応用情報技術者 2018年 春期 午後 問10
データセンタで行うシステム運用に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
T社は、首都圏にデータセンタ(以下、DCという)を保有し、顧客にサービスを提供している。顧客はインターネット経由でT社のサービスを利用する。
〔T社のサービス形態と電気設備の管理〕
T社のサービス形態を表1に示す。

電力会社からの電力供給に異常が発生した場合、DCに設置された情報機器が停止し、顧客へのサービス継続に多大な影響を及ぼす。そこで、電力会社からの電力供給が長時間停止する場合を想定し、情報機器に安定して電力を供給するために、DCには予備設備として自家発電設備を設置している。自家発電設備は、電力を72時間連続供給できる。また、瞬断など、電力会社からの電力供給の異常を想定し、情報機器に短時間の電力を供給するUPSを設置している。
情報機器への電力供給は、高い信頼性が求められることから、DCでは、電力会社及び自家発電設備からの電力供給経路並びにホスティングサービスで提供しているUPSは、全てaにしている。
ハウジングサービスでは、顧客はDCから提供されたサーバ室に顧客が所有する情報機器を設置する。提供されたサーバ室に設置した情報機器には、電力会社及び自家発電設備から電力を供給しているが、UPSは顧客が設置するルールとなっている。
〔顧客U社のDC利用〕
中堅の損害保険会社のU社では、4年前に基幹系業務システム(以下、Uシステムという)を構築し、T社のハウジングサービスを利用している。U社所有のUPS(以下、U社UPSという)は、一つのUPSユニットだけから成るシステムであり、U社所有のサーバとともにラックに収容されている。U社UPSの運転状態を、表2に示す。

電力の供給を電力会社から自家発電設備に切り替えるときは、DCの作業者が切替え作業を行う。この作業中、U社 UPS は蓄電池運転状態になる。また、電力の供給を自家発電設備から電力会社に切り戻す場合も同様である。
〔Uシステムの運用〕
U社のシステム部の運用課と開発課では、Uシステムの運用・保守を行っている。
・運用課では、L氏がUシステムの運用、及びU社 UPS を含む情報処理システムの管理を担当している。L氏は、U社本社に設置されている運用監視コンソールを使って、Uシステムの遠隔監視を行っている。
・開発課では、Uシステムのアプリケーションソフトウェアの保守やデータベースの運用・保守を行っている。
運用監視コンソールに表示されるメッセージ(以下、表示メッセージという)は、U社のシステム部の基準に従って分類される。表示メッセージの種類を表3に示す。

U社のシステム部では、表示メッセージの種類が「警告」又は「異常」の場合、U社内で取り決めたインシデント管理手順に従って対処する。
〔Uシステムにおける障害の発生〕
U社がITハウジングサービスを利用して4年が経過したある日、DCが利用している電力会社からの電力供給に異常が発生した。これを契機に、Uシステムが稼働するサーバにも電源障害が発生し、Uシステムが1時間以上停止した。電源障害の発生から復旧までの経緯は、表4に示すとおりであった。

Uシステムが再稼働した後、U社は表4の項番4と項番6について、状況の調査及び原因究明を行った。
(1) 項番4:U社UPSが蓄電池連転状態を継続できなかった点
・1週間ごとに蓄電池の自動セルチェックを行って、状態を確認していた。
・数日前に行った自動セルチェックの結果として、運用監視コンソールに“蓄電池の劣化が進んでいる”というメッセージが出力されていた。この表示メッセージの種類は“通知”であったので、①L氏は特に調査を行っていなかった。
・UPSの蓄電池には寿命があり、定期的に交換が必要である。劣化が進み寿命に近づいている蓄電池を使ってサーバに電力を供給すると、途中で電力供給が停止することがある。
・U社UPSの蓄電池の劣化が進んでいたので、切り戻し作業の際に正常な蓄電池運転状態にならなかった。
・蓄電池の交換は、運用課とU社UPSの保守業者で作業時期を調整の上、保守業者が作業する取決めだった。しかし、U社UPSは、蓄電池の交換が必要な時期を過ぎていたにもかかわらず、両者間で作業時期の調整が行われていなかった。
(2) 項番6:Uシステムの開始作業を行った際に、運用監視コンソールにデータベースの異常を示す表示メッセージが出力されていた点
・L氏はインシデント管理手順に従って段階的な取扱い(以下、エスカレーションという)を行っていたが、階層的なエスカレーションだけでなく、直ちに②機能的なエスカレーションを行うべきであった。
〔T社からU社への提案準備〕
T社は、今回のUシステムの障害を踏まえ、Uシステムの安定稼働に向けてDC所有のUPSを使ったホスティングサービスの利用を、U社に提案することにした。ホスティングサービスを利用すれば、今回のような障害が発生するリスクは低くなり、また、U社の運用課は、UPSの管理作業から解放されるはずである。加えて、T社は、③電力会社による長期の電力供給障害が発生したときに実施する計画を用意していて、震災が起きた場合の対応などにも役立つ。この計画に基づいて、T社では想定される災害の対策シナリオを作成し、大規模な障害対策訓練を年1回実施している。④T社はこれに、U社にも参加してもらうことを検討している。
