応用情報技術者 2012年 春期 午前2 問66
問題文
戦略を立案するために、SWOT 分析を実施した。市場機会を獲得するために自社の強みを生かすことができる戦略はどれか。

選択肢
ア:意思決定の遅さを克服して市場の平均成長率を超える。
イ:営業力のなさを海外ベンダと提携して市場のグローバル化に対応する。
ウ:高い技術力を応用して海外ベンダの日本市場参入に対抗する。
エ:データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する。(正解)
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SO戦略【午前2解説】
正解の理由
SWOTで「S(強み)」は高い技術力と多数のデータセンタ、「O(機会)」はクラウド需要の高まりと市場のグローバル化です。強みを使って機会を直接取りに行く方針がSO戦略に該当します。選択肢エ「データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する」は、保有するデータセンタというSをそのままクラウド需要というOに結び付ける典型的なSO戦略であるため正解です。
解法ステップ
- 与件から各象限を整理する
- S: 高い技術力、データセンタ多数
- O: クラウド注目、市場のグローバル化
- W: 営業力不足、意思決定の遅さ
- T: 海外ベンダの参入、市場成長率低下
- 問いの条件(「強みを生かす」「市場機会を獲得」)をSO戦略に対応させる。
- 各選択肢がS×Oか否かを当てはめる(Sを用いてOに働きかけるものを選ぶ)。
- Sを用いてOを直接攻める選択肢を残し、他を除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 意思決定の遅さを克服して市場の平均成長率を超える。
- これは内部の弱み(W)の改善を目指す記述であり、狙いが「市場の平均成長率を超える」点は市場成長率が低いというT(脅威)と関係する。Sを活かしてOを取りに行くSOではなく、Wの改善やTへの対処に関する方針であり不適切です。
- イ: 営業力のなさを海外ベンダと提携して市場のグローバル化に対応する。
- 営業力のなさはW、市場のグローバル化はOです。海外ベンダとの提携でWを補うのは、Oを活用してWを克服する「WO戦略」に該当します。S(強み)を活用してOを獲得するSOとは異なります(提携で弱みを補うためSOではない点に注意)。
- ウ: 高い技術力を応用して海外ベンダの日本市場参入に対抗する。
- 高い技術力はS、海外ベンダの参入はT(脅威)です。Sを使って脅威に対抗するのはST戦略であり、SとOを結び付けるSOではありません。
- エ: データセンタの資源を生かしてクラウドコンピューティングサービスを提供する。
- 保有するデータセンタ(S)をクラウド需要(O)に直接結び付けるため、まさにSO戦略の典型です。したがって正解です。
よくある誤解
- 市場の「グローバル化」を自動的に脅威と見る誤り。文脈によっては参入機会(O)でもあり、今回の設問では明確に機会として挙げられている点を見落とすと誤答につながる。
- 「提携する=強みを活かす」と短絡的に考える誤り。提携は弱みを補う手段にもなり得るため、どの象限同士を結ぶかを把握することが重要。
- 「弱みを克服すること=SO」と誤解すること。弱み克服は主にWOやWTの発想であり、SOはあくまで強みで機会を取りに行く戦略。
補足コラム
SWOTマトリクスの基本的な対応は次のとおりです。
- SO戦略: 強み(S)を活かして機会(O)を積極的に獲得する(攻めの成長戦略)。
- ST戦略: 強みで脅威(T)に対抗・防御する(防御的優位の確保)。
- WO戦略: 機会を利用して弱み(W)を補い、戦力化する(補完・改善)。
- WT戦略: 弱みと脅威の組合せを避け、リスク低減や撤退を検討する。
今回のケースでは「データセンタ」という明確な物的強みをクラウド需要に結びつけることが即戦略化しやすく、実務でも初期投資の有効活用や差別化サービスの展開が考えられます。
FAQ
Q1. どうやって選択肢がSOかどうかを素早く見抜くか?
A1. 選択肢文に「自社の強み(S)を○○して」「保有資源を活用して」など強みを起点に機会(市場成長・需要)へ働きかける表現があればSOの候補です。
A1. 選択肢文に「自社の強み(S)を○○して」「保有資源を活用して」など強みを起点に機会(市場成長・需要)へ働きかける表現があればSOの候補です。
Q2. 1つの施策が複数の象限に跨る場合は?
A2. 施策の主目的を基準に判定します。「強みを使って機会を取る」ことが主目的ならSO。弱みを補完することが主目的ならWOなど。
A2. 施策の主目的を基準に判定します。「強みを使って機会を取る」ことが主目的ならSO。弱みを補完することが主目的ならWOなど。
Q3. 市場のグローバル化は本当に機会なのか?
A3. 文脈次第ですが、設問で「市場のグローバル化が進んでいく」と示される場合は国内外での販路拡大や提携機会が増えるという肯定的側面=Oとして扱うのが一般的です。
A3. 文脈次第ですが、設問で「市場のグローバル化が進んでいく」と示される場合は国内外での販路拡大や提携機会が増えるという肯定的側面=Oとして扱うのが一般的です。
関連キーワード: SWOT、SO戦略、WO戦略、ST戦略、データセンタ、クラウドサービス、機会活用、戦略立案

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