との違いは何ですか?
A: 全体会議はプロジェクト内の意思統一と情報共有、進捗会議は進捗や課題の協議・共有が目的です。ステアリングコミッティは重要方針の意思決定と最終合意を行います。
A: 全体会議はプロジェクト内の意思統一と情報共有、進捗会議は進捗や課題の協議・共有が目的です。ステアリングコミッティは重要方針の意思決定と最終合意を行います。
関連キーワード: ステークホルダマネジメント、コミュニケーションマネジメント、ステアリングコミッティ、意思決定権限、エスカレーション
設問2(2)
問題文を見る本文中の下線③について、B課長がS部長に、このような対応を行う狙いは何か。40字以内で述べよ。
模範解答
最先端のCRMシステムの機能や効果を理解して、協力してもらうため
解説
解答の導き方
-
まず、S部長の立場とCRMプロジェクトへの姿勢を確認します。表1では、S部長は利用部門責任者で影響度が高く、プロジェクトに対して「抵抗あり」とされています。
-
抵抗の理由は、S部長が「最先端のCRMシステムを導入してもそれだけでは売上が向上するわけがない」と考えていることです。一方で、業務要件を確定するにはS部長の承認が必須です。つまり、S部長の理解や協力が得られないと、要件確定を進めにくくなります。
-
そこで、全体会議の前にS部長と事前打合せを行い、「最先端のCRMシステムが有する機能の利点や日々の営業業務への効果など」を説明します。機能を紹介するだけでなく、営業業務にどのような効果があるかを伝えることで、システム導入の意義を理解してもらい、プロジェクトへの協力につなげる狙いです。
誤りやすいポイント
- 狙いを「CRMシステムの機能を説明するため」とだけ捉えると、説明を通じて得たい結果が抜けてしまいます。理解を得た上で、S部長に協力してもらうことまで含めて考えます。
- 「売上を向上させるため」と答えるのは、説明の狙いとプロジェクトの最終的な目的を混同しています。ここで問われているのは、S部長に事前説明を行う理由です。
- S部長は影響度が高く、業務要件の確定に必要な承認を担っています。単に会議で情報共有するだけでなく、抵抗感を和らげて協力を得る必要があります。
FAQ
Q: なぜ営業業務への効果まで説明するのですか?
A: S部長は、システムを導入するだけでは売上向上につながらないと考えています。営業業務にどう役立つかを示すことで、導入の意義を具体的に理解してもらいやすくなります。
A: S部長は、システムを導入するだけでは売上向上につながらないと考えています。営業業務にどう役立つかを示すことで、導入の意義を具体的に理解してもらいやすくなります。
Q: S部長の協力が必要なのはなぜですか?
A: 利用部門責任者であるS部長の承認が、業務要件の確定に必須だからです。
A: 利用部門責任者であるS部長の承認が、業務要件の確定に必須だからです。
Q: 事前打合せでは、必ず賛成してもらう必要がありますか?