設問1:〔T社のサービス形態と電気設備の管理〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)T社DCのハウジングサービスの特徴に関する記述として、適切なものを解答群の中から選び、記号で答えよ。ここで、サーバとは、ハウジングサービスの対象となるサーバである。
解答群
ア:顧客によるサーバの維持メンテナンス作業は、不要である。
イ:サーバの性能監視は、顧客が行う。
ウ:サーバの増設は、T社が行う。
エ:サーバは、T社から提供されている。
模範解答
イ
解説
解答の論理構成
- 問題文でハウジングサービスは
「ハウジングサービス 顧客が所有する情報機器を DC に設置して、顧客が専用で使用する。」
と定義されています。 - さらに
「ハウジングサービスでは、顧客はDCから提供されたサーバ室に顧客が所有する情報機器を設置する。」
とあり、機器の所有・利用は顧客側です。 - 所有者が顧客である以上、機器の状態把握や維持管理は顧客責任になります。
- 選択肢を検討すると
- ア:「顧客によるサーバの維持メンテナンス作業は、不要である。」
‐ 顧客所有なので維持メンテナンスは必要。誤り。 - イ:「サーバの性能監視は、顧客が行う。」
‐ 機器管理が顧客責任である点と整合。正しい。 - ウ:「サーバの増設は、T社が行う。」
‐ 機器は顧客所有なのでT社が増設するとは限らない。誤り。 - エ:「サーバは、T社から提供されている。」
‐ 「顧客が所有する情報機器」と矛盾。誤り。
- ア:「顧客によるサーバの維持メンテナンス作業は、不要である。」
- よって適切なのは「イ」です。
誤りやすいポイント
- 「DC に設置=T社が面倒を見る」と早合点しがちですが、ハウジングは“設置場所と電源の提供”が中心で保守主体は顧客です。
- ホスティングと混同して「サーバはT社提供」と思い込みやすい。表1の文言を必ず確認しましょう。
- UPSの設置が顧客任せである点からも、運用全般が顧客主体であることを見落とすと選択肢アを選ぶミスに繋がります。
FAQ
Q: ハウジングとホスティングの一番の違いは?
A: ハウジングは「顧客が所有する情報機器」を設置するサービス、ホスティングは「T社が所有する情報機器」を顧客が専用または共同利用するサービスです。
A: ハウジングは「顧客が所有する情報機器」を設置するサービス、ホスティングは「T社が所有する情報機器」を顧客が専用または共同利用するサービスです。
Q: 電源や空調はT社管理でも、性能監視もT社がしてくれる?
A: いいえ。ハウジングでは設備インフラはT社が提供しますが、サーバ自体の監視・保守は顧客が行います。
A: いいえ。ハウジングでは設備インフラはT社が提供しますが、サーバ自体の監視・保守は顧客が行います。
Q: UPSまでも顧客が準備する理由は?
A: 機器所有者が顧客なので、連続稼働に必要な付帯機器(UPSなど)も顧客責任となるためです。
A: 機器所有者が顧客なので、連続稼働に必要な付帯機器(UPSなど)も顧客責任となるためです。
関連キーワード: ハウジングサービス, 性能監視, 運用責任分担, 保守作業, UPS
設問1:〔T社のサービス形態と電気設備の管理〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)本文中のaに入れる適切な字句を5字以内で答えよ。
模範解答
a:冗長構成
解説
解答の論理構成
- 問題文には次の記述があります。
――「情報機器への電力供給は、高い信頼性が求められることから、DCでは、電力会社及び自家発電設備からの電力供給経路並びにホスティングサービスで提供しているUPSは、全てaにしている。」 - “高い信頼性”を確保する代表的な電源設計は、同一機能を複数用意して片方が故障してももう片方で継続運転できる方式です。これを「冗長化」または「冗長構成」と呼びます。
- 電力会社と自家発電設備という二系統、さらにUPS自体も複数化することで単一点障害を排除している点から、a に入る語は冗長構成が最も妥当です。
- 以上より、解答は「冗長構成」となります。
誤りやすいポイント
- 「二重化」を選びたくなるものの、問題文は“電力供給経路”と“UPS”という別要素双方をまとめて指しており、電源に限らず一般的に使える「冗長構成」が適切です。
- UPS のみを二台並列に置くイメージから「並列構成」と誤記するケースがあります。並列は冗長化手法の一つですが、ここでは広義の冗長化を尋ねています。
- 「バックアップ構成」は障害時にのみ切り替わる待機系を連想させる言葉で、常時稼働も含む冗長のニュアンスが不足します。
FAQ
Q: 「二重化」と「冗長構成」は同じ意味ではないのですか?
