登録販売者 2020年 奈良・関西広域連合・福井 問56
問題文
生薬及び漢方処方製剤の副作用に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 加味逍遥散又は黄連解毒湯の長期服用で、まれに副作用として腸間膜静脈硬化症が起こることが知られている。
b かぜ薬の葛根湯、麻黄湯、小青竜湯には、構成生薬としてマオウが含まれており、その副作用によって心臓病、高血圧や甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。
c カンゾウは多くの漢方処方製剤に配合されており、また甘味料として一般食品等にも広く用いられるため、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意が必要である。
d 小柴胡湯は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要がある。
選択肢
1:a:誤、b:正、c:正、d:誤
2:a:正、b:誤、c:正、d:正
3:a:正、b:正、c:正、d:正(正解)
4:a:正、b:誤、c:正、d:誤
5:a:誤、b:正、c:誤、d:正
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漢方処方と生薬の副作用【登録販売者解説】
正解の理由
ひと言まとめ:漢方処方にも重い副作用があり、マオウやカンゾウは成分の重なりにも注意します。
3は、a〜dがすべて正しい組合せです。厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「主な医薬品とその作用」の、生薬・漢方処方製剤の副作用や使用上の注意に関する内容です。
- a:正しい記述です。
- b:正しい記述です。
- c:正しい記述です。
- d:正しい記述です。
解法ステップ
- aの「長期服用」「腸間膜静脈硬化症(ちょうかんまくじょうみゃくこうかしょう)」に注目します。黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、まれにこの副作用が起こることがあります。
- bは、葛根湯(かっこんとう)・麻黄湯(まおうとう)・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)に共通する生薬「マオウ」が判断の手がかりです。
- cは、カンゾウ由来のグリチルリチン酸が医薬品だけでなく食品などにも含まれる点を確認します。
- dは、小柴胡湯(しょうさいことう)とインターフェロン製剤の併用で、間質性肺炎(かんしつせいはいえん)の危険が高まる点から判断します。
選択肢別の誤答解説
記述ごとの確認
- a:正しいです。 黄連解毒湯の長期服用では、まれに腸間膜静脈硬化症が起こることが知られています。
- b:正しいです。 3処方はいずれも構成生薬としてマオウを含みます。マオウの作用が心臓や血圧などに影響するため、心臓病、高血圧、甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあります。
- c:正しいです。 カンゾウは多くの漢方処方製剤に配合され、甘味料として一般食品などにも用いられます。医薬品と食品の両方から摂取する場合があるため、グリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意が必要です。
- d:正しいです。 小柴胡湯をインターフェロン製剤で治療中の人が使用すると、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要があります。
組合せの誤り
- 選択肢1は、aとdを「誤」としています。しかし、どちらも正しい記述です。
- 選択肢2は、bを「誤」としています。しかし、マオウを含む3処方についての記述は正しいです。
- 選択肢4は、bとdを「誤」としています。しかし、どちらも正しい記述です。
- 選択肢5は、aとcを「誤」としています。しかし、どちらも正しい記述です。
よくある誤解
- 漢方処方製剤なら副作用が少ないと思い込むことがあります。漢方処方製剤にも、まれに重い副作用が起こるものがあります。
- 食品に使われる生薬なら、医薬品との重複を気にしなくてよいと思うのは誤りです。カンゾウ由来のグリチルリチン酸は、食品などからも摂取されることがあります。
- 小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用注意を、漢方薬全般の注意と混同することがあります。ここでは、この組合せと間質性肺炎の危険を結びつけて覚えます。
補足コラム
マオウを含む処方と、カンゾウを含む処方では、注意する点が異なります。マオウは心臓や血圧などへの影響、カンゾウはグリチルリチン酸の総摂取量に着目します。処方名を覚えるだけでなく、構成生薬に共通する注意点も押さえましょう。
FAQ
Q. 医薬品と食品の成分量を合計する必要があるのはなぜですか?
A. カンゾウ由来のグリチルリチン酸は、医薬品のほか、甘味料として一般食品などにも使われるためです。医薬品だけを見ていると、摂取全体の量を見落とすことがあります。
A. カンゾウ由来のグリチルリチン酸は、医薬品のほか、甘味料として一般食品などにも使われるためです。医薬品だけを見ていると、摂取全体の量を見落とすことがあります。
Q. 小柴胡湯とインターフェロン製剤の注意は、何と結びつけて覚えればよいですか?
A. 「併用で間質性肺炎の副作用のおそれが高まるため、使用を避ける」と一続きで覚えます。
A. 「併用で間質性肺炎の副作用のおそれが高まるため、使用を避ける」と一続きで覚えます。
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