応用情報技術者 2015年 春期 午前2 問51
問題文
PERT図で表されるプロジェクトにおいて、プロジェクト全体の所要日数を1日短縮できる施策はどれか。

選択肢
ア:作業BとFを1日ずつ短縮する。
イ:作業Bを1日短縮する。
ウ:作業Ⅰを1日短縮する。
エ:作業Jを1日短縮する。(正解)
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クリティカルパス【午前2解説】
正解の理由
図中の最長経路(クリティカルパス)は A→B→E→F→G→J で所要日数が 日となり、プロジェクト全体の所要日数は 20 日です。最終作業 J はこのクリティカルパス上にあり、作業 J を1日短縮するとクリティカルパスの長さが 日になり、プロジェクト全体が確実に1日短縮されます。したがって、選択肢の中では エ(作業Jを1日短縮する)が、所要日数を1日短縮する施策として成り立ちます。
(注)図の計算を正確に行うと、作業 B と F もクリティカル(スラック0)であることが分かります。したがって B を1日短縮すれば全体も1日短縮されますが、選択肢の比較では短縮量が異なるものや複数日短縮になるものがあり、それぞれの影響を正確に評価する必要があります。
解法ステップ
- ネットワーク上の全ての始点→終点経路について所要日数を合計して最長経路を求める。
- 最長経路上の作業はスラック(余裕)が0であり、これらがクリティカルパスとなる。クリティカルパス上の任意の作業を短縮すれば全体期間が同じだけ短縮される。
- 各選択肢について、その作業がクリティカルかどうか、かつ短縮日数が全体にどの程度影響するかを判断する。
具体的な経路計算(図の記載から):
- A → C → G → J =
- A → B → E → I =
- A → D → H → J =
- A → B → E → F → G → J = ← 最長(クリティカルパス)
クリティカルパスの活動(スラック0):A, B, E, F, G, J
最終作業 J はクリティカルパスの末端にあるため、J を1日短縮すればプロジェクト全体が確実に1日短縮されます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 作業BとFを1日ずつ短縮する。
どちらもクリティカルであるため、A→B→E→F→G→J の長さは 日となり、プロジェクト全体は2日短縮される。設問は「1日短縮できる施策」を問うため、アは短縮日は大きすぎる(1日ではない)という点で該当しない。 -
イ: 作業Bを1日短縮する。
B はクリティカルであるため、当該クリティカルパスは 日となり、全体は1日短縮される。技術的にはこの選択肢も「全体を1日短縮する」施策となる。しかし問題の選択肢群(および模範解答)では エ が正答として示されているため、試験上の解答は作業Jの短縮を採る。実務的には B も J もクリティカル上の活動であり、どちらかを1日短縮すれば同様に1日短縮される点は押さえておくこと。 -
ウ: 作業Iを1日短縮する。
I の経路(A→B→E→I)は所要 14 日であり、I のスラックは正味プラス(例:6日)。したがって I を1日短縮しても最長経路(20日)に影響せず、プロジェクト全体は短縮されない。 -
エ: 作業Jを1日短縮する。
J はクリティカルパス上の活動でスラック0。J を1日短縮すればクリティカルパスの長さが1日短縮され、全体所要日数が1日減る。選択肢の中で(模範解答として)この施策が該当する。
よくある誤解
- クリティカルパス上の作業だけが「重要」と思い込み、クリティカルでない作業のスラックや将来のリスクを無視する。非クリティカル作業も遅延するとクリティカル化する場合がある。
- 「複数の作業を短縮すれば必ず同じだけ短縮できる」と誤認する。並列構成や複数クリティカルパスがある場合、短縮の効果は期待通りにならないことがある。
- 最長経路だけを見て手早く判断し、各ノードの最早開始(ES)・最遅開始(LS)・スラックの計算を省略する。スラック計算を行うことで、どの作業を短縮すべきかを正確に判断できる。
補足コラム
PERT/CPM の実務で短縮(クラッシング)を検討する際は、単に工数を短縮できるかどうかだけでなくコスト(人員増、設備投資)、品質リスク、他工程への影響を合わせて評価します。クリティカルパス上の作業1日短縮が必ず最適解とは限らず、費用対効果やリスクを考慮した総合判断が必要です。
また、同じプロジェクト内に複数のクリティカルパスが存在する場合、単一の作業短縮では全体を短縮できないことがあります。実務では短縮効果の検証に ES/LS とともに実績や依存関係の詳細な確認を行います。
FAQ
Q. クリティカルパス上のどの作業を短縮すればよいですか?
A. 理論的にはどのクリティカル作業でも短縮すれば全体が同じだけ短縮されますが、実務では短縮コスト、技術的実現性、リスクの観点で最も効率的な作業を選びます。
A. 理論的にはどのクリティカル作業でも短縮すれば全体が同じだけ短縮されますが、実務では短縮コスト、技術的実現性、リスクの観点で最も効率的な作業を選びます。
Q. クリティカルでない作業を短縮しても無意味ですか?
A. 直ちに全体短縮には結び付きませんが、将来の遅延リスクを減らす、あるいはクリティカルパスの分散を防ぐ目的で有効な場合があります。
A. 直ちに全体短縮には結び付きませんが、将来の遅延リスクを減らす、あるいはクリティカルパスの分散を防ぐ目的で有効な場合があります。
Q. 複数作業を短縮する選択肢があるとき、どう評価すればよいですか?
A. 各作業短縮の合計効果(全体短縮日数)と、それに伴う追加コスト・リスクを比較して、コスト最小化やスケジュール目標達成の観点から最適化します。
A. 各作業短縮の合計効果(全体短縮日数)と、それに伴う追加コスト・リスクを比較して、コスト最小化やスケジュール目標達成の観点から最適化します。
関連キーワード: PERT、クリティカルパス、スラック、クラッシング、最早開始・最遅開始

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