A: 二重化は冗長化の具体例の一つですが、冗長化は三重化・N+1 など幅広い方式を内包します。問題文が限定していないため、より汎用的な「冗長構成」が求められます。
A: 二重化は冗長化の具体例の一つですが、冗長化は三重化・N+1 など幅広い方式を内包します。問題文が限定していないため、より汎用的な「冗長構成」が求められます。
Q: なぜ UPS だけでなく電力供給経路も冗長化する必要があるのですか?
A: UPS だけを冗長化しても入力側の系統が単一では断線や停電で同時に停止します。供給経路と UPS を両方冗長化して初めて高可用性が確保できます。
A: UPS だけを冗長化しても入力側の系統が単一では断線や停電で同時に停止します。供給経路と UPS を両方冗長化して初めて高可用性が確保できます。
Q: 冗長構成を採るとコストが上がりませんか?
A: 初期・運用コストは上がりますが、サービス停止の損失や信頼失墜と比較すると多くの場合トータルでメリットが勝るため、データセンタでは標準的に採用されています。
A: 初期・運用コストは上がりますが、サービス停止の損失や信頼失墜と比較すると多くの場合トータルでメリットが勝るため、データセンタでは標準的に採用されています。
関連キーワード: 冗長化, UPS, 自家発電, 可用性, シングルポイントオブフェailure
設問2:〔Uシステムにおける障害の発生〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)本文中の下線①について、L氏がU社UPSの調査を適切に行えるようにするための改善内容を、35字以内で述べよ。
模範解答
蓄電池の劣化を示すメッセージの種類を“警告”とする。
解説
解答の論理構成
- 事実確認
問題文では、U社UPSのセルチェック結果について
「“蓄電池の劣化が進んでいる”というメッセージが出力されていた。この表示メッセージの種類は“通知”であったので、①L氏は特に調査を行っていなかった」
と明示されています。 - インシデント扱いの基準
表3により「通知」は「インシデントとして扱わない。」と定義されており、L氏が行動を起こさなかった理由が裏付けられます。 - 改善すべきポイント
バッテリー劣化は稼働継続に直結する重大要素です。したがって種別を「通知」から、インシデントとして扱う「警告」または「異常」に変更する必要があります。 - 最小限で十分な改善策
損耗の警告だけで対処は可能であり、運用ルールや監視システムの大幅改修が不要です。以上より、適切な改善内容は
「蓄電池の劣化を示すメッセージの種類を“警告”とする。」
となります。
誤りやすいポイント
- 「異常」と回答すると過度対応と見なされる場合があります。運用負荷と重要度のバランスから「警告」が適切です。
- UPS本体の交換や二重化といったハード対策は設問の要求範囲外です。
- メッセージ内容(文言)ではなく「種類」を問われている点を見落としやすいです。
FAQ
Q: なぜ「異常」ではなく「警告」で十分なのですか?
A: 劣化は直ちに停止を引き起こす故障ではなく、計画的対応が可能なレベルだからです。「異常」とすると緊急障害扱いとなり、運用負荷が無用に高まります。
A: 劣化は直ちに停止を引き起こす故障ではなく、計画的対応が可能なレベルだからです。「異常」とすると緊急障害扱いとなり、運用負荷が無用に高まります。
Q: 表示メッセージの種別変更だけで運用が改善しますか?
A: 種別が「警告」になればインシデントとして扱われ、インシデント管理手順による調査・対処が必須になります。L氏が見逃すことがなくなり、今回のような蓄電池運転失敗のリスクを低減できます。
A: 種別が「警告」になればインシデントとして扱われ、インシデント管理手順による調査・対処が必須になります。L氏が見逃すことがなくなり、今回のような蓄電池運転失敗のリスクを低減できます。
Q: ハウジングサービス利用中でもT社側でUPSを監視してもらえませんか?
