基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問71
問題文
TLO (Technology Licensing Organization)法に基づき、承認又は認定された事業者の役割として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:企業からの委託研究、又は共同研究を受け入れる窓口として、企業と大学との調整を行う。
イ:研究者からの応募に基づき、補助金を支給して先進的な研究を発展させる。
ウ:大学の研究成果を特許化し、又は企業への技術移転を支援し、産学の仲介役を果たす。(正解)
エ:民間企業が保有する休眠特許を発掘し、他企業にライセンスして活用を図る。
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技術移転と特許化支援【午前解説】
正解の理由
ウが正解です。TLO(Technology Licensing Organization)は、大学や研究機関の研究成果を特許出願などで権利化し、企業への技術移転・ライセンス供与を支援することを主要な役割としています。TLO法の趣旨は、研究成果を実用化・事業化させるために、知的財産の管理と産学連携の仲介を行う認定事業者を位置づける点にあります。したがって「大学の研究成果を特許化し、又は企業への技術移転を支援し、産学の仲介役を果たす。」という記述がTLOの業務内容に合致します。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「TLO」「承認又は認定された事業者」「役割」を確認する。
- TLO(技術移転組織)の基本機能:権利化(特許化)、ライセンス、技術移転支援を思い出す。
- 各選択肢と照合し、TLOの業務(知財の権利化・仲介・ライセンス)に合致するものを探す。
- 委託研究の調整、補助金支給、民間の休眠特許発掘などは別の主体(大学の契約部門、研究助成機関、特許ブローカー)を想定するため除外する。
- 最終的に最も一致する選択肢を選ぶ(ウが一致)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 企業からの委託研究や共同研究の窓口調整は大学の研究支援部門や産学連携担当が担うことが多く、TLOの本義とは異なります。
- イ: 研究者への補助金支給は科研費や研究助成機関(例: 政府系助成機関)が行うもので、TLOの役割ではありません。
- ウ: 大学の研究成果を特許化し、又は企業への技術移転を支援し、産学の仲介役を果たす。
- 合致する点:知財の権利化、ライセンス供与、企業紹介など、TLO法が想定する主要業務に該当します。
- エ: 民間企業の休眠特許を発掘して他社にライセンスする活動は特許流通や特許運用を行う民間の事業体が行うことが多く、TLOの主な対象は大学等の研究成果です。
よくある誤解
- TLOは研究費を支給する組織だと誤解するケースがありますが、資金交付ではなく知財管理・技術移転が主な業務です。
- 大学内の研究窓口(契約窓口)と混同し、企業との委託研究の調整がTLOの主目的と考える誤りがあります。TLOは成果の権利化と移転支援が中心です。
- 休眠特許の発掘・売買だけを行う「特許ブローカー」と同一視するのも誤りで、TLOは学術成果の事業化支援が主眼です。
補足コラム
TLOは日本において大学等の研究成果を社会還元するための仕組みとして導入されました。米国のBayh-Dole法により大学発の技術移転が促進されたのと似た発想で、日本でも国立大学や研究機関の知的財産を制度的に事業化するための枠組みが整備されました。近年は多くの大学が内部にTTO(Technology Transfer Office)を設けるか、外部の認定TLOと連携して研究成果の実用化を図っています。TLOは特許出願・権利化の支援、ライセンス交渉、技術説明・マッチング、場合によってはスピンオフ支援まで関与しますが、研究資金の直接交付は基本的に行いません。
FAQ
Q1: TLOとTTOは同じですか?
A1: 目的は類似しますが、TTOは大学内部の技術移転窓口であることが多く、TLOは承認・認定を受けた独立した事業者や組織を指す場合があります。実務上の役割は重なることもあります。
A1: 目的は類似しますが、TTOは大学内部の技術移転窓口であることが多く、TLOは承認・認定を受けた独立した事業者や組織を指す場合があります。実務上の役割は重なることもあります。
Q2: TLOは研究費を出しますか?
A2: 基本的には出しません。TLOの主業務は知財の権利化と技術移転・ライセンスの仲介です。研究資金は助成機関や企業が提供します。
A2: 基本的には出しません。TLOの主業務は知財の権利化と技術移転・ライセンスの仲介です。研究資金は助成機関や企業が提供します。
Q3: 企業の休眠特許もTLOが扱うことはありますか?
A3: 完全に否定はできませんが、TLOの主目的は大学等の研究成果の実用化であり、休眠特許の発掘・流通は別の専門業者が担うことが多いです。
A3: 完全に否定はできませんが、TLOの主目的は大学等の研究成果の実用化であり、休眠特許の発掘・流通は別の専門業者が担うことが多いです。
関連キーワード: TLO法、技術移転、知的財産、特許化、ライセンス、産学連携、TTO、特許運用、知財管理

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