応用情報技術者 2023年 春期 午前2 問55
問題文
JIS Q 20000-1:2020(サービスマネジメントシステム要求事項)によれば、サービスマネジメントシステム(SMS)における継続的改善の説明はどれか。
選択肢
ア:意図した結果を得るためにインプットを使用する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動
イ:価値を提供するため、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する、一連の能力及びプロセス
ウ:サービスを中断なしに、又は合意した可用性を一貫して提供する能力
エ:パフォーマンスを向上するために繰り返し行われる活動(正解)
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継続的改善【午前2解説】
正解の理由
JIS Q 20000-1:2020 における「継続的改善」は、組織のパフォーマンスやサービスの品質を高めるために「繰り返し行われる活動」を指します。選択肢の中でこの記述に最も一致するのは エ の「パフォーマンスを向上するために繰り返し行われる活動」であり、継続的改善の核心(繰り返し・改善目的)が端的に表現されています。ISO 系標準では継続的改善を、PDCA(Plan→Do→Check→Act)等のサイクルを繰り返すことで達成するプロセス群として扱っており、単発の改善や一要素ではなく反復による改善活動全体を意味します。
解法ステップ
- 問題文で問われている概念「継続的改善」に注目する。
- 各選択肢のキーワードを比較する。「繰り返し」「パフォーマンスを向上」などの語があるかを確認。
- 定義との一致度を評価する。継続的改善は「繰り返す活動」であり、目的は「パフォーマンス改善」であるため、該当する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:これは「プロセス(process)」の定義に相当します。プロセスは「インプットを使って意図した結果を得る、一連の相互に関連・相互作用する活動」を指し、継続的改善そのものの定義ではありません。
- イ:サービスの計画、設計、移行、提供および改善を行う「サービスマネジメント」やその能力・プロセスを説明する文言に近いです。SMS(Service Management System)自体やサービスマネジメントの説明であり、継続的改善の狭義の定義とは異なります。
- ウ:これは「可用性(availability)」やサービスの継続的提供能力に関する説明に該当します。「中断なく/合意した可用性で提供する能力」は可用性の概念であり、改善活動の定義ではありません。
- エ:継続的改善が「繰り返し行われる活動」であること、目的が「パフォーマンス向上」であることを直接的に示しており、JIS Q 20000-1 の定義と一致します。
よくある誤解
- 継続的改善をPDCAの「Act」だけと誤解することがあるが、正しくは PDCA サイクル全体を反復することで継続的改善が実現される。つまり Plan→Do→Check→Act を繰り返すこと自体が継続的改善である。
- 「継続的改善」と「サービスの継続提供(可用性)」を混同する。前者は改善活動の反復、後者はサービスが途切れず提供される能力の話で目的も評価指標も異なる。
- 「改善=変更管理」と捉える誤り。改善活動には変更管理を伴うことが多いが、改善は分析・評価・小さな調整・学習など広範な活動を含む概念であり、必ずしも全てが変更の実行に直結するわけではない。
補足コラム
継続的改善を実務で運用する際のポイント
- 指標(KPI)を定めて効果を測定する:例)平均復旧時間(MTTR)、顧客満足度(CSAT)、サービスレベル達成率など。
- PDCA を回す具体例:Plan(問題抽出・目標設定)、Do(対策実行)、Check(効果測定)、Act(標準化/次サイクルへ反映)。この一連を短い周期で回すと学習と改善が加速します。
- 小さな改善の積み重ね(カイゼン)を重視する:大規模変更だけでなく、日常的な小改善の反復が継続的改善の本質です。
短い実例:
- 問題:インシデント対応時間が長い → Plan:原因分析と目標設定、Do:対応手順のテンプレ化、Check:対応時間の比較測定、Act:テンプレートをマニュアル化して運用へ反映。これを繰り返して改善する。
FAQ
Q1. 継続的改善とPDCAの関係は何ですか?
A1. 継続的改善はPDCAサイクルを反復することによって達成されます。PDCA各段階の実行とその繰り返しが改善の実体です。
Q2. 「改善」と「変更管理」はどう区別すべきですか?
A2. 改善は目的(パフォーマンス向上)に向けた一連の活動全体を指し、変更管理はその中で必要な構成や設定の変更を安全に実行するためのプロセスです。改善が必ず変更を伴うとは限りません。
Q3. 試験で見分けるコツは?
A3. キーワードに注目すること。「繰り返し」「継続的」「改善」「パフォーマンス向上」などがあれば継続的改善の定義を疑う。逆に「インプット」「アウトプット」「一連の活動」はプロセスの指摘です。
関連キーワード: PDCA、継続的改善、サービスマネジメント、プロセス定義、可用性、改善活動、KPI、JIS Q 20000-1

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