登録販売者 2020年 奈良・関西広域連合・福井 問55
問題文
漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a すべての漢方処方製剤は、作用が穏やかで、長期間(1ヶ月位)継続して服用しないと効果が得られない。
b 漢方処方製剤を利用する場合、「証」の概念を良く理解し、漢方処方製剤が使用される人の体質と症状を十分に踏まえ、処方が選択されることが重要となる。
c すべての漢方処方製剤は、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている。
d 漢方薬は、現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤と同じものである。
選択肢
1:a:正、b:正、c:誤、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:誤、b:正、c:誤、d:誤(正解)
4:a:正、b:誤、c:正、d:誤
5:a:誤、b:誤、c:正、d:正
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漢方処方製剤の基本【登録販売者解説】
正解の理由
漢方処方製剤は、体質や症状に合う処方を選びますが、すべてが長期服用を要するわけでも、同じ形で販売されるわけでもありません。
正しい組合せは3です。記述は、a:誤、b:正、c:誤、d:誤となります。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」の第3章「主な医薬品とその作用」にある、漢方の特徴と使用時の基本的な考え方です。
解法ステップ
- aの「すべて」「効果が得られない」という断定に注目します。手引きの「比較的長期間服用されることがある」と一致するかを確認します。
- bは「証」と「体質・症状を踏まえた処方選択」が結び付いているかを見ます。
- cの「すべて」と、dの「中医学に基づく薬剤と同じ」という部分を確認します。手引きでは、販売される製剤の形には複数あり、現代中国の中医学に基づく薬剤は漢方薬と区別されています。
- a・c・dが誤り、bが正しい組合せを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×「すべて」「1ヶ月位継続して服用しないと効果が得られない」→ ○「比較的長期間継続して服用されることがある」
体質の改善を主眼とする製剤には、比較的長期間服用されるものがあります。しかし、すべての製剤で長期間の服用が必要という意味ではありません。「漢方薬は作用が穏やかで、副作用が少ない」と決めつけるのも誤りです。 -
b:正しい
「証(体質や症状など、その人の状態)」に合う処方を選ぶことが重要です。証に合わない処方では、効果が得られないだけでなく、副作用につながる場合もあります。 -
c:誤り
×「すべて」→ ○「多くは」
多くの漢方処方製剤は、乾燥エキス製剤を散剤などに加工して販売されています。一方、軟エキス剤、煎剤(せんざい)用の刻み生薬の混合物、丸剤もあります。 -
d:誤り
×「中医学に基づく薬剤と同じ」→ ○「中医学に基づく薬剤は『中薬』と呼ばれ、漢方薬とは別物」
漢方医学は中国から伝わった後、日本で発展した伝統医学です。現代中国の中医学に基づく薬剤と同じものではありません。
各選択肢の正誤の組合せは次のとおりです。
よくある誤解
- 「比較的長期間服用されることがある」を、「すべて1ヶ月ほど飲まないと効果がない」と読み替えてしまいます。
- 「多くは」を「すべて」とする断定の書き換えに気づかないことがあります。
- 漢方薬と、現代中国の中医学に基づく「中薬」を同じものとして扱ってしまいます。
補足コラム
漢方処方製剤は、生薬を使っているだけでなく、漢方医学の考え方に基づく処方として構成されています。一方、漢方医学の考え方に基づかず、生薬を使用した日本の伝統薬もあります。手引きでは、これらと漢方処方製剤を合わせて「生薬製剤」と呼ぶことがあります。
FAQ
漢方処方製剤では、構成する生薬が同じなら、別の処方を一緒に使ってもよいですか?
同じ生薬を含む製剤を併用すると、作用が強くなったり、副作用が生じやすくなったりするおそれがあります。生薬を自己判断で追加すると、処方の構成が乱れる場合もあります。
同じ生薬を含む製剤を併用すると、作用が強くなったり、副作用が生じやすくなったりするおそれがあります。生薬を自己判断で追加すると、処方の構成が乱れる場合もあります。
関連キーワード: 証、漢方医学、中薬、乾燥エキス製剤、生薬製剤

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