応用情報技術者 2010年 秋期 午前2 問56
問題文
次の処理条件でサーバ上のファイルを磁気テープにバックアップするとき、バックアップの運用に必要な磁気テープは何本か。
〔処理条件〕
(1) 毎月初日(1日)にフルバックアップを取る。フルバックアップは1回につき 1本の磁気テープを必要とする。
(2) フルバックアップを取った翌日から次のフルバックアップまでは、毎日、差分バックアップを取る。差分バックアップは、差分バックアップ用として別の磁気テープに追記し、1か月分が1本に記録できる。
(3) 常に6か月前の同一日までのデータについて、指定日の状態にファイルを復元できるようにする。ただし、6か月前の月に同一日が存在しない場合は、当該月の末日までのデータについて、指定日の状態にファイルを復元できるようにする(例:本日が10月31日の場合は,4月30日までのデータについて、指定日の状態にファイルを復元できるようにする)。
選択肢
ア:12
イ:13
ウ:14(正解)
エ:15
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フル/差分バックアップ本数【午前2解説】
正解の理由
復元要件は「常に6か月前の同一日まで」を満たすことであり、これを月単位のフル(毎月1日)+月ごとの差分で運用すると、対象となる月の範囲は「6か月前の月」から「当月」までの両端を含むため、常に7か月分が必要になります。各月についてフルバックアップ用に1本、差分用に1本が必要なので、合計は 本となり、したがって選択肢の中では ウ が正しいです。
具体例(本日を10月31日とする)
- 復元対象の最も古い日:4月30日(10月31日の6か月前の同一日は4月31日が存在しないため4月30日)
- 必要な月の範囲:4月~10月(4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月)=7か月
- フル:各月1日に撮るので7本
- 差分:各月の差分を1本にまとめるので7本
- 合計:14本
以上より正答は ウ(14本)です。
解法ステップ
- 復元要件を年月単位で考える:「6か月前の同一日まで」を満たすために含むべき月を明確にする。
- 月の範囲を決める:6か月前の「月」から当月までの両端を含める(例:本日が10月xx日なら4月~10月)。
- 各月ごとに必要なテープ本数を数える:フルバックアップは月1回で1本/月、差分は1か月分で1本/月。
- 合計を求める:月数 × 2(フル+差分)=必要本数。具体的には 。
選択肢別の誤答解説
- ア:12本
誤りの典型は「6か月前=6か月分の保持」と解釈して、フル6本+差分6本=12本とするもの。しかし「6か月前の同一日まで」を満たすには両端を含むため月数は7になる(6か月前の月+当月),この考えが抜けている。 - イ:13本
例えば「フル7本+差分6本=13本」と誤って計算するケースが想定される。これは差分テープを当月はまだ作業中なので不要と見なす誤解から生じる。運用上、当月の差分も日々追記しているので保持対象に含める必要があるため誤り。 - ウ:14本
フル7本+差分7本で正しい。 - エ:15本
「安全分として余分に1本用意する」などの余分なカウントによる過大評価。問題は最小必要本数を問うているため過剰で誤り。
よくある誤解
- 「6か月=6か月分のテープ」で計算してしまう
→ 要件の「同一日まで」を満たすためには、6か月前の月(当該月)を含める必要があり、結果として月数は7になる。 - 差分は当月分をまだ作成中だからカウント不要とする誤り
→ 当月の差分テープも復元対象に含まれるため、保管対象に含める必要がある(書き込み中でも必要本数にカウント)。 - フルと差分を同一テープで兼用できると考える誤り
→ 問題の条件で差分は「差分用として別の磁気テープに追記」と明記されているため、別本としてカウントする必要がある。
補足コラム
- 差分バックアップと増分バックアップの違い
- 差分:最新のフルとの差分を毎日取り、復元時は最新フル+その日の差分のみで復元可能(復元が簡単)。
- 増分:前回差分/増分からの差分を取る方式でテープ数は少なくなるが、復元時はフル+全ての増分が必要になるため復元が遅くなる。
- 運用上の注意点
- テープ損傷や人為ミスに備えた予備や世代管理(グランドファザー・ファザー・サン方式など)を検討する。
- 保持ポリシーは法令や業務要件に合わせて見直すこと。
- 計算上の簡易式(今回の条件)
- 必要月数 = 6か月前の月を含めるため常に7
- 必要テープ本数 = 2 × 必要月数 =
FAQ
Q1: 本日のように「1日」にフルをとるなら常に7か月必要ですか?
A1: はい。フルは毎月1日なので、復元要件の「6か月前の同一日」を満たすために6か月前の月を含め、当月までの7か月分のフルと差分が必要になります。
A1: はい。フルは毎月1日なので、復元要件の「6か月前の同一日」を満たすために6か月前の月を含め、当月までの7か月分のフルと差分が必要になります。
Q2: 差分テープは月途中で使い回さないと容量不足になりませんか?
A2: 問題文で「1か月分が1本に記録できる」とされているため、1本で月内の差分が収まる前提です。実運用では容量や増加率を見て別の設計(増分や週単位の差分など)を検討します。
A2: 問題文で「1か月分が1本に記録できる」とされているため、1本で月内の差分が収まる前提です。実運用では容量や増加率を見て別の設計(増分や週単位の差分など)を検討します。
Q3: テープが損傷した場合の余裕分は必要ですか?
A3: 問題は最小必要本数を問うていますが、実務では冗長性(予備テープ)を確保することを強く推奨します。
A3: 問題は最小必要本数を問うていますが、実務では冗長性(予備テープ)を確保することを強く推奨します。
関連キーワード: バックアップ設計、差分バックアップ、フルバックアップ、保持期間、テープ運用、復元要件

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