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応用情報技術者 2018年 春期 午前262


問題文

BCPの説明はどれか。

選択肢

企業の戦略を実現するために、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点から戦略を検討したもの
企業の目標を達成するために業務内容や業務の流れを可視化し、一定のサイクルをもって継続的に業務プロセスを改善するもの
業務効率の向上、業務コストの削減を目的に、業務プロセスを対象としてアウトソースを実施するもの
事業の中断・阻害に対応し、事業を復旧し、再開し、あらかじめ定められたレベルに回復するための手順を規定したもの(正解)

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事業継続計画(BCP)【午前2解説】

正解の理由

選択肢は、事業の中断や阻害(自然災害、停電、サイバー攻撃など)に対して「事業を復旧し、再開し、あらかじめ定められたレベルに回復するための手順」を規定する点を明確に示しています。これがBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の本質です。BCPは、被害発生時の対応手順、復旧優先順位、代替手段や連絡体制、目標復旧時間(RTO)や許容データ損失(RPO)などを具体的に定め、事業の重要機能を維持・回復するための計画だからです。したがって選択肢が正答となります。

解法ステップ

  1. 問題文・選択肢から「事業の中断」「復旧」「再開」「回復」といったキーワードを探す。
  2. それらのキーワードが示す概念(被災・停止時の対応と復旧手順)をBCPの定義と照合する。
  3. その他の選択肢が指す用語(Balanced Scorecard、業務改善/BPM、アウトソース)と照合して排除する。
  4. 最も定義に合致する選択肢を選ぶ(この場合は)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長という四つの視点から戦略を検討」── これはバランススコアカード(Balanced Scorecard)の説明です。戦略の評価・管理ツールであり、事業継続の手順を定めるBCPとは目的が異なります。
  • イ: 「業務内容や業務の流れを可視化し、一定のサイクルで継続的に改善する」── これは主にBPM(Business Process Management)やPDCAによる業務改善の説明です。業務プロセスの継続的最適化を指し、既存プロセスを段階的に改善する点が特徴です。BPR(Business Process Reengineering)はこれと異なり、抜本的(ラディカル)な再設計を行う概念であり、イはBPRではなくBPM/業務改善に該当します。BCPとは目的が異なります。
  • ウ: 「業務効率向上・コスト削減を目的に業務プロセスをアウトソースする」── これはアウトソーシングの定義であり、業務継続計画そのものではありません。外部委託はBCPの一要素(代替手段)になり得ますが、アウトソーシング=BCPではありません。

よくある誤解

  • BCPとDRP(Disaster Recovery Plan)を同一視する誤解:DRPは主にITシステムの復旧(データセンターやシステム復旧)に焦点を当てるのに対し、BCPは組織全体の重要業務の維持・復旧を対象とします。DRPはBCPの一部と考えると整理しやすいです。
  • BPM(継続的改善)とBPR(抜本的再設計)を混同する誤り:BPMはPDCAで改善を継続するアプローチ、BPRは業務を根本から作り直すアプローチです。設問のイはBPM/PDCAに該当します。
  • アウトソーシングをBCPと同義と考える誤り:外部委託はBCPの復旧手段の一つになり得ますが、BCPはそれを含む総合的な計画です。

補足コラム

BCPを効果的に運用するための主要要素:
  • BIA(業務影響分析):重要業務とそれが停止した場合の影響を評価し、復旧優先順位を決定する。
  • 復旧戦略:代替拠点、代替手段、人員・業務の切替え方法など。
  • 手順・連絡網:初動対応、意思決定者の役割、利害関係者への通知フロー。
  • 訓練とテスト:実際の運用で有効か定期的に検証する。
  • 継続的改善:環境変化や訓練結果を反映して計画を更新する。
    また、国際標準ではISO 22301(事業継続マネジメントシステム:BCMS)があり、BCPはその実務的成果物として位置づけられます。RTO(Recovery Time Objective)やRPO(Recovery Point Objective)は、復旧目標を数値化する際に使われる重要な指標です。

FAQ

Q1: BCPは誰が作るべきですか?
A1: 経営層のリーダーシップの下で、事業部門、IT、総務、人事、法務など関係部門が共同で作成・維持します。経営判断で復旧優先順位や許容水準を決める点が重要です。
Q2: どれくらいの頻度でBCPを見直すべきですか?
A2: 少なくとも年1回の見直しと、業務構造やシステム、外部環境に大きな変化があった際には都度見直します。訓練の結果や新たなリスクの発生も契機になります。
Q3: BCPテストは何をすれば良いですか?
A3: 想定シナリオに基づく机上演習、部分的な機能復旧テスト、実地での代替拠点移行テストなど段階的に実施し、記録と改善を行います。

関連キーワード: BCP、BCMS、DRP、BIA、RTO、RPO、ISO22301、BPM、BPR、アウトソーシング、事業継続、復旧計画、リスクマネジメント
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