応用情報技術者 2019年 秋期 午前2 問52
問題文
アローダイアグラムで表される作業 A〜H を見直したところ、作業 Dだけが短縮可能であり、その所要日数は6日に短縮できることが分かった。作業全体の所要日数は何日短縮できるか。

選択肢
ア:1
イ:2
ウ:3(正解)
エ:4
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クリティカルパス短縮【午前2解説】
正解の理由
作業全体の所要日数は、最長経路(クリティカルパス)によって決まります。図から算出できる最長経路は A → C → D → E →(ダミー)→ H で、短縮前は合計 31日、作業 D を 10日→6日に短縮するとこの経路は 27日となります。ただし別経路 A → C → F → H は 28日で残るため、プロジェクト全体の所要日数は短縮後 28日になり、短縮量は 31 − 28 = 3 日となります。したがって選択肢の中では ウ(3日)が正しい理由です。
解法ステップ
- 図に基づき、スタートからゴールまでの到達可能な全経路の所要日数を列挙する。
- A=5、B=3、C=5、D=10(短縮前)、E=5、F=12、G=3、H=6、ダミー=0
- 各経路の合計を計算して、最長(クリティカル)経路を見つける。
- D を 6日に短縮した場合に、該当経路の所要日数がどう変わるかを再計算する。
- 再計算後の全経路の最大値を取り、短縮前との差を求める。
具体的な経路と計算:
- A → B → E → G = 5 + 3 + 5 + 3 =
- A → B → E →(ダミー)→ H = 5 + 3 + 5 + 0 + 6 =
- A → C → F → H = 5 + 5 + 12 + 6 =
- A → C → D → E → G = 5 + 5 + 10 + 5 + 3 =
- A → C → D → E →(ダミー)→ H = 5 + 5 + 10 + 5 + 0 + 6 = ← 短縮前の最長経路
D を 10 → 6 に短縮すると D を含む経路はそれぞれ 4 日短くなる:
- A → C → D(6) → E → G =
- A → C → D(6) → E →(ダミー)→ H =
短縮後の全経路の最大値は (A → C → F → H)なので、全体短縮は 日。
選択肢別の誤答解説
- ア: 1日
D を 4日短縮したのに全体が 1日しか短縮されないとするのは、他の経路との比較をしていない誤りです。実際には別経路(A→C→F→H)が 28日で残るため、短縮量は 3日になります。 - イ: 2日
同様に、D の短縮分(4日)と他経路(28日)との関係を誤認しています。短縮後の最長は 28日で、差は 3日です。 - ウ: 3日
正しい。上で示した通り、短縮前の最長 31日が短縮後に 28日になり、差は 3日です。 - エ: 4日
D 自体は 4日短縮されますが、プロジェクト全体が必ず同じだけ短縮されるわけではありません。別の経路がボトルネックになり得るため、全体短縮は 3日にとどまります。
よくある誤解
- 「ある作業を4日短縮したから全体も4日短縮される」
→ 個別作業の短縮幅とプロジェクト全体の短縮幅は一致しない。別経路が新たなクリティカルパスになる場合、全体短縮はそれより小さくなることがある。 - ダミー作業を見落とす/無視する
→ ダミーは所要日数 0 でも経路をつなぐため、経路の成立に影響する。ダミー経路を含む合成経路を正しく列挙する必要がある。
補足コラム
- クリティカルパス管理のポイント:プロジェクト短縮(クラッシング)では、各作業の短縮コストと「どれだけ全体に効くか(=クリティカルかどうか)」を両方評価する必要があります。D のように最初はクリティカルだった作業を短縮しても、別経路が残るとそこで効果が頭打ちになります。
- 閾値(しきい値)の視点:本問では D の値が 7 日のとき A→C→D→E→(ダミー)→H と A→C→F→H が同じ 28 日になります。D を 7 日より小さくしても最終的な所要日は変わらず 28 日のままです(限界効果)。
FAQ
Q1: D をさらに短くすると全体はもっと短くならないのですか?
A1: D を 10→6 にした時点で A→C→F→H(28日)が新たな最長経路になるため、それより短くしても全体所要日は 28 日以下にはなりません(ただし他作業も短縮すればさらに短縮可能)。
A1: D を 10→6 にした時点で A→C→F→H(28日)が新たな最長経路になるため、それより短くしても全体所要日は 28 日以下にはなりません(ただし他作業も短縮すればさらに短縮可能)。
Q2: ダミー作業はなぜあるのですか?
A2: ダミーは矢印の向きや依存関係を表現するための所要日数 0 の補助枝です。論理的依存は示すが時間消費はありません。
A2: ダミーは矢印の向きや依存関係を表現するための所要日数 0 の補助枝です。論理的依存は示すが時間消費はありません。
Q3: どの作業が元のクリティカルパス上にあったのですか?
A3: 短縮前のクリティカルパスは A、C、D、E、(ダミー)、H です。これらの作業はスラック(余裕時間)が 0 です。
A3: 短縮前のクリティカルパスは A、C、D、E、(ダミー)、H です。これらの作業はスラック(余裕時間)が 0 です。
関連キーワード: アローダイアグラム、クリティカルパス、ダミー作業、工程短縮、パス列挙

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