登録販売者 2022年 中国・四国 問34
問題文
医薬品の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 最近の研究により、小腸などの消化管粘膜や腎臓には、代謝活性がないことが明らかにされている。
b 経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、全身循環に入る前に、肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受ける。
c 多くの有効成分は血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しているが、血漿タンパク質との結合は速やかかつ可逆的である。
d 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:正、d:正
2:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
3:a:正、b:誤、c:正、d:誤
4:a:正、b:正、c:誤、d:誤
5:a:誤、b:正、c:正、d:正(正解)
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医薬品の代謝と排泄【登録販売者解説】
正解の理由
小腸などや腎臓にも代謝活性があり、肝臓は経口薬の全身循環前の代謝に関わります。
正しい組み合わせは 5 です。aは誤、b・c・dは正です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第2章「人体の働きと医薬品」の「消化管で吸収されてから循環血液中に入るまでの間に起こる代謝」「循環血液中に移行した有効成分の代謝と排泄」です。
解法ステップ
- aの「代謝活性がない」に注目します。小腸などの消化管粘膜や腎臓にも代謝活性があるため、この断定は誤りです。
- bは、経口投与された成分が全身循環に入る前にどこを通るかを確認します。消化管で吸収された成分は、全身循環に入る前に肝臓を通過し、肝臓の酵素により代謝を受けます。
- cの「速やかかつ可逆的」は、血漿タンパク質との結合について手引きにある表現と照らします。
- dは腎機能が低下した場合の尿中排泄と血中濃度の変化を確認します。ここまでの正誤に一致するのは 5 です。
選択肢別の誤答解説
-
a
×「代謝活性がない」→ ○「代謝活性がある」
小腸などの消化管粘膜や腎臓にも、代謝活性があることが明らかにされています。「代謝を行うのは肝臓だけ」と覚えないようにしましょう。 -
b
経口投与後、吸収された有効成分は、全身循環に入る前に肝臓を通ります。消化管からの血液が門脈(もんみゃく)を経由して肝臓に入るため、肝臓の酵素による代謝を受けます。 -
c
血漿(けっしょう)タンパク質との結合は、速やかかつ可逆的です。「可逆的」とは、結合したり離れたりすることを指します。結合と解離を繰り返すため、血液中の有効成分が一度結合したままになるわけではありません。 -
d
腎機能が低下すると、有効成分の尿中への排泄が遅れます。その結果、血中濃度が下がりにくくなり、効き目が過剰に現れたり、副作用が生じやすくなったりすることがあります。
選択肢ごとの照合も確認しましょう。
- 選択肢1は、aを正、bを誤としています。a・bの正誤がそれぞれ逆です。
- 選択肢2は、b・cを誤としています。どちらも正しい記述なので、この2点が一致しません。
- 選択肢3は、aを正、bを誤、dを誤としています。a・b・dの正誤が一致しません。
- 選択肢4は、aを正、c・dを誤としています。a・c・dの正誤が一致しません。
よくある誤解
- **「代謝は肝臓だけで行われる」**と考えるのは誤りです。小腸などの消化管粘膜や腎臓にも代謝活性があります。
- **「血漿タンパク質との結合は固定されている」**と考えないようにしましょう。結合は速やかで、結合と解離を繰り返す可逆的なものです。
- **腎機能低下で「排泄が速くなる」**と逆にしないことが大切です。尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。
補足コラム
有効成分は、未変化体のまま、または代謝物となって体外へ排泄されます。主な経路は、腎臓から尿中、肝臓から胆汁中、肺から呼気中です。汗や母乳への移行は、体内からの消失経路としての意義は小さいとされていますが、母乳への移行は乳児への副作用という点で軽視できません。
FAQ
Q. 肝臓で代謝を受けると、有効成分は必ず作用を失いますか?
A. 必ずではありません。代謝によって作用を失う場合のほか、作用が現れたり、体外へ排泄されやすい物質に変化したりする場合もあります。
A. 必ずではありません。代謝によって作用を失う場合のほか、作用が現れたり、体外へ排泄されやすい物質に変化したりする場合もあります。
Q. 血漿タンパク質に結合した有効成分は、血液中からすぐになくなりますか?
A. すぐになくなるとは限りません。結合している有効成分は代謝や分布が制限され、血中濃度の低下は徐々に起こります。
A. すぐになくなるとは限りません。結合している有効成分は代謝や分布が制限され、血中濃度の低下は徐々に起こります。
関連キーワード: 代謝活性、肝初回通過効果、血漿タンパク質、尿中排泄、腎機能低下

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