A: ハウジングではUPSは顧客管理と定められています。T社側のホスティングへ切り替えることで、UPS監視・保守をT社に委ねることが可能です。
A: ハウジングではUPSは顧客管理と定められています。T社側のホスティングへ切り替えることで、UPS監視・保守をT社に委ねることが可能です。
関連キーワード: UPS, インシデント管理, メッセージ種別, エスカレーション
設問2:〔Uシステムにおける障害の発生〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)本文中の下線②について、L氏が行うべきであった機能的なエスカレーションの内容を、25字以内で具体的に述べよ。
模範解答
開発課にインシデントの対応を依頼する。
解説
解答の論理構成
- 【問題文】の“運用監視コンソールでデータベースの異常を示す表示メッセージ”は、表3で“異常”に該当し「インシデントとして扱う。」と明記されています。したがって、L氏はインシデント管理手順に従いエスカレーションを行う必要があります。
- しかし本文には「L氏はインシデント管理手順に従って段階的な取扱い(以下、エスカレーションという)を行っていたが、階層的なエスカレーションだけでなく、直ちに②機能的なエスカレーションを行うべきであった。」とあります。“機能的”とは“その機能(専門領域)を担当する組織へエスカレーションする”という意味です。
- 同じ段落に「開発課では、Uシステムのアプリケーションソフトウェアの保守やデータベースの運用・保守を行っている。」とあるため、データベース異常への最適な担当は開発課となります。
- よって、L氏が取るべき具体的行動は「開発課にインシデントの対応を依頼する」ことです。これが機能的エスカレーションの内容になります。
誤りやすいポイント
- “機能的”エスカレーションを“上司への報告”と誤解し、階層的エスカレーションと混同してしまう。
- データベース異常だから“DBベンダ”へ直接連絡と早合点し、社内の担当部門(開発課)を飛ばしてしまう。
- 表3の“異常”メッセージを単なる“警告”と思い込み、インシデントと扱わないミス。
FAQ
Q: 機能的エスカレーションと階層的エスカレーションは何が違うのですか?
A: 階層的は組織の上下関係に沿った報告、機能的は専門機能(今回ならデータベース保守)を持つ部門へ直接依頼することです。
A: 階層的は組織の上下関係に沿った報告、機能的は専門機能(今回ならデータベース保守)を持つ部門へ直接依頼することです。
Q: なぜ開発課なのですか?
A: 【問題文】に「開発課では、Uシステムのアプリケーションソフトウェアの保守やデータベースの運用・保守を行っている。」と記載があり、データベース障害は同課の責任範囲だからです。
A: 【問題文】に「開発課では、Uシステムのアプリケーションソフトウェアの保守やデータベースの運用・保守を行っている。」と記載があり、データベース障害は同課の責任範囲だからです。
Q: データベース回復手順が確立していなかったのは問題では?
A: 手順未整備は課題ですが、まずは専門部門が現状回復を担うのが先決です。その後、再発防止として手順整備を行うべきです。
A: 手順未整備は課題ですが、まずは専門部門が現状回復を担うのが先決です。その後、再発防止として手順整備を行うべきです。
関連キーワード: インシデント管理, エスカレーション, UPS, データベース障害, 事業継続計画
設問2:〔Uシステムにおける障害の発生〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)今回の障害の再発防止を踏まえてT社が早期に実施すべきことを、解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:U社UPSの構成に関する研修の実施
イ:U社UPSの構成部品交換周期の遵守
ウ:U社UPSの障害発生時におけるT社DC入館手続の調整
エ:U社UPSの保守の、他の保守業者への変更
模範解答
イ
解説
解答の論理構成
-
原因の特定
- 障害の直接原因は、表4 項番4 の「U社UPSは、蓄電池運転状態でサーバに電力を供給し始めたが、間もなく電力供給が停止」したことです。
- 調査結果から、蓄電池について【問題文】のとおり
「UPSの蓄電池には寿命があり、定期的に交換が必要である。」
「U社UPSの蓄電池の劣化が進んでいたので、切り戻し作業の際に正常な蓄電池運転状態にならなかった。」
と示されています。
-
保守計画の不徹底
- さらに【問題文】には
