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応用情報技術者 2010年 秋期 午前216


問題文

システムの信頼性向上技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

故障が発生したときに、あらかじめ指定された安全な状態にシステムを保つことをフェールソフトという。
故障が発生したときに、あらかじめ指定されている縮小した範囲のサービスを提供することをフォールトマスキングという。
故障が発生したときに、その影響が誤りとなって外部に出ないように訂正することをフェールセーフという。
故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることをフォールトアボイダンスという。(正解)

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フォールトアボイダンス【午前2解説】

正解の理由

選択肢のうち、システムの信頼性を「故障が起きたときに対処する」のではなく、設計・製造・品質管理などでそもそも故障を起こしにくくする手法を説明しているのが です。フォールトアボイダンス(fault avoidance)は、試験や設計レビュー、品質管理、信頼性設計(安全係数の導入、設計の簡素化など)によって構成要素そのものの故障率を下げることを指します。したがって本文の記述はフォールトアボイダンスの定義に合致します。

解法ステップ

  1. 設問の語句に注目する:本文は「故障が発生したときに対処するのではなく」「品質管理などを通じて…信頼性を高める」と述べている点を確認する。
  2. キーワードと対照する:故障を未然に防ぐ→フォールトアボイダンス、故障後に安全状態へ→フェールセーフ、故障後に機能を縮小して継続→フェールソフト(グレースフル・ディグラデーション)、故障の影響を外部に出さないように隠蔽・訂正→フォールトマスキング。
  3. 最も一致する概念を選ぶ:上の対応で「未然に防ぐ」に一致するのがフォールトアボイダンス()であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「あらかじめ指定された安全な状態にシステムを保つこと」を説明しているのはフェールセーフ(fail-safe)であり、「フェールソフト」とは異なります。フェールソフトは安全状態に移すのではなく、機能を縮小してサービスを継続する手法です。したがってアは誤りです。
  • イ: 「縮小した範囲のサービスを提供する」説明はフェールソフト(graceful degradation、フェールデグレードとも)に相当します。フォールトマスキングは故障の影響を外部に出さない(冗長化や訂正により挙動を保つ)ことであり、イは誤りです。
  • ウ: 「影響が外部に出ないように訂正する」ことはフォールトマスキング(例えば冗長装置やエラー訂正コードにより誤りを隠す)を指します。フェールセーフは故障時に安全な状態へ遷移することなのでウは誤りです。
  • エ: 設計や品質管理によってそもそも故障の発生確率を下げるという説明はフォールトアボイダンスに一致するため正しいです()。

よくある誤解

  1. フェールセーフとフェールソフトを混同する
    • フェールセーフは「危険を回避するために安全側の状態に移す」こと。フェールソフトは「機能を縮小して可能な限り継続する」こと。目的と振る舞いが異なります。
  2. フォールトマスキングとフォールトアボイダンスを同じと考える
    • マスキングは「故障が外部に影響を与えないように隠す」技術(冗長化や訂正)、アボイダンスは「故障を起こさないようにする」活動です。対策の対象(発生後 vs 発生前)が違います。

補足コラム

  • フォールトアボイダンスの代表的手法:信頼性志向の設計(過剰設計の回避と冗長の適切化)、規格遵守、プロセス能力向上、FMEA(故障モード影響解析)、試験(ストレス/バーンイン)、ソフトウェアの静的解析やコードレビュー。
  • 多くの実システムでは、フォールトアボイダンス(発生予防)とフォールトトレランス(発生後の継続)を組み合わせます。例えば、ハードウェアで品質管理を徹底(アボイダンス)しつつ冗長化を行って影響を隠す(マスキング)・機能を縮小して継続する(フェールソフト)といった多層的対策が採られます。

FAQ

Q1: フォールトアボイダンスとフォールトトレランスは排他的ですか?
A1: いいえ。両者は補完関係です。アボイダンスで故障発生を減らし、トレランスで残存故障に備えるのが実務的です。
Q2: フェールソフトは危険な状態を放置するのですか?
A2: いいえ。フェールソフトは機能を縮小して継続する際にも安全性を確保する必要があります。危険を招く設計は許されません(安全要件は別途満たす)。
Q3: フォールトマスキングはソフトウェアでどう実装されますか?
A3: 冗長実行+多数決、エラー訂正コード、入力検査と補正、例外処理などで外部への誤動作を隠蔽・訂正します。

関連キーワード: フォールトアボイダンス、フェールセーフ、フェールソフト、フォールトマスキング、フォールトトレランス、FMEA、品質管理、信頼性工学, 冗長化, バーンイン
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