A: 大切なのは、説明を通じて機能や効果への理解を促し、プロジェクトに協力してもらうことです。
A: 大切なのは、説明を通じて機能や効果への理解を促し、プロジェクトに協力してもらうことです。
関連キーワード: ステークホルダ分析、コミュニケーション計画、合意形成、業務要件、抵抗管理
設問3:〔X社の業務範囲の拡大〕について、(1)~(3)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る本文中のbに入れる適切な字句を答えよ。
模範解答
b:プロジェクト管理の重要性
解説
解答の導き方
-
空欄は、「X社メンバのbに関する意識を変える」という文に入ります。まず、X社で意識を変える必要がある対象を、本文の状況から特定します。
-
X社のメンバについては、「個人の技術スキルは高く、技術面の勉強会も活発」とある一方で、「プロジェクト管理の重要性に関する意識が希薄」であり、「プロジェクト管理ルールが浸透していない」と説明されています。したがって、課題は技術力の不足ではなく、プロジェクト管理を重視する意識やルールの定着にあります。
-
また、Y主任は、業務範囲を拡大するには「プロジェクト管理ルールに従って業務を遂行」し、チームで業務を進めるために「プロジェクト管理に関する理解を深めること」が必要だと考えています。後に挙げられる対応策も、報告ルールを定めて周知し、遵守状況を確認するというものです。
-
これらの記述を結び付けると、Y主任が推進役となって変える対象は、プロジェクト管理のルールそのものではなく、それを重要なものとして受け止めるX社メンバの意識です。したがって、空欄には「プロジェクト管理の重要性」が入ります。
誤りやすいポイント
- 「技術面の勉強会も活発」とあるため、技術スキルを高めることが課題だと考えてしまうことです。本文では技術スキルは高いとされているため、意識を変える対象は技術力ではありません。
- 「プロジェクト管理ルールが浸透していない」という記述だけを見て、空欄を「プロジェクト管理ルール」と考えることです。空欄の後ろには「に関する意識を変える」と続くため、本文が明示している意識の問題である「プロジェクト管理の重要性」に着目します。
- 対応策の「報告事項、報告時期及び報告方法」を空欄に入れるべき内容と混同することです。これらは意識を変えるために定める具体的なルールであり、意識を変える対象そのものではありません。
FAQ
Q: プロジェクト管理ルールを定めることが、なぜ意識を変えることにつながるのですか?
A: ルールを周知し、遵守状況を確認することで、プロジェクト管理に基づいてチームで業務を進めることを実践させられるためです。本文では、ルールを定着させた後に、プロジェクト管理への理解を深める活動を検討するとしています。
A: ルールを周知し、遵守状況を確認することで、プロジェクト管理に基づいてチームで業務を進めることを実践させられるためです。本文では、ルールを定着させた後に、プロジェクト管理への理解を深める活動を検討するとしています。
Q: X社の課題は、プロジェクト管理の知識がないことですか?
A: 本文で直接示されているのは、プロジェクト管理の重要性に関する意識が希薄で、ルールが浸透していないことです。知識や理解を深めることも必要ですが、空欄が問うているのは意識を変える対象です。
A: 本文で直接示されているのは、プロジェクト管理の重要性に関する意識が希薄で、ルールが浸透していないことです。知識や理解を深めることも必要ですが、空欄が問うているのは意識を変える対象です。
関連キーワード: プロジェクト管理、プロジェクト管理ルール、報告管理、チームマネジメント、意識改革
設問3(2)
問題文を見る本文中の下線④について、Y主任が検討するプロジェクト管理に関する理解を深める活動とは何か。35字以内で述べよ。
模範解答
・プロジェクトにおけるチーム活動の重要性についての勉強会の開催
・複数メンバでプロジェクトチームを組むことによる業務の遂行
解説
解答の導き方
-
設問は、Y主任がX社のメンバについて検討する「プロジェクト管理に関する理解を深める活動」を問うています。活動の内容は、X社にどのような課題があるかから考えます。
-
X社には「複数のメンバでチームを組んでプロジェクトを遂行した経験が少ない」という課題があります。また、メンバの個人の技術スキルは高く、技術面の勉強会も活発ですが、「プロジェクト管理の重要性に関する意識が希薄」で、プロジェクト管理ルールも浸透していません。つまり、技術力ではなく、チームで業務を進めることやプロジェクト管理への理解を深める必要があります。
-
