登録販売者 2025年 中国・四国 問10
問題文
妊娠又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用等に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)があり、母体が医薬品を使用した場合でも医薬品の成分の胎児への移行は全て防御される。
b 一般用医薬品において、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い理由は、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるためである。
c ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。
d 授乳婦が使用した医薬品の成分が、乳汁中に移行することはない。
選択肢
1:(a、b)
2:(a、c)
3:(a、d)
4:(b、c)(正解)
5:(b、d)
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妊娠・授乳期の医薬品使用【登録販売者解説】
正解の理由
血液-胎盤関門は医薬品成分の胎児への移行をすべて防ぐものではなく、妊婦の安全性評価は難しいことが多いです。授乳婦では、医薬品成分の一部が乳汁中に移行することがあります。
正しい組み合わせは4(b、c)です。aとdは誤り、bとcは正しい記述です。根拠は、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」第1章「医薬品に共通する特性と基本的な知識」の妊婦・授乳婦に関する項目です。
解法ステップ
- aの「全て防御される」と、dの「移行することはない」に注目します。どちらも、成分の移行を全面的に否定する表現です。
- bの「安全性に関する評価が困難」と、cの「通常の用量を超えて摂取すると先天異常の危険性が高まる」は、妊婦に関する手引きの説明と合っています。
- したがって、正しいb・cを含む4が答えです。(a、b)はaを含み、cを含みません。(a、c)はaを含み、bを含みません。(a、d)はa・dを含み、b・cを含みません。(b、d)はdを含み、cを含みません。
選択肢別の誤答解説
-
a
×「医薬品の成分の胎児への移行は全て防御される」→ ○「どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い」
胎盤には、胎児と母体の血液が混ざらない仕組みがあります。しかし、それは医薬品成分が胎児へ移行しないという意味ではありません。血液が混ざらないことと、医薬品成分の移行を完全に防ぐことを混同しないようにしましょう。 -
b
正しい記述です。妊婦が使用した場合の安全性を評価するための情報が限られ、評価が困難なことが多いため、一般用医薬品でも妊婦について「相談すること」とされているものが多くあります。 -
c
正しい記述です。ビタミンA含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされています。「妊娠中なら通常の用量でも同じ危険性がある」と読み替えないことが大切です。 -
d
×「乳汁中に移行することはない」→ ○「成分の一部が乳汁中に移行することが知られている」
医薬品の種類によっては、成分の一部が乳汁中に移行し、母乳を介して乳児が摂取する場合があります。
よくある誤解
- 「血液が混ざらない仕組みがある」ことを、「医薬品成分も胎児へ移行しない」と置き換えてしまう誤りです。
- 「全て防御される」「移行することはない」のように、移行を完全に否定する断定表現に注意しましょう。
- ビタミンAについて、手引きの「通常の用量を超えて摂取」という条件を落とし、通常の用量まで危険と読み替えないようにしましょう。
補足コラム
妊婦への注意は、成分の胎児への影響だけではありません。便秘薬のように、配合成分や用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものもあります。妊婦について「相談すること」とされる理由を、具体的な悪影響がすべて確認済みだからだと決めつけないこともポイントです。
FAQ
血液-胎盤関門は、胎児と母体の血液を完全に分ける壁ですか?
血液が混ざらない仕組みですが、医薬品成分の胎児への移行をすべて防ぐものではありません。
血液が混ざらない仕組みですが、医薬品成分の胎児への移行をすべて防ぐものではありません。
授乳中は、すべての医薬品を避ける必要がありますか?
すべての医薬品が一律に同じ扱いとなるわけではありません。成分によって乳汁中への移行や乳児への影響が異なります。
すべての医薬品が一律に同じ扱いとなるわけではありません。成分によって乳汁中への移行や乳児への影響が異なります。
関連キーワード: 妊婦、授乳婦、血液-胎盤関門、乳汁中への移行、ビタミンA、先天異常

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