応用情報技術者 2018年 春期 午前2 問79
問題文
企業の Webサイトに接続して Webページを改ざんし、システムの使用目的に反する動作をさせて業務を妨害する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
選択肢
ア:刑法(正解)
イ:特定商取引法
ウ:不正競争防止法
エ:プロバイダ責任制限法
🔒 解説は解答すると表示されます
ウェブ改ざんの刑事処罰【午前2解説】
正解の理由
選択肢のうちア(刑法)が正解です。企業の Web ページを改ざんし、システムを本来の使用目的に反して稼働させて業務を妨害する行為は、刑法上の業務妨害に該当して処罰され得ます。具体的には、偽計や威力を用いて業務を妨害する「業務妨害罪」が適用される場合があり、さらに不正な命令やマルウェアの投入に該当する場合は刑法上の電磁的記録等に関する罪(不正指令電磁的記録に関する罪など)も問題となります。
注意点として、不正アクセスそのもの(認証を回避して侵入する行為)は「不正アクセス禁止法」が直接の規制対象であり、刑法と不正アクセス禁止法は目的と対象が異なります(両者を混同しないこと)。
解法ステップ
- 行為の本質を把握する
- 「Web ページを改ざんして業務を妨害している」→ 他者の業務を実際に妨げる点が重要。
- 各法の目的・対象で照合する
- 刑法:業務妨害や不正な電磁的指令等の犯罪行為を処罰。
- 不正アクセス禁止法:認証回避などアクセス制御違反を規制。
- 特定商取引法:消費者取引の方法や広告・表示規制が中心(今回のような改ざんの処罰が主目的ではない)。
- プロバイダ責任制限法:プロバイダの責任制限や発信者情報開示・削除手続き等に関する民事的枠組み。
- 最も直接的に「処罰の対象」となる法を選ぶ
- 業務妨害を処罰するのは刑法なので、選択は刑法(ア)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 刑法
- 正解。業務を妨害する目的での改ざんや不正な命令の注入は刑法上処罰される可能性が高い。
- イ: 特定商取引法
- 誤り。これは通信販売や訪問販売など消費者取引のルールや表示・勧誘規制を目的とする法律であり、Web 改ざんを直接に処罰する法律ではない。
- ウ: 不正競争防止法
- 誤り。企業間の不正競争(虚偽表示や営業秘密侵害など)を規制する法律で、改ざん行為が営業秘密の窃取や虚偽表示に繋がる特殊なケースでない限り本問の中心的な処罰根拠にはならない。
- エ: プロバイダ責任制限法
- 誤り。プロバイダの民事責任の制限や発信者情報開示手続きなどプロバイダ側のルールを定める法律であり、攻撃者を直接に刑事処罰するための法令ではない。
よくある誤解
- 刑法が不正アクセス自体を規定する、という誤解
- 不正アクセスの規制は主に不正アクセス禁止法が担います。刑法は業務妨害や不正なプログラム挿入等の点で関わりますが、アクセス制御違反そのものは別法である点を区別してください。
- プロバイダ責任制限法で攻撃者が処罰される、という誤解
- 同法は発信者情報の開示やプロバイダの民事責任制限の枠組みを定めるもので、刑罰を科すための法律ではありません。
- Web改ざん=必ず不正競争防止法違反、という安易な考え
- 改ざん内容が商標偽装や営業秘密侵害など特定の不正競争に当たる場合は別ですが、単に業務を妨害する改ざんは刑法で問題にされる点が多いです。
補足コラム
- 刑法上の該当罪名の例
- 「偽計業務妨害罪」や「威力業務妨害罪」が考えられます。また、プログラムの書換やウイルスの仕込み等に関しては電磁的記録を巡る刑法上の罪(不正指令に関する罪など)が併合適用されることもあります。
- 民事的対処と刑事告訴
- 被害企業はまず証拠保全(ログ、改ざん前のバックアップ、アクセス履歴)を行い、プロバイダへの削除要請や発信者情報開示請求を行うと同時に、刑事告訴を検討します。プロバイダ責任制限法の手続きは民事・事実解明の補助になります。
- 技術的防御策
- WAF(Web Application Firewall)、改ざん検知、定期的なバックアップ、脆弱性管理(ソフトウェア更新・パッチ適用)などが有効です。
FAQ
Q: 単にページの文言を変えただけでも刑事処罰されますか?
A: 内容次第です。業務を妨害する目的や実害(業務停止、信用毀損など)が認められる場合、業務妨害などで処罰され得ます。程度や動機で刑事責任の可否・重さが左右されます。
A: 内容次第です。業務を妨害する目的や実害(業務停止、信用毀損など)が認められる場合、業務妨害などで処罰され得ます。程度や動機で刑事責任の可否・重さが左右されます。
Q: 改ざんが認証を突破して行われた場合、どの法が関わりますか?
A: 認証回避を伴う場合は不正アクセス禁止法の違反が問題になります(別途、業務妨害や電磁的記録に関する刑法違反が併合される可能性もあります)。
A: 認証回避を伴う場合は不正アクセス禁止法の違反が問題になります(別途、業務妨害や電磁的記録に関する刑法違反が併合される可能性もあります)。
Q: 被害を受けたらまず何をすべきですか?
A: 証拠の保全(ログ、改ざん時刻の記録、スクリーンショット)、システムの隔離、速やかに関係当局(警察)や専門家に相談することです。
A: 証拠の保全(ログ、改ざん時刻の記録、スクリーンショット)、システムの隔離、速やかに関係当局(警察)や専門家に相談することです。
関連キーワード: 刑法、業務妨害、不正指令電磁的記録、不正アクセス禁止法、プロバイダ責任制限法、不正競争防止法、ウェブ改ざん、証拠保全、WAF、ログ管理

\ せっかくなら /
応用情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

