応用情報技術者 2022年 秋期 午前2 問54
問題文
あるシステム導入プロジェクトで、調達候補のパッケージ製品を多基準意思決定分析の加重総和法を用いて評価する。製品 A〜製品 Dのうち、総合評価が最も高い製品はどれか。ここで、評価点数の値が大きいほど、製品の評価は高い。

選択肢
ア:製品 A
イ:製品 B
ウ:製品 C(正解)
エ:製品 D
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加重総和法の評価【午前2解説】
正解の理由
多基準意思決定の加重総和法では、各評価項目の重みと各製品の評価点を掛け合わせて合計し、総合評価が最も大きいものを選びます。本問では各項目がすべて“点数が大きいほど良い”方向に揃っているため、そのまま重み×点数の和で比較できます。各製品の合計は次の通りで、最も大きいのは ウ(製品C)です。
- 製品A:
- 製品B:
- 製品C:
- 製品D:
したがって総合評価が最も高いのは製品Cであり、これが選ばれる理由です。
解法ステップ
- 評価方向を確認する(本問は「点数が大きいほど良い」)。
- 各製品について、各評価項目の重みと評価点を掛ける。
- 掛け合わせた値を合計して総合評価スコアを求める。
- 全製品の総合評価を比較し、最大値を選ぶ。
- 必要に応じて正当性確認(スケールや項目方向の整合、感度分析)。
補足:重みの合計が1でない場合でも順位比較には影響しない(すべて同じ定数倍であれば単調性が保たれる)が、解釈のために重みを正規化することは有用です。
選択肢別の誤答解説
- ア(製品A): 合計は 。一部の受験者は導入費用の重み(4)を見落として単純平均を取るなどして誤ることがある。
- イ(製品B): 合計は 。非機能の点数が高い(10)ため見落としやすいが、機能要件の重み(5)と導入費用の重み(4)が低い点数に寄与して順位が下がる。
- ウ(製品C): 合計は で最大。機能要件の点数が高く(9)、かつ機能要件の重みが最も大きいため総合で勝る。
- エ(製品D): 合計は 。機能要件は高いが非機能や導入費用の組合せで ウ に及ばない。
各選択肢の差は小さいため、計算ミス(掛け算や足し算の誤り)がそのまま誤答につながりやすい点に注意してください。
よくある誤解
- 「重みが大きければ必ず順位が変わる」
- 誤りではないが絶対ではありません。低い評価点に大きな重みを掛けると総合評価への寄与は大きくなる可能性が高い一方、他項目の得点や他製品との組合せによっては順位が変わらない場合もあります。つまり「場合による」と理解してください。
- 「重みの合計が1でないと比較できない」
- 重みを正規化(合計1にする)すると解釈しやすくなりますが、順位そのものは全ての重みを同じ定数で掛けても変わらないため、必須ではありません。
- 「尺度が異なる項目でもそのまま足してよい」
- スコアの尺度が異なると不適切なので、事前に正規化や標準化が必要です。本問は同一尺度の点数で与えられているため問題ありません。
補足コラム
- 方向合わせの重要性:評価項目によって「値が小さいほど良い(コスト等)」場合は、評価点を逆転(例えば や 等)して“高いほど良い”の方向に揃える必要があります。本問の「導入費用の安さ」は既に“高いほど良い”として与えられています。
- 感度分析の勧め:重みの設定は主観が入りやすいため、重みを変えて順位がどの程度変動するかを確認する感度分析(シナリオ分析)は実務で有用です。AHPやTOPSISなど、加重和法以外の手法も比較検討すると理解が深まります。
FAQ
Q1: 重みは必ず合計を1にしてから計算すべきですか?
A1: 解釈の面では合計1に正規化するのが望ましいですが、順位比較自体は重みを定数倍しても変わらないため必須ではありません。
A1: 解釈の面では合計1に正規化するのが望ましいですが、順位比較自体は重みを定数倍しても変わらないため必須ではありません。
Q2: 評価点の尺度が異なるときはどうすればいいですか?
A2: 各項目を同一尺度に正規化(例:0〜1へ線形変換)するか、標準スコアに変換してから重み付けしてください。尺度が違うまま加重すると特定項目が不当に支配的になります。
A2: 各項目を同一尺度に正規化(例:0〜1へ線形変換)するか、標準スコアに変換してから重み付けしてください。尺度が違うまま加重すると特定項目が不当に支配的になります。
Q3: 低い点数に大きな重みを掛けると必ず悪影響がありますか?
A3: 低い点数でも重みが大きければ総合評価へ大きく寄与し得ますが、他の項目の得点や他製品との比較結果次第では順位が変わらないこともあります。従って影響は「場合による」と考えるのが正確です。
A3: 低い点数でも重みが大きければ総合評価へ大きく寄与し得ますが、他の項目の得点や他製品との比較結果次第では順位が変わらないこともあります。従って影響は「場合による」と考えるのが正確です。
関連キーワード: 多基準意思決定、加重和法、重み付け、評価尺度、感度分析

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