応用情報技術者 2012年 春期 午前2 問77
問題文
表はある会社の前年度と当年度の財務諸表上の数値を表したものである。両年度とも売上高は4,000万円であった。前年度に比べ当年度に向上した財務指標はどれか。

選択肢
ア:固定比率
イ:自己資本比率(正解)
ウ:総資本回転率
エ:流動比率
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自己資本比率【午前2解説】
正解の理由
純資産が前年度400万円から当年度600万円へ増加し、総資産(総資本)が1,600万円から1,700万円へ増加したため、自己資本比率は上昇しています。すなわち、純資産÷総資産の比率が前年度の25%から当年度の約35.29%に改善しており、財務の安全性が向上しているため、設問の答えは イ(自己資本比率)です。
解法ステップ
- 指標の定義を確認する。自己資本比率 = 純資産 ÷ 総資産 × 100%
- 各年度の総資産を求める。
- 前年度:流動資産1,100 + 固定資産500 = (万円)
- 当年度:流動資産900 + 固定資産800 = (万円)
- 自己資本比率を計算する。
- 前年度:
- 当年度:
- 前後を比較し、増加(向上)していることを確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 固定比率
固定比率 = 固定資産 ÷ 純資産 × 100%。
前年度:、当年度:で上昇しているため「向上(良化)」したとは言えません(比率が高いほど流動性リスクは高まるため悪化)。 - イ: 自己資本比率
上述の通り、前年度25% → 当年度約35.29%と上昇しており、安全性が改善しています(これが正解)。 - ウ: 総資本回転率
総資本回転率 = 売上高 ÷ 総資本。売上高は両年度とも4,000万円のまま、総資本が1,600→1,700と増加したため、回転率は低下(2.5回 → 約2.3529回)。よって向上していません。 - エ: 流動比率
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100%。前年度:、当年度:で低下しており、改善していません。
よくある誤解
- 「純資産が増えていれば常に良い」と考える誤解:純資産が増えても総資産が同等以上に増えていれば自己資本比率は改善しない。比率の分母・分子両方を見ることが重要です。
- 指標名の混同:固定比率と自己資本比率を取り違えることが多い。固定比率は固定資産をどれだけ自己資本で賄っているか(低い方が望ましい)、自己資本比率は総資産に占める自己資本の割合(高い方が望ましい)です。
補足コラム
自己資本比率は企業の財務健全性を示す代表的な指標で、一般に高いほど他者資本(借入等)への依存が小さく、外部ショックに強いとされます。目安としては業種差がありますが、20〜30%程度を最低ラインとする見方が多く、本事例では当年度の約35%は改善された状態と言えます。ただし過剰な内部留保は成長投資の機会損失にもつながるため、比率の高さだけで一概に良否を判断しないことが肝要です。
短い観点:今回の数値変動では「純資産の増加(+200万円)」に対して「総資産の増加が小さい(+100万円)」ため、自己資本比率が上がった、という構図が理解のポイントです。
FAQ
Q. 売上高が同じなら総資本回転率は必ず低下しますか?
A. 総資本回転率は分母の総資本が増えれば低下します。売上高が一定で総資本が増えれば回転率は下がるため、増減の両方を確認する必要があります。
A. 総資本回転率は分母の総資本が増えれば低下します。売上高が一定で総資本が増えれば回転率は下がるため、増減の両方を確認する必要があります。
Q. 固定比率が上昇した場合は必ず悪化ですか?
A. 一般には固定比率が高いほど流動性リスクが増します(固定資産を自己資本で賄えていない)。ただし、固定資産が将来の収益力向上に資する投資であれば長期的には望まれる場合もあります。
A. 一般には固定比率が高いほど流動性リスクが増します(固定資産を自己資本で賄えていない)。ただし、固定資産が将来の収益力向上に資する投資であれば長期的には望まれる場合もあります。
Q. 計算を速くするコツはありますか?
A. 指標は「分子と分母の増減比」を見ると速く判断できます。今回のように純資産の増加率 > 総資産の増加率であれば自己資本比率は上昇します。
A. 指標は「分子と分母の増減比」を見ると速く判断できます。今回のように純資産の増加率 > 総資産の増加率であれば自己資本比率は上昇します。
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