登録販売者 2022年 中国・四国 問33
問題文
医薬品の吸収に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 皮膚に適用する医薬品の場合、皮膚表面から循環血液中へ移行する量が少ないため、適用部位以外にアレルギー性の副作用が現れることはない。
b 錠剤、カプセル剤等の固形剤の場合、特殊なものを除き、胃で有効成分が溶出するものが大部分である。
c 坐剤は、肛門から医薬品を挿入して、直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものであり、内服の場合よりも全身作用がゆっくり現れる。
d 全身作用を目的としない内服薬であっても、消化管内を通過する間に結果的に吸収されてしまうものがある。
選択肢
1:a:正、b:誤、c:誤、d:正
2:a:誤、b:正、c:誤、d:正(正解)
3:a:正、b:誤、c:正、d:誤
4:a:正、b:正、c:誤、d:誤
5:a:誤、b:正、c:正、d:正
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医薬品の吸収と全身作用【登録販売者解説】
正解の理由
皮膚からの吸収量が少なくても、全身性や適用部位以外のアレルギー性副作用は起こり得ます。
正しい組合せは2です。各記述は、a:誤、b:正、c:誤、d:正です。根拠は『試験問題の作成に関する手引き』第2章「人体の働きと医薬品」の、薬の生体内運命と吸収に関する項目です。
解法ステップ
- aの「副作用が現れることはない」という断定に注目します。皮膚からの移行量が少なくても、適用部位以外に副作用が現れることがあります。
- bは「特殊なものを除き、胃で有効成分が溶出するものが大部分」という説明が手引きと一致します。
- cは、坐剤の全身作用が内服より「ゆっくり」としている点を確認します。手引きでは、坐剤は内服より全身作用が速く現れるとされています。
- dは、全身作用を目的としない内服薬でも、消化管内を通過する間に吸収される場合があるため、正しい記述です。
選択肢別の誤答解説
記述a:誤り
×「適用部位以外にアレルギー性の副作用が現れることはない」→ ○「適用部位以外にも現れることがある」
皮膚に使う薬は、通常、皮膚表面から循環血液中へ移行する量は比較的少ないものです。しかし、少ないからといって副作用が起こらないとは限りません。血液中に移行した成分による全身作用や、適用部位以外に現れるアレルギー性の副作用が起こることがあります。
記述b:正しい
錠剤やカプセル剤などの固形剤は、消化管内で崩壊して有効成分が溶け出した後に吸収されます。腸溶性製剤のような特殊なものを除き、胃で有効成分が溶出するものが大部分です。
ただし、溶出する場所と主に吸収される場所は同じとは限りません。有効成分は主に小腸で吸収されます。
記述c:誤り
×「内服の場合よりも全身作用がゆっくり現れる」→ ○「内服の場合よりも全身作用が速く現れる」
坐剤は、肛門から挿入し、直腸内で溶けた有効成分を直腸内壁の粘膜から吸収させる剤形です。手引きでは、内服の場合よりも全身作用が速く現れるとされています。「ゆっくり」という部分が誤りです。
記述d:正しい
全身作用を目的としない内服薬は、通常、有効成分が消化管から吸収されず、消化管内で作用して糞便中に排泄されます。しかし、薬によっては消化管を通過する間に結果的に吸収されることがあります。その場合、循環血液中に移行した成分によって、好ましくない作用が生じることがあります。
組合せの確認
- 選択肢1は、a・bの正誤が逆です。
- 選択肢3は、a・b・c・dすべての正誤が異なります。
- 選択肢4は、a・dの正誤が異なります。
- 選択肢5は、cの正誤が異なります。
よくある誤解
- 「吸収量が少ない」から「副作用はない」と決めつける誤りです。少量でも、アレルギー性の副作用が現れることがあります。
- 有効成分が溶け出す場所と、主に吸収される場所を混同する誤りです。固形剤は胃で溶出するものが大部分ですが、有効成分は主に小腸で吸収されます。
- 坐剤の説明で、吸収経路は正しくても「速い/ゆっくり」を入れ替える書き換えに注意してください。
補足コラム
薬の作用には、全身に広がって働く「全身作用」と、使った部位などで働く「局所作用」があります。局所作用を目的とする薬でも、成分が吸収されて全身作用や副作用につながる場合があります。薬の使用目的が局所作用だからといって、全身への影響が絶対にないとは限りません。
FAQ
Q. 腸溶性製剤とは何ですか?
A. 胃では有効成分が溶け出しにくく、腸で溶け出すように作られた製剤です。固形剤の多くが胃で溶出するという説明の例外に当たります。
A. 胃では有効成分が溶け出しにくく、腸で溶け出すように作られた製剤です。固形剤の多くが胃で溶出するという説明の例外に当たります。
Q. 坐剤は、すべて全身作用を目的としていますか?
A. 坐剤などには、適用部位から吸収された有効成分が循環血液中に移行し、全身作用を示すよう設計されたものがあります。剤形だけで薬の目的を一律に判断しないことが大切です。
A. 坐剤などには、適用部位から吸収された有効成分が循環血液中に移行し、全身作用を示すよう設計されたものがあります。剤形だけで薬の目的を一律に判断しないことが大切です。
関連キーワード: 消化管吸収、溶出、腸溶性製剤、坐剤、皮膚吸収、全身作用、局所作用

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