「蓄電池の交換は、運用課とU社UPSの保守業者で作業時期を調整の上、保守業者が作業する取決めだった。しかし、U社UPSは、蓄電池の交換が必要な時期を過ぎていたにもかかわらず、両者間で作業時期の調整が行われていなかった。」
とあり、交換周期(保守計画)が守られていなかった事実が明記されています。
- さらに【問題文】には
-
T社が早期に着手すべき対策
- 障害を防ぐには、まず「蓄電池の交換周期」を確実に守ることが根本的です。
- 解答群「イ:U社UPSの構成部品交換周期の遵守」は、まさに寿命部品(蓄電池)を計画どおり交換させる施策であり、再発防止の最優先事項と一致します。
-
他選択肢との比較
- ア:研修の実施は保守忘れを完全に防げず、直接原因の解消になりません。
- ウ:入館手続の調整は障害発生後の対応時間短縮策で、根本的再発防止ではありません。
- エ:保守業者変更は効果が不確定で、まずは現行計画の遵守を徹底すべきです。
よって、正解は「イ」となります。
誤りやすいポイント
- 「UPSの劣化メッセージが“通知”だったので軽視した」という部分に目を奪われ、研修(ア)が重要だと勘違いする。
- データベース障害へ着目し、入館手続(ウ)や保守業者変更(エ)が原因だと思い込む。
- 「T社が提案するホスティングサービス」の記述から、新サービス導入と結び付けて考え過ぎる。
FAQ
Q: “通知”メッセージを“警告”に変えれば再発防止になりますか?
A: 効果はありますが、交換周期を守らなければ根本解決になりません。まずは「U社UPSの構成部品交換周期の遵守」が必須です。
A: 効果はありますが、交換周期を守らなければ根本解決になりません。まずは「U社UPSの構成部品交換周期の遵守」が必須です。
Q: 保守業者を変える方が確実では?
A: 業者変更よりも、現行業者との契約で定めた交換周期を確実に履行させる方が即効性と実現性が高いです。
A: 業者変更よりも、現行業者との契約で定めた交換周期を確実に履行させる方が即効性と実現性が高いです。
Q: T社がホスティングサービスを勧めるのに、なぜ早期対策はUPS交換周期なのですか?
A: ホスティング移行は中長期策です。今すぐ再発を防ぐには、現行UPSの寿命部品を計画どおり交換するのが最も効果的です。
A: ホスティング移行は中長期策です。今すぐ再発を防ぐには、現行UPSの寿命部品を計画どおり交換するのが最も効果的です。
関連キーワード: UPS, 蓄電池, 保守計画, 障害管理, エスカレーション
設問3:〔T社からU社への提案準備〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中の下線③でT社が用意している計画の名称を、20字以内で答えよ。
模範解答
「ディザスタリカバリプラン」
または
「緊急時対応計画」
解説
解答の論理構成
-
問題文の確認
- 本文には「加えて、T社は、③電力会社による長期の電力供給障害が発生したときに実施する計画を用意していて、震災が起きた場合の対応などにも役立つ。」とあります。
- さらに「この計画に基づいて、T社では想定される災害の対策シナリオを作成し、大規模な障害対策訓練を年1回実施している。」とも記述されています。
-
キーワード抽出
- 「長期の電力供給障害」「震災が起きた場合の対応」「災害の対策シナリオ」「大規模な障害対策訓練」
これらは“災害”や“緊急時”への備えを体系的にまとめた計画であることを示唆しています。
- 「長期の電力供給障害」「震災が起きた場合の対応」「災害の対策シナリオ」「大規模な障害対策訓練」
-
用語の照合
- 災害対策として最も定着した用語には「ディザスタリカバリプラン(Disaster Recovery Plan: DRP)」があります。
- DRPは「システム資源に対する大規模災害発生時の復旧計画」を指し、電源喪失や地震を想定し、訓練を実施することが特徴です。
- また、日本語で同趣旨を示す言い換えとして「緊急時対応計画」も広く用いられます。
-
結論
- したがって、③に当てはまるのは「ディザスタリカバリプラン」または「緊急時対応計画」です。
誤りやすいポイント
- 「事業継続計画(BCP)」と混同する
DRPはシステム復旧に焦点を当て、BCPは経営・業務継続全体を対象とします。本設問は電力障害やサーバ復旧に関する計画なのでDRPが適切です。 - 「UPSの保守手順」や「運用手順書」と読み違える
訓練を年1回行う旨の記述があり、単なる手順書ではなく包括的な災害復旧計画であることを見落としやすいです。 - 「障害管理計画」とする誤答
本文のスコープは障害だけでなく“震災”など自然災害も含むため、より広い「ディザスタリカバリプラン」が妥当です。
FAQ
Q: BCPとDRPの違いは何ですか?
A: BCPは企業活動全体の継続を目的とし、代替拠点・人員配置・資金調達まで含む上位概念です。DRPはBCPを実現するためのITシステム復旧計画に位置付けられます。
A: BCPは企業活動全体の継続を目的とし、代替拠点・人員配置・資金調達まで含む上位概念です。DRPはBCPを実現するためのITシステム復旧計画に位置付けられます。
Q: 「緊急時対応計画」と答えて減点されませんか?
A: 問題文は具体的な用語を指定していないため、DRPと同等の趣旨を持つ「緊急時対応計画」も正答として認められます。
A: 問題文は具体的な用語を指定していないため、DRPと同等の趣旨を持つ「緊急時対応計画」も正答として認められます。
Q: 訓練の実施頻度は計画名と関係がありますか?
A: はい。DRPでは有効性確認のため定期的な訓練が推奨され、本問でも「年1回」の大規模訓練が計画の一部とされています。
A: はい。DRPでは有効性確認のため定期的な訓練が推奨され、本問でも「年1回」の大規模訓練が計画の一部とされています。
関連キーワード: 災害復旧, 事業継続, インシデント管理, 自家発電, UPS
設問3:〔T社からU社への提案準備〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)本文中の下線④について、既にT社で実施している障害対策訓練の有効性を向上させるために、T社からU社に要請する内容を、40字以内で述べよ。
模範解答
運用課から担当者を選定し、該当者に障害対策訓練に参加してもらう。
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、障害対策訓練について
“『T社では想定される災害の対策シナリオを作成し、大規模な障害対策訓練を年1回実施している。④T社はこれに、U社にも参加してもらうことを検討している。』”
と記載されています。 - 既に“年1回実施”している訓練に U社が参加する ことで、
・T社だけでは把握できない Uシステム固有の運用手順や課題 を共有できる
・ハウジングサービス→ホスティングサービス移行後の 役割分担・連携手順を実地で確認 できる
ため、訓練の実効性が高まります。 - 参加者として最も適切なのは、日常からUシステムを直接扱う “運用課” のメンバーです。問題文にも
“『運用課では、L氏がUシステムの運用、及びU社UPSを含む情報処理システムの管理を担当』”
とあるように、障害発生時の一次対応は運用課が担います。 - したがって、T社がU社へ要請すべき内容は
「運用課から担当者を選定し、該当者に障害対策訓練に参加してもらう」
となります。
誤りやすいポイント
- 「開発課」や「経営層」を参加対象にしてしまう
︙初動対応の実務を担うのは運用課。開発課はデータベース復旧など二次対応が中心です。 - 訓練の頻度を変更する提案を書く
︙問題は“参加者”を問うており、頻度やシナリオ数を増やす要求ではありません。 - 「U社全社員」など曖昧な表現
︙具体的に“運用課から担当者を選定”と示すことで要請内容が明確になります。
FAQ
Q: 開発課を参加させなくても大丈夫ですか?
A: 二次対応やデータベース回復手順の検証目的でオブザーバ参加は有効ですが、設問は“有効性を向上させるための主たる要請”を問うので、まず運用課の参加を明示します。
A: 二次対応やデータベース回復手順の検証目的でオブザーバ参加は有効ですが、設問は“有効性を向上させるための主たる要請”を問うので、まず運用課の参加を明示します。
Q: 訓練内容をUシステム専用にカスタマイズする提案は必要ですか?
A: 訓練シナリオはT社が既に複数用意している前提です。U社運用担当が参加すれば、Uシステム特有の要件が自然にフィードバックされ、カスタマイズ効果が得られます。
A: 訓練シナリオはT社が既に複数用意している前提です。U社運用担当が参加すれば、Uシステム特有の要件が自然にフィードバックされ、カスタマイズ効果が得られます。
Q: 参加者を具体的に「L氏」と指定すべきですか?
A: L氏が現担当者ですが、人事異動も考慮し“運用課から担当者を選定”と示す方が汎用性・継続性の観点で適切です。
A: L氏が現担当者ですが、人事異動も考慮し“運用課から担当者を選定”と示す方が汎用性・継続性の観点で適切です。
関連キーワード: 事業継続計画, 障害対応訓練, インシデント管理, UPS保守, エスカレーション


