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基本情報技術者 2010年 秋期 午前(科目A)54


問題文

リスク識別に使用する技法の一つであるデルファイ法の説明はどれか。

選択肢

確率分布を使用したシミュレーションを行う。
過去の情報や知識を基にして、あらかじめ想定されるリスクをチェックリストにまとめておき、チェックリストと照らし合わせることでリスクを識別する。
何人かが集まって、他人のアイディアを批判することなく、自由に多くのアイディアを出し合う。
複数の専門家から得られた匿名の見解を要約して、再配布することを何度か繰り返して収束させる。(正解)

##: リスク識別におけるデルファイ法の説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:デルファイ法は匿名の専門家意見を繰り返し集約し、段階的に合意へ導くリスク識別技法です。
  • 根拠:複数回の要約と再配布を繰り返すことで、個別の影響を減らし意見が収束する仕組みです。
  • 差がつくポイント:匿名性と反復が本質で、公開討論やシミュレーション・チェックリストと目的や手法が明確に異なります。

正解の理由

正解:
デルファイ法は、複数の専門家から匿名で見解を収集し、その結果を要約して参加者に再配布するというサイクルを何度か繰り返し、意見を収束(合意形成)させる手法です。選択肢エの記述はこの流れを正確に表しているため正解です。

よくある誤解

  • デルファイ法=単なるアンケートだと考える誤解:反復によるフィードバックと要約が不可欠で、単回のアンケートとは目的が違います。
  • 匿名性は形式だけのものと勘違いする:匿名性があることで権威や集団圧力の影響を排し、率直な意見を引き出せます。
  • 反復すれば必ず正しい結論に到達すると思う誤解:合意は得られても専門家の共通誤認が残る場合があり、外部検証が必要です。

解法ステップ

  1. 設問のキーワードを確認:「匿名」「再配布」「何度か繰り返して収束」がデルファイの特徴。
  2. 各選択肢の手法を短くラベル付けする(モンテカルロ=シミュレーション、チェックリスト、ブレインストーミング、デルファイ)。
  3. ラベルと設問の特徴を照合し、デルファイに一致する選択肢を選択する。
  4. 正解を選んだら、なぜ他が違うかを一文で確認して誤答を排除する。

選択肢別の誤答解説

  • ア:確率分布を使用したシミュレーションを行う。
    → これはモンテカルロシミュレーション等の確率論的手法を指します。デルファイではありません。
  • イ:チェックリストと照らし合わせることで識別する。
    → これはチェックリスト法(過去の知見を活用)で、事前想定に基づく識別手法です。デルファイの反復匿名収集とは異なります。
  • ウ:他人のアイディアを批判せずに自由に出し合う。
    → これはブレインストーミングの説明です。直接対面での自由討議を前提とし、匿名・反復とは違います。
  • エ:複数の専門家から得られた匿名の見解を要約して、再配布することを何度か繰り返して収束させる。
    → これがデルファイ法の定義であり、正解です。

補足コラム

デルファイ法はもともと将来予測や技術予測で使われてきた手法で、リスク識別では専門知識が分散している領域や利害対立がある場面で有効です。一般には匿名アンケート→要約フィードバック→再評価の繰り返し(2〜4ラウンドが多い)で実施します。修正版(Modified Delphi)は、最初のラウンドをグループインタビューや既存データで置き換えるなど実務上の工夫があります。コストと時間がかかるため、迅速に答えが必要な場合や専門家が少ない場合は別手法を検討します。

FAQ

Q1: デルファイ法は何ラウンド行えば良いですか?
A1: 明確な最適解はありませんが、実務では2〜4ラウンド程度で収束を確認することが多いです。収束基準を事前に決めておくと良いです。
Q2: 匿名性は必須ですか?
A2: 完全匿名が望ましいです。匿名によって権威効果やグループシフトを抑え、より独立した判断を得られます。
Q3: デルファイと名目集団法(Nominal Group Technique)の違いは?
A3: 名目集団法は直接対面で順に発言・評価し、その場で議論して優先順位を決める一方、デルファイは匿名で反復的に意見を集約します。
Q4: リスク識別以外ではどんな場面で有効ですか?
A4: 将来予測、技術トレンド予測、政策提言、複数専門領域にまたがる評価など、専門家知見が鍵を握る分野で有効です。

関連キーワード: デルファイ法、リスク識別、専門家調査、匿名アンケート、合意形成、チェックリスト法、ブレインストーミング、モンテカルロシミュレーション、名目集団法、リスク管理
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