応用情報技術者 2022年 春期 午前2 問65
問題文
非機能要件の使用性に該当するものはどれか。
選択肢
ア:4時間以内のトレーニングを受けることで、新しい画面を操作できるようになること(正解)
イ:業務量がピークの日であっても、8時間以内で夜間バッチ処理を完了できること
ウ:現行のシステムから新システムに 72時間以内で移行できること
エ:地震などの大規模災害時であっても、144 時間以内にシステムを復旧できること
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使用性(ユーザビリティ)【午前2解説】
正解の理由
選択肢のうち、利用者が「どれだけ使いやすいか」「どれだけ早く習得できるか」を表すのは、アの「4時間以内のトレーニングで新しい画面を操作できるようになること」です。非機能要件の「使用性(usability)」には学習性(learnability)、操作性(operability)、理解しやすさなどが含まれ、トレーニング時間で測れる「習得しやすさ」は典型的な使用性指標です。したがって ア が該当します。
解法ステップ
- 設問のキーワードを把握する:「使用性(ユーザビリティ)」が問われていると仮定する。
- 各選択肢の主旨を短く要約する:
- ア:学習・習得時間(トレーニングで操作可能)
- イ:処理時間(バッチ完了時間)
- ウ:移行期間(システム切替時間)
- エ:復旧時間(災害時の復旧目標)
- 非機能品質の分類と照合する:学習性→使用性、処理時間→性能効率、移行→移行性/保守性、復旧→可用性/回復性。
- 一致するものを選ぶ:学習性に直接対応するのはア。
選択肢別の誤答解説
- ア:正答。ユーザが短時間で使えるようになるという「学習性(learnability)」を示し、使用性の典型的指標です。
- イ:誤り。夜間バッチ処理が8時間以内で終わるという要件は「処理性能」や「性能効率(performance efficiency)」に該当します。応答時間やスループット、資源利用率など性能に関する非機能要件です。
- ウ:誤り。現行システムから新システムへの移行時間は「移行性(移行容易性)」や「運用性/保守性」に関係します。展開・導入の容易さや移行作業の可否を示す要素で、使用性とは別です。
- エ:誤り。大規模災害後の「144時間以内に復旧」はRTO(復旧時間目標)に相当し、「可用性」や「回復性(resilience/recoverability)」の評価指標です。
よくある誤解
- 非機能要件=すべてシステム内部の性能指標、と思い込む誤解:使用性はユーザ視点の品質であり、「ユーザが操作できるか」を示す要件も非機能要件に含まれます。
- 時間が出てくるとすべて可用性や性能に見える:学習時間(習得)と処理時間(バッチ完了)や復旧時間は意味合いが異なります。文脈(誰に、何のための時間か)で分類すること。
補足コラム
国際的なソフトウェア品質モデル(例:ISO/IEC 25010)では、非機能品質は複数の特性に分かれます。主要なものの一例:使用性(usability:学習性、操作性、満足度)、性能効率(performance)、可用性/回復性(availability/recoverability)、保守性(maintainability)、移植性(portability)など。試験問題は設問で示される「誰が」「何を」基に、どの品質特性かを素早く判定する力を試します。使用性の下位特性として「学習性」が出題されることが多いため、トレーニング時間や初回操作の容易さといった記述は即座に使用性と結びつけましょう。
FAQ
Q: トレーニングに時間がかかるのは機能要件ではないですか?
A: トレーニングの長さ自体は機能ではなく「使いやすさ(非機能)」に関する要求です。機能要件は「何ができるか」を定義しますが、使用性は「どの程度使いやすいか」を定義します。
A: トレーニングの長さ自体は機能ではなく「使いやすさ(非機能)」に関する要求です。機能要件は「何ができるか」を定義しますが、使用性は「どの程度使いやすいか」を定義します。
Q: 「復旧時間」や「バッチ完了時間」も『時間』という点で似ているが、見分け方は?
A: 「誰のための時間か」を考えます。ユーザの操作習得に関する時間→使用性。システム処理の所要時間→性能効率。災害後にサービスを回復するまでの時間→可用性/回復性。
A: 「誰のための時間か」を考えます。ユーザの操作習得に関する時間→使用性。システム処理の所要時間→性能効率。災害後にサービスを回復するまでの時間→可用性/回復性。
Q: 「移行できる時間(72時間)」は保守性ですか?
A: 主に「移行性(展開のしやすさ)」や運用上の要件に関係します。保守性(保守容易性)とも関連しますが、使用性ではありません。
A: 主に「移行性(展開のしやすさ)」や運用上の要件に関係します。保守性(保守容易性)とも関連しますが、使用性ではありません。
関連キーワード: 使用性、ユーザビリティ、学習性、性能効率、可用性、回復時間、移行性、RTO

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