応用情報技術者 2010年 春期 午前2 問16
問題文
あるシステムでは、平均すると 100時間に2回の故障が発生し、その都度復旧に 2時間を要していた。機器を交換することによって、故障の発生が100時間で1回になり、復旧に要する時間も1時間に短縮した。機器を交換することによって、このシステムの稼働率は幾ら向上したか。
選択肢
ア:0.01
イ:0.02
ウ:0.03(正解)
エ:0.04
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稼働率(可用性)の計算【午前2解説】
正解の理由
機器交換前後の稼働率(可用性)は、単位時間あたりの平均稼働時間(全体時間から故障による停止時間を差し引いた時間)を比べれば出せます。問題の条件から、100時間あたりの平均停止時間は交換前が 時間、交換後が 時間です。したがって稼働率はそれぞれ と になり、向上量は です。よって正答は ウ になります。
(補助的に、可用性の一般式 を用いても近似的に同様の結果が得られます。ここで MTBF は平均故障間隔、MTTR は平均復旧時間です。MTBF と故障率 の関係は です。)
解法ステップ
- 問題の与件を 100 時間あたりで見積もる(既に「100時間に○回」と与えられているため、そのまま使える)。
- 100 時間あたりの停止時間を求める。
- 交換前: 故障 2 回 × 復旧 2 時間 = 4 時間
- 交換後: 故障 1 回 × 復旧 1 時間 = 1 時間
- 稼働時間(100 時間 − 停止時間)を求め、稼働率を算出する。
- 交換前:
- 交換後:
- 稼働率の向上量 = → 選択肢は ウ。
補助(MTBF式での計算例):
- 故障発生が 100 時間に 2 回 → 時間、 時間 →
- 故障発生が 100 時間に 1 回 → 時間、 時間 →
- 差 (四捨五入で )
選択肢別の誤答解説
-
ア: 0.01
停止時間の差が 時間であり、100 時間あたりの差を直接扱うと になるため、0.01 は明らかに小さすぎます。 -
イ: 0.02
0.02 は途中の計算ミス(例えば誤って復旧時間だけ差分を取る等)により生じうる数値ですが、正しい停止時間の差は 3 時間で、これを全体時間で割れば 0.03 になるため誤りです。 -
ウ: 0.03
正解。上記の通り、100 時間あたりの停止時間差 3 時間を 100 で割って 0.03。 -
エ: 0.04
0.04 は交換前の停止率()をそのまま差分と勘違いした場合に出る誤答です。これは交換後の停止率()を無視しています。
よくある誤解
-
MTBF を「故障頻度」と誤って表現する
- MTBF は平均故障間隔(時間)であり、故障頻度(単位時間当たりの故障回数)は故障率 です。MTBF と故障率を混同すると計算を誤ります。
-
「故障率 × 復旧時間 = 停止率」と単純に扱う誤り
- 近似的に停止率 ≈ となる場合もありますが、厳密な定常可用度は です。条件によっては近似と厳密値に差が出ますが、本問のように 100 時間あたりで観測値が与えられている場合は観測ベースで直接計算するのが簡潔です。
-
100 時間あたりの「故障回数」を稼働時間当たりと解釈する混乱
- 問題文で「100時間に2回」とある場合、通常は観測期間(壁時計)あたりの回数と解釈し、そのまま停止時間を合計して割合を求めればよいです。設問の取り扱い方を明確にしてから計算してください。
補足コラム
- 可用性(稼働率)はシステム設計で重要な指標で、主要な改善方策は「MTBF を延ばす(故障を減らす)」か「MTTR を短くする(復旧を早める)」の二つです。効率良く可用性を高めるには、コスト対効果を考えてどちらに投資するか判断します。
- 一般式: また故障率 を使うと となります。
FAQ
Q. なぜ観測ベースの「100時間中の停止時間」を使う方法で良いのですか?
A. 問題の与件が「平均すると100時間に○回の故障」と「その都度復旧に×時間」と明示しているため、100時間あたりの期待停止時間を直接求めて割合を算出するのが最も簡潔で妥当です。確率分布や再生過程を仮定する必要がないため実務的にも扱いやすいです。
A. 問題の与件が「平均すると100時間に○回の故障」と「その都度復旧に×時間」と明示しているため、100時間あたりの期待停止時間を直接求めて割合を算出するのが最も簡潔で妥当です。確率分布や再生過程を仮定する必要がないため実務的にも扱いやすいです。
Q. MTBF と故障率はどちらを使えばよいですか?
A. 与件に応じて使い分けます。MTBF が与えられているなら可用性式 を使います。故障回数/単位時間()が与えられていれば と MTTR の積を用いるか、上の式に変換して計算します。
A. 与件に応じて使い分けます。MTBF が与えられているなら可用性式 を使います。故障回数/単位時間()が与えられていれば と MTTR の積を用いるか、上の式に変換して計算します。
関連キーワード: MTBF、MTTR、可用性、稼働率、故障率

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