すでに、プロジェクト管理ルールを定めてメンバに周知し、Y主任が「ルールの遵守状況を定期的に確認する」ことになっています。これは、決めたルールを業務で守れるようにする対応です。一方、設問が尋ねるのは、ルールがある程度定着した後に、プロジェクト管理への理解をさらに深めるための活動です。
-
したがって、プロジェクトにおけるチーム活動の重要性を学ぶ勉強会を行うことや、複数メンバでプロジェクトチームを組んで実際に業務を遂行することが、課題に対応した活動になります。技術知識を増やすだけでなく、チームで進める際のプロジェクト管理を学ぶ点が重要です。
誤りやすいポイント
- 技術面のスキル向上や技術勉強会の開催を答えることです。本文では、技術面の勉強会はすでに活発だとされています。
- プロジェクト管理ルールを作成することだけを答えることです。ルールの策定と周知はすでに合意済みで、設問はルールが定着してきた後の活動を尋ねています。
- ルールを守っているか確認することだけを答えることです。確認は定着を促す対応であり、プロジェクト管理に関する理解を深める活動とは区別します。
- X社がチームで業務を進めた経験が少ない点を見落とすことです。勉強会だけでなく、チームを組んで業務を遂行する実践も、本文の課題に対応します。
FAQ
Q: 技術面の勉強会では、なぜ設問の答えとして不十分なのですか。
A: X社では技術面の勉強会がすでに活発です。課題は、プロジェクト管理への意識や、チームで業務を進める経験が不足していることです。
A: X社では技術面の勉強会がすでに活発です。課題は、プロジェクト管理への意識や、チームで業務を進める経験が不足していることです。
Q: ルールの遵守状況を定期的に確認することと、理解を深める活動はどう違いますか。
A: 遵守状況の確認は、決めたルールが実行されているかを見る対応です。理解を深める活動では、チームで進めるプロジェクト管理の重要性を学んだり、実際の業務を通じて経験したりします。
A: 遵守状況の確認は、決めたルールが実行されているかを見る対応です。理解を深める活動では、チームで進めるプロジェクト管理の重要性を学んだり、実際の業務を通じて経験したりします。
関連キーワード: プロジェクト管理、プロジェクト管理ルール、チーム活動、プロジェクトチーム、勉強会
設問3(3)
問題文を見る本文中の下線⑤について、B課長が提案した設計工程からのある対応とは何か。30字以内で述べよ。
模範解答
顧客とA社とのレビューにY主任も同席してもらうこと
解説
解答の導き方
本文では、X社には「顧客とレビューを繰り返しながら仕様を確定していくという経験が少なく」、設計工程の進め方をイメージできていないとあります。つまり、X社に必要なのは、設計工程で顧客とのレビューをどのように進め、仕様を確定していくのかを実際に知ることです。
そこで、X社側の責任者であるY主任に、顧客とA社が行うレビューに同席してもらいます。レビューの進め方や、顧客の意見を仕様に反映する流れを直接把握できれば、X社が設計工程に対応するための経験につながります。したがって、設計工程からの対応は、顧客とA社とのレビューにY主任も同席してもらうことだと分かります。
誤りやすいポイント
- X社の設計業務を増やすだけでは、顧客レビューの進め方を学ぶ機会になりません。
- プロジェクト管理ルールの周知や遵守状況の確認は、X社のプロジェクト管理意識を高めるための対応であり、設計工程の進め方を身につける対応とは別です。
- 顧客とのレビューにY主任が同席することと、X社が顧客との仕様調整を単独で行うことは同じではありません。
FAQ
Q: なぜX社のメンバ全員ではなく、Y主任が同席するのですか?
A: Y主任はX社側の責任者です。レビューの進め方を把握した後、X社内に共有する役割を担うことが期待できます。
A: Y主任はX社側の責任者です。レビューの進め方を把握した後、X社内に共有する役割を担うことが期待できます。
Q: ここでいうレビューは、進捗会議のことですか?
A: いいえ。本文では、顧客とレビューを繰り返して仕様を確定するとあります。設計内容を確認し、仕様を決めていく場面を指しています。
A: いいえ。本文では、顧客とレビューを繰り返して仕様を確定するとあります。設計内容を確認し、仕様を決めていく場面を指しています。
Q: Y主任の同席は、どの課題への対応ですか?
A: X社に設計工程での顧客レビューの経験が少なく、進め方をイメージできていないという課題への対応です。
A: X社に設計工程での顧客レビューの経験が少なく、進め方をイメージできていないという課題への対応です。
関連キーワード: 設計工程、顧客レビュー、仕様確定、ナレッジ共有



