応用情報技術者 2017年 秋期 午前2 問78
問題文
企業が請負で受託して開発したか、又は派遣契約によって派遣された社員が開発したプログラムの著作権の帰属に関し契約に定めがないとき、著作権の原始的な帰属はどのようになるか。
選択肢
ア:請負の場合は発注先に帰属し、派遣の場合は派遣先に帰属する。(正解)
イ:請負の場合は発注先に帰属し、派遣の場合は派遣元に帰属する。
ウ:請負の場合は発注元に帰属し、派遣の場合は派遣先に帰属する。
エ:請負の場合は発注元に帰属し、派遣の場合は派遣元に帰属する。
🔒 解説は解答すると表示されます
請負と派遣の著作権帰属【午前2解説】
正解の理由
請負で開発されたプログラムは、発注を受けた側(発注先=受託者)が成果物を作成する主体であり、契約で別段の定めがない限り著作権は原始的に発注先(受託者)に帰属します。一方、派遣された社員が派遣先の指揮命令の下で業務として作成したプログラムは、実務上「職務上の著作」と評価されやすく、著作権は派遣先に帰属することが一般的です。したがって選択肢ア(請負は発注先、派遣は派遣先)が試験での正答になります。
※用語整理:本解説では「発注先=受託者(委託を受ける会社)」「発注元=発注者(依頼する会社)」として一貫して用いています。
解法ステップ
- 「請負」と「派遣」の業務関係を整理する
- 請負:受託者が成果物の作成・完成を請け負う。成果の作成主体は受託者側。
- 派遣:派遣社員が派遣先の指揮命令の下で働く。制作の指示・管理は派遣先にある。
- 著作権の原始的帰属の枠組みを確認する
- 契約で特に定めがなければ、作成主体や業務実態に基づいて帰属が決まる。
- 上記を照合して選択肢を比較する
- 請負→発注先(受託者)/派遣→派遣先 に合致する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(正解): 請負は発注先(受託者)に帰属し、派遣は派遣先に帰属する。請負の成果作成主体が受託者側である点、派遣は指揮系統が派遣先にある点から整合する。
- イ: 請負は発注先に帰属する点は合っているが、派遣の場合を「派遣元に帰属する」としており、実務上の指揮命令関係に基づく派遣先帰属と矛盾する。
- ウ: 「請負の場合は発注元に帰属」としているため誤り。請負では受託者側が成果作成主体であるため発注元(依頼者)に自動的に著作権が帰属するとは限らない。
- エ: 両方とも発注元・派遣元に帰属するとしているが、請負と派遣で異なる帰属関係が問題の肝なので誤り。
よくある誤解
- 請負=成果物の有体物(納品物)の所有権が発注者に移るため著作権も自動的に移る、という混同。所有権(有体物)と著作権(無体財産権)は別概念です。
- 派遣社員は「派遣元の社員」なので常に派遣元に著作権がある、という誤解。派遣先の指揮命令下で作成されたかどうかが重要です。
- 「契約に書けばどうにでもなる」として口頭だけで取り決めを済ませること。書面で明確にしておかないと紛争になりやすい点を見落とす。
補足コラム
- 法的背景:著作権の原則は「作者(実際に創作した者)が著作者」であり、企業間の契約形態や指揮命令関係によって実務上の帰属が決まります。契約で特約があればその定めが優先されます(ただし著作者人格権は譲渡できない点に留意)。
- 対策:請負で発注者が著作権を取得したい場合や、派遣で派遣元に権利を残したい場合は、契約書で明確に「著作権譲渡」「専用実施許諾」「帰属の明示」などを規定しておくこと。特にプログラムは二次利用や保守で権利関係が問題になりやすいので、権利範囲(改変・再利用・派生物等)を具体的に書くことが重要です。
- 実務チェックリスト(例):著作権の帰属条項、二次利用の可否、譲渡対価の明示、著作者人格権の行使不行使の取り決め、納品物とソースコードの扱い。
FAQ
Q: 発注者(依頼側)が請負契約で納品物の著作権を確実に取得するには?
A: 契約書で明確に著作権の譲渡(または専用実施権の付与)を定め、対価や譲渡の範囲を明記します。口頭や曖昧な表現は避けてください。
A: 契約書で明確に著作権の譲渡(または専用実施権の付与)を定め、対価や譲渡の範囲を明記します。口頭や曖昧な表現は避けてください。
Q: 派遣社員が個人的に作ったソースコードは誰のもの?
A: 作成が派遣先の業務指示による「職務上の著作」であれば派遣先に帰属する可能性が高いです。業務外の私的な作成かどうかで変わります。
A: 作成が派遣先の業務指示による「職務上の著作」であれば派遣先に帰属する可能性が高いです。業務外の私的な作成かどうかで変わります。
Q: 著作者人格権は契約で譲れる?
A: 著作者人格権は原則として譲渡できません。ただし行使の制限や不行使を合意する形(例えば著作者が行使しない旨の合意)を契約で定めることは実務上あります。
A: 著作者人格権は原則として譲渡できません。ただし行使の制限や不行使を合意する形(例えば著作者が行使しない旨の合意)を契約で定めることは実務上あります。
関連キーワード: 請負契約、派遣契約、著作権帰属、受託者、派遣先、職務著作、著作者人格権、著作権譲渡、契約書作成、成果物の所有権

\ せっかくなら /
応用情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

