応用情報技術者 2013年 秋期 午前2 問65
問題文
IT投資を、投資目的によって表のように分類した。IT投資評価の指標として KPI を使用するとき、戦略的投資に該当する KPIの例はどれか。

選択肢
ア:システムの障害件数
イ:新製品投入後の市場シェア(正解)
ウ:提案事例の登録件数
エ:連結決算の所要日数
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市場シェア指標【午前2解説】
正解の理由
戦略的投資は「競争優位の確立、ビジネスの創出」を目的とするため、外部市場での競争力や事業成果を直接示す指標が適切です。選択肢のうち、イ(新製品投入後の市場シェア)は新製品が市場でどれだけ受け入れられ、競争上の地位を獲得できたかを示すため、戦略的投資の成果を表す代表的なKPIとなります。市場シェアは事業の成長性と競争優位性を直截に反映するため、戦略目標と整合します。
解法ステップ
- 表の各投資分類の目的を把握する
- 業務効率投資:業務の効率化・生産性向上
- 情報活用投資:知識共有や管理精度向上
- 戦略的投資:競争優位や新ビジネス創出
- IT基盤投資:コスト削減やシステム性能向上
- 各選択肢が何を測る指標かを短く定義する
- 例:市場シェア=外部競争力、障害件数=システム信頼性、等
- 指標の性質(外部顧客・事業成果か、内部プロセスか、インフラか)と投資目的を照合して選ぶ
- 外部事業成果を測るもの → 戦略的投資に該当
選択肢別の誤答解説
- ア: システムの障害件数
- システムの障害件数はシステムの信頼性や可用性を表す指標で、システム性能改善や運用コスト低減と直接結びつくため、IT基盤投資に該当します。IT基盤投資の目的にある「システム性能向上」に合致します。
- ウ: 提案事例の登録件数
- 提案事例の登録件数は知識共有やナレッジ蓄積の進捗を示す内部の情報活用指標です。したがって情報活用投資(ナレッジ共有、管理精度向上)に適したKPIです。
- エ: 連結決算の所要日数
- 連結決算に要する日数は業務プロセスの効率性を示す指標で、業務効率投資(業務の効率向上、業務生産性向上)に直結します。所要日数短縮は効率改善の典型的なKPIです。
よくある誤解
- 「数値化できれば何でも戦略的KPI」という誤解:戦略的KPIは外部価値(市場、顧客、収益)に直結するものを指す。内部プロセス改善の指標は補助的であって主目的とは異なる。
- 「新規性のある指標=戦略的指標」ではない:例えば「提案事例の登録件数」は新規性あっても主に情報活用の効果を測るため、戦略的投資の指標とは区別されることが多い。
- 支援指標と成果指標の混同:例えばシステム障害件数は業務継続・信頼性の重要指標だが、直接的な市場競争力(戦略的成果)を示すものではない。
補足コラム
戦略的投資のKPI選定では「外部へのインパクト(収益、市場占有、顧客価値)」を明確にすることが重要です。代表的な戦略KPI例:
- 市場シェア(新製品/カテゴリ別)
- 新製品からの売上比率、売上成長率
- 顧客獲得数・LTV(顧客生涯価値)
- NPS(推奨意向)やリピート率
また、KPIは短期の達成度(遅行指標)だけでなく、将来の成果を示す先行指標も組み合わせることが有効です。目標設定はSMART(具体的、計測可能、達成可能、関連性、期限)に基づくと運用しやすくなります。
FAQ
Q: 「システムの障害件数」は業務効率投資のKPIになりませんか?
A: いいえ。システムの障害件数は主にシステムの信頼性/性能を表す指標であり、IT基盤投資のKPIです。業務効率投資では処理時間短縮や作業件数あたりの工数削減、決算の所要日数の短縮などが典型的なKPIになります。
A: いいえ。システムの障害件数は主にシステムの信頼性/性能を表す指標であり、IT基盤投資のKPIです。業務効率投資では処理時間短縮や作業件数あたりの工数削減、決算の所要日数の短縮などが典型的なKPIになります。
Q: 「連結決算の所要日数」は戦略的投資に寄与することはありますか?
A: 所要日数短縮は主に業務効率投資の目的ですが、結果的に意思決定のスピード向上や経営判断の質向上を通じて戦略に寄与することはあります。ただしKPIのカテゴリとしては業務効率に分類されます。
A: 所要日数短縮は主に業務効率投資の目的ですが、結果的に意思決定のスピード向上や経営判断の質向上を通じて戦略に寄与することはあります。ただしKPIのカテゴリとしては業務効率に分類されます。
Q: KPIは単一の投資タイプにしか該当しませんか?
A: 多くの場合、KPIは主要な投資目的に紐づきますが、組織の状況によっては複数の目的をまたぐことがあります。重要なのは、KPIを設定する際に「何を達成したいのか」を明確にして、主目的に応じた指標設計を行うことです。
A: 多くの場合、KPIは主要な投資目的に紐づきますが、組織の状況によっては複数の目的をまたぐことがあります。重要なのは、KPIを設定する際に「何を達成したいのか」を明確にして、主目的に応じた指標設計を行うことです。
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