登録販売者 2022年 奈良・関西広域連合・福井 問56
問題文
漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 漢方薬とは、古来に中国において発展してきた伝統医学で用いる薬剤全体を概念的に広く表現する時に用いる言葉である。
b 現代では、一般用医薬品の漢方処方製剤として、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工したもののみが、市販されている。
c 漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。
d 漢方の病態認識には、虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。
選択肢
1:a:正、b:正、c:正、d:正
2:a:誤、b:誤、c:正、d:正(正解)
3:a:誤、b:誤、c:誤、d:正
4:a:正、b:正、c:誤、d:誤
5:a:正、b:誤、c:正、d:誤
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漢方薬の定義と「証」【登録販売者解説】
正解の理由
漢方薬は漢方医学で用いる薬剤であり、使用時は「証」に合った処方を選ぶことが大切です。
正しい組合せは 2 です。aは誤り、bは誤り、cは正しく、dも正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第3章「漢方の特徴・漢方薬使用における基本的な考え方」です。
解法ステップ
- aの「中国において発展してきた」に注目します。手引きでは、漢方医学は中国から伝わり、日本で発展した伝統医学とされています。
- bの「のみ」という限定表現を確認します。乾燥エキス製剤以外の漢方処方製剤もあるため、この断定は誤りです。
- cの「証(しょう)に基づいて用いる」と、dの「虚実・陰陽・気血水・五臓」は、いずれも手引きの説明と一致します。
- a・bが誤り、c・dが正しい組合せに絞ると、2になります。正しい組合せでは、他の選択肢は、1はa・b、3はc、4はa・b・c・d、5はa・dの正誤が合いません。
選択肢別の誤答解説
-
a:誤り
×「中国において発展してきた伝統医学」→ ○「中国から伝わり、日本において発展してきた伝統医学」
漢方薬とは、漢方医学で用いる薬剤全体を広く表す言葉です。中国で用いられる中医学の薬剤は「中薬」と呼ばれ、漢方薬とは区別されます。 -
b:誤り
×「乾燥エキス製剤を散剤等に加工したもののみ」→ ○「乾燥エキス製剤を散剤等に加工したものが多い」
乾燥エキス製剤のほか、軟エキス剤、伝統的な煎剤(せんざい)用の刻み生薬の混合物、丸剤もあります。「のみ」と言い切っている点が誤りです。 -
c:正しい
漢方薬は、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性と安全性の確保に重要です。「証」は、体質や症状などから捉える、その人の状態を表す考え方です。 -
d:正しい
漢方の病態認識には、虚実、陰陽、気血水、五臓などがあります。これらをもとに状態を捉え、処方選択につなげます。
よくある誤解
- 漢方医学の起源が中国にあることと、漢方医学が中国で発展したことを混同しやすいです。手引きでは「中国から伝わり、日本で発展」と整理されています。
- 「多くは」を「すべて」「のみ」と読み替えると、乾燥エキス製剤以外の形があることを見落とします。
- 漢方薬は作用が穏やかで副作用が少ない、と決めつけてしまうことがあります。手引きでは、証に合わない処方で症状の悪化や副作用が起こる場合があるとされています。
補足コラム
一般用の漢方処方製剤では、効能・効果の欄に「体力中等度で」「体力虚弱で」など、体力の目安が「しばり」として示されます。これは漢方の「証」の考え方を、一般の人にも分かりやすく表現したものです。
FAQ
Q. 中国の中医学で使われる薬剤も「漢方薬」と呼びますか?
A. いいえ。手引きでは、中医学で使われる薬剤は「中薬」と呼び、漢方薬と区別しています。
A. いいえ。手引きでは、中医学で使われる薬剤は「中薬」と呼び、漢方薬と区別しています。
関連キーワード: 漢方医学、漢方処方製剤、証、中薬、虚実、陰陽、気血水、五臓

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