応用情報技術者 2012年 秋期 午前2 問16
問題文
図の回線網における福岡 東京間の回線の稼働率はおよそ幾らか。ここで、隣接するノード間の回線の稼働率は、全て 0.9 とする。
選択肢
ア:0.81
イ:0.88(正解)
ウ:0.89
エ:0.98
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ネットワーク稼働率計算【午前2解説】
正解の理由
図の回線網は、福岡→中継ノード→東京という構成で、福岡から中継ノードへの回線(1本)と、中継ノードから東京への経路が「直接1本」と「中継を経る2本直列」の2経路で並列になっていると読み取れます。隣接回線の稼働率がすべて のとき、
- 2本直列経路の稼働率は 。
- 中継ノード→東京の並列化された全体稼働率は、並列の補集合を使って になる(並列は「少なくとも1本が生きている確率」)。
- これに福岡→中継ノードの を直列で掛けると、全体稼働率は 。
以上より選択肢の中で最も近いのは イ となります。
解法ステップ
- 回線を直列・並列のブロックに分ける(図で経路を見つける)。
- 各直列経路の稼働率は、構成する回線の積で求める。例:2本直列は 。
- 並列化された複数経路の稼働率は、全てが同時に故障する確率を掛け合わせてから から引く: 例:。
- 直列ブロック同士は掛け算する。例:。
- 表示桁に合わせて四捨五入や選択肢と比較して最も近いものを選ぶ(ここでは 0.8829 → 0.88)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.81
2本直列経路だけ(中継を経る側)を取り出した値で、直接経路を無視した誤り。並列の寄与を見落としている。 - イ: 0.88
正しい。上記の通り全体で約 になり、選択肢に最も近い。 - ウ: 0.89
中継→東京側を「2本ともが並列(0.9 と 0.9)で0.99」と誤認し、 とした場合に得られる値。図の実際の並列構成(0.9 と 0.81)を取り違えた結果である。 - エ: 0.98
中継→東京側の並列ブロック単独の値 を全体の値と考えてしまった誤り、あるいは福岡→中継ノードの直列部分を忘れた計算に相当する。
よくある誤解
- 並列系を「稼働率を掛ける(つまり全てが稼働する確率)」で計算してしまう。並列は「少なくとも1本が生きている確率」なので、正しくは を使う点を忘れやすい。
- 図を見てどの辺が並列でどれが直列かを誤認する。分割して「直列の積」「並列の補集合」を順に適用することが重要。
- 有効桁・丸めを適当にして選択肢と比較してしまう。中間結果は十分な桁で扱い、最後に選択肢に合わせて丸める。
補足コラム
並列化の一般式(独立故障を仮定):
直列の一般式:
複雑なネットワークは直列・並列に分解できない場合もありますが、多くの問題は分解可能です。数値確認用の簡単な Python 例を示します。
# 各リンクの稼働率
p = 0.9
# 福岡->中継 (直列)
stage1 = p
# 中継->東京 の経路: 直接(0.9) と 中継経由(0.9*0.9=0.81)
direct = p
via_mid = p * p
# 並列合成
stage2 = 1 - (1-direct) * (1-via_mid)
total = stage1 * stage2
print(stage1, via_mid, stage2, total) # 0.9 0.81 0.981 0.8829
FAQ
Q. 並列の公式はなぜ なのですか?
A. 並列で「少なくとも1つが稼働する」確率は、補事象「全てが故障する」確率の補数だからです。各回線の故障確率が で独立なら全て故障する確率はその積になります。
A. 並列で「少なくとも1つが稼働する」確率は、補事象「全てが故障する」確率の補数だからです。各回線の故障確率が で独立なら全て故障する確率はその積になります。
Q. 回線故障の独立性が成り立たない場合は?
A. 相関があると上の単純な乗算は使えません。共通故障点や時間依存性がある場合はモデルを見直し、共通故障確率や事象分解を行う必要があります。
A. 相関があると上の単純な乗算は使えません。共通故障点や時間依存性がある場合はモデルを見直し、共通故障確率や事象分解を行う必要があります。
Q. 表示の丸めはどうする?
A. 試験の選択肢に合わせて最も近い値を選びます。今回のように は に最も近い選択肢です。
A. 試験の選択肢に合わせて最も近い値を選びます。今回のように は に最も近い選択肢です。
関連キーワード: ネットワーク可用性、並列冗長化、信頼度計算、冗長設計、稼働率算出

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