応用情報技術者 2013年 秋期 午前2 問24
問題文
図の回路において出力がx=0, y=1である状態から、x=1, y=0に変える入力a及びbの組合せはどれか。

選択肢
ア:a=0, b=0
イ:a=0, b=1(正解)
ウ:a=1, b=0
エ:a=1, b=1
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NORラッチの状態遷移【午前2解説】
正解の理由
この回路は相互フィードバックした2入力NOR(SR)ラッチであり,出力は
, の関係を満たします。設問の初期状態は なので, から が必要です( は によって入力に関係なく0になります)。ここで入力を に変えると,まず下側NORに が入るため となり,その結果,上側NORは を受けて になります。以降フィードバックしても のままで安定するため,求める遷移が実現します。したがって正解は イ(a=0,b=1)です。
解法ステップ
- 回路を論理式で表す:, を書く。
- 初期状態を代入して入力の制約を確認する(今回 なら が導ける)。
- 各選択肢について,入力を固定したときに上の2式が満たされる安定状態(固定点)を計算する。
- 最終的に求めたい状態 になる組合せがどれかを判定する。
この手順で各選択肢を順に検算すれば確実です。
選択肢別の誤答解説
- ア: a=0, b=0
計算:。初期と同じ のままで遷移しません。 - イ: a=0, b=1
計算(安定化の流れ):まず 。次に 。最終的に のまま安定し,目的の になるため正解です。 - ウ: a=1, b=0
計算:。結果は初期と同じ のままです。多くの受験者は a=1 を「x=1にする入力」と誤解しますが,NORは否定を伴うため a=1 はむしろ x を0に固定します。 - エ: a=1, b=1
計算:。両出力が0になる「無効」な状態(SRラッチの禁止状態)で,求める状態ではありません。
よくある誤解
- NOR回路で「入力1が出力1を作る」と直感的に考えてしまう(極めて危険)。NORは OR の否定なので,1が入力にあれば必ず出力は0になります。
- フィードバック回路を扱う際に「同時変化」を考えずに一度の伝搬で決まると誤解する。実際は各出力が順次伝搬して安定点に落ち着くかを確認する必要があります。
- SRラッチで a,b 両方を1にする操作の意味(禁止・不定)を軽視すること。解析や実装で不整合を起こします。
補足コラム
SRラッチ(NOR版)は基本的な記憶素子で,入力(S,R)に応じて出力(Q, Q̄)をセット・リセットします。簡潔な真理値は以下の通りです(S=a, R=b とすると):
- S=1, R=0 → Q=1, Q̄=0(セット)
- S=0, R=1 → Q=0, Q̄=1(リセット)
- S=0, R=0 → 前状態保持(ラッチ)
- S=1, R=1 → 禁止/不定(両出力が0になる)
クロスフィードバックによるメタ安定性や遷移中のグリッチが問題になるため,実際の回路設計では立ち上がり・立ち下がりのタイミングや制御信号の整合を重視します。また同期回路ではフリップフロップ(エッジトリガ)でラッチの問題を回避します。
FAQ
Q1: 入力が同時に変化した時の解析はどうすればいいですか?
A1: 同時変化でも,最終的に満たすべき等式 , を満たす安定解(固定点)を求めればよいです。動的解析が必要な場合は伝搬遅延を仮定して逐次的に評価すると実挙動に近づきます。
A1: 同時変化でも,最終的に満たすべき等式 , を満たす安定解(固定点)を求めればよいです。動的解析が必要な場合は伝搬遅延を仮定して逐次的に評価すると実挙動に近づきます。
Q2: なぜ b=1 は x に関係なく y を0にするのか?
A2: NORの定義から なので, のとき となり,常に になります。入力の1は出力を強制的に0にします。
A2: NORの定義から なので, のとき となり,常に になります。入力の1は出力を強制的に0にします。
Q3: この回路はどのようにメモリとして使われる?
A3: S,R入力を適切に操作することで出力の保持(ラッチ)やセット・リセットが行えます。同期設計ではラッチをフリップフロップに組み合わせて使います。
A3: S,R入力を適切に操作することで出力の保持(ラッチ)やセット・リセットが行えます。同期設計ではラッチをフリップフロップに組み合わせて使います。
関連キーワード: NORラッチ、SRラッチ、相互フィードバック、論理式解析、保持状態、禁止状態、伝搬遅延、ラッチ設計

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