応用情報技術者 2014年 春期 午前2 問21
問題文
モータの速度制御などにPWM(Pulse Width Modulation)制御が用いられる。PWMの駆動波形を示したものはどれか。ここで、波形は制御回路のポート出力であり、低域通過フィルタを通していないものとする。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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パルス幅変調(PWM)制御【午前2解説】
正解の理由
PWM の本質は「ポート出力が2レベル(高/ゼロ)を取り、高レベル時間の割合(デューティ比)を変えて平均電圧・出力エネルギーを制御する」ことにあります。選択肢の中で、出力が高レベルとゼロレベルの二値だけを取り、時間に応じて高レベルの占める割合が変化している波形は イ だけです。図の説明では各パルスの高さが揃い、パルス幅はほぼ同じだがパルス間の無信号区間が変動しているとあります。この場合でも、ある時間幅で見たときの高レベル時間の割合(=平均的なデューティ比)が変化するため、モータ速度制御など目的上は PWM 的な出力となります。従って イ が正解です。
解法ステップ
- 波形のレベル数を確認する
- PWM は通常「高レベル」と「ゼロレベル」の二値信号である点をチェックする。
- 高レベルの高さ(電圧)が一定かを確認する
- PWM は振幅は一定で、時間比(デューティ)を変化させる方式。
- デューティ比が変化しているかを見る
- 高レベル時間と周期(または観測窓内の合計時間)に対する比率が変わることが重要。
- 他の波形(多段の階段状や多値波形)は除外する
- 多値波形や連続的な山形は DAC 出力やフィルタ後の波形であり、素の PWM とは異なる。
上記に照らして各選択肢を比較し、二値でデューティ比が変動している イ を選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア
- 複数の異なる電圧高さを持つ多数の矩形パルスが混在している。素の PWM は通常二値であり、この波形はアナログ値を直接示すか、複合的な信号であるため不適合。
- イ
- 高/ゼロの二値で記述され、時間的に高レベルの占める割合が変動している。パルス幅を変えている場合が典型だが、図では「パルス間の無信号区間が変動」していることで結果的に高レベルの占有割合が変わり、平均出力が変わるため PWM の目的を満たす。
- ウ
- 階段状に連続的に上昇・下降する波形。これは多段の量子化波形や DAC 出力、あるいはフィルタ後の平滑化波形に見え、素の PWM ではない。
- エ
- 周期的に繰り返される多段の山形ステップ。周期内で複数段階の電圧を取るため、二値の PWM ではなく多値出力を示す。PWM の典型とは異なる。
よくある誤解
- 「PWM は必ずパルス幅(個々のパルスの幅)を変える方式だけを指す」
- 試験で問われるポイントは「出力を 0 と Vcc の二値で切り替え、時間的な高レベル割合を変えることで平均出力を制御する」ことです。実装上はパルス幅を変える(固定周期)方式が代表的ですが、パルス間隔を変えて平均高レベル時間を変える表現も制御の観点では同等の効果を持ち得ます。ただし、パルス位置変調(PPM)やパルス周波数変調(PFM)との区別は覚えておきましょう。
- 「PWM の出力をそのまま見れば滑らかな電圧が出ているはず」
- 素の PWM は二値パルスであり、滑らかな直流は低域通過フィルタ(ローパス)によって得られるものです。問題文に「低域通過フィルタを通していない」とある点を見落とさないでください。
補足コラム
- デューティ比と平均電圧の関係は簡単に表せます。高レベル電圧を 、観測周期における高レベル時間の割合を (デューティ比)とすると平均電圧 は です。周期が明確でない場合でも、ある時間窓での高レベル合計時間比が同じ役割を果たします。モータ制御ではこの平均電圧(あるいは平均電力)により回転速度やトルクが制御されます。
- 実務では PWM 周波数を十分高く設定して、モータの電気的・機械的応答でフィルタリングされ滑らかに制御されるようにします。周波数が低いとトルク脈動や騒音の原因になります。
FAQ
Q1: 図のように「パルス幅がほぼ一定で間隔が変わる」場合でも本当に PWM と言えるのですか?
A1: 試験で問うポイントは「二値パルスで平均高レベル時間を変え、出力の平均値を制御しているか」です。パルス幅固定・間隔可変の表現でも、ある時間窓での高レベル時間比が変われば平均出力は変わるため、目的上は PWM の概念に合致します。ただし実装上の呼称では PFM(パルス周波数変調)等と区別することがあります。
A1: 試験で問うポイントは「二値パルスで平均高レベル時間を変え、出力の平均値を制御しているか」です。パルス幅固定・間隔可変の表現でも、ある時間窓での高レベル時間比が変われば平均出力は変わるため、目的上は PWM の概念に合致します。ただし実装上の呼称では PFM(パルス周波数変調)等と区別することがあります。
Q2: PWM と PPM(パルス位置変調)や PFM はどう違いますか?
A2: 簡潔に言えば、PWM は「周期あたりの高レベル時間比(デューティ)」を変える方式、PPM は「パルスの位置(開始タイミング)を変える方式」、PFM は「パルスの発生頻度(周波数)を変える方式」です。試験問題では出力の形(二値か多値か、デューティの変化のあり方)を見て識別します。
A2: 簡潔に言えば、PWM は「周期あたりの高レベル時間比(デューティ)」を変える方式、PPM は「パルスの位置(開始タイミング)を変える方式」、PFM は「パルスの発生頻度(周波数)を変える方式」です。試験問題では出力の形(二値か多値か、デューティの変化のあり方)を見て識別します。
関連キーワード: PWM、デューティ比、パルス変調、モータ制御、低域通過フィルタ、PFM、